vol.210 モザンビークからレポートvol.4

Vol.4 Nampulaに行ってきました!生活編

 

北部ナンプラ州MalemaとRibáuèという地域に行ってきました。モザンビークの中でも一番農業生産率が高いのに、一番低栄養の割合が高い地域です。主食のとうもろこしやおかずに欠かせないピーナツ、野菜、果物など、何でも揃っているのに、、、彼らが一体どういう生活をしているのか、視察の出張となりました。

 

ナンプラの州都ナンプラに着いた瞬間、目の前に山が連なり、少し日差しが強いけれど、とても気持ちのいい空気を感じました。イスラム教徒が多いせいか、異国情緒漂う感じを目で楽しむのも束の間。すぐに大自然の中へ!
時速100キロでとばせるような主要道路の脇道ですら、子どもも女性も頭にたくさんのものを抱えて歩く人が沢山います。どこまで行くの?いつ着くの?と思うくらい、周りには畑しか見当たりません。一本脇道にそれると、様々なコミュニティに続く道があったのですが、家の周りはあたり一面畑というべきか、畑の中に家があるというべきか分からないほど、永遠と豆やキャッサバなどに囲まれた未舗装の道を進みます。学校?行かなくていいかも。そう思うくらいコミュニティとコミュニティの間を遠く感じました。
実際車が通ることは珍しいようで、どの旅路にも嬉しそうに駆け寄り、顔の色が違う私を見るなりお化けにでも会ったかのように目をキョトンとさせる子ども達。可愛かったです!そうして到着してみると、沢山の人が集まって歌やダンスで歓迎してくれたり、ピタッと密着しても溢れかえるくらいの人が茅葺き屋根の集会所に集まってくれたり、とにかく、一つの家族のようにコミュニティ内の人と人との距離が近いように感じました。
私の主な使命の一つが低栄養の改善なので、農作物、食習慣、家計など様々な質問をさせてもらいました。「1年間どこにも行かなくても生きていけるんだよ。」と豪語するコミュニティもあれば、食べ物がなくなる時期があって、そんな時はお隣さんの畑で働いて、その日の夕飯を分けてもらうというコミュニティもありました。一番の驚きは1か月に4人で60〜80kgものとうもろこしの粉を消費すると言うこと。毎日1人で米4合食べるくらいの量、まるで宮沢賢治の世界です。
そんな会話の中で、ある女性がさらりと言ったのです。「動物は販売用だから、自分たちが食べることはあまりない。お金がなくなると動物を売って、そのお金でまた販売用の動物の雛を買う。そのお金もなくなると子どもを売る」と。テレビ番組を見ているかと思いました。私には事実も、真実もさっぱり分からないままだけれども、誰が自分の親か分からないくらい、温かいコミュニテイの中で育つならば、早いうちに許嫁が決まっているだけのことかも。そんな風に思える会話の一片でした。
「そこに暮さなければ、何が幸せか分からない。」と柔らかな感覚を覚えたし、夕日が目の前で美しく輝き、家を含めた多くの物が自然に帰る素材でできているのを見て、彼らの自然と一体化した暮らしを羨ましく思ったりもしたのでした。