「人間は慣れる生き物」の意味を考えてみたいと思います。「人はどんなことにでも慣れられる存在だ」とは、ロシア人作家のドストエフスキーの名言の一つです。 生きていくためにどんな過酷な環境であっても慣れるようにできていると。それは生存本能かもしれませんね。
でも、いま当たり前のように得られていること、例えば「戦争のない日本」。
世界のあちこちで紛争が絶えない実情を踏まえると、日本は平和です。
質問- ① 軍隊をなくした国はどこですか?
答え-「世界に戦力不保持を憲法に明文化した国が2つありますが、さて、それはどことどこの国でしょうか? 1つは日本。 そしてもう1つは中米の国コスタリカです。 コスタリカでは憲法により軍隊がありません。
質問- ② 世界一戦争をしない国は何か国?
それはどこですか?
答え-8か国 。アイスランド、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、ブータン、 日本の8か国です。 日本のようにこの79年間戦争をせず、平和を維持してきた国は世界196か 国(国連未加盟国を含む)の中でもきわめて限定されています。
質問-③世界が平和にならない理由は何ですか?
答え-世界が平和にならない理由には、利害や歴史的な対立、宗教の違い、貧困と格差、政治的な不安定、さらには国際協力の不足といった要因が影響しています。 そして、世界各地で紛争や内戦、テロ、暴動などが起こり、多くの被害者や難民を出しています。 これらを解決するには、世界各国で協力し解決に向けて取り組むことが必要です。
質問-④日本の平和指数、世界で何位?
答え-世界平和度指数ランキング2024年、日本は9位から17位にランクダウン「軍事化の影響」。首位は17年連続で北欧の島国。 日本の評価は、世界平和度指数ランキングが始まって以来“最も悪化した”結果に。
質問-⑤平和を一言で言うと何ですか?
答え-争いや戦争がないこと。 差別をせず、違いを認め合うこと。 悪口を言ったり、けんかをしたりせず、みんなが笑顔になれること。 身近なところにも、たくさんの平和があります。
質問- ⑥ 平和の具体例は?
答え-安心して学校へ行くこと、勉強すること、遊ぶこと、食べること。今、私たちが当たり前のように過ごしているこうした日常も「平和」なのです。世界中のどこの国も「平和」であるために、今必要なことは、自分の考えを伝えること、 相手の考えを受け入れること、つまりお互いの心を開くことです。人間は言葉をもっていますから「対話」ができるはず。
私たちにとって「当たり前」が「慣れ」となってしまうと、感謝もありがたみも薄れていくのではないでしょうか。そして、慣れは思考停止を引き起こしてしまいます。
思考停止とは、どういう状態か調べてみると、
自分の頭で考えることをやめてしまった状態のこと。 自分で「思うこと」「考えること」を放棄してしまい、新しいアイディア出しや自分での判断ができない状態のことを指します。 特徴としては、受け身で指示を待つ人、ルールや周りの意見を鵜呑みにして自分の考えを出さない人などが挙げられます。
「思考停止」をしてしまう主な原因として、「現状のままでいいという考え方」「前例主義」「ストレスを抱えている」ことなどが考えられます。 職場や家庭などで毎日同じことの繰り返しをしていると、だんだんと無気力になり、「思考停止」状態になることも。 何も考えずに毎日決まったことだけをこなすのに慣れると「いつかやらなくちゃ」と思っていても、実際に何もできないまま年月だけが経過してしまうようになってしまう。
そこで、前述した「日本は平和」でいられるのは、やっぱり憲法9条があるから、だと思うんです。ウクライナのゼレンスキー大統領が各国に援助を求めるときに、下段のような発言をされたことを受けると、日本国憲法9条は平和憲法と位置付けられ、世界にも認識されていることを裏付けていますね。
(2023年11月3日「平和のつどい」にらめっこ218号掲載)
よく「憲法9条は理想論で、他国が侵略してきたときに防衛できないのは独立国とは言えない」という意見を聞きます。それは、「戦争」と「他国の侵略行為に対する防衛」を混同した意見です。国際法では、防衛のための武力行使を戦争とは言いません。相手国に対して、宣戦布告をして武力行使をおこなう行為が戦争であり、その手続きを取らない武力による侵略行為は、国際法上、戦勝国としてその権利を主張することも許されておりません。と同時に、他国の侵略行為に対しておこなう防衛を「戦争」とは規定しません。
もし、他国が日本の国土を侵略し、その戦力で日本国民を傷つける行為をおこなったとしたら、日本は防衛する権利を国際法上、当然のことですが、持っています。
そして実際に、防衛する能力もすでに十二分に持っているのです。現在、 自衛隊が保有している防衛力は、機器、人員、予算共に、世界の中でも決して小さいものではありません。
国の交戦権とは、相手国に宣戦布告をおこない、国の意思で戦争を開始することを意味しています。かつての日本がおこなった「自国が仕掛ける戦争」です。これを憲法9上は放棄しているというのが、いままでの日本政府の考えでした。
ところが、自民党の改憲草案をみると「戦争放棄」が「安全保障」に変わっています。安全保障には、「他国からの防衛」という意味合いがあります。
国際紛争解決の手段としては「永久に放棄する」というきっ
ぱりした宣言から、「用いない」というあっさりした表現になっているのが引っかかります。
問題は第2項。「戦力の不保持」「国の交戦権は認めない」と言う部分が削除され、自衛権は発動できることをわざわざ断っています。
現憲法のもとで、自衛隊は合憲か意見か、論じられることがありますが、存在の是非論は少し置いといて、その戦力を他国に向けたことはこれまでありません。実際、歴代の
内閣が、日本国憲法は「個別的自衛権(自国が攻撃されたときには反撃できる)」は認めるが、「集団的自衛権(同盟国が攻撃されたときには共に反撃できる)」は認めないと解釈してきました。ところが、安倍内閣で「日本国憲法は『集団的自衛権』と認める」という解釈変更を閣議決定したのです。(2014/7/1)のちに、この時の検討経緯を記録した公文書が残されていないことがわかり、問題になっています。
さらに、岸田内閣では国家安全保障戦略(NSS)など安保関連3文書を閣議決定した。NSSは安保環境が「戦後最も厳しい」とし、相手の領域内を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」との名称で保有すると明記。2023年度から5年間の防衛費を現行計画の1・5倍以上となる43兆円とすることなどを盛り込んだ。憲法に基づいて専守防衛に徹し、軍事大国とはならないとした戦後日本の防衛政策は、大きく転換することになった。(朝日デジタルより)
国防軍って何でしょうか?
「軍」というからには、戦争をするための軍隊ですよね。この際、「軍隊」という位置付けに変えてしまおうというのが、自民党の狙いです。この条項では、国防軍が具体的にどういうことをするのかが見えてきません。自民党は、その時の情勢によって政府が武力行使の内容を決められるように、憲法を変えてしまいたい、ということなのだと思います。
望月さん:広島サミットに行ったとき、ウクライナのゼレンスキー大統領が最終日の前日に来日。広島放送局の若手男性記者が、「武器の話が出たけど今回、平和の都市広島で、平和資料館をご覧になられたときに、貴方は何を感じたのか」と、「武器ではなく平和な対話による解決ということをどう思われるか」と踏み込んだ問いをした。ゼレンスキー大統領は、対話による解決には言及しなかったが、彼ははっきり「いま日本に武器による支援は全く求めていません」と答えたことから始まって、「いつか自分たちの街も平和の都市広島のように生まれ変われると思っている。僕は軍事支援を日本に求めません」と明確に言った。日本の国民が聞いているだろう「広島サミット」の場で武器の支援を!とは言わなかった。
ゼレンスキー大統領は「日本は9条を守り続けている国民がいる国だ」と思っている。海外の首脳陣が見たときに「9条を持って、それを掲げている日本という国は、平和を守り続けたいという国である。だから武器輸出とかいう支援を求める国ではない」ということを知られていることは、すごく大きいことだと感じた。
9条を骨抜きにしようとする動きは進んでいる。だけど、9条の理念があるおかげで76年以上直接的に戦争しないですんだ国であって、その中に私もいたんだと思うと、守りつづけなければいけないと感じました。