183号 (2018.5&6)」カテゴリーアーカイブ

vol.183 環境特集Part-1 森・川・海 つながるいのち

私を自然と呼ぶ人もいる
私を母なる自然と呼ぶ人もいる
私は45億年以上も昔からここに存在している
あなたたち人間よりも2万2,500倍も昔から
人間がいなくても私は困らない
でも人間は私が必要
そうあなたたちの未来は私しだい
私が繁栄すれば あなたたちも繁栄する
私が壊れれば あなたたちも壊れる
さらに悪いことも
でも私は太古の昔からここに存在している
私はあなたたちより大きい
そして私は多くの生き物たちを飢えさせてきた
私の海
私の大地
絶え間なく流れる私の川
私の森
みんなあなたたちを受けいれてあげられる
でも見放すことだってできる
どのような生き方をあなたが選ぼうが
私のことを考えてくれようがくれまいが
どちらでも構わない
あなたたちの行動が あなたたちの運命を決める
私が決めるのではない
私は自然私の営みは続く
私は進化する覚悟ができている
あなたたちにはその覚悟があるのかしら?
NATURE DOSEN’T NEED PEOPLE
自然は人間を必要としない
PEOPLE NEED NATURE.
人間には自然が必要
ジュリア・ロバーツ/ Nature Is Speaking
「母なる自然 / Mother Nature」

森と川と海はつながっている。では森と人、川と人、海と人がどんな関わりを持っているのか、思いを馳せたり、考えたことがあるだろうか。180号の「平和特集」で、映画「カンタ!ティモール」の監督が、東ティモールの人とあいさつを交わすときに、「あなたの山の名前は?」と聞かれるとか。私たちの暮らしを支えてくれる「水」の出所。その山に感謝して暮らすのがあたりまえという文化。
私たちは水道から飲み水に適した水がいつでも出ることに、慣れてしまった。自然の恵みに感謝する気持ちを忘れないでおこう。森や川や海が元気でないと、私たちはその恩恵を受けられない。
NATURE DOSEN’T NEED PEOPLE
自然は人間を必要としない
PEOPLE NEED NATURE. 人間には自然が必要


萩原・ナバ・裕作さん

森と人をつなぐ
森には人間に必要なものがすべてそろっている。木々は家や家具、燃料となり、また、きのこや動物(肉)を育て、朽ちては肥料に。植物や木の実は人や動物の食料に…。森や里山はわたしたちの衣食住をまかなってきました。
ところが今、私たちの生活では手間を省くことが注目され、時短などがもてはやされています。手間を手放した分、森と人のつながりがなくなってきました。大事にしなくなり、気にしなくなってきた。さらに生活にかかわらなくなって森からどんどん遠ざかってしまった。子どもたちにはせめて、庭木に登ったり、垣根の根っこに潜るだけでもしてほしいです。子どもたちにとってはこれも「森」なんです。身近なところからまず「木に触れてほしい」とナバさん。(写真)
昔はちゃんと上手に木を育て、木を切るときにはお祓いなどをして、木を敬うことを忘れなかったんですね。でもその後、木がお金に見える時代がありました。お金のために次々と植林したものの、木材価格下落が原因で放棄されるようになったんです。そして、昔の人は木の性質もよく知っていて、それは伝統工芸とか曲げわっぱなどに活かされてきたのですが、職人さんが減ってきて、伝承していけるかどうか心配です。

里山の環境が気になります。
便利を覚えると元に戻れない。それは動物だって同じ。暮らしのために毎日森を活用しなくなって、人里との境界線がわかりにくくなりました。そうするうちにだんだん人里に降りてきて、ついに見つけた!食べ物がずらっと並んでいる!!しかもおいしい、となれば、もうその味を覚え何度もやってくるのは、当然の成り行き。来るな!と追い払っても、来る!しかし原因を作ったのは人間の方。甚大な被害に泣く前に、なぜ動物が人里に降りてくるのかという根本的な問題をとらえて対応しないとね。

森は”つくる、生み出す”場所、森とどうつながるか…今後の課題
きっかけ作りと継続的な活動が重要です。子どもに限らず、私たちも木というと木材となってからしか見ていないでしょ。まず生木に触れることだけでもいいから始めて欲しい。そしていろんな切り口で自然体験を積み重ねていく。「一本の木を切る」ということからでも算数、国語、理科、社会をはじめ全ての教科を学べますし、木工、染色、ライブ、アートがあったり、と木を絡めた学びの場はいっぱいあります。
そして遊び場としての森!森で暮らすとか、森の暗さを体験するとか。自分で確かめ、森の中に入っていくことをしてほしいです。頭の中だけでわかっていても、行動しにくいですし、感情を動かすのは体験です!
もう一つ、身近なビタミンN(Nature=自然)を取り入れることが大事。岐阜県は約80% が森林。他県を突出しています。気が向けばハイキングをしたり、自然を楽しんだりできる環境で恵まれています。出かけるのがおっくうだったら、公園や自宅の庭の木でも、とにかく触ってみて欲しい。そこからスタートしましょう。

はぎわら・なば・ゆうさく● 岐阜県立森林文化アカデミー准教授。自由な遊び&自由な学び 環境教育 インタープリテーション。「森と子どもをつなぎたい」「遊びと学びをつなぎたい」「自由と責任をつなぎたい」と思い、アカデミー内にプレーパークや森のようちえんといった実践現場を設け、毎日子どもたちから教わっています。2009年、野外自主保育「森のだんごむし」設立、2012年「みのプレーパーク」設立の仕掛け人。


長屋泰郎さん

自然の中に人工物が立ちはだかると生態系が狂う
川といっても上流、中流、河口と条件は違うけれど、生活排水の影響は、昔とくらべるとそんなに影響はあまりないと感じるよ。汚水処理場ができてから、キレイにしてから河川に流す仕組みになったからね、そのちからは大きい。それに、そこに生息する魚が水を浄化してくれている。でも、その魚も少なくなった。それよりも、河口堰だなぁ。あれができたおかげで、カワウが板取川上流まで上ってくるようになった。エサを求めて上流にやってくるんだ。鮎釣りのシーズン前に漁場に稚鮎を放流すると、すごい勢いで食べてしまう。カワウはグループで漁をする、賢いんです。鮎釣りシーズンになっても、成長した鮎の個体数が少なくて・・・。カワウの駆除に悩みが尽きない。生態系に狂いが生じた証拠だね。

にしても、川ガキがいなくなったよなぁ。小さいころから川で遊ぶっていうこと、しなくなった。親のせいかな。あぶないとか、先回りして禁止してしまう・・・そういう世代が「あそこにダムができるってよ!」っといっても、ピンとこないんじゃないかな。俺らは、早かった。自分たちが慣れ親しんだ自然(板取川)の中にダムができる話が持ち上がったとき、「ダムができるって知っとるか!?」とみんなが騒ぎ始めた。そして直ぐに運動が始まった。若者も含め地元板取の有志で「大釜倶楽部」を作ってダムを考える会として自然は自然のままにと、啓蒙活動も始めた。運動は闘争に変わっていった。それこそ巨大マンモスに竹槍でつついていくような状態。それでも粘り強く反対運動をしたが、ダム工事は進み、正式な調印までされてしまった。だけど大釜倶楽部の運動の成果として、工事の引き延ばしまでこぎつけた。その間に世の中が変わったんだ。原発があちこちに建設され、状況が変わった。需要の低迷などもあり、2006年に中部電力は建設中止を発表した。
われわれはソフトにやんわりじりじりと攻めたよ。マスコミにも何度も足を運んでもらって、紙面や映像として取り上げたもらった。大規模なダムの建設が止まるってめずらしかった。結局、中電は300億円くらいをばらまいたね。いくらお金をばらまいても結局は人口が減って地域の活性化にはつながらなかった。
[ダムで活性化ではなく、自然で人を集めていくべき。多くの人に川浦渓谷の美しさを知ってもらい、守ることの大切さを感じて欲しい]当時、泰郎さんが語ったことば(岐阜新聞)

ハンタイ!!と声をあげる前に
川浦渓谷の案内人でもある泰郎さんは「こぶしをあげて声を荒げてダム建設反対!ってやるのは好きじゃねぇんだ。それより、この渓谷の美しさを体感した人が、自然は守らなきゃ、と口々に伝えてくれる。草の根的だけど、それが大事」と話す。川浦渓谷には貴重な動植物が発見されており、保全対策も懸念されている。特に険しい岩場の水がしみ出す急斜面で長野県が西限とされている希少種のビランジ(ナデシコ科)の群生地、高山性の食虫植物・ムシトリスミレ(タヌキモ科)の発見者はいずれも泰郎さん。中電が計画していた川浦水力発電所について「環境アセスメントにこの2種の花は入っていない。よく調べて保全して欲しい」と訴えた。また水のきれいな渓谷に生息するナガレタドガエルやナガレヒキガエルもいて、まさに生物多様性が認められる渓谷だ。手つかずの原生林は豊かな暮らしを私たちに与えてくれる。
暮らしの中に川があり、川で遊び、川の恵みを受けて育った泰郎さんと共に運動を続けてきた人たち。その川が、経済の仕組みで川らしさがなくなることだけは避けたかった。ひたすらに生まれ育った土地を愛し、川を愛した泰郎さん。
「まぁ、あれがオレの青春だったなぁ。」と最後にひと言、感慨深げにつぶやいたのが印象的だった。
ながややすろう 庭師のかたわら、炭焼き小屋を建てて趣味の炭を焼く。アーティチョークや竹など思いも付かないものを炭にして楽しんでいる。写真家でもあり生粋のナチュラリスト。板取在住。

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7月21日は海の日

地球の7割は海です。そして地球の酸素の70%は海から作りだされている事、ご存じでしたか?森林はCO2を吸収し、光合成をして酸素を作っていますが、海の中でも光合成は行われ、太陽の光が届く海面に近いところに住んでいる植物プランクトンや、海藻が光合成をして酸素を供給してくれています。
外から見ているだけでは、一見きれいに見える海も、近年、地球温暖化や、開発、環境汚染などによって、悲鳴を上げています。ほんの数10年前まで、キラキラしていた海中は、人間の便利な生活と引き換えになくなってしまいました。
自然は、簡単に壊れてしまいますが、再生するには何十年もかかります。生態系にはかかせないサンゴは90%が死滅。海のゆりかご、アマモも90%が消えました。サンゴの天敵であるオニヒトデも大量発生。そして、漂流ゴミの山!
今まで散々自然を壊してきた人間としての償いとして、昔のイキイキとした海を取り戻すために私達ができることはなんでしょう?海での遊びを通して、海の生き物たちのことを話題にしてみましょう。自然の恵みによって私達は生かされていることを教えてあげてください。
身近にできる具体的な事を3つ上げるとすれば……
① 自分で出したゴミはもちろん、周りに落ちているゴミも積極的に拾おう。拾ったゴミは持ち帰るか所定の場所に捨てましょう。
ゴミは、街から雨に流され→排水溝を通って→川→海へたどり着きます。
② 日焼け止めは、海を汚します!自然環境に優しいオーガニック系の日焼け止めを!もしくは、海に溶けないウオータープルーフのものを。
③ サンゴがある海で泳ぐ時は、サンゴに触らない。蹴らない。立たない。砂地か岩場で立ちましょう。
ひとりひとりの小さな心掛けが、美しい地球を作っていきます。
mama_koeより

お二人のお話を伺って、森・川・海、そして人。「つながるいのち」を感じました。そして、共通する、自然に対する畏敬の念。まずは、それぞれのフィールドに親しみ、自然は私たちの生活と深くかかわっていることをしっかりと意識し、毎日感謝の気持ちをもって暮らしたいと思います。次回は海のエキスパートにお話を伺います!(編集部)


vol.183 アウトドア特集 エコキャンプ


キャンプとは自然との共生。自然の恵みに感謝して同時に自然に配慮することもエコキャンプに繋がりますね。

● 工夫はキャンプのいのち
いろいろ「エコ」について考えると「してはいけない」方に目が向いて、楽しく感じられなくなってきそうです。でも、工夫することはとても楽しいもの。「今日はこれだけの薪で料理をしよう」とか「ゴミが少なくなる工夫をしよう」とか、そうやっていろいろ考えるのも楽しいものです。キャンプ用品の豪華さなどで競うのではなく、「エコ度」で周りと競い合って欲しいなと思います。

● フィールドに刺激を与え過ぎないようにすべし!!
キャンプ場といっても、そこには沢山の生き物が住んでいます。芝生等の植物、土の中には無数の微生物もいます。例えば、そういうところに熱いお湯を流してしまったり、焚火台を使わずに焚火をしてしまったら、そこに棲む生物は死んでしまいます。

● 食材をとことん使い倒す
ふだん、野菜の皮などどこまで剥いていますか?野菜の皮近くは美味しいところばかりで、捨てるところはほとんどないなあと思っています。農薬のことなど気になるところですが、しっかり洗えば食べられる部分は結構あります。野菜くずをできるだけ少なくするようにしましょう。

● マイ箸・マイ皿・マイコップを準備!
一番簡単なエコキャンプへの第一歩。割り箸や紙皿も毎回使用していると、ゴミも増えるしコストもかかってしまいますよ。

● ゴミは出さない、持ち込まない
人間は「ゴミをいつまでも持っていたくないものなのです」と前に心理学の先生から聞いたことがあります。キャンプ場で出るゴミを減らすことはエコな意識の大切な一歩です。

● 汚れは拭き取るべし!!
ご飯を食べ終わった後に食器を洗う。そのまま炊事場で水に流す前に一手間、拭き取りましょう。この一手間だけでも十分エコ(^^)

● 自然からの贈り物
春の山は生命力に満ちあふれ、宝の山に変わります。3月から6月にかけて、コゴミ、タラ、ウド、ワラビにフキノトウ、タケノコなどなど、多くの植物が顔を出しています。
食卓に春の山菜を使った一品を加えると、時間に追われる生活の中でも春を感じることができます。少し、食べることを意識して植物を眺めてみるとおもしろいですよ。
こんなふうに生活に豊かな時間を与えてくれる山菜ですが、ちょっと気を付けたいこともあります。
困ったことに、根こそぎ山菜を採っていってしまう人や、むやみやたらと山を荒らす人がいます。これでは宝の山から宝が消えていってしまいます。自分が食べきれないほど採ったりせず、ほかの人のため、来年のために少し配慮してほしいな…と思います。
そして、宝探しに夢中になっていると、山の中に迷い込んで遭難する恐れもあります。山に入る時はくれぐれもご注意を。

たんぽぽ・・・花は天ぷらや三杯酢和えに。葉はゆでて酢の物やごま和えに。

こごみ・・・灰汁がないので茹でてすぐに食べられる。天ぷらや和え物で。

● 無駄を出さずにエコ・バーベキュー
ムダを出さない、残さない、後かたづけをしっかりすることが「エコ」につながります。野外で過ごしやすくなったこの季節、エコバーベキューに挑戦してみましょう。炭に霧吹きで水をかけ炭全体の火の起こり具合を整えます。焼き始めは炭全体が灰をかぶり白くなってきてから。この時点で網をのせます。これより早くのせると、ススや煙が食材につき、臭みがついてしまいます。
ポイント
温度チェック方法=15cm上に手をかざして3秒間我慢できる熱さがベストです。
バーベキュー成功のカギ=火加減は水加減(スプレー)肉がケムリくさくなって失敗するのは、炭がキチンと起きていないから。火の扱いが肉のうまみを変えます。炭から出る遠赤外線をしっかり利用しましょう。

【炭】
ホームセンターなどで売っているものの多くは黒炭。白炭は堅く、備長炭など。
・黒炭:原材料 ナラ・クヌギ
目が粗く、着火が早い。温度は約500度。
維持時間1~2時間
・白炭:原材料 ウバメカシ・カシ
目が細かく、着火が遅い。 温度は約700度。 維持時間2~3時間


vol.183 カタコトの部屋 買い物は投票

お買い物は、外国産よりも国内産、遠方よりも地域のものを。農産物は、低農薬や無農薬の表示があればそちらを選びたいですね。
できるなら、生産者の方に直接「これは無農薬ですか?」と聞いて買えるのがベスト。
加工品は、パッケージの裏の成分表示をチェック。
“たくさんあって、安くて、簡単”を求めれば、
添加物や農薬などの心配が…。
買い物は投票。
なにを大切にして買うものを選ぶのか、
ちょっと意識してみませんか?

「買い物は投票」という言葉は、実は中学校の家庭科の教科書にも登場しています。開隆堂が発行している中学校の、技術・家庭の教科書には次のように書かれてあります。
「購入は投票行為 消費者が何かを購入することは、結果としてそれがよいという意思表示となり、さらにそれを提供している企業を選択したことになります。購入することは、自分の意見を表明する投票行為と似ています。票が多く集まった商品は、さらに生産されることになります。わたしたちの選択が、次にど のような商品がつくられるかに影響を与えます。どの商品を選択するか、よく考えて購入しましょう」

イラスト/消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワークH.Pより

あふれる情報の中から、[買う=投票する]のは、自分の判断。農薬はNG、添加物もできるかぎり避けたい、その気持ちを大切にしたいもの。ただ、圧倒的な情報量につい「この商品、いいかも」と手が伸びるのもわかります。反面、危険性をうながす情報もいっぱいあります。少量なら大丈夫と、食べ物を体に入れ体調不良になったとしたら?でも、努力すれば、いい商品を選ぶことはできます。そのためには普段から学ぶことが大事ですね。家族の健康を守るためにもしっかり学んでいきましょう!!

こだわりの生産者さんから直接買ってみました!
こんなところが気に入ってます!

子育てコミュニティtoco tocoさんのレポート
● 自然と調和していて、環境にも優しい育て方、考え方は、次世代にもつなげていってほしいです!育てている方の人柄もでていて、野菜も卵も鶏肉も、ものすごくパワフルで美味しいし、食べてげんきになるー!!(Mさん)
● 有機農家さん。鶏を広い場所で平飼いし、NOワクチンで育てています、その鶏の糞で有機肥料を自作。タネをとり繋ぎながら大切にお野菜を育てています。お野菜は素朴で優しい味がして美味しい♪(Sさん)
● 岐阜市の最高峰、百々ヶ峰から流れる水で、無農薬米を育てています。品種は、ハツシモ、ササニシキ。黒米なども。無農薬の農家!!というよりも、循環する社会、自然の中の人間、共存共生の精神も感じられてグッド!(Cさん)
● 農薬・肥料を使わない農法を選択されている農家さんをとくに応援したいのです!身近な農家さんだと『地産地消』にも繋がるし、直接買いに行けるので生産者さんの顔も分かるし、野菜にかける想いや愛情もよくわかります。小さくとも野菜の旨味がギュッと詰まっていて、そのまま食べても美味しい。シンプルな調理方法で済むので忙しい人の味方にもなると思います。(Fさん)
● 平飼いで、原料を厳選した(遺伝子組み換えを行なっていないポストハーベスト無農薬)自家配合飼料のみを使用し、添加や薬剤の投与は一切行っていない卵。血の混じる卵がほとんどないというところに愛情を感じます。(鶏はストレスがかかると卵に血が混じる。味や品質には問題はないそうですが。)味は、白身の美味しさが際立ち、おいしいです。(Aさん)
● ここの生産者さんのキャベツと他のキャベツで、ザワークラウト(発酵キャベツ)を作ったら明らかに発酵のパワー、菌ちゃんパワーが違って、味も違ったの。(Yさん)
● まずはなんと言っても貴重な減農薬いちご!聞くところによると一般栽培での農薬使用は60回以上。いちご摘みでは洗わずにそのまま食べるので、子ども連れでも安心して食べられました。そしてもちろん美味しい!!でも、農園の方は、減農薬だからと誇張することなく、それが当たり前のようにお話してくださるところも好感が持てました。(Hさん)

子育てコミュニティ toco toco
子育て世代のやってみたい、知りたい、学びたいことを、自ら企画・運営。誰かが講師、受講者という立場のない、一人一人が活躍する「学び合い会」を中心に、顔と顔を合わせて集う良さを生かした活動を展開中。

問い合わせ:facebook「子育てコミュニティtoco toco」


vol.183 かなでの沖縄だより vol.7

地元で報告会・・・「私が見た、沖縄!」

春休みの帰省中、3月28日「私が見た、沖縄」という題で沖縄の報告会をさせていただきました。
1年間沖縄にいて思った事は、今まで私が興味を持って考えて来たことやいろんな場でお話しして来たことが、特別なことではなくなってしまい、戦争のことや軍隊のことを深く考えなくなってしまったということです。
 今回の報告会は、 昨年の9月、大垣の「ようこそ先輩」のメンバーのみなさんとまわった沖縄平和ツアーのことを中心にお話ししました。聞きに来てくださった方の話も交えて、みんなで沖縄のことを話し合いました。
この1年で、私の中でもこの時の「辺野古」「高江」「伊江島のヌチドゥタカラの家」は忘れられないものになりました。私もまだまだ知らないことばかり。聴いてくださった方はもっと知らないことばかり。伝えることの大切さを改めて実感しました。伊江島を知らない。沖縄戦の終戦記念日を知らない。まだまだ知らない人がたくさんいるんだから、私もがんばって伝え、いっしょに学ばなくてはと思いました。
自衛隊のある各務原。「沖縄と各務原、どっちが飛行機の騒音うるさい?」という質問に 私はどっちと選ぶことができませんでした。18年間住んでいた各務原。1年しか住んでいない沖縄。そんなに変わらないと思ったし、やっぱりあんな大きな音をきいたら沖縄でも各務原でも怖いなと思うからです。
沖縄では最近よくオスプレイを見ます。鈍い音がするなと思って外を見ると、すごい低い位置で揺れながら飛んでいます。操縦してる人、オスプレイを飛ばしてる人は何も思わないのだろうかと不思議に思います。しかも人が住んでる家の上を…。今はそう思っていても、あと3年も住んだら日常になって、何も思わなくなってしまう自分がもしかしたらいるのかなと思うと、もっともっと恐ろしいです。
ここ1年、「平和ってなんだろう」と考えることがよくあります。伊江島のヌチドゥタカラの家を設立した阿波根昌鴻さんの言葉をよく思い出します。『平和の最大の敵は無関心である』『戦争の最大の友も無関心である』という言葉。報告会でもみんな頷いてくれました。私もそう思います。みんなが無関心になればなるほど色んなことが進んでしまう。無関心になることによって、取り返しのつかないことになってしまう。それって一番恐ろしいことなんじゃないかと私は思います。
8月6日に広島、9日に長崎に原子爆弾が落ちたこと、8月15日に戦争が終わったこと、それはもちろん。沖縄戦のことも、もっともっと知ってほしいなと思います。
伝えられる人が少なくなって来ている今、私にできる事は学んでそれを伝える事。せっかく沖縄にいるのだから、今しか学べないことをたくさんたくさん学んでたくさんの人に伝えて知ってもらいたいと思います。
6月23日は沖縄戦の終戦記念日、この大切な日も忘れないでほしいです。

平和について語り合いたいと、各務原市の中学生でつくったPeace of peace。主要メンバーの小田奏さんは、2017年春から沖縄の大学生に。それを機に彼女の平和への思いをリポートします。


vol.183 リバース 13号

ビランジ Melandryum keiskei 原産地:日本(本州中部の山岳地帯)日本特産種  撮影:長屋泰郎

 ビランジ(ナデシコ科)は、本州の山地の日当たりのよい岩場に生える多年草。高さは10~30cm程で、若い茎や若い葉の色は暗赤色である。夏に赤紫~ピンク色の直径2cm程度の花をつける。
長野県が西限とされている高山植物で稀少種のビランジの群生地が、1999年、板取村川浦のダム建設予定地だった近くで見つかった。発見者は地元の自然愛好家・長屋泰郎氏。植物地理分類学会会員の故・成瀬亮司さんによると、「ビランジは長野県の伊那谷などの深山にまれに見られる多年草で、淡いピンク色のちいさな花をつける。ビランジの群生地はおそらく岐阜県内でははじめてで、ここが本州の西限となるのではないか。板取村の急しゅんで深い谷は、日射が少なく冷涼な環境のため、高山、亜高山性植物が残存できたようだ。山系一帯をよく調べて、貴重な種は保全すべき」と話した。当時、大規模な揚水発電所の計画がすすんでいた。(関連記事:環境特集Part-1)


小紅(おべに)の渡し

 船頭 高橋由香子さん

 

 

 

船ことばっておもしろいんですよ。

 岐阜市内を流れる長良川。鏡島大橋と下流の河渡橋の間、岐阜市一日市場(ひといちば)の右岸堤防上に船頭小屋があります。ここにちいさな看板があり、小紅の渡しの由来、利用時間や休航日、乗船心得などが書かれています。
かつて岐阜市の長良川には、それぞれその土地の地名がついた12から13ヶ所の渡しがありました。しかし、そのほとんどに橋が架かり、姿を消していくなかで、たった一つ残った「小紅の渡し」。遠い昔につけられた名前は地名ではなく、そのいわれも定かではありません。
 「小紅という名の由来は3つの説があります。1つ目は、乗り場に紅を採る草が生えていた。2つ目は、川を渡る花嫁が水面に顔を映して紅を直した。3つ目は、お紅という名の女性の船頭がいた、など。人それぞれの思いで解釈し、由来はハッキリしなくてもロマンがありますよね。」
「それにしても、船ことばっておもしろいんですよ。基本的に船頭の世界は口伝。独特な話しことばがあります。たとえば、船を縛るのを「しって」(長い手)。船を捕まえることを「とって」。一音一音に意味があるんですね。そんなことばの由来にはまって、いろいろ調べてみました。「あか」は水のこと。「あ」は天で「か」は動くと言う意味。あかは船にたまる水のことを指すのですが、天から動いてきたもの「風」「水」なんでしょうか。わたしは鵜飼観覧船に20年ほど船頭として務めましたが、「鵜のみにする」ということばも、鵜は魚を丸呑みにしますので、まさに鵜飼から来ているんですよ。また、鵜匠さんたちは「まわし場」と呼ばれる待機場所で漁の開始を待つのだそう。今でも段取りを整えることを「まわし」といいますよね。今の暮らしと、伝統的な文化や、口伝で伝えられていることばがリンクしていて興味が尽きません」。そう語る高橋さんのお話しは多岐にわたります。

移動手段はもっぱら徒歩

高橋さんは以前はバイクに乗っていましたが、自転車に変え、今では歩くことを基本としています。緩やかな時間がとても気に入っていると。渡し船のゆったりした時間も同じかもしれません。同時に視点が変わると風景も変わります。川面に遊ぶ水鳥、川面に映る雲のかたち、堤防を走る車、その遠くには金華山・・・普段なにげに映る景色も、船から見ると趣も変わる・・・。ちょっといい時間。小紅の渡しの上には鏡島大橋、下には河渡橋が架かってはいますが、小紅の渡しを利用する人は、毎月21日にある弘法さまの命日に鏡島弘法への参拝客だったり、レンタサイクルで周辺を走る人が利用したり、さまざま。あくまでも、県道の一部としての利用が基本。風情と実用を兼ね備えた小紅の渡しは、現代のめまぐるしく変わる状況のなか、古き良き時代へとタイムスリップしたような感覚になりました。

女船頭としてキャリアを積んだ高橋さんは、仲間がいればこそ、とも言う。男社会に女性がなじむのにやはり時間は必要だった。同期に女性が4人いたからここまでこられたと。しかし、移動手段を基本『歩き』にシフトした高橋さんには、流れる時間を楽しむ、という想いにぶれはない。

小紅の渡し船頭組合のメンバー4人が交代で渡し船を出しています。

小紅の渡し
運航時間 4月~9月 8:00~17:00
10月~3月 8:00~16:30
料金 無料
休航日 毎週月曜日及び12/29~12/31
ただし、月曜日が祝日もしくは21日と重な る場合は、その翌日を休航日とする。(悪天候、 増水時は欠航となります)
乗船場所 北岸:岐阜市一日市場
南岸:岐阜市鏡島(鏡島弘法 乙津寺 北)
お問合せ先 岐阜市土木管理課 058-214-4719


vol.183 ボーダーレス社会をめざして vol.42

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

継続は力なり

息子は40歳の自閉症スペクトラム障害。彼が小学校2年生の担任の先生が「継続は力なり」と私に言って下さったことが今でも思い出されます。何のことかなと当時は思っていたのですが、この言葉が意味することは、息子と共に生活をしてきて大黒柱となることばでした。ズーと同じことをし続ければ、何かしら結果が出るものです。

昨年末、東京で障がいのある人たちの展覧会「2017アジア・パラアート・書・TOKYO」国際交流展が日本チャリティ協会主催で行われました。海外の作家50名、日本作家50名が選ばれたのですが、私の書道教室から5名が選ばれました。あまりに多くビックリしてしまったのですが、書道教室の中に「創作書道」という時間を設けたのがこの結果に繋がったのかなと考えています。創作書道は、4年前から始めました。全国レベルの展覧会に応募するためと、もっと自由に書こうという思いから、大きな和紙に好きな文字を書く機会を設けました。今回入選された方は、こつこつと教室に通い続けて来て下さった方々です。入選後、個展を開こうとお誘いした所、創作書道をしてきた人が「個展をやりたい」と言って下さいました。作品はすぐにはできません。誰にでも調子のよい日、悪い日があります。長い間続けて来ている人には、作品のストックがあり、個展開催は夢ではなくなります。楽しく書道をすることが一番ではありますが、続けることによっていいことが起こるものです。
障がいのある人に対しての「継続は力なり」は、親に対する言葉でもあります。親がいかに忍耐強く彼らに付き合い、過保護にならず、彼らの好むものを見つけ出すか、親の腕にかかっています。私の周りには、馬・絵・水泳・ボウリング・卓球・和太鼓・陸上・演劇などなど多くの事にトライしている人がいます。親が付き添わなくてはいけない人もいますが、皆さん一生懸命に子どもさんをサポートしています。最近はお父さんの活躍もめざましいものがあります。少しでも彼らの現在・将来の余暇を充実させるためです。自由な時間を楽しく過ごすことは、人が生きていくには必要です。障がいのある人も一般の人と同じです。余暇を充実させるための「継続は力なり」があり、また生活面での「継続は力なり」もあります。
息子は小学校4年生から40歳まで毎日お風呂掃除をしてきています。家事を手伝うことによって就労能力が増すとも言われています。「継続は力なり」短い言葉の中にぎっしり大切なことが詰まっています。


vol.183 人生これから えんぴつ・カフェ

人生これから

人生のエンディングは誰もが迎える、ということはわかっていても、準備をするときを決めかねてしまう・・・エンディングという言葉に抵抗を感じる人も多いですね。だから、私たちは、ライフデザインノート「ゼロの昇天」。いま、これから、どう生きるかが大事。だって、人生これから!ですから。(^o^)

次回のえんぴつ・カフェ
と き:第6回・5月18日(金)
じかん:9:30-11:30
ところ:産業文化センター
2階第1会議室

会費700円

(コーヒーOR紅茶&お菓子を楽しみながら、座談会形式で情報を交換しながら書き込んでいきます。)

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えんぴつ・カフェ参加者の感想
第3回 3月14日(水) 大垣市
全員に1分という制限を課して順番に自己紹介。焦って30秒で終わった方、話し足りないという方。それぞれですが、なにを話すかあらかじめ整理しておくと、スムーズに話せます。これって、人生に似てませんか?生きている以上、やがて訪れる死。それまでをどう生きるか、あらかじめ心づもりがあれば、いざというときに慌てなくてもいいし、平穏な気持ちで迎えられるのでは?日ごろの整理整頓、大事ですね。なかなか処分できないのは、衣類、書籍、写真などでした。やりたいことリストは、旅行がナンバーワン。人の話を聞いて軌道修正もでき、なごやかな雰囲気であっという間の90分でした。

第4回 3月16日(金) 各務原市
今回はとても濃密な時間を共有しました。それぞれが抱えている問題をどのようにシェアしたらいいのか、その人の苦しみや痛みにどのような方法で寄り添えばいいのか・・・とても繊細で難しい問題。会の終盤で笑顔になれるにはどうしたらいいのか。印象的だったのが、自分史を書いてみたいという方に「キットがあります!」と情報を提供して下さったこと。その方の叔母さまが亡くなったとき「まるで結婚式のようだった。で、叔母が書いた『自分史』を読んで、叔母の人生を改めて知り、興味深かったです」葬儀が結婚式のよう?!それは素晴らしい。とてもいい話をシェアできました。

お・し・ら・せ

生き方セミナー5回講座
会場:産業文化センター第3会議室(予定)
時間13:30-15:30

第1回 6月20日(水)※産業文化センター4階会議室で行ないます。
テーマ:絵本の朗読から死生観をイメージする
講 師:浅井彰子氏(フリーアナウンサー)
*朗読を聞く前とあとの心の変化をセルフチェック

第2回 7月21日(土)
テーマ:介護・看護について
講 師:入学佳宏氏(ケアマネージャー)
*ケアマネージャーから現場の声を聞く

第3回 8月19日(日)
テーマ:終末期医療
講 師:木田盛夫氏(木田ファミリークリニック医院 院長)
*現役医師から、終末期を迎えた患者、家族のこころえを聞く

第4回 9月19日(水)
テーマ:成年後見人制度について
講 師:青木文子氏(司法書士)
*制度をよく理解し、いざというときに備える

第5回 10月18日(木)
テーマ:死生観のとらえ方
講 師:市川雅清氏(ライフ終活アドバイザー)
*葬儀、お墓、宗教の考えと現代のながれを知る

オプション 11月21日(水)
もしもの時に・・・最高の笑顔の撮影会
*プロのカメラマンに撮影していただきます。

えんぴつカフェ、生き方セミナーの問い合わせは
田辺 090-5638-7044 三上 090-7854-4561


vol.183 ホスピスナース奮戦記 vol.8


一人で死と向き合う
まだまだ寒い日の夕方。この日の最初の訪問は70代後半のうっ血性心不全を患っている男性。家族や親族がおらず大きな家に一人暮らしだった。一人暮らしでホスピスのサービスを受けるのは正直とても大変だ。肉体の死が近づく過程の在宅ケアというのは、身近に介護やケアできる人の存在なしでは難しい時がたくさんある。一人暮らしでも最期まで家にいたいという人はたくさんみえる。
到着する前の電話では息があがっているもののはっきりした声だった。ドアを開け患者さんに挨拶すると、かっぷくのいい「陽気なおじさん」というような雰囲気で家に迎えてくれた。かなり体重がありそうで、酸素用のチューブがほほにくいこんでいる。長くしゃべったり少しの動作で息切れしてしまうため、ほぼ24時間酸素が必要な状態だった。歩行車を使って屋内を移動するが、酸素の機械は大きいため部屋の片隅においてある。ベッドからキッチンまですべての行動範囲で酸素が届くように、延長用のチューブを長くつなげていた。このチューブが歩行車や足に何度もからまりそうになってその度にひやひやした。患者さんが一人の時に転んでしまったら、危険だなぁと思っていたら、昨日転んだばかりだという!幸いご近所さんが気づいて救急車を呼び、救急隊員に体を床からベッドまで持ち上げてもらってなんとかなったらしい。
ご近所に住む仲のいい知人男性が、一応のケアを受け持っているようだったが、限界があるように感じた。今回は、足のむくみが急に悪化したことに関しての訪問だった。たしかに両足が象の足のようにむくんでいた。尿はでているようだったので、医師の指示で、利尿薬の量を増やして様子をみることにしたが薬の管理も週一回の訪問看護師に任せているため、自分ではできない。増やした量の薬を一週間分に分けて薬の容器にいれた。それから、寝る時もテレビを見る時も足を高くしてみるように提案。ベッドを確認すると、ベッドの頭には5,6個の枕が置いてあった。背中に枕を積んでほぼ座っているような状態にしないと、息苦しくて眠れないのだそう。うっ血性心不全にはとても多い症状だけど、そういった枕を背中に入れるということさえ一人では相当難しい。息苦しさが増せば、緩和のために舌下投与のモルヒネを口からとることもできるが、一人きりで、窒息しそうな苦しさの時、ちゃんと緩和ができるんだろうか。この患者さんの一日一日を考えればかんがえるほど、サポートが足りてない・・・。
そうこうしているうちに、患者さんが一枚の写真をみせてくれた。かわいい目をしたグレーの大型犬とこの患者さんが一緒に写っていた。でも、この日の朝にこの愛犬とお別れしたことを教えてくれた。ラブラドールとピットブルのミックスの成犬。7年寄り添った家族のような存在だったけど、もう世話もしてあげられないし、自分ももうすぐ死ぬかもしれないからね、と寂しそうにいった。でももらってくれた人はとてもいい人達で、きっと幸せにしてくれると思うといって涙目で笑った。私ももらい泣き。本当は愛犬と最後まで一緒に居たかっただろうなぁ、こんな時だからこそたった一匹でも家族としてそばに居てほしかっただろうなぁって思った。今、この人は本当にひとりぼっちなんだなぁ。もちろん目には見えない次元ではたくさんのサポートがあるかもしれないけど、手に触れられる、肉体としてお互いの存在が感じあえるものが、いなくなちゃった。今はかろうじて身の回りのことができているから、陽気にふるまっているけれど、ふとした瞬間にどんなに寂しい思いをしていることだろう。息苦しい瞬間にどんなに怖い思いをしていることだろう。
帰り道、運転手さんとは一言もしゃべらず必死でパソコンをたたいた。ソーシャルワーカーにも担当看護師にも、安全面で日中のサポートを増やすことをお願いした。また、本人さえ了承すれば、病棟でのホスピスケアのほうが症状の緩和も安全面や衛生面でも良いのではないかとメールした。ご近所さんにもできることの限界がある。午前中4時間だけ週3でヘルパーさんが来てくれても、やっぱりできることの限界がある。
2週間もたたないうちに、この患者さんはまた転んでしまい容態は悪化、この時点ではほぼ意識もなくホスピス病棟に移ったが数日後には死んでしまった。あの時、もっと何かできていたのではないか。もっと安らかな状態で最期を迎えることはできなかっただろうか。自責の念と共に、またしても一人暮らしのホスピスケアの難しさを痛感した。

わかばま〜く:プロフィール 1982年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。現在は訪問看護師としてホスピスケアに携わっている。岐阜県各務原市出身。


vol.183 ぎむきょーるーむ 電気と上手につきあうには

ケータイだけじゃない、テレビ、エアコン、
蛍光灯、ホットカーペット、電子レンジ、IH調理器・・・・・・

電気をできるだけ使わない発明家の暮らし
ほどほど便利。贅沢もあり、しあわせ度アップ。

ぼくたちは「新しい豊かさ」をめざす

アインシュタインは、こういったそうです。「ある問題をひき起こしたのと同じマインドセット(型にはまった、ものの見方・考え方)のままで、その問題を解決することはできない」
しかし、地球温暖化をはじめとする深刻な環境の問題を前に、私たちはいまだに、その問題をひき起こしたのと同じマインドセットで問題が解決すると思いこみ、ふるまっているようです。化石燃料がだめなら、原子力で。原子力がだめなら風力で。石油がだめならバイオ燃料で、食料危機なら遺伝子組み換えで、という具合です。日本列島が原発列島に変貌していく勢いを感じます。なにか、ほかの選択支があってもよさそうです。しかし、その選択支が「貧しい昔にもどる」のではなく、「新しい豊かさを実現する」ものでなくてはおもしろくありません。

「めんどうくさい」をたのしむよ!
そこで新しい豊かさを実現できる、電気を使わない「非電化製品」を発明してみたくなりました。冷房、暖房、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、照明、除湿機といった非電化製品を4年がかりで作りました。
電化製品にはかないませんが、ほどほどの快適・便利なら、実現できることが確かめられました。
たとえば、「非電化除湿機」。10畳くらいの部屋なら十分に使える能力はあるし、補給品もいりません。故障の心配はなく、50年は使えるという点では快適・便利ですが、湿気を吸って満杯になると2時間ほど陽光にさらさなければならないという厄介さをともないます。数百台を試験的に販売してみました(価格15,000円)。エコロジー派の人からは「少々めんどうだけど、電気がいらない、なにも捨てない、半永久的に使えるからいい!」と好評でしたが、一般の人からは「めんどうくさい!」と不評でした(笑)。
もうひとつわかったことがあります。非電化製品は、ときには電化製品よりも「たのしめる」ということ。たとえば、「非電化コーヒー焙煎器」。無農薬有機栽培の質の高いコーヒー豆を安く買い求め、自分好みに煎って、「煎りたて、挽きたて、淹れたて」の絶品のコーヒーをゆっくりたのしむ。最高の贅沢を最低の価格で実現できることにおどろかされます。
一連の非電化製品を使うと、ほんとうに電気が必要なのは、テレビとコンピューターと照明くらいにかぎられ、電力消費量は五分の一以下になります。便利度は少しさがりますが、たのしみと健康度としあわせ度はあがったような気がします。原発列島に突き進むしかないというのは、ただの思い込み、あるいは誰かのスリコミかもしれませんね。

発明家:藤村靖之(ふじむら・やすゆき)
1944年生まれ。発明家。工学博士。非電化工房代表。著書に『愉しい非電化』(洋泉社)、共著に『テクテクノロジー革命』(大月書店)など。
非電化工房 http://www.hidenka.net

 

電化製品はすべて電磁波を出す!

家の中でもたくさん浴びちゃう・・・
環境問題の専門家・富山洋子さんと電磁波チェック!
家の中の電磁波を計測してもらったら、ビックリ!!
たくさんある電化製品、こんなにも電磁波があふれているなんて!

電気の使い方を見直す

携帯電話が広がって便利になったけど、電波を飛ばすアンテナ鉄塔による被害はまた深刻。日本では田園地帯に鉄塔と送電線がある風景があたりまえだけど、欧州のように送電線を地下に埋めるべきなのよね。
そもそも電気をたくさん使う「都市」に遠くに建てられている原子力発電所から大量の電気を送っているという問題もあると洋子さんは指摘した。

電磁波を予防するエプロンやシールなどのグッズもあるけれど、効果に根拠はないでしょう。電磁波を避けたかったらそれをさえぎるのではなく、そこから離れないと。外の鉄塔や送電線や住んでいる環境で直ぐにははなれられない残念な場合もあるけれど、家の中では電気から離れるのはもちろん、使わない生活を心がけるのがいちばん。
わが家では主な電気は冷蔵庫と灯りだけで、ご飯は土釜、日常の選択はほとんど手洗い。電子レンジやトースターもなく、エアコンも使わないせいか、電気代は月2,000円以内。太陽の向きや風の流れを意識し電気や便利さに頼らず生活していると、電気代の節約にもなって電磁波も避けることができるのよね。

電化製品の置き場所や使い方を考えよう!

・ 電子レンジ→電磁波ではないけれど、マイクロ波が2万Hz以上の高周波。使うときには9㍉ガウス、1メートル離れると3㍉ガウスに
・ テレビ 10㍉ガウス 2㍍離れれば4㍉ガウスに
・ エアコン吹き出し口 3.5㍉ガウス 部屋の中央では1㍉ガウス 2㍍離れればゼロに
・ ホットカーペット 30㍉ガウス以上!!!余熱で暖を取る
・ IH調理器計測器の張りが振り切れたまま!!!

電気は便利な暮らしをあたえてくれた。けれど、そのぶん日本はたくさんの生活の知恵を見失ってしまったと洋子さんはいう。それをとりもどせば、電磁波の少ない暮らしになるんだね。

なぜ電磁波はあぶないの?
スウェーデンをはじめ日本もふくむ世界各国でおこなわれた調査によれば、4㍉ガウスの電磁波を浴びつづけると小児白血病のリスクは2倍。発がん性や流産リスク、脳腫瘍の発生など、健康被害への影響も報告されています。
すぐに体に症状が現れるわけではなく、数年間もためこむことによる発病や妊娠時の影響という目に見えづらいリスク。そのため予防がおろそかになりがちですが、目に見えないからこそ気をつけるべき問題ですね。「被害の明らかな証拠がない」ことは、被害がないことの証拠ではありません。「予防原則」という考え方にもとづいて、とりわけ被害が大きく及ぶ子どもや胎児の立場に立ち、社会の問題として危険を避けるための方法をとることが、大人の責任といえるのではないでしょうか。


vol.183 半農半Xという生き方 vol.24

「生きがいブーム」
筆者が生まれた翌年の昭和41年、「生きがい」ということばがついた2冊の本が出版されました。1冊は精神科医の神谷美恵子さんの『生きがいについて』(みすず書房)。もう1冊は綾部に縁のある方で、出口日出麿・大本3代教主補による『生きがいの探求』(講談社)です。ともにベストセラーであり、いまも読み継がれている名著です。数年前、行事か何かで綾部の大本を訪れた際、日出麿教主補の「生きがい3部作」(『生きがいの探求』『生きがいの創造』『生きがいの確信』)のポスターが館内に貼ってあるのを見かけました。ポスターにはたしか「全国で“生きがい”ブームを巻き起こした話題の書」という文字がありました。調べてみると、たしかにこの昭和41年ころから日本人の生きがいブームが起こっていくようです。こんなことを思いつきました。綾部は「生きがい」を大事なコンセプトとすべきではないか。まちづくりや観光などのテーマにもすべきではないか、と。現代は「生きる意味」が失われつつあると言われます。そんな中、「生きがいブームの発祥地」ともいえる綾部には大きな役割がある。いま、そんなことを強く感じています。

わがまちAtoZ
 京都府南丹市日吉町の中世木地区(戸数53)の地域資源(地域の宝もの)をAからZまでの26のキーワードで紹介するミニブック制作のお手伝いをしました。どんなキーワードがあがったかというと、「N」は地域に伝わる伝統食「納豆餅」、「S」は珍しい山野草「せつぶん草」といったキーワードがあがっています。130字ほどの説明文を地元の方に書いていただき、それぞれ写真を添えています。サイズは音楽のCDジャケットサイズで、わずか16ページのミニブックですが、まちや村(自治会)のPRに、都会で暮らす地元出身の若い世代や地域の子どもたちに魅力を伝えるツールにもなります。自分のまちでもつくってみたいと思われる方はぜひご相談ください。見本を見てみたい方もお気軽にご一報ください(conceptforx@gmail.com 塩見直紀)。A4サイズ4ページの「地域資源発見シート」もつくっています。関心のある方はご一報ください。いつの日か、みなさまの案内で、まち(村)を歩かせていただき、地域の宝もの探しができたら幸いです。地域資源(宝もの)はきっとたくさん眠っています。

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.183 菌ちゃん野菜応援団 第4話


今回は身近な菌活。お味噌について。

前回は菌と仲良くするといいんだよー、という記事を書きました。

お味噌は買うもの、と思ってる人は多いのですが、この頃若いママたちの間では手前味噌作りがブームになりつつある感じ。今年もたくさんのママ達と一緒に赤ちゃんをおんぶしたりちびっこを追いかけたりしながらわちゃわちゃといろんな味噌を仕込みました。
買うのと違って手前味噌は自分の常在菌がたっぷり。
こどもたちも一緒に作ればこれはもう春の楽しいイベントの1つ!!しかもお味噌汁を毎日飲むとガンになりにくかったり、放射線の害から身を守れたり、若々しくいられたり、と今や味噌はMiso として世界に認められ華やかに名をとどろかせているんです!

そんな日本が世界に誇る味噌を自分で作らないなんてもったいなさすぎる!!大人と一緒に作ってこどもたちに体験させる。文化の継承は何よりもの親から子へのプレゼントじゃないのかな?なんて思っています。

お味噌作りは実はとっても簡単。皆さんもお味噌、自分で作ってみませんか?


vol.183 夢か悪夢かリニアが通る! vol.12

発破が襲う「美しい村」
3000メートル級の山々が連なる南アルプスの山懐に抱かれた長野県大鹿村。「日本で最も美しい村」の看板が今や色あせて見えます。昨年12月、同村の生命線ともいえる県道で、リニア中央新幹線関連工事の発破による土砂崩落事故が起き、住民の生活や温泉旅館の営業がダメージを受けました。その記憶も冷めやらぬ中、同村最奥の釜沢地区では発破による掘削工事が始まり、住民が不安を抱え暮らしています。        ジャーナリスト・井澤宏明

釜沢地区で行われた発破テスト。皆が谷底にある坑口方向を見つめた

山が崩れたと思った 
3月28日、大鹿村釜沢地区に向かいました。南北朝時代、後醍醐天皇の皇子・宗良親王が暮らしたと伝わる「御所平」の地名が残る同地区には現在、赤石岳や小河内岳を望む急峻な斜面に、9世帯が暮らしています。沢のせせらぎや野鳥の声しか聞こえなかった山里は全長約25キロに及ぶ南アルプストンネル工事の長野県側最前線。除山非常口の掘削が始まっています。
この日、JR東海や鹿島JV(鹿島、飛島建設、フジタ)が地区住民の立ち合いのもと、同非常口で爆薬を使った発破テストを行い、騒音や振動を確認することになっていました。
同非常口では昨年12月、初めての発破が行われましたがその際、多くの住民が振動を感じました。「振動が斜面をズズズズとはい上がっていくように感じた」とミュージシャンの内田ボブさん。「山が崩れたかと思った」と恐怖を口にした住民もいます。
自治会長の谷口昇さん宅では発破後、ひどい雨漏りが始まり、風呂場のコンクリートがひび割れていました。その後も、山側に積んであった石垣が崩れ、寝室の壁まで迫ってきました。
谷口さんはJR東海に被害を訴えましたが、発破との因果関係は認められないまま。住民の不安をよそに、掘削を急ぐJR東海は今回の発破テストを提案してきました。
同非常口の坑口から約300メートル離れた集会場。住民、村役場やJR東海の職員など約20人が息をひそめ坑口方向を見つめる中、発破テストは行われました。「ゴーと聞こえた」という人はいましたが、多くの人は、音も振動も感じることは出来なかったようです。JR東海によると、爆薬の量は前回と同じ3キロですが、前回は坑口から40メートルで今回は110メートル。深くなっただけ、衝撃も小さかったのかもしれません。

石垣が崩れた谷口さん宅。「ドン」と家屋に押し寄せてきたという

悪夢と同居する日々
直後に行われた懇談会で、JR東海は住民に発破再開を伝えました。同地区は地滑り地帯で、村は毎年、道路のひび割れ計測を続けています。JR東海は今回のテストに間に合うように、地滑り計を5基設置しました。長野工事事務所大鹿分室の上野英和分室長は「発破でこちら(釜沢地区)に影響があるという認識は元々持っていなかった。これで数値としてしっかりするので、地元の皆さんに安心してもらえる」と胸を張ります。
それでも住民は安心などできません。懇談会後、「体感的なものが怖いんだ、俺らは。ここ(の斜面)は石をしょっている。それがドドドドと落ちてきたら、ということを常に考えてる」と訴える内田さんに、上野分室長は「我々はあくまでも数値でしか言えない」と応答。内田さんは「数値と現実がどれだけギャップがあるかということが問題なのよ」と、住民に寄り添う姿勢を求めました。
谷口さんによると翌29日、2回の発破があり、1回目ははっきりと音を、2回目は「ボーン」と感じたそうです。JR東海によると、発破は1日最大4回、夜中の1時や2時に行うこともあるといいます。「釜沢は何もなくても滑っているというデータがある。ちょっとした振動で地滑りを促進することもあるのでは」。谷口さんは不安に押しつぶされそうです。
4月1日、東京都内で開かれたリニアを考える集会。内田さんの奥さん、遠野ミドリさんは釜沢地区の今について参加者に報告しました。発破が始まった現状を「悪夢と同居する日々」と表現したうえで、「静かだったら、揺れなかったら、何をしてもいいんですか。(掘削)現場には多くの生物が生息し80デシベル以上の音が10 年間ほぼ毎日続きます。生態系に必ず影響が出るだろうということはバカでも分かります」と生き物の生活の場が壊されていくことへの危機感を訴えました。


vol.183 プレゼントコーナー

PRESENTS 183号

1- あなたの
「おススメスポット」教えて!
これからの行楽シーズン、あなたのおススメの
スポットを教えてね!
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事のタ   イトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:5月25日 当日消印有効。
Cはにらめっこ編集室に受け取りに来ていただける方。
宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。

A.CINEX 映画招待券 シネックス様より…ペア3組様


真っ暗な中で椅子に座り、ただ映画を観る。スマホをいじることは許されません。あとは映画の世界観に身を委ねるのみ。こんな非日常を味わうには劇場に足を運ぶしかありません。さあ、どの映画を観ましょうか?(招待券はシネックス柳ヶ瀬でのご利用となります)

 

B.いろいろあるよ熊鈴 にらめっこより…3名様


クマやイノシシをはじめとする野生動物に人の存在を知らせるためのアイテムです。自然豊かなフィールドでは、私たち人間が侵入者。「おじゃましま〜す!」の気持ちで熊鈴を身につけよう。

 

 

C.せんたく石けんスノール にらめっこより…2名様


天然の植物油脂を100%使用。水に溶けやすく、泡立ちも豊かで汚れをきれいに落とします。蛍光漂白剤・香料・着色剤やLASなどの合成界面活性剤を使用していません。1kg入りです。(にらめっこ編集室でお受け取りください)

 

 

D.つくる・みらいの会ステッカーつくる・みらいの会様より…5名様


子育て、家事、学校やご近所のおつきあい…。毎日いろいろこなすかあちゃんがみんな本気になれば、 まちをかえる力もある!ピンク色とかえるのイラストが力み過ぎずいい感じのステッカーです。大と小、ピンク地と白地、お好きなものを選んでね。車に貼ってなかま拡散!>^_^<
(大277×97ミリ、小175×50ミリ)