194号 (2020.3&4)」カテゴリーアーカイブ

vol.194 被災からいのちをまもる

地域防災学専門家の小山真紀さんに聞く

小山 真紀(こやま まき)
岐阜大学流域圏科学研究センター准教授 専門は地域防災学。ハザードとリスク評価、人間行動と死傷、市町村の防災対策など事前(事後)・最中・直後を通じた減災に関わる研究を続けている。世帯および地域コミュニケーションにおける防災力などに着目した取り組みを進めている。

Part-1  

災害から身を守るには

三:いつ来るかわからない災害に備えるには

小:防災って「こうすればいい」と言われ、「はい、それで頑張ろう」という発想が多いのですが、それは無理なんです。人間の持ち味に合わせた形でどう対応するか、そういう発想で考えたほうがいい。それをやろうとすると結構泥臭くて、「こうすればオッケー!」にならないんです。例えば、持ち出し袋を玄関に置いといても、いつしか邪魔だなと片付けてしまう。いざとなった時にあれ?どこに置いたかしら、って。そういうことってありますよね。常に緊張感を持ち続けるのは体も精神も持たない。だから、非常事態の際に「正常性バイアス」(※-1)が働いてしまうのです、人間の特性ですね。

三:「備えあれば憂いなし」。なのに、まだ自分ごとじゃないという気分になってしまう。まさに正常性バイアスが働いてしまっている。

小:そうですね、だから普段の生活の中で考えるんです。例えばご飯。できるだけ外で食べてみる。災害時でも使えそうな趣味を持つ。例えばアウトドアとか、あるいはゲーム感覚で、何かあっても大丈夫なような行動を日常の中に入れておく。すると多少でも水分と食料が備わる。さらに絆創膏、携帯のバッテリーも必要だ、みたいにね。

三:何がないと誰がどう困るかという想像力を働かせる。とくに赤ちゃんを抱えるお母さんは大変ですね。

小:日常だと子育て、特に新生児の育児って、母乳じゃなきゃだめ!いやミルクだ!授乳の前には必ず消毒!とか、いろいろ大変ですよね。何を信じたらいいのかもわからないし、こだわればきりがないし。そんな中、親はなんとかいい子育てをしたいと日々頑張っていますが、災害時には日常で大事にして来た事を守り続けるのって難しいですよね。そうすると災害時に、「あれだけ大事にしてきたことってなんだったんだろう」となってしまう。日常で大切にしてきたことを、災害時でも大切にし続けようとすると(日常のレベルをキープした育児をしようとすると)、それだけの備えをしておかなければいけないのです。そこまでのクオリティーを公的支援に求めることはできませんし、他人にそれを求めるのは難しいです。大切にしたい思いを本当に理解できるのは自分自身ですから、大切にしたいこと、守りたいことがたくさんあればあるほど、守れるだけの備えをしてほしいと思います。
そして、命が助かって終わりじゃないですよ。そのあと、非日常の環境で生きていかなきゃならないですしね。

三:昨日、浦野さん(NPO法人 レスキューストックヤード 常務理事)のトイレの写真を見ただけでびっくりしましたけど。避難所ではあれが現実なんですよね。

小:下水が詰まり水が流れない。食べるのは我慢できても排泄は止められない。トイレが不衛生で、臭いもあるし虫も飛んでる。熊本の震災時は、市町村の支援職員がずっとトイレ掃除をしていました。被災したらそういう状況になることもわかっているのに、結局自分ごとになっていないので、毎回同じことが繰り返されるんです。

三:災害はいつ来るかわからない、予告もない。防災訓練は災害を想定して行われるわけですが、みんなが参加しやすくするには、どうしたらいいんでしょう。

小:防災訓練って何かっていうと、試す場なんですよね。昨日、井上さん(岐阜市本荘まちづくり協議会会長)が、本当にこれだけの荷物持って避難できるのか?という話をされましたが、となると、みんなが必要なものをどこに、たとえばどこかの事業所でこれを扱っているから、ストックとして在庫をこれだけいつも多めに持っておくよ、とか、そのようなことができないか。災害支援協定で一定期間置けないかとか、交渉とか、試行錯誤することで、あれこれやってみるっていうのが、訓練の一番大事なことだと思うんですね。
 防災に興味がない人に、防災イベントを提案しても来ないのは当たり前。興味があるものと合わせて話をしないと頭に入らない。例えば「子育てと防災」というテーマにしてみるとか。子育ての話の中で、この前の台風19号の時はこんなことがありましたね、とそこから「備える」ことに話題に転じてもいい。実は知っていれば備えたのにっていう人も多いんです。知る機会はあったはずなんだけど、その人たちのアンテナに引っかからないんですよね。アンテナに引っかかる内容の中に防災を含めていくというのがいいですね。

※-1)「正常性バイアス」とは?
「正常性バイアス(normalcy bias)」は、心理学の用語です。社会心理学や災害心理学だけでなく、医療用語としても使われます。人間が予期しない事態に対峙したとき、「ありえない」という先入観や偏見(バイアス)が働き、物事を正常の範囲だと自動的に認識する心の働き(メカニズム)を指します。何か起こるたびに反応していると精神的に疲れてしまうので、人間にはそのようなストレスを回避するために自然と“脳”が働き、“心”の平安を守る作用が備わっています。ところが、この防御作用ともいえる「正常性バイアス」が度を越すと、事は深刻な状況に……。つまり、一刻も早くその場を立ち去らなければならない非常事態であるにもかかわらず、“脳”の防御作用(=正常性バイアス)によってその認識が妨げられ、結果、生命の危険にさらされる状況を招きかねないのです

気軽に楽しくがキーワード

三:伝えることは私たちの役割と思って、編集をしていますが、先ほど話題に出たクオリティのこと、どこまで許容できるか問題ですね。

小:それは結局本人が決めるしかない。知る機会をたくさん作って、その中で自分はどんなことをしたいかを考えていく。クオリティの高いところを目指したい人がいれば、まずその人の気持ちを受け止めることが第一。「この非常時でそんなこと言ってもダメ!」というのは、自分のアイデンティティーを否定される感じがするからね。
 だから我々はそういうことを伝えるために、ワークショップみたいな方法でよくやるんです。自分としてはどこまで許容できてどうするかっていうことは、自分たちで考えるしかないよって。
 昨日のシンポジウムで、自助、共助、公助(※-2)という話がありましたが、公助は一人ひとりに寄り添うことは応急対応時には難しいんです。よりきめ細やかな話をしようとすると、公では難しい。復旧復興期になると、最終的には福祉サービスにつなげていくことになるので、日常の寄り添った支援に繋げていくことが大事。自分に必要な支援は自分にしかわからないから、公助としてはある程度まではできるけど、それを超えて「自分には支援が必要」となった時にそれをどう埋めるかは、その人自身が声を上げないと変わらない。起きてからでは間に合わないので平常時にそこを踏まえた仕組みづくりができるといいですね。

三:仕組みづくりは「まちづくり」に発展していきますね。

小:防災って、まさにまちづくりなんですよ。災害によってうちは関係ない、ではなく、どこかで自分も被災者になるかも知れない、困ったときは、お互い様の気持ちで日常的に顔が見える関係ができていることが望ましい。災害時でも日常時と合わせての付き合いが重要になってきますから。
 関わらなければ関わらないほど人のことがどうでもよくなる。なので、関わる機会が必要なんですけど、それは負担にならない形での関わり合いがいい。気軽にできて、なんかみんなで楽しくできるとね。

三:昨日の話で印象的だったのが、「台風カフェ」(※)。今、何とかカフェというのが人気で気軽でサロン的な雰囲気。楽しいがキーワードかなと思いました。そこに外国人が入ってくるとか。

小:そう気軽にとか楽しくとか、ちょっと関わったら感謝されたりとか、ちょっと行くのが楽しくなったとかね。ここで大切なのは台風カフェが「ちゃんと備えなきゃ」というのをモチベーションにしないってことです。楽しくおしゃべりしに行ったらそこは安全な場所、とか、例えばアウトドアを始めてみたら楽しくて、道具が一揃えあったらそれが被災時にも役にたつじゃんって感じ。防災の備えだと思って用意するのではなくて、結果として防災に役に立つこと。自分がやりたいことをやったら、それが、防災の備えにもなっているくらいの感じがいい。

三:そういうことを仕組んでいいんですか?

小:仕組んでいいんです。仕組む人は工夫やアイデアが必要です。例えば、自治会の自主防災会が、ある小学校の防災訓練を企画しているのですが、例えば学校行事でカレー祭りとかデイキャンプをするとき、必ずなにか足りない、トラブルが起きる、という仕込みをしています。「あれ?皿が足らないよ」とか、「薪が足らない」、「火つけるものがないぞ」という感じです。すると子ども達が自分で色々考えて、火を起こす時には「新聞が要る!」とか言って、新聞を絞って薪の代わりにするとか。
 こういうことを積み重ねることで、防災に繋がる。だから防災訓練って銘打ってやらなきゃいけないわけじゃないんですよ。むしろ言わずにブラインドでやる方が色々試せると思います。準備は大変かも知れないけど、楽しんでやればできちゃうと思います。

三:結果として防災・備えに繋がるってすごく魅力的ですね。

小:そうですね。防災だけじゃなくて、日常と防災をつなげていくのがいいと思います。

2019.10.22 朝日新聞(アベナオミの#1日1防災)第19回・使い捨てBBQセットで防災訓練 (承諾番号20-0473)

 災害時の食として、パッククッキングが注目されていますが、防災だけではなくて、食器を使わずに一袋一料理ができると今注目されてます。いろんな料理をまとめて一度にボイルすることもできる。鍋が一つしかないときに、いくつも袋に入れてボイルすれば一度に何品もできていい。さらに油も使わずヘルシー!ということで、日常でも注目されています。パッククッキングも防災が入り口じゃなくて、1人くらしの簡単クッキングと言う入り口でもいいわけです。切り口は全然違うけど、いざという時に役に立つということに繋がる。
 そういうことを考えるのが好きな人、得意な人はどんどん考えたらいいと思います。例えば「台風カフェ」を開くタイミングを考える人は気象庁の予報をしっかり見て情報を見極めることが得意な人、みたいな感じで企画を考えるのが好きな人、体力を発揮したい人、頭を使いたい人、などそれぞれ得意技を発揮できる役割分担をすればいい。おしゃべりしたい人はおしゃべりしてもらえばいいし。そのために新しく何かを身につけなきゃ、というのではなく、それぞれがやりたいことをうまくコーディネートするのが一番無理がなくていいと思います。
 別に防災を頑張っているわけじゃないけど、なんか、災害に強いまちだよねって言われる。そういうのが理想です。

 2019.09.03朝日新聞 (アベナオミの#1日1防災)第15回・水害は予測できる災害ですよ(承諾番号20-0473)

三:要はどうやって、「台風カフェ」を仕掛けていくか、ですね。ただオオカミ少年効果っていうのが気になります。

小:避難と思うから、オオカミ少年効果になるわけですよ。避難じゃなくて遊びにいくんだったら、別に空振りではないわけです。防災意識だけでは動けないという状況がありますから。それこそ「子育てカフェ」とかでもいいし、人によって興味関心が違うので、「起業カフェ」でも「ごちゃまぜカフェ」でもいい。ようは気軽に行きたくなる場を作ることがポイントかもしれませんね。

※)台風カフェは、浜松町の西山地区で地域のサロン(西山カフェ)を開いている集会所(安全な場所)を、台風時に「台風カフェ」として開き、安全なうちに避難してもらい、おしゃべりしながら不安なく過ごすというものです。

 積み重ねていくことで気づくこと

三:防災訓練で伝えたいことは?

小:防災の講演をするときに、「防災訓練の罠」っていう話をするんですよ。それは何かというと、型通りの訓練、例えば、朝サイレンがなって、震度7の地震が発生しました、どこそこの公民館を避難所として開放しました。すると各地から公民館に集まってくる…というような訓練。それで、公民館で防災講演を聞いて、AEDを体験して、お土産もらって帰る・・・。というような訓練の罠です。その訓練って、最初からその日にやるのがわかっているから、まだサイレンがなってないけど、家の前に出て屈伸とかして、なんか準備万端。みんななんか予知能力ありますね(笑)。場合によってはもう公民館に来てる!となると、これ何の訓練だったっけ?ってことになってしまう。
 それを10年やったとして、10年後、なにか変わっていますか?あまりかわらなさそうですよね。でもそれをやるために結構な準備をして手間がかかっているわけです。皆さんの貴重な時間をそこに何時間か費やしているのに、10年経っても変わらないような訓練をやっていたら、すごいコスパが悪くないですか?


 例えば3月に行った防災訓練の話です。避難所は体育館でしたから靴を脱いで靴下です。床は冷え冷えです。近所から参加するだけだからみんな手ぶらで来て割と軽装です。ブルーシート1枚でみんな靴下1枚ですよ。ここで何も言わなければ10年経っても同じ訓練かもしれませんが、ひと言「災害が起きてもその格好で来るんですか?」って聞くと、「いや、これではちょっと無理やね」ってなるじゃないですか。「ではちょっと寝てみてください、これで寝られますか?」と、そういうようなことをみなさんに投げかけると、次の年は持って来ようかとなりますよね。あと、「段ボールを敷くだけでも全然違うね」ってわかると、段ボールはどこから調達する?という話が出て、来年はそれをやってみよう、となる。すると環境が変わりますよね。そういうことを積み重ねていくと、「これでも一晩過ごすのはきついね」とか、「段ボールを二枚重ねてみる?」とか…。「やっぱりパーテションがないとうちの娘が年頃で、ちょっとここで家族以外の人と一緒に寝るのは、ね」という意見が出たりします。では、そういうスペースを作ろうかと、「赤ちゃんはどうする?」とかどんどん話が膨らみます。毎年毎年1テーマでいいので、そういうふうにやれば10年経つと、だいぶいい避難所になりそうな気がしませんか?一個一個は小さいことでも、何か足らないことに気づいて改善する。防災訓練って本来そうあるべきで、足らないこととか、今できてないことに気づいてそれを改善するための訓練なんです。
 災害って明日来るかもしれないけど、30年後かもしれない。同じ訓練をやり続けても何にも変らないまま30年経っちゃう。ちょっとづつでも変わっていければ、30年後はかなり改善されてますよね。実際の災害時には、変わらない訓練をやっているよりいい環境になっているはずなんです。

三:最後に、緊急時に茫然!とならないためにどうしたらいいでしょう?

2019.07.09朝日新聞 (アベナオミの#1日1防災)第12回・外出先でお役立ち車載防災セット(承諾番号20-0473)

小:自分はどこまで許容できて、どこから許容できないかを考えて、許容できる範囲の生活ができるような準備をしておくことでしょうね。あんまりひどい環境にならないように。
 私の場合だと、多分被災地から出ますね。引っ越し続きの暮しでしたし、住宅は賃貸なので家を再建する必要はないので住まいのあり方だけ考えればいい。それもあって、身軽にしているところもあります。
 ただコミュニティがしっかりしていてずっとそこで生きていきたいっていう人たちについては、自分だけの話じゃなくて、地域コミュニティーの存続のありかたと合わせて事前にみんなで考えておく必要があるでしょうね。あと被災後には避難所ができます。その避難所も水害とか津波だと自分の住んでいた地域内にはできないかも知れない。そうなると、よその地域にある避難所に行かざるを得ないけど、地域コミュニティーを守ることを意識しておかないと、地域の人がバラバラの避難所に入ってしまってコミュニティーが壊れてしまうこともあります。過去の災害では、自治会単位で入居できるようにしたケースもあるので、事前にそういう話を行政とできるといいですよね。
 あと、避難所生活は、みんなが他人事だとどんどん環境が悪くなるんですよね。住民主体で管理したところは環境が良くなるんですが、みんなが他人事だと、汚しても気にならない。衛生環境も悪くなるし、住空間としても、生活空間としても環境が悪くなるんですよ。だから自分が避難者として避難所にいる場合には有志を募って、環境作りを担うとか、率先して動いた方がいいです。それは何のためかと言ったら、自分がいい状態で暮らしたいから。被災してしまったらなるべく悪い状況に陥らないようにするということと、人の力をうまく使うこと。自分だけで抱えるのは大変ですから。復興まで長いですし、その瞬間はなんとかできるかもしれないですけど、そのあと生活再建に一年二年かかります。災害によってはもっとかかりますので。うまく人の力を使ってやっていくということですね。でも世代もその社会経験もみんな違うから価値観を共有することが非常に難しい。みんなが「こうしなきゃいけない」ってやると、みんなの思いの共通部分しか実現しない。人がいっぱいだったらいっぱいいるほど重なる部分がどんどん小さくなるから、できることは小さくなってしまう。それだったら自分と考えが違うものも認めて、みんなの思いをできるだけ取り入れた方が、可能性も広がるし、みんなハッピーですよね。

2019.11.19朝日新聞 (アベナオミの#1日1防災)第21回・断水時はまな板スルークッキング(承諾番号20-0473)

東日本大震災を経験したイラストレーターで防災士のアベナオミさんが、防災の知恵をイラストで提案。「1日一つ、少しでも防災に役立つことができれば、365日の積み重ねで大きな防災力になる」。そう語るアベさんが、日々続けられる身近な取り組み です。


vol.194 ぎむきょールーム ゲームのやりすぎは病気なの?

手放せない!やめられない‼
子どもの姿に「ゲーム障害」の不安がよぎったら

関 正樹(児童精神科医)×岡崎 勝(小学校教員)

「ゲーム障害」診断の基準は?

岡崎:子どもたちはゲームにかぎらずなんでも流行りものが好きですよね。相談でよくあるのは、不登校やひきこもりになってゲームばっかりやっているということ。
 ボクは「体が健康ならいいんじゃない?」というし、しばらく様子を見ていいと思うことがほとんどです。だけど、「ゲーム依存症」はキャッチーな言葉としてメディアにも流れてきているから煽られる部分はあると思います。
関:ネット依存、ゲーム依存については前からもいわれていましたが、2019年5月、WHO(世界保健機構)が作成する『ICD-11』という国際疾病分類で「ゲーム障害」が正式に認定されましたしね。この「ゲーム障害」、つまりみなさんが「ゲーム依存」と呼ぶものが、診断のガイドラインではどんな状態とされているかまずお話しします。
 「ゲーム障害」は、『ICD-11』で正式に収載されることに決まった診断名です。これは、行動の嗜癖といわれる状態のひとつであり、まず第一にゲームの「コントロール障害」があります。ゲームを始めるタイミングとか、終えるタイミングとか、時間のコントロールができなくなった状態になっている。なお、生活の中心がゲームになっていて、例えば対人関係上のトラブルなどが頻繁に起こってくる。それでもやめようとしない。こういう状態がわりと長い 期間(基準は12ヶ月間)続き、それが社会生活上の障害になる。つまり学校や会社に行けなくなったり、遅刻をしたりしてしまうということです。

「ハマる」というのがどういうことが考えてみると、その対象は周囲に認められやすいものからそうでないものまでいろいろあります。たとえば、大学教授が研究にハマって、それで収入を得て尊敬も得られている。囲碁や将棋にハマる人も賞賛されることがおおいかもしれません。しかし、ゲームにハマると、非常に冷ややかな視線を向けられることが多いかと思います。

専門家に相談する目安は?

岡崎:家族やまわりの大人が、ここまでは見守りましょうとか、ここからは治療が必要だとか、そういう線引きはできるものなのでしょうか。
関:難しい話ですね。家族とゲームのことがまったく話題にできないとかうるさいな、などといって本人が会話することを拒否しているとか、家庭内でひきこもるような状態になっているとしたら、家族が誰かに相談したいというニーズが出てくると思います。
岡崎:本人を精神科に連れていくのは難しい。本人が自覚していれば、助けを請うために専門家にある程度すがるのはひとつの過程としていいことだと思うけど。
関:家族が相談に行ったとしたら、それをオープンにして本人と話したりしてもらえると、そこに相談の意味があるように思います。

診断はみる医者によってちがう?

岡崎:ゲームにハマると、夜更かしになるとか生活のリズムが変わるから良くないと言われます。親の働き方や家庭の習慣もあるから、本人の努力ではどうにもならないこともある。
関:そのあたりは医者の主観によって、だいぶわかれると思います。
岡崎:発達障害でも、ほかの病気でもそうですが、医者によって診断が変わるというのは当然ありますね。
関:『ゲーム障害』に対するスタンスは医者によって違いますし、そのスタンスによって診断も変わってくるのではないか。かり作られて、その結果どういうデータが蓄積されていくかを見ていくことができることだと思います。

生活リズムの乱れが問題になるのは?

岡崎:一般的には学校で寝るのはまずいことだけど、本人にとってはそれが必要だから寝ているわけで、起こすのはまずいよねという意見もある。医学モデルと社会モデルの確執のようなものが教育の中ではすぐに出てしまうから、ボクが「早く起きろよ」というと、他の教員に「画一化していませんか?」みたいにいわれたりする。子どものゲーム依存のようなことは、体の心配もある一方、取り巻きの問題も大きいと思っています。
関:周りの大人がどんなふうに子どものゲームのことを考えているかによって、きりわけ方が変わってしまう。
岡崎:学校には、受験勉強で疲れて寝ている子もいるわけで、勉強だったら称賛される部分もある。すると、今「ゲーム依存」「ゲーム障害」と言われていることは、医学モデルの依存症とは随分距離があるかなと思います。

関:世の中ではゲームがまずいと思っている人の方が多数派だと思いますし、子ども目線でいえばゲームに対して肯定的な大人のほうが少ないと思います。バイオレンスなゲームが性格傾向として暴力的な人をつくるかという研究がクローズアップされたりしますが、最近はそれが否定される研究も出てきています。
岡崎:ゲームで乱暴になるなんてことはないですよ。暴力的になるのは、例えば人間関係がうまくいかないとか、ストレスやいら立ちがあるときで、それは逆にゲームをするとおちついたりもします。
関:そうですね。でも、うまくいかないと逆に怒りも出てきますが(苦笑)。

せき・まさき
1977年生まれ。児童精神科医として岐阜県の医療法人 仁誠会大湫病院児童精神医療センターに勤務。病院での臨床を重ねるかたわら、地域での子育て講座や各地での講演を行う。自身も子どもの頃からゲーム好きで、最近は「スプラクトーゥン2」にハマる。小3女児の父。休日は娘とゲームをすることや音楽活動にハマる。

おかざき・まさる
1952年生まれ。名古屋市公立小学校教員。<お・は>編集人。きょうだい誌<ち・お>編集協力人。「アーレの樹」理事。著書に『センセイは見た!「教育改革」の正体』(青土社)『子どもってワケわからん!』(批評社)他。ゲームは学生時代に「パックマン」にはまり、最近は孫の小2男児とWii Uを楽しむ。

ICD-11「ゲーム障害」の診断ガイドライン(草稿)
1-持続的または再発性のゲーム行動委パターン(インターネッ  トを介するオンラインまたはオフライン)で、以下のすべて  の特徴を示す。
 A:ゲームのコントロール障害(たとえば、開始、頻度、熱中度、  期間、終了、プレイ環境などにおいて)。
 B:他の日常生活の関心ごとや日々の活動よりゲームが先にく  るほどに、ゲームをますます優先。
 C:問題が起きているにもかかわらず、ゲームを継続または   さらにエスカレート(問題とはたとえば、反復する対人関係問題、仕事または学業上の問題、健康問題)。
2-ゲーム行動パターンは、持続的または挿話的かつ反  復的で、ある一定期間続く(たとえば、十二ヶ月)。
3-ゲーム行動パターンは、明らかな苦痛や個人、家族、社会、教育、職業やほかの重要な機能分野において著しい障害をひき起こしている。


vol.194 えんぴつ・カフェ

自分らしく生きる!

人生これから!は定期的にえんぴつカフェを開催しています。ライフデザインノート『ゼロの昇天』をどんどん書き込んでいきます。

2020年3月7日(土)14:00~16:00・4月16日(木)13:30~15:30 

 場所:にらめっこ編集室(各務原市蘇原新栄町3-15) 参加費500円(お茶とお菓子つき)

『ゼロの昇天』とは

「今を生きる」ことにスポットを当てたノート。とは言えいずれ迎える「死」を意識して、家族や周りの人に伝えておきたいことを書き留めておくことを勧めている。高畠純さんの軽快なイラストが心を和ませてくれる。定価700円 (B5版44p2色)

えんぴつ・カフェとは

毎月1回おしゃべりしながらライフデザインノート『ゼロの昇天』を書き込むために集うカフェです。お茶を飲みケーキをつまみながら、持ち寄った課題をみんなで考えます。話題は多岐にわたります。「人生これから!」を基本に、やがて迎えるであろう「そのとき」まで、どう生きるかを念頭に置いて書き込んでいきます。ちっとも筆が進まない、というのが現状ですが、みんなの話を聞いて、回を重ねるごとに、少しづつイメージが湧いてきます。そんなカフェです。

人生のエンディングは誰もが迎えるということはわかっていても、準備をするときを決めかねてしまう・・・
エンディングという言葉に抵抗を感じる人も多いですね。だから、ライフデザインノート「ゼロの昇天」にしました。いま、これから、どう生きるかが大事。だって、人生これから!ですから。(^o^)

主催:NPO「人生これから!」 問い合わせ 090-5638-7044(田辺)090-7854-4561(三上)


vol.194 しょうがいをみつめる vol.5

新生活、新年度に向けて  私の“トリセツ” 作ってみませんか?

 2015年頃から結婚式の余興のネタとして根強く人気のある トリセツ(取扱説明書)。この“トリセツ”が発達障害を周囲の人に理解してもらう手立てとして有効だと、近年広まりを見せています。新しい職場、新しいクラス…と環境の変わるこの時期に“トリセツ”を作ってみませんか?“トリセツ”を活用して、 互いの理解を深め、助け合える社会を自ら創造していきませんか?

“トリセツ”の作り方

1、困りごとは、何ですか?
 まずは、あなたやお子さんの「困り事、助けてほしいところ」に気付くことから始まります。

困りごとの例を挙げるとすれば
・自分から人に話しかけるのが苦手
・急な予定の変更にすぐに対応できない
・じっとしていることが苦手
・うっかりミスが多い、大事な場面でもうっかりミスをする
・視覚、聴覚、嗅覚などの感覚が敏感、または鈍感・・・などがあります。

2、困りごとの対策とお願い

①「自分(家庭)ができる対策」と
②「周囲(職場・学校)にお願いしたいこと」
を書き出してみましょう。
“トリセツ”は、職場や学校に限らず【子育て】の困りごと、【介護する】困りごと、【介護される】困りごとなど、【】の中が変われば家族間で、又はサービスを提供する受ける関係で有効に活用することができます。
 “トリセツ”を一から作るのは難しそうだなと思う方は、こちらから印刷して使える“トリセツ”もあります。参考にしてみてはいかがでしょうか。(my-torisetsu.pdf)

発達障害や自分の特徴を

「~ができない」「~が悪い」「~を頑張れない」
と、自分を責めるのではなく
「~ができないから、…の方法を選択する」
と、嗜好性の違い(好みの違い)だと捉えて、自ら周りに提案してみてはいかがでしょうか?

 周りの人はあなたを責めているわけではなく、あなたの特徴や嗜好性を知らず、どのように接していいのかわからないことが多いと思います。周囲に伝える時には、一方的に「絶対にこうしてほしい!」ではなく、「こんな風に接してほしいのですが、どんな方法があるか一緒に考えてもらえませんか」というように、相手にも同じ足並みで考えてもらえるように伝えてみると、周囲も受け入れやすいと思います。
また実際にやってみてうまく行かない時には、他の方法に「変えていく」ことも事前に伝えておくと、信頼関係を築きやすいと思います。わたしの生きやすい社会は、他の誰かにとっても、生きやすい社会になります。
 2020年度は、わたしの“トリセツ”作りをきっかけに、『わたし』を発信してみませんか?


vol.194  niramekko Gallery「さかな」「御朱印」

みるみるうちに身長が175センチに。体重はさて何キロあるだろう。聖くんはその体に見合わない優しい声で、話しかけてきます。小さな子とあそぶ時もとても穏やか。そんな聖くんは小学生の時から御朱印にはまってます。筆を持つとスラスラと書き始め、その達筆ぶりが伺えます。かと思うと、テーマが水族館の時には、見事に魚が泳ぐ。聖くんの筆さばきは見事です。そして、いつも目を惹く作品になります。クラスで「今回のテーマはこれ!」と投げかけますが、聖くんは何を描くだろうと、とても気になる存在です。

 なんか疲れたなぁ、と思ったときは思い切って日常から離れてみませんか?私たちの暮らしは意味や役割があるものに囲まれています。そうすると、意味のないものに耐えられなくなるかもしれません。アートに触れるときは、意味を求めないで、心の働きを感知する力を取り戻しましょう。共感したり感動したりすることで、心の働きが活発になっていきます。たまには、美術館やギャラリーでアートな作品を鑑賞してみませんか?気持ちが落ち着いたり、リフレッシュしたり、時にはワクワクしたり…まだ自分が体験した事のない領域の喜びを体や心で感じることができるかもしれません。

風の芸術村 会員・随時募集中です。
詳しくは下記へお問い合わせください。


vol.194 人生これから!シンポジウム

基調講演:上鵜瀬 孝志氏(セカンドライフアドバイザー)

人生は10万時間の三段重ね

小学校、中学校、高校 (24時間×365日×12年間=10万時間余)時代は「親に育てられた時代」。定年まで働く時間(1日10間勤務×年間250日×40年間=10万時間)は「社会に育てられた時代」。そして定年後から平均寿命80歳までの自由な時間(1日14時間30分×365日×20年間)これからは「自分で自分を育てる時代」です。

「人生これから」をより豊かに生きるために

1.「競い争う」から「協力して奏でる」こころへ
 定年までは競争と支配、比較が原動力だったが、それま での競争意識のままでは、孤立への道に進んでしまう。 孤立しないためにも価値観の転換をして「協奏」のここ ろを大切にしたい。
2.やりたかったこと、やっていたことがパワーに! 
 趣味でリセット。かつてやっていた趣味の再開やい ろんなことにチャレンジしてみよう。

3.貢献は、人のためならず
 始める動機は地域社会への貢献や社会の役に立ちた いでも、自治会、ボランティア、NPO活動…など活 動しているうちに、「やって良かった」「友達ができた」 という人は多い。まさに、貢献活動は人のためならず。

くう・いる・あそぶ

くう=料理が変える定年後。食べたい物を自分でつくる。妻の介護に備える、ひとり暮らしになっても困らない。料理は自立への大きなステップ。
いる=居場所さえあれば何とか充実。心理的側面からの居場所
あそぶ=友だちは“値”年金。充実人生に、友だちは大切。話しあえる人が多いと気持ちが落ち込む可能性は低い

“値”年金の増大に 友達つくりは3つの関係で…

  1. 年齢やかつての肩書きを意識せず付き合える関係 
  2. 利害を超えた付き合いができる関係 
  3. 年下の人たちとの関係  
    大切なのは何をしてきたかではなく、何をやりたいか。

さびない友達のメンテナンスを
1.相手に関心を持ち過ぎない 2.誘って断られても、気にしない 3.優劣、序列をつくらない
4.お金の貸し借りはしない、すべて割り勘 5.メールよりも「会って話そう」の精神で。
夫婦間に異なる意見や考え方があるのは当然。違う意見を認め受け入れる、それが「聴く」ということ。そうすると相手の人格を傷つけない。「聴く」こそ、コミュニケーションの基本。“聴く耳ニケーション”で信頼を。

 人生これから!のシンポジウムでは4人のパネラーが登壇。それぞれ「どんな転機を迎えたか」、そして今後「どう生きていくのか」を語っていただきました。定年を仕事の区切りだけにとどめず、人生の転機と捉えた時とし、4人からは「自分が病気になった時」「家族のありようが大きく変わった時」「転職した時」などいろいろでした。

参加者のアンケートより。

<基調講演>
・ 主人が定年後のライフが想像できて少しゾッとした。今か ら少しずつ今日のことを伝えていきたいと思った。(40代)
・ ジェンダーからくる定年後の生き方の転換がとてもわか りやすくてよかったです。競争→協奏 すてきです。(50代)
・ 「協奏」という言葉に心が惹かれました。(60代)
・ 友達関係で誘い、誘われても断れる関係になれるように なりたい。(60代)
・ すべて納得。夫と来て良かったです。(60代)
・ 今まで散見的に聞いたりした事が整理できて良かった。 これからはどう実践出来るかだ。(70代)

<シンポジウム>
・ 人それぞれの生き方を、腹を割って紹介していただきあ りがとうございました。皆様とても力強く精一杯生きて みえ、人生設計を考える上でとても参考になりました。(50代・まもなく還暦)
・ 大先輩の方々の生き様を生の声として聞くことができ、これからの生き方を考えるキッカケに」なった。(50代)
・ どう生きるか、ですね。その人の人生の話しは学びが大きいですね。(50代)
・ パネリストの方々のそれぞれの身の過ごし方が聞けて良かった。健康も自分の思うようにならないので、心の持ち方が1番大切かと思いました(60代)

<今後どのように人生を送りたいですか?>
・ 改めてしっかりした生活を送りたいです。自分を育てるという言葉に感銘を受けました。(70代)
・ 60歳から何をしたいか、何ができるかをさがしてみたい。健康とお金、友人を大切にしていく。(50代)
・ 感謝の心を大切に。(70代)
・ 夫の話しに耳をかす事を心がけようと思います。自分も自分らしく生きようと思います。(70代)
・ ねたきりにならない様運動、健康、食事、畑仕事、夫と感謝しあえるように。(70代)
・ 生涯独身の人、家族を失くし独りの人、いろんな方がいらっしゃいます。他人と比較せず前向きにサークル活動や運動に参加したいと思います。孤独だと感じないことが大切だと思いました。(60代)
・ 四つ葉のクローバーを大切に心にとめて生きたい。コミュニケーション大切に、人とのつながりを大切にしていきたい。夫と聴く耳にケーションする。(50代)
・ 人生四苦八苦であり、死も自覚しなくてはいけないと思う。自覚した上で死までの時間を、人生の目的を考えながら過ごしていきたいと思います。(50代まもなく還暦)
・ 静かにのんびりと小動物と余生を送りたい。人生振り返ると何もくいなく思い通りの人生で、自分では仕合せな人生で何も思い残す事はありません。(80代)
・ 自分ファーストの生活を送りたいと思いながら、母、子ども、孫、夫を優先させる生活が続いています。少しずつ実行したい。(60代)
・ 自分の人生は自分のコントロール下にあるけれど、自分だけでは生きていけない。家族、友人の存在、関わる人たちに対してどんなことに影響を与えることがで きるかがテーマだと思います。(60代)

えんぴつカフェスペシャル  参加者全員に進呈!(郵送)

・薬膳料理のレシピ・ゆる体操のメニュー・歌うは脳活!・定年後の10万時間をどう過ごす?etc …など「えんぴつカフェ・スペシャル」をまとめた暮らしのヒント集。スペシャル企画に参加していないけど、「NOTE欲しい!」という方はプレゼントコーナーを参照してね!


vol.194 熱中人 森のようちえん こどもの庭 園田 智子さん

“すべてのものがある森”の中で、
 一緒に育ちあう喜びをわかちあおう!

一般社団法人 こどもの庭 代表理事 園田 智子さん

 子どもたちは森でいろんなものを遊びへとつなげていく。石や木の枝を拾い集めてコレクションにしたり、四角い石でスマホごっこをしたり、木に登り虫を捕まえる…。大好きな冬いちごの実を見つけた時には「あった〜!」と叫び、少ししかないその赤い実を宝物のようにしてみんなで分け合って食べる。寒い冬、日なたや友だちとつないだ手の温かさに「あったかいねぇ!」と喜び、夏には木陰や吹く風に「涼しい〜!」と思わず声をあげる。小さなことにも喜びを見つける。
 「子どもたちを見ていると。何もないところから遊びを作りだすたくましさ、日常のささやかな事にも喜びを感じられる豊かな感性を持っているなあと感じます。そういう力がこれからの時代、幸せに生きて行くための力になる、森ではそういう力が培っていけるんじゃないかなって思います」と代表の園田さんは語る。
 園田さんが初めて「森のようちえん」の存在を知ったのは美濃市の「森のようちえん だんごむし」のパンフレットを手にしたとき。その後にらめっこ156号の記事で多治見市にも森のようちえん(森のわらべ)があると知り、そこでお散歩会に体験参加。その時見た娘の姿が印象的だった。
 「娘がまるでスイッチが入ったように、すごく活き活きし始めて。森の中で折り重なった落ち葉で滑り台して遊んでいる姿を見て、彼女の中の何かがパッと開いた感じがしたんです。もう“私の子育てこれだ!”って思いました。」(笑)
 とはいえ、自宅のある八百津から多治見や美濃市は毎日通うには距離がある。じゃあ自分でやってみようと、2015年、長女が年少になるタイミングで「森のようちえん 自然育児 こどもの庭」を立ち上げた。基本方針は、「答えは子どもの中にある」、「子どもと大人は人として対等である」というもの。最初の園児は長女ひとり。だがその後口コミなどで少しずつ広がり、今では17人の子どもたちが「こどもの庭」の園児として過ごす。
 「こどもの庭では、毎日朝の会、帰りの会でみんなが集まリます。ここで大事なことを伝えるからちゃんと聞いてね。ということを徹底しています。また子どもが自分の身を守れるようにと、大人がルールを設けることもあります」。
 大事なことというのは森で安全に過ごすためのルール。まずは大人が見えるところで遊ぶというのは鉄則。ハチ、マムシに出会った時の対処法。草むらに入るのは大人が確認してから。服装は必ず長袖長ズボン、靴下と靴をはいて、首にはバンダナ、など。ポイズンリムーバーも、自分たちで使えるように教えている。夏の熱中症対策など、園舎がないだけにとにかく子どもたちの安全には細心の注意が必要となる。
 屋外だけでなく、フィールド内にある建物で、にじみ絵や羊毛を使った手仕事などをして過ごす日も。年長さんに教わりながら自分の縄跳びの縄を編むのは年中さん。今、年長さんは小学校の準備のために、自分でベンガラ染めをした布で手提げバックを手縫い中。そして、3学期にはナイフを贈呈式でもらう。鉛筆を削ったり森の中の枝で箸を作ったり。「縫い物もナイフも、今年はまだ早いかな?とか、その年の子どもたちの様子を見て時期を決めます」子どもとしっかり向き合っているからこその判断だ。高くまで木に登り、縫い物をし、ナイフを使う年長の姿は、年下の子にとって憧れ。年上の子の姿を見て、ああなりたい!と大きくなって行くことへの希望や夢がそこにある。また、虫嫌いだったお母さんが、子どもが捕まえたカナヘビのエサにと、夢中で虫を捕まえるということは珍しくない。お母さんも知らず知らずにたくましくなっていく。子どもに求めるだけでなく、大人も楽しみながらいろんな世界が見られる、森にはそんな力があるようだ。
 「将来的には、園舎というかお家を持ちたいです。里山保育というか、お年寄りや地域の方とも交流して、手仕事や農作業を一緒にやったり。まわりには自然や畑があって、お母さんも畑仕事をしたりしながら子どもを育てるというような、昔農村でやっていた子育てみたいなものがやれたらいいなって。自然と子育てと暮らし、というものが一体になっているような、そんな場所をめざしたいです」園田さんの想いは広がる。 (加茂郡八百津町在住)

森のようちえん 自然育児 こどもの庭

 「こどもの庭」のフィールドは4つ。可児市(久々利・西可児)、美濃加茂市、御嵩町のうちのいずれかがその日のフィールドで、子どもたちと当番のお母さんたちとスタッフが一緒に森で過ごす。

ようちえん(3~6歳)週4日…定員20名ほどの少人数異年齢保育
親子の会(0~3歳)週1回…小さなお子さんとそのお母さんのための活動
E-mail yao2koniwa@gmail.com


vol.194 夢か悪夢かリニアが通る!vol.23

危機の南アを守れ

リニア中央新幹線南アルプストンネルを巡る情勢が「風雲急」を告げています。トンネル掘削による大井川の減水問題についてJR東海の説明が二転三転し、静岡県との議論がこう着状態となっていましたが、「仲介役」を買って出た国土交通省が今年に入って、新たな有識者会議を設置することを提案。環境省や農林水産省も参加した議論を求めていた静岡県も「会議は全面公開で行う」「水問題に関わる各省庁の専門家や県推薦の有識者が参加、地元住民の代表も立ち会う」など5条件を示して同意しました。3兆円もの財政投融資をJRに貸し付けるための法律改正を行い二人三脚でリニアを推進してきた国交省にはたして、「中立」を期待できるのでしょうか。これからもしっかり監視していく必要があります。                              井澤宏明・ジャーナリスト

大井川左岸の「赤崩」。断層破砕帯にたまった水が湧き出ている。トンネル掘削で破砕帯にぶつかると、水が噴出し、上流の沢が枯れる恐れがあるという(2019年6月13日撮影)

240万トンの水をどうする?

 「南アルプスにリニアはいらない」と題したシンポジウムが1月19日、神奈川県川崎市で開かれました。リニア建設によって危機的な状況に置かれている南アルプスについて考えようと、市民団体「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」などが主催し、200人余りが参加しました。

川勝平太・静岡県知事らに「赤崩」について説明する塩坂さん

 「山場なんですよ、リニアの問題は」と話を切り出したのは、静岡県の有識者会議の委員としてJRと対峙してきた地質の専門家、塩坂邦雄さんです。
 南アルプスと30年以上付き合ってきたという塩坂さん。「大井川の水が毎秒2~3トン減ると言ってますけど、これは工事が終わってリニアが走れる状況になったとき、トンネルの周辺からチョロチョロ出てくる水。イメージとしては、華厳の滝の渇水期の水量で、それと同じ量をポンプで戻そうとしている」と解説。
 「それよりもっと重要なのは、トンネルが(断層)破砕帯を突き抜けると、240万トンの水が出てしまうとJRは言っているが、この大量の水をどうするんだ、という答えが出ていないこと」と問題点を指摘しました。「抜ける水は(240万トンの)ほぼ10倍だと思っている」とも。

川崎市で開かれたシンポジウム「南アルプスにリニアはいらない」

 トンネルに湧き出た水を沢に戻す悪影響にも言及しました。「トンネルの地下水温は年間ほとんど同じ15、6度。これを生態系のために戻すというが、水温が0度とか2度の沢に戻したら生態系を破壊するだけです」
 さらに、JR東海道本線の丹那トンネル掘削中に発生した北伊豆地震(1930年)でトンネル内に3メートル近い横ずれが発生したことや、台湾地震(1999年)で断層がずれ河川に滝が発生した事例を挙げ、断層を貫く南アルプストンネルの致命的な欠陥も指摘しました。「トンネルがずれたら、時速500キロのリニアに止められる余地はありません」

最後のスイッチを押してしまう

  日本自然保護協会で環境保護室長を務めた辻村千尋さんは、国立公園に指定されている南アルプスに、どうして巨大トンネルを掘ることができるのかという疑問に、「南アルプス国立公園の中には、リニアに関する設備が(計画されてい)ないからです」と答えました。
 辻村さんによると、南アルプス国立公園は山の稜線部しか指定されていません。そこで、重要な環境が残っている大井川源流部まで国立公園の範囲を拡充すべきだという結論が、リニア計画が決まった直後に出されました。「環境省が負けたんです。リニア計画の方が先に進んでしまったので、環境省は国立公園の指定を拡充することができなかった」
 南アルプスの高山植物のお花畑を取り巻く状況にも触れ、「シカの食害や地球温暖化で雪の降り方も変わって、お花畑は相当痛い目に遭っている。今回のトンネル工事で地下水全体の流れが変わり、最後のスイッチを押してしまう可能性がある」と危機感をあらわにしました。
 南アルプスが登録されているユネスコのエコパークには、定期的な報告が義務づけられています。辻村さんは「リニアのトンネルができて、(大井川源流部の)二軒小屋あたりまで道路が整備されて観光バスが行くようになったら、エコパークの指定が相当、黄色信号になるのではないか。予防的観点に立って見れば、リニア計画は止めるしかない」と訴えました。


vol.194 ボーダーレス社会をめざして vol.53

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

限りない成長

 お正月、自閉症の息子が私に、お抹茶を点ててくれました。先日は、「一緒にお菓子を食べましょう」と誘ってくれました。
 小さい頃の息子を知っている人は、びっくりだと思います。幼稚園の頃は、じっとしていられなくて、園外に出て行ってしまったことがありました。また、小学1年生の時は、多動で出来ないことが多いため、「お母さんも授業に付いてください」「どうして普通学級に在籍するのですか」と先生に言われた子どもが大人になり、自分の母親にお抹茶を点ててくれたのです。今でも自閉症の特徴はしっかりありますが、上手に付き合ってくれば、自分のため、家族のために行動できるようになるのです。
 特別支援学校高等部を卒業したばかりの頃は、仕事帰りにケーキ1個、お団子1本を自分のためだけに買ってきていました。「あっちゃん、Mちゃんにもケーキ買ってきてほしいな。」と繰り返し言い続けました。 また、カッターシャツをズボンの中にインするのが自閉症の人の定番スタイルですが、電車で会社に通い始め、乗っている人がシャツをインせずボタンもかけず着ている姿を見て、真似した事がありました。その時、「電車の中の人はこうして着ている」と言いました。周りを見ることができるようになったのです。
 また、電話は全く掛けられなかったのですが、今では一方的な電話とメールはOKです。携帯電話が普及し、うまく話せなくても文字で自分の意思を伝えられるようになりました。皆さんは、当たり前に携帯電話を使われていると思いますが、障がいのある人にとっては、素晴らしいツールなんです。視覚が強いため、電話で話すよりメールの文字で伝えることの方が得意で、お陰でかなり意思疎通ができるようになりました。一度だけ「ありがとう」というメールが来たことがあります。会社に持っていったお弁当のお礼です。おにぎりと色どりの良いお弁当を作った時のことです。おいしかったのか、きれいだったのかは定かではないのですが・・・。「お~~!!こんなことがあるのね。」とびっくり。20年程お弁当を作ってきて、ただの一度だけですが、記念のメールとして保存してあります。娘にはいつも「お弁当おいしかった。ありがとう!」って言われていましたから普通の人であれば、そんなこと当たり前のことですが、当たり前ではなく感謝の言葉をメールで送ることができるって本当に凄いことなんです。
 以前「限りある成長?」というタイトルで原稿を書いて12年経ちましたが、遅々たる成長をまだ続けています。今日も「温泉に行ってきました。楽しかったです」というメールが届きました。


vol.194 半農半X vol.35

ニュービギニングス 新しいはじまり

 綾部にUターンして今年で21年。京都市内から家族で引っ越ししたのは99年1月末のことでした。美しい雪化粧の27号線をいまも覚えています。綾部での生活が始まったある日、新聞で南アフリカの黒人が初めて生産したワインが販売されると知り、すぐ購入しました。アパルトヘイト(人種隔離)政策により、黒人はワインをつくることが許されなかったというのです。南アフリカ史上初の黒人生産ワインは「ニュービギニングス(新しいはじまり)」という美しい名前がつけられました。
 平成の御代から、令和の時代へ。不安もありますが、新しいはじまりもきっとあるはず。綾部ではいままであった店が閉まったり、イベントがなくなったり、始まるものより、終わるもののほうが多いのではないかと心配になりますが、それでも綾部の地から「ニュービギニングス~新しいはじまり」をたくさん生んでいくことにこだわっていきたいと思います。大変なこともいっぱいありますが、小さくてもいいので何かを新しいはじまりを創っていきましょう。

米粉麺が我が家に

 6次産業やマルシェ開催などを通じて、「農のあるくらし」を提案している大阪の山内美陽子さん(谷町空庭代表)を招き、講演会を開催しました。山内さんは「米粉」の普及活動もされていて、お米を送れば米粉麺にしてくれる工房がありますよと教えてくださいました。お米をなんとか活かせたらと思っていたので、早速、我が家のお米を米粉麺に。50キロの白米を送ったら、100グラム入りの米粉麺が約700パック完成し、我が家に届きました。1分半~2分であっという間に茹でることが可能です。
 帰天された作家・田辺聖子さんの言葉をふと思い出しました。以前、田辺さんがお母さんから教わったという「人はな、生まれ在所から三里以内にでけたもんを食べてたら、体によろしいねん」という言葉です。米の年間消費量も日本人1人あたり60キロ弱と、先の東京オリンピックのころと比べると半減中。米粉麺って、なかなかおもしろい存在かも。そんなことを感じている今日このごろです。

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塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.194 未来に続く暮しの学びPrt-35

自然の魔法

 まだ、ところどころ山火事が続くオーストラリア。 私たちの住むエリア「バイロンベイ」には数週間前にやっと雨が届いてくれて、付近の火事も収まりました。滝が流れ、川が流れ、気も流れ始めレインフォレスト復活という感じです。それとともに、夏らしい蒸し暑さが戻ってきました。亜熱帯気候特有の、昼間は太陽のエネルギーが強く、湿気もあり、暑い。でも夕方になると夕立が訪れて、すべてを落ち着かせてくれます。
 雨が降って、気持ち的にやっと落ち着いたというか、まず生活の面で水の心配をしなくてもよくなったことにほっとしました。畑の水やりも心配なくできることにも感謝です。草も樹も、もちろん雑草も大喜びで、すくすく伸び放題。でも、それが自然な反応なのだなと思いじっくりと観察しています。

 動物たちもほっとしているところだと思います。雨が降りいつもの自然が戻ってくることで、彼らの動きも活発になってきています。コアラ、イグアナ、ウォーターリザード、鳥たちが私たちのエリアにも現れるようになり、共存共有の生活をより意識するようになりました。

 この土地とともに暮らすことで気づくことはたくさんあります。まず自然の変化やエネルギーに敏感になり、たまに魔法みたいな体験をさせてもらったり・・・・私たちも、人が本来持っている自然の部分を開けば開くほど、自分自身とつながり、人と人が調和し、あらゆるものを共有しやすくなるんだろうな、なんて思ったりします。
 学びの多いこの2か月間。様々な変化を受け止めながら、その変化に対応できるよう心がけてきました。日々、自然というおおきな存在のなかで暮らしていられることに感謝し、自然のサイクルをからだ全体で感じながら生活をしていこうと思うこの頃です。


vol.194 菌ちゃん野菜応援団 vol.15

 シンポジウムから大きく動き出した方々のお話をよく聞くようになりました。
 「畑に草を入れてみたよ」「生ごみを捨てるのがもったいないと思うようになったよ」「土作りしたいけど何からしたら良い?」
 そんな話を聞くたびにシンポジウムをやってよかったなぁとじんわり嬉しくなります。

 春に備えて土作りを考えていらっしゃる方はぜひ手始めに枯れた草を手にいれてください。プランター、もしくは畑に草をこれでもか、というくらいた〜〜っぷり敷き詰め、軽く水をかけたら上に土を少しかぶせます。畑の時は畝の上にやると後が楽です。使ってない炭が家にあればそれを混ぜると、さらに良し。あとは水がかからないようにシートをかけておけばOK。水はけが悪い畑の時は回りに溝をほって雨水がたまらないようにしてください。

 雨にあてないのがポイント。草にはもともと糸状菌というキノコ菌がついてます。それが春に向けてゆっくり活動を始め、草を分解していきます。そのときに雨にあたると菌ちゃんは死んじゃうんですよね。なので、必ずシートはしてくださいね。

寒い時期は動きがないけど大丈夫。春になったら草が残ってても野菜の植え付けが出来ますよ!要らないと思っていた草が極上の土を作って、野菜を育ててくれるなんてほんとかしら!!ぜひやってみてくださいね‼

 写真は無煙炭化器で炭をつくっているところ。子どもたちも一緒になってわいわいやってます。これはあとからた〜っぷり土にすき混んで菌ちゃんのマンションになってもらう予定です!!たのしみ〜〜〜〜〜。

 今年も菌ちゃん野菜応援団をよろしくお願いいたします。


vol.194 ここいく日記 はじめの11歩!

お母さんパワーが学校を変える!

 『ここいく』は、今年で10年目を迎えます。
 市内に住む私達が10年も活動しているのだから、市内の幼少中学校へ浸透していてもいいはずなのに実際には思うように実現できていません。
 しかし大垣市では2015年に市PTA連合会の研修会で「いのちの授業」発表依頼があり、それをきっかけに役員さん方が「是非、我が子の通う学校で授業を受けさせたい。」と学校へ働きかけて下さり何校かの小中学校での授業実施へ繋がりました。
そして、毎年の恒例行事として呼んでくださる学校につながっています。お母さんパワ-はすごい!!役員さんパワ-は大きい!!私自身もそのパワ-を活用したいと思いました。
 長男の子育て時代、いのちの授業の主催者側として小中学校へ勧めたけれどもハ-ドルが高く、望みは叶いませんでした。ですから長男は残念ながら私のワンツ-マン・プチ授業(‘_’)しかし、第2子の長女の頃には私にも人脈ができ、主催者である私からではなく他のお母さんや役員さんが学校へ掛け合ってくれました。ある時には友人5.6人が学校行事の際に校庭で校長先生を囲んでいのちの授業の必要性を訴えてくれました。そのお陰で娘は小中学校で授業を受けることができました。そして、ついに私も高校のPTA役員となり校長先生や担当の先生に掛け合い、各務原市内の娘の通う高校での開催に至った。まさしく、役員パワ-!!ばんざ-い!! 御理解くださった先生方に感謝。高校1年生239人を対象に体育館で授業を行うことができました。

 事前に16問の避妊認知度実力テストをしてもらい、テスト結果は当日の授業でクラスごとのランキング発表をして盛り上がりました。ワ-スト問題は写真の5問。答えは全てNO! 不確かな知識でこれまで学んでこなかったことがよくわかる結果です。
 性感染症の体験ワ-クでは、たった一人の感染者からセックスでどう広がっていくかを体験。20人中7人に感染しました。この実験は生徒からも反応がたくさんありました。授業後に届いた感想を読んでいると泣けてきました(T_T) 一部ご紹介します。

・講話のなかに「無知は罪」とあったけれど無知ほど怖いことはないと本当に思いました。
・嫌なことがあって死んでしまいたいと思ったことがあると思 いました。でもそれは命をかけて産んでくれた母にとても酷 いことを思っていたんだなと知りました。
・私は特にLGBTのことについて触れてくださったことがとても嬉しかったです。私自身LGBTのうちの1つをもっていて、それを理由にハブられたりということが昔ありました。その時から、1人1人それぞれが違っていいということを多くの人に知って欲しいと思っていました。なので今回、多くの人に教えていただけて本当によかったです。
・嫌だったら嫌と言えるようにすること、ちゃんと自分のことを大切にしてくれる相手、人任せにしないということを大切 にしていきたいと思った。

 オランダでは障害児を対象とする特別支援学校を含み、すべての初等教育(4~12歳)・中等教育(12~15歳)に性教育が義務化されていて学ぶ環境が整えられています。一方、日本は性産業先進国だけれど性教育に関しては最後進国。でも、できることはたくさんあります。学校を変えるのはお母さん達一人ひとりのパワ-です。パワ-を繋いでいけば国をも変える!!
もうすぐ、年度替わり。役員決めは終わりましたか?まずは一歩踏み出して役員に立候補!そして、子ども達へいのちの授業を一緒に届けましょう。ご依頼お待ちしております(^^♪

担当:ここいくメンバー・大塚道でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.194 「見たまま・感じたまま」from韓国 

 韓国に来て約半年が経ち、2月末でこの留学も終えることとなりました。今韓国のニュースは、新型コロナウィルスのことばかりで、日本に関する事はほとんど見られません。

 僕がこの留学を通して、一番伝えたいのは、僕が日本のニュースで見てきた韓国は、韓国で起きた一部分であり、それが全てではなかったという事。一部の切り抜いた情報だけで、韓国に対して悪いイメージを持つ人が日本には多いのでは、と感じました。
 日本では「韓国は反日教育をしている」と今でも言い続ける人がいますが、僕は逆に日本の方が反韓教育をしているんではないかと思ってしまいます。韓国の歴史を学ぶ上で、当時の日本に対して悪いイメージを持つのもわかります。教える先生にもよると思いますが、韓国で周りの人に聞いてみても、「反日教育?なにそれ?」と言う人がほとんどでした。僕の周りの韓国の人を見てみると、日本にワーキングホリデーに行く若者も沢山いるし、旅行に行くという人も沢山います。韓国に来て半年、そんな人たちの中で暮らしているからでしょうか、僕自身が“反日”と感じた事は今までありませんでした。
 一方、デモなどは減ったそうですが、日本製品の不買運動はまだ続いてるそうです。そういった活動をする人の中には、日本の事が嫌いだからという人もいるのでしょうが、ほとんどが、韓国と仲良くできない安倍首相に対する反対の運動だと聞きました。

会いに来てくれた姉と街を散策

 僕はこの留学でたくさんの国の方と出会いました。中国、台湾、ベトナム、モンゴル、マレーシア、ロシア…。どの国の人も本当にいい人で出会えてよかったと心から思っています。日本人だけが優しくて親切というわけでもない。韓国も日本も他のどの国の人も素晴らしいし、自分の国に誇りをもっている。世界中のみんなが、尊重しあえるといいなと思いました。

平和について語り合いたいと、各務原市の中学生でつくったPeace of peace。主要メンバーの古川司さんは、2019年秋から韓国へ語学留学した。日韓関係が危ぶまれている状況の中で彼の「見たまま・感じたままリポート」を韓国からお届けします。

韓国は朝鮮半島の南半分に位置する東アジアの国で、非常に厳しい軍事境界線が北朝鮮との間にあります。韓国はまた、桜の木や数百年前に建てられた仏教寺院が点在する緑に覆われた丘陵地帯や、海辺の漁村、亜熱帯の島、首都ソウルのようなハイテク都市でも知られています。


vol.194 プレゼントコーナー

1- あなたは環境のために何をしますか?してますか? まずは自分でできることから!具体的に教えてね。
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
 タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
 ※Cは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成

プレゼントご希望の方は

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:3月25日(Bは3月15日) 当日消印有効。

宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます

A.CINEX映画招待券

シネックス様より…ペア3組様

主人公と一緒に泣いたり笑ったり。感情を素直に出して映画館を出る時にはすっかりリフレッシュ!そんなひとときをどうぞ!写真は映画「グッドバイ」より。岐阜柳ヶ瀬のCINEXにてご利用いただけます。

B.JAZZE!ご招待

アートギャラリー是様より…2名様

奇数月に行なわれる大人のためのライブ。森永 理美(p)・大森ひろ(ds)・出宮 寛之(b)のトリオが奏でる世界にご招待!  飲食の料金はご負担ください。

C.春日のほうじ茶

ちゃぼぼ園様より…3名様

760年の歴史を持つ春日のお茶。大地に呼応し、自然の恵みだけでゆっくり育ちます。深く澄み切った味を心ゆくまで味わってね。にらめっこ編集室でお受け取りください。

D.人生これから!NOTE

人生これから!様より…5名様

「人生これから!」が今年度の活動を通して得た“いきいき暮らすヒント”を凝縮した1冊。食(薬膳)・運動(ゆる体操)・脳活(歌)・これからの生き方について、など。ぜひ活用してね!


vol.194 始動・にらめっこ!

 甘夏と八朔の移植は1月中旬に行い「ここで生きてね!」と祈るような気持ちで作業を見守りました。各部屋はまだ整備不十分ですが、風の芸術村の個別教室もできるようになり、ちょっと嬉しい。あとは、障子を張り替える作業が…真っ白な障子になったら、雰囲気はぐっとよくなること間違いなし!
 そこで、「障子張り替えワークショップ」を行いたいと思いま〜す!障子張りの得意な方、または一度体験したい方、集合しませんか?わいわいおしゃべりしながら。お茶とお菓子を用意してお待ちしています。

3月10日(火)11日(水)10時から。
(雨天順延)お時間のある方はぜひ!

新住所:各務原市蘇原新栄町3丁目15番地