投稿者「にらめっこWeb版スタッフ」のアーカイブ

vol.224 私たちは何を食べどう暮らしている?

 みなさんは「食べものが劣化する日本」著:安田 節子(食べもの通信社)という本を読んだことありますか?この本によると、「農薬汚染、遺伝子組み換え食品、輸入肉の抗菌剤・ホルモン剤の多使用 ひたすらブラックボックス化する食の世界。命をつむぐ食を取り戻すためにぜひ、知ってほしいこと!」と本の帯には、私たちへの警鐘があります。
[私事ですがひょんなことから、犬を飼うことになりレオと命名しました。この号の発行日には5ヶ月になる。常日頃、食品を買うときには成分表を見るクセが付いてる私。飼い主からの申し送りで、わんこのご飯は「ご飯、鶏の胸肉、いも類、ゆで卵、ときどきレバーね。たまにはドライフードでもいいよ」とのこと。店頭でドライフードを選ぼうとなにげに成分表をみたら、もうみごとに添加物だらけ!で、結局買えずに棚に戻すことに。犬を飼うのは2度目ですが、前のわんこはドライフードオンリー。それで何も問題はなかったんだけど、今回は自分で作ることにした。まぁ、それもいいかなと。たとえ犬でも、なにがしか影響はあるだろうと思ってね。(み)]

そこで今回は、すごく気になっていたゲノム編集と遺伝子組み換えなどの「不自然な食べ物」プラス「添加物」について特集をします。
ゲノム編集と遺伝子組み換えは、生物の遺伝子に変化を加える技術ですが、対象となる遺伝子や、その変化の仕方に違いがあります。

ゲノム編集とは
生物自身が持つ遺伝子に狙って変化を加える技術です。酵素の「はさみ」を使ってDNAを切断し、塩基の欠損や挿入、遺伝子の導入などをします。自然に起こりうる遺伝子の変化を人為的に誘発する点が特徴です


ゲノム編集食品のメリット・デメリットは?
メリット:生き物が本来持っているたくさんの遺伝子の中から食品としては悪い特徴を作ってしまう遺伝子(例えば成長を抑制する遺伝子)を除いてやることでいい食品になる生き物を作り出します。 外来遺伝子を入れずに遺伝子を操作できるのは、ゲノム編集の最大の利点であり、遺伝子組換えとの大きな違いです。
ゲノム編集は、従来の遺伝子組換えと比べて安全に、そして狙った遺伝子を編集できる技術として、農業や水産業で応用が進んでいます。また、遺伝子が要因となる疾患の治療など、さらなる応用が期待されています。
デメリット:ゲノム編集食品については事業者の届け出は任意、食の安全性審査や環境影響評価、表示義務もない現状では、消費者の知らない間に流通してしまう可能性があり、消費者の知る権利、選択できる権利は奪われています。

遺伝子組み換えとは
異なる種の生物が持つ遺伝子を導入する技術です。目的の性質を持つ遺伝子を他の生物から導入し、その遺伝子の働きを利用します。狙った場所に入れることはできません。

遺伝子組換えのメリット・デメリットは?
メリット:農作業の省力・低コスト化を実現 。低農薬・高機能な食品を摂ることができる 。世界的な飢餓の解消や環境保全につながる。
デメリット:遺伝子組換え植物の花粉が飛散し、その他の野生種との交雑が起こる ことで、遺伝子が流動するおそれがあります。 遺伝子汚染による生態系への影響は未知数であり、雑草と交雑した場合に生じるスーパー雑草などが例として挙げられます。 耐性の強い外来種が在来種に打ち勝ってしまうように、外来遺伝子が拡散することの危険性もまた不透明です。

安田さんは著書の中で「『奇形種』を食品にすべきではない。開発者は消費者利益をうたいます。しかし、ゲノム編集によって作られた黒ずまないマッシュルームを消費者は歓迎するでしょうか。このマッシュルームは空気との接触で黒ずませる、酸化の原因となる酵素「ポリフェノール」を生成する遺伝子を欠損させています。」と述べています。さらに開発者側は「ゲノム編集された食品を検査しても、ごく短いDNA配列の欠損のために検出が不可能だから表示は不要』と主張しています。しかし、表示を義務づけたEUでは、現在検知は十分可能とされています」と続いています。
遺伝子組み換えに関して、「ニワトリやウナギの遺伝子をイネに」というショッキングな見出しに続く文には「日本では、2018年に入って動物の遺伝子を使った遺伝子組み換えイネの野外栽培実験が申請されています。ニワトリの遺伝子を組み込んで、血圧降下の効果があるとされるタンパク質をイネの胚芽の中に作り出すことをねらった遺伝子組み換えイネです。ゲノム編集も遺伝子組み換え技術と同様に、基本特許はすでにモンサントやデュポンが独占しています。日本が特許戦争に遅れて乗り込んでも、敗退することは目に見えています。何より消費者は、遺伝子組み換え食品を食べたくないのです。」と言います。まったく不自然で、食べものがますます劣化していくことがとても気になります。

そしてさらに気になる食品添加物

 食品添加物には、食品の形を作ったり味を良くしたり風味を出したり長期保存ができるというメリットがあります。 作ったものをすぐ食べるということが難しい現代にとって、大変なメリットに。
デメリットは、微量であっても体に良くない成分を使っていることが多いということ。

安田さんは「人工甘味料は『人工の化学物質』」と言い切ります。その内容は「アステルパーム、サッカリンナトリウム、スクラロース、アセスルファムカリウム、キシリトールなどがあります。アステルパームの甘味料は砂糖の約200倍。サッカリンナトリウムは500倍です。(中略)人口甘味料は不純物や体内での分解物の作用などもハッキリ分からない場合が多いのです。
ちなみに、自然食品である砂糖も摂りすぎは禁物です。砂糖には麻薬のように習慣性があります。ひいては肥満や糖尿病だけでなく、うつ病や骨粗鬆症の原因になります。人工甘味料はもとより、砂糖もできるだけ控えましょう。」とあります。また、魔法の食品添加物「リン酸塩」にご用心、と始まり「ほとんどの加工食品に添加されている」といいます。「たとえば、⊿ジュース、清涼飲料水:変色変質・にごり防止、酸味料として。⊿炭酸飲料:炭酸ガスの安定化、合成ビタミンCの分解防止。
⊿うどん、中華めん:柔らかさ、弾力性、風味、色合いを出す「かんすい」として。
⊿漬け物:あく抜き、つや出し、低塩漬け物の変色変質防止、PH 調整
⊿ソフトクリーム:固さの調整、気泡の保持
⊿魚肉すり身、ソーセージ、ハムなど畜肉製品:結着、変色変質防止、弾力性、保水性向上(かまぼこ、ちくわ、さつま揚げ、魚肉ソーセージなど練り製品の多くは、リン酸塩入りや輸入冷凍魚肉すり身を使用)このリン酸塩は、使用基準がなく、いくらでも使えるのです。これらの食品に使用されるリン酸塩によって、身体はミネラル不足になります。リン酸塩は体内に入ると、ミネラルと結合し、結合体は吸収されず、ミネラルと共に排出されるからです。

安田さんの本の最終章は「食料主権の確立が私たちの生命と環境を守る」で締めくくられています。
「山が荒れはてて洪水起きやすく 日本の食は米国にじわじわ握られていき、いま最終仕上げの局面を迎えているのです。
輸入食料はアフラトキシン汚染、高い農薬残留、ホルモン剤、遺伝子組み換えなどの問題を抱えており、私たちに健康リスクをもたらします。目先の経済効率の追求で、林業や農業が衰退し、山が荒れ、耕作放棄地が増えたため、ゲリラ豪雨に耐えられず、洪水が起きやすくなっています。全国に広がる獣害もそうです。国内をこのような状況にして、私たちの食べ物は海外で作ったものでいいのでしょうか。」

買い物は自分の意思決定の場。食はみらいを作ることにつながります。よ〜く考えて購入したいですね。

 


vol.224 身体に有害物質が入ったら解毒する

デトックス「Detox」は、英語のdetoxificationの略語で、「de(否定)」+「toxicus(毒の)」に由来し、体内に溜まった有害毒物を排出させることを意味します。
私たちの体には毎日様々な化学物質や環境ホルモンなどの有害物質が入ったり、体内で老廃物が作られたりしています。体内に入った多くの有害物質は、肝臓で解毒され、無毒化されます。
肝臓は人体で最大の解毒臓器です。肝臓で解毒されたものは、胆汁を使って便の中に排泄されたり、血液から尿に排泄されたりします。さらに、割合は少ないですが、汗や爪・髪の毛も排泄ルートの一種です。
 ただし、その排出力は体質によりますし、加齢や生活習慣の乱れで排出機能は低下します。その下がった機能を元の状態、またはそれ以上に上げるために、食べ物や飲み物などを使って行うのが「デトックス」という健康法です。こまめな水分補給やバランスのとれた食事、適度な運動を心がけて、夜はしっかり入浴するなど、今日からトライできる生活習慣が中心です。

最大のデトックス方法は?

 カラダに溜まった毒素の約75%は便から、20%は尿から、3%は汗から、残りの2%は髪や爪の生え代わりによって排出されると言われており、腸内環境をととのえて便通をよくすることが最大のデトックス方法と言えます。

身体の毒素とは何ですか?
毒素とはカラダに害を及ぼす有毒物質のことを指し、食材として口から摂取しているものや皮膚から吸収されるもの、そしてカラダの中で栄養素が代謝された後に残った老廃物などがあります。

体に溜まった毒素はどうやって出せばいい?
肝腎要(かんじんかなめ)と日本語で言いますが、それだけ、肝臓と腎臓は人間にとって重要な臓器。これらが解毒の要となります。毒素の主な排泄ルートである便や尿がしっかり出ていることが重要です。体内に溜まってしまった毒素を体外へ排出するには「排泄機能(はいせつきのう)」を使うのが一番効果的です。 つまり、便・尿・汗などによって老廃物(毒素)を排出するということなのですが、この中でも最も排泄効果が高いものが「便」です。

重金属をデトックスする食べ物は?
 体の中に溜まった重金属や有害ミネラルなどの有害物質を捕まえて排出します。 ビタミンC、亜鉛、セレンなどにキレート作用があります。 キレート作用を持つ食材の代表は、玄米や大豆、野菜ではほうれん草、玉ねぎ、アスパラガス、ニンニクです。 フルーツではリンゴやバナナ、その他にも、牡蠣やいわしもキレート効果が期待できる食品です。

毒を消す食べ物は?
ブロッコリーやカリフラワー、キャベツ、大根などのアブラナ科の野菜が挙げられます。 また、無毒化するミネラルであるセレニウムはにんにく、長ねぎ、玉ねぎ、海藻類に多く含まれます。 有害物質の体外への排出を促す食材。 食物繊維を多く含むリンゴやごぼう、きのこ類、海藻類などが挙げられます。

便通改善によるデトックスの効果
便通を改善するデトックスには、さまざまな効果があります。まず、便秘解消することで、吹き出物が減り美肌になるほか、ぽっこりした下腹も改善。
腸内環境を改善すると代謝がよくなるので、ダイエットや太りにくい体のベースを作ることができます。
また、食物繊維をしっかり摂取して排便を促すことで過剰な脂質や糖質も排出できるので、脂質異常症の予防や血糖値の改善にも。毒素が排出されることで、体のめぐりがよくなり、疲労感の回復、むくみ改善、冷え性や肩こりの緩和なども期待されます。腸内環境がよくなることで、ストレス耐性も上がるので、イライラしにくくなることも。デトックスは、ダイエットはもちろん、体の免疫力の強化、メンタルの健康にも期待できます。

腸内デトックスにおすすめの食材
 毒素の排出するサポートをするのが食物繊維を多く含む、野菜や海藻、豆製品、キノコ類などです。
体内にある毒素の排出をサポートするのが食物繊維。食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があり、それぞれ異なる働きをします。わかめ、もずく、めかぶ、なめこ、ごぼう、オクラ、モロヘイヤ、アボカド、納豆、キウイなどに含まれる水溶性食物繊維は、余分なコレステロールや有害物質を吸着して排泄します。
また、きのこ類、豆類、ほうれん草、にら、かぼちゃ、とうもろこし、さつまいも、やまいも、こんにゃくなどに含まれる不溶性食物繊維は、便のかさを増し便通を改善します。
ごぼうやオート  ミールのように、水溶性と不溶性ど   ちらも含まれているものも。それ以外にも様々なものに複合的に含まれているので、いろいろな食品を組み合わせて摂取しましょう。
腸活して代謝が活発になるように
腸に便が溜まると異常発酵して毒素が出ます。それは血液にのって全身を巡り、体全体の代謝を悪くする。便秘を改善して腸内をデトックスすることが大切です。

便秘には主に3つのタイプがある
● ストレス型
ストレスによって自律神経のバランスが乱れて便秘に。腸のぜん動運動は主に副交感神経が優位なとき(リラックスしているとき)に活発になります。

● 腸のぜん動不全型
腸のぜん動運動の動きが低下した状態。溜まった便が異常発酵し、腸内環境が悪化して便秘に。

● 直腸・肛門型
便が直腸まで来ているのに、便意の我慢が続いたりして、便が溜まったということを脳に送るサインが鈍くなって便が出にくくなる。

● 複合型
上の3つのタイプが合わさったタイプ。

腸のぜん動運動を促すための腸トレ
 ストレス型か腸のぜん動不全型、あるいはその複合型なら、腸のぜん動運動を促すための腸トレがおすすめです。
また、ストレス型は、ゆったりと入浴して副交感神経を優位にしたり、食物繊維や発酵食品を積極的に摂るようにしましょう。ぜん動不全型の場合は、ゆったりと入浴する以外に、大腸マッサージなどを行うといいでしょう。
【腸トレ1】寝ながらツイスト
体をひねることで、効率よく腸を刺激して、ぜん動運動を促すことができます。
仰向けに寝たら、片ひざを曲げて逆側へひねります。曲げた脚と逆の方向に顔を向けると、深くツイストできます。寝る前や排便したい時などに、これを両脚とも行いましょう。      参考:クラシエ、大正製薬(腸活ナビ)

 

 


vol.224 PFAS汚染 ますます目が離せない

住民に対する寄り添い方 自治体によってこんなにも違う!

岡山県吉備中央町の円城浄水場では、2023年、一部に有害性が指摘される有機フッ素化合物のPFASが極めて高い濃度で検出されていたことが発覚し、町は2024年11月から12月にかけて、住民などの希望者を対象に公費による血液検査を初めて実施しました。検査を受けたのは2歳から102歳までの709人で、血液検査の結果を公表。血液中の濃度は、検査をした700人余りの平均で、アメリカで健康リスクが高まるとされている値の7.5倍余りとなり、検査を受けた人の9割近くがこの値以上だったということ。結果について岡山県吉備中央町の山本雅則町長は「住民の心配は大変大きいと思うが、公費で血液検査を行った決断は間違ってなかった。しっかり支えて寄り添い、不安の解消に努めたい」と話していました。

一方で、青木官房副長官は、記者会見で「現時点の知見では、どの程度の血中濃度で、どのような健康影響が生じるかは明らかになっておらず、血液検査の結果のみをもって健康への影響を把握することは困難とされている。環境省も自治体が行う血液検査に対し、支援を行うことは考えていない」と述べました。そのうえで「水道水中のPFOSやPFOAについて暫定目標値を定め、超過することがないよう地方自治体が水道事業者などを指導している。政府としては、関係省庁が連携して国民の安全・安心のために必要な対策をしっかりと進めていく」と述べました。

各務原はどうでしょう。国の決定に従うというスタンスは相変わらずですが、市が防衛省東海防衛支局に「このままフェードアウトとなるとありがたい」とメールを送ったとか。これには耳を疑いますね。


各務原市のホームページより R5/10/20

提案
PFASの問題について、各世帯に対する対策および経済的保障を行ってください。各世帯がミネラルウォーターや浄水器を購入する必要に迫られた原因が何かを考慮すれば各務原市が責任を取るべきと言えます。複数の市議会議員に話をしたところ全員「予算はある」と明言しました。なお、現時点で人体への影響が確認できていないから何もしないというのは、過去の公害問題から何も学んでいないと言わざるを得ません。

現時点においてPFASの健康リスクがないと言い切るのであれば、血液検査を行い市民に対して健康リスクの現状を説明すべきです。血液検査も行わず、現時点で人体への影響に問題ないというならば、その根拠も示すべきです。

学校などに浄水器を設置したのは大人よりも影響の出やすい子ども達が利用するから設置したのでは?我が家にも未就学児が二人います。各世帯に何もしないことの市の対応について、整合性が取れていません。
回答
PFOSおよびPFOAは難分解性等の性質から、規制物質になっておりますが、毒性については、現在も議論が継続している状態です。また、血液検査につきましては、現時点での知見では、どの程度の血中濃度でどのような健康被害が生じるかについては明らかになっておらず、PFOSおよびPFOAが、人体に影響を与えるメカニズムも解明されておりません。現在のところ、市で血液検査を行う予定はございません。
また、このような情報を総合的に判断し、ミネラルウォーターなどへの補助や、水道料金の変更は考えておりません。

学校および保育所等(以下、学校等)に浄水器を設置した経緯は、学校長から子どもたちや保護者が安心するために、三井水源地でのPFOSおよびPFOAの濃度低減の対策が完了するまでの間、浄水器を設置してほしいと強い要望を受けたため。現在は、濃度低減の対策が完了し、みなさまへの給水を開始しています。検査結果は、9ng/Lで暫定目標値である50ng/Lを下回ったことを確認しております。

 


専門家「現状と今後の道筋 国が説明を」

20年以上にわたって全国の「PFAS」の状況などの研究を続け、環境省の専門家会議のメンバーでもある京都大学大学院の原田浩二准教授は…

〇必要な取り組み
PFASを取り扱っていた工場周辺など、過去の調査で値が高く出ることが明らかな場所もあるので、まずは各地域でPFASがどのように使用されていたかを把握しておくことが必要だ。経済産業省がPFASを取り扱っていた事業者に対して、聞き取りや調査の協力を要請するなど、環境省だけでなく、幅広く関係する省庁横断で取り組むとことで、対策として実効性があるものになる。

ピーファス問題は始まったばかり。
ピーファスは「水汚染」として語られがちですが、暮らしのあらゆる綿に侵入しているーーというい現実に我々は直面しているのです。「今後も新たな汚染地域が見つかっていくと思います。ピーファス問題は、ピーフォス、ピーフォアの製造廃止で終わったのではなく、始まったばかりなのです。メディアでも取り上げられ市民の関心も高まり指針値を超えた自治体では原因究明の調査を行う動きが始まっています。行政が動かないとそのまま汚染が放置されてしまう。もしくは一時的な対応で終わるのではないかという懸念が残ります。環境省を通して自治体はしっかり対応し、市民に正確な情報を伝えることが必要です。

それでは今後どう変えていけばいいのか。
行政による規制もありますが、ヨーロッパでは、必要のないピーファスはとりあえずすべて排除していく方針を示しています。行政が不必要なピーファスは使用しない・規制することを提示することで、メーカーも変わらざるを得なくなる。我々生活者はそれらの動きを注視する必要があるのです。
ピーファス汚染に対して、何を知りたいのか、どのような不安を抱いているのか、ということを研究者も目を向ける必要がある。と同時に市民として「今、何が起きているのか」という問題意識を持って調査の必要性を行政に訴えて行くことが重要です。

 


vol.224 ぎむきょーるーむ インクルーシブ公園

 これまでは、物理的・心理的バリアによって公園を利用しづらい人たちがいました。すべての子どもが歓迎され、地域の多様な人々が交流できる場となるため生まれたのが、インクルーシブ公園です。

インクルーシブ公園は、ときに「障がいのある子どもが遊べる遊具がある公園」という意味で誤解されがちですが、「障がいのあるなし、子どもか大人かにも関係なく、すべての人が利用できる公園というのがポイント」(一般社団法人TOKYO PLAYの神林俊一さん)なのだそう。

インクルーシブは「人と人の関係性」によりつくられる
神林さん:社会にある物理的・情報的・制度的なバリアを、デザインを使って解決し、心理的バリアもなくしていこうとするのがユニバーサルデザイン。インクルーシブとは、ユニバーサルデザインでは取り除けないバリアを含めて、周囲の人の意識やアクションで取り除いていくという考え方です。もしスロープがあったとしても、まわりの人から『お手伝いしましょうか?』と声をかけてもらったほうが安心してその場にいられますよね。

 今、日本にできはじめているインクルーシブ公園は、「人との関わり合いによってつくられる、誰もが集える場所」を目指しています。

インクルーシブ公園と従来の公園とのちがい
公園のつくられ方がちがいます。これまでの公園は「行政により計画され、つくられるもの」でしたが、インクルーシブ公園は「公園を利用者とともに育てていく」という考えのもと、計画・設計の段階から積極的に公園利用者へのヒアリングや意見交換を行います。また、完成後も利用者のヒアリングを重ね、検証・改善を繰り返す「変化し続ける公園」であることも特徴です。
 神林さん:遊具について、ここで挙げている回転系遊具や円盤ブランコなどは、体幹が弱い人でも遊びやすいだけでなく、大人や子どもが混じり合って複数人で遊ぶことができるため、自然なコミュニケーションが生まれやすいのが特徴です。ただし、単にユニバーサルデザインの遊具を置いただけではインクルーシブ公園にはなりません。さまざまな特性の人々のニーズに合わせた空間構成や遊具などが求められ、木々などの自然、水道、休憩スペース、ユニバーサルトイレ、そして地域の理解や文化など、全体が絡み合ってデザインされます。

私たちにできる3つのアクション
公園で育った「みんな」は、多様な人と生きていくことが当たり前になり、公園の外でもあたたかい眼差しを持ったり、人に手を貸したり借りたりできるようになるでしょう。
公園という小さな輪が少しずつ広がって、インクルーシブなまちへ変わっていく。それはつまり、「みんな」が安心して暮らせる未来を「みんな」でつくっていくということなのですね。

 

 


vol.224 続・しょうがいをみつめる vol.6

自立するということ

“自立”という言葉の意味を考えたことがありますか。
辞書で調べてみると「自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやっていくこと」とあります。

かつて勤めていた特別支援学校には、障害による困難を改善・克服することを目的とした自立活動という授業があり、一人ひとりの状態に応じて、例えば階段の昇降の練習をしたり、コミュニケーションスキルを学んだりという学習がおこなわれていました。
わたし自身も、”自立”とは一人でできることを増やすことと考え、「身の回りのことが自分でできるように」とか「自分から気持ちを伝えられるように」など一人ひとりに目標を設定し、(自分で言うのも何なのですが)結構熱心に指導支援してきました。

小児科医で自身も脳性麻痺の障害をもつ東京大学先端科学技術研究センター教授の熊谷晋一郎先生はインタビューで自立についてこのように語っています。
少し長くなりますが、以下に一部抜粋して掲載します。


一般的に「自立」の反対語は「依存」だと勘違いされていますが、人間は物であったり人であったり、さまざまなものに依存しないと生きていけないんですよ。

ー中略ー

“障害者”というのは「依存先が限られてしまっている人たち」のこと。健常者は何にも頼らずに自立していて、障害者はいろいろなものに頼らないと生きていけない人だと勘違いされている。けれども真実は逆で、健常者はさまざまなものに依存できていて、障害者は限られたものにしか依存できていない。依存先を増やして、一つひとつへの依存度を浅くすると、何にも依存していないかのように錯覚できます。“健常者である”というのはまさにそういうことなのです。

実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが“自立”といわれる状態なのだと思います。だから自立を目指すなら、むしろ依存先を増やさないといけない。

「TOKYO人権 第56号(平成24年11月27日発行)」
https://www.tokyo-jinken.or.jp/site/tokyojinken/tj-56-interview.html


みなさん、どのように思われましたか?
わたしはこのインタビューを読み、自立に対する見方が全く変わったんです。
「できることを増やさなければ、頑張らせ続けないと、自立できないんじゃないか」という無意識のプレッシャーから解放され、わたしが助けることもその人にとっての自立であり、わたしに依存してもらった後はほかに依存できる人やものを見つけていけばいいんだって、自分の、そして障害のある本人の今の姿をありのまま肯定できるようになった気がします。


vol.224 やってみたシリーズ 第24弾


えんぴつカフェの「藍染め」に参加して
染めた布でバッグを作りました。
坂井 喜美子さん (70代)

 今年の10月に各務原市のギャラリー&カフェ204で、パッチワーク教室「柊」のメンバーとして、作品を出品予定の坂井さん。「漠然とだけど、コスモスをモチーフにした作品にしようかなって思っているんです」と、今から構想に余念がありません。
月に1回のこのパッチワーク教室に入って30数年、もはやベテランの域に達しているのでは?「いいえ、年数ばかり長くて…」とあくまでも慎ましい坂井さんですが、額に入れて飾る小品から、手提げバックやソファカバー、一番大きなものは180センチ×200センチのタペストリーと、数々の作品を手がけてきました。
「わざわざ布を小さく切り刻んで、それを縫い合わせてまた大きなものにするなんて。とよく言われるけれど、図柄を考えてちくちく手で縫い合わせた作品には、温かみがあっていいなあと思うんです」。
 「一番難しいと思うのは色あわせです。パッチワークって、壁にかけてあるのを見るのと、手にとって見るのでは同じ作品でも印象は大違い。素材の段階では、えっ、こんな色使うの?と思っても、出来上がってみるといい感じに仕上がっていることも多いんですよ。どこにどんな色をもってくるか、その人の感性がみごとに出てきます」。もちろん、角をキッチリ出すことや、縫い目を揃えることなどは大前提のパッチワーク。
「最近は以前より縫い目を細かくする傾向にありますね」。
根気のいる作業、さぞや肩も凝るのでは?
「美容院で肩が凝ってますねえ、と言われますが、制作しているときは全く気にならないんですよ。疲れたら気分転換に編み物をすることも。編み物は何も考えずに手だけ動かしてるって感じでリラックスしてできるんです」。
パッチワーク以外にも、ミシンでカバンを作ったり、棒やかぎ針で編み物をしたり。こちらは全くの自己流で、自分の想いのままに好きなものを好きなように作ります。最近のお気に入りは、9月のえんぴつカフェで「藍染め」した布で作ったバック。染めたそのときから、これでバックを縫おう、と決めていたのだとか。染めるところから自作のまったくのオリジナル、まさしく一品物です。
「作りたいものがある日は、早く取り組みたいから家事をテキパキと片付けたりして、メリハリのある1日になるんです。そして、作り始めるとあっという間に時間が過ぎちゃうんですよ」。
そんな充実した日を過ごす一方で、気分次第では何もしないでのんびり過ごす日が1ヶ月近くも続くことも。そして毎週2回のバレーボールで体を思いっきり動かし、仲間と笑い合う。静と動、どちらの時間も捨て難く大切なもの。この無理せず自由なスタンスが長続きの秘訣かもしれません。
「布を見て、あ、こんなものを作ろう!と思うときも愉しいですが、作る工程はもっと愉しい。一番は、もうすぐ作品ができあがる、というときですね。不思議なもので、完成してしまうと意外に関心がなくなってしまうんです」
「娘のセーターなど、編みたい物もあるんですけど、今は10月の展示に向けてのパッチワークつくりが最優先、まだ漠然とした構想を、これから形にしていかなければいけませんしね」。

 


vol.224 熱中人 関谷 恭子さん

 俳句は「座の文学」という言葉があって、みんな車座になって自分の俳句を詠んで人のを読む。そこには先生も生徒もないんです。日常の心に留まった一瞬を切り取る、その時の自分の心情や状況を俳句にする、それはまるで日記のようだと思うんです。
俳句を知ると、日本の四季がとても身近に感じられます。それは旧暦の考え方とか、二十四節気とか、季節の移り変わりを知ることにつながるからでしょうね。

 嫁ぎ先が商売をしていたので、家業が忙しくて、自分の目の前の生活だけで手一杯でした。もうちょっと基本的なことを大切にした生活をしたくても、それができないまま、もんもんとしてたんですね。サービス業でしたので、対人にも疲れてて…。もっと自然に触れたい、丁寧な暮らしがしたいという思いがありました。同時に自分をもう少し大切にして生活を見直したいという思いもありました。それで休日に里山でこもるように過ごし、野の花に目を留め名を調べたり、昆虫好きな夫に虫の名をたずねたり…。時には味噌を手作りしたり、梅干しを漬けたりして、そういう少しゆったり暮らしを整える、少しずつですがそんな生活を10年ほど続けていたんです。そんな時に友人二人から、俳句教室の誘いをうけました。「私たちは普段、経営とか商売のこととか、そういうところにばかり頭を使っているんだけど、俳句は全く違う脳みそを使うからむちゃくちゃ新鮮だよ」と言われたんです。「じゃあ入ってみるわ」と教室に入りました。ちょうど年代的に周りでも何かを始める人が多い頃で、それも背中を押されました。
 それから美濃市の教室に毎月通いました。歳時記を知ったのも教室に入ってから。そこには花の名前、鳥の名前、味噌作りだとか詳しい生活のことが載っていたのが私的にはすごく興味深かった。だから俳句をつくるというよりも、「あ、歳時記ってすごく面白いわあ」というのが先にあったのかもしれない。例えば「立春」。もうすぐ春なんだけど、季語でいうと「春隣」っていって、春がもう直ぐそこまで来ている感じ。「春きざす」とも。立春を過ぎると「春浅し」と感覚的な言葉になったり「春寒し」とか。そうやって春が行ったり来たりしながら季節が移りゆくことが歳時記の言葉で表されていて、それもなんか響くというか。

 最初入った教室は本当に厳しくて、毎月宿題で10句作っていくんですが「こんなのただの説明じゃん」、とか「これはレシピ」「情報が入りすぎ」とバッサリ。形として17音に収まってはいても、中に情報が多く入りすぎると、焦点がぼけてしまい、何がいいたいのかわかりにくくなってしまうのです。本当に訳も分からずスタートしました。今から13年前のことです。
昨年2月に初の句集「落人」を出版しました。家業に区切りをつけたこと、自身が還暦を迎えたこと、実家の父を亡くしたこと、いろんなことが重なって、節目を迎えた気がした頃、先輩が「恭子さん、そろそろ句集を出しなよ」っていってくださったんです。本を出したのはコロナの影響もあったかな。仕事が激減し、仕事のやり方も変わり、俳句の教室や吟行にも出かけやすくなった。ちょうど俳句が面白くなってきたことと重なって俳句の比率が上がってきたということも大きかったかもしれません。
装丁を始め使用フォント、色など、東京まで出向いて出版社の方といろいろな打ち合わせをしたのもいい経験でした。
 俳句を始めてから13年。その間に書き貯めたものを1000句まで絞り、そこから先生が250選んでくださり、そこに自分の思い入れがあるとか、載せたい句を足して、340の俳句をこの一冊に載せました。この本を出版したことで、過去13年間に溜まった俳句をゼロにして、次のステージに。今はそんな気分です。


vol.224 続々のそのまた続き 今、地球の生態系が危ない!

   ん?ねずみ??

事務所でなにやらカサコソ音がする。しかも壁の中からきこえてくる。ある日、玄関を開けてビックリ。廊下の左にある引き戸の敷居がかじられている!かじった後の細かい木くずにこれまたびっくり!その周りに数個のねずみの糞が!やっぱりいるんだ。最初、かじられた敷居を見たときは、最近飼い始めた幼犬の仕業かと思ったが夜中にやられた形跡からネズミと判断した。夏の間はゴキブリの出没には気をつかっていたものの、ねずみがいるなんて思いもしなかった。そういえば最近いろんな人からねずみの話しをよく聞くなぁ、と思ってはいた。食べもの系はすべて容器に入れ、種子類は瓶に。いったんねずみと分かるともう気になってしまい、ねずみ退治できるモノを買おうとホームセンターに走る。ネズミペッタンなるものを購入し、かじられた敷居のそばに仕掛ける。

翌日、おそるおそる玄関を開けると、見事にかかっていた。もう死んでいたので、躊躇しながらもペッタンしてごみ袋に。やれやれ。その後ねずみがいる気配は消えたので、この事務所にいたのは、あの一匹だけだったのかな。そんなわけで、この年末年始は自分一人で大騒動でしたが一件落着。

さて、ここからが本題です。前号、前々号では「地球の生態系があぶない」として、山田 征さんの昆虫たちや、サンゴの話しを掲載しました。今回は動物です。

『ANIMAL ぼくたちと動物のこと 〜僕たちは絶滅するの?〜』という映画を見たいのですが、予定が合わず断念。

映画は、「地球上の生命の『6度目の大量絶滅』が迫っているらしい。危機感を覚えた16歳のベラとヴィプランも2人が阻止する方法を探りに世界各地へ旅するが果たして…」という気になる内容。そこで調べてみました。まず大量絶滅の6回目の原因って何だろうか?

「第6の大量絶滅時代」とはどういう意味ですか?

「現代は(生物の)第6の大量絶滅期」と言われています。 どういうことでしょうか。 1978年ごろから、(生物の)絶滅率が急増していることは指摘され、自然状態の1千倍とも言われる速度で絶滅が進み、生物多様性がどんどん下がっています。

 

中生代の大量絶滅の原因は?

恐竜が絶滅した中生代末の大量絶滅は隕石衝突が原因とされ、その時代の地層から高濃度のイリジウムが見つかっている。 地質時代区分の境界のうち、約2.5億年前の古生代と中生代の境界のこと。

6度目の大絶滅。人類は生き延びられるか?

以下ナショナルジオグラフィックより

人類も無縁でない。ピュリツァー賞作家が語った6度目の大量絶滅。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストはライオン全体を「VU(危急種)」としているが、一部の生息地では「CE(近絶滅種)」としている。生息地の消滅、獲物の減少、人間による殺害などがその原因だ。

 


絶滅とは何か―実はいろいろある「絶滅」

絶滅は自然な現象だ。結局のところ、かつて地球上に生息した生きものの90パーセント以上は、すでに存在していないのだから。

とはいえ、この現象を人間が悪化させたのは確かだ。生息地の喪失、気候変動、侵略的外来種、病気の拡大、乱獲および狩猟などによって、われわれは自然に進行する種の絶滅を加速させている。(参考記事:「6度目の大絶滅。人類は生き延びられるか?」)

「独自の生態学的役割を持つ種が、ごっそり失われようとしています」と、米デューク大学の保全生態学教授、スチュワート・ピム氏は言う。たとえば、ラッコやサメのような最上位捕食者の減少により、その生態系はバランスを失いつつある。

日々絶滅する種は数十種類にのぼり、専門家によると、2万種以上の動植物が永久に失われる瀬戸際にあるという。既知の哺乳類の4分の1は絶滅の危機にある。

世界的な種の減少を中心となって追跡調査しているのは「国際自然保護連合(IUCN)」だ。同団体は野生の種の状況を評価し、さまざまなデータを考慮したうえで、絶滅危惧生物をレッドリストとしてまとめている。

こうやって調べると、人類が生態系にかなりなインパクトを与えていることがわかります。16歳のベラとヴィプランが危機感を覚えるのも理解できます。

さて、今後私たちができることは・・・やはり賢い消費者になることではないでしょうか。買い物は、自分の意識改革につながります。私達の選択が社会を創り、未来を変えていくと信じて。「選択」が重要なキーワードだと思います。お金をどう使うかはその人の生き方だもんね。

 


vol.224 ボーダーレス社会をめざして vol.82

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

本 パート2
優しくあるためには、勉強しなくちゃ

新川帆立という作家をご存知でしょうか?とてもユニークな人です。東大卒、弁護士、元プロ雀士、現在作家という経歴の持ち主です。「ひまわり」という首から下がほとんど動かない女性が、司法試験に挑戦するという小説を最近出版し、BSテレビ東京「あの本読みました?」の番組で作品が紹介されました。その時、ご本人が話された内容が素晴らしかったので多くの人に知ってほしいと願い、内容を抜粋し書きます。
『多様性と言われるようになり、「皆違って、皆いいよね」という所までは合意がとれていて、「違うよね」でそこで終わってしまうと無関心で終わってしまう。「優しくあるためには、勉強をしなくちゃいけないんです。障がい者の方たちが何に困っているか知らないと、たぶん悪気なくひどいことをしたりとか、しかねないので知らなくちゃ。そういう姿勢は、けっこう人間として大事だなっと思っていて、ついつい書いちゃって、若者に煙たがられるんですよ。でも言っていくぞ』と。この話を聞いた後は少し興奮してしまいました。こんな素敵な考えの持ち主がいるのだと思うだけで嬉しくなってしまいました。
「優しくあるためには、勉強しなくちゃいけないんです」

また阿部暁子さんという作家も素晴らしいです。この人も人生を応援してくれる人です。「カフネ」という本が昨年出版されたのですが、これは私にとっては、2024年一番の読み物でした。「食」というものが、人が生きるためにいかに大切であるかという事を教えてくれる物語です。その中には、簡単にできるメニューがいろいろ出てくるのですが、一番印象的で食べたいなと思ったのは、玉ねぎのみじん切りとトマトとツナを炒め、豆乳とコンソメで軽く煮て、ゆでた素麵にかけるだけというものです。食べたくて2回も作りました。簡単で美味しく、色鮮やかです。胡麻を振りかけるといっそうおいしいです。
阿部さんの本には、他に「カラフル」という本があります。身体障がいの女子高校生が、いろいろな問題をクリアしながら学校生活をしていくという物語です。この中に「差別について」の文章があります。「物事を問題なく進めるために、誰かが犠牲になっていることを「仕方がない」で済ませようとすることが差別ではないか、という意見がありました。私もその通りだと思います」と先生が語ります。「何が本当で、何が正しく、何を大切にするべきか。それは皆さんが自分で考えていかなくてはなりません。・・・」と。 実際に、若い世代がこのようなことを真剣に考えてくれる環境があれば、どんなにいいかとつくづく思いました。

また、あさのあつこさんの本「アーセナルにおいでよ」という不登校や訳アリな青年たちが起業するという物語の話になりますが、その中で、不登校になった主人公の青年が引きこもっていた時、「誰にも会わず、部屋に閉じこもることを望んだのに、周りがそれをなかなか許しも認めもしてくれなかった」というくだりがあります。それについて、あさのさんは「大人は、正解を出そうとする。とても腹立たしい。大人は聞き下手になっている」と言われ自分自身を省みてしまいました。

本を読むことで知ること、心が揺らぐことは多いです。3人の作家の紹介になりましたが、読書は本当に楽しいです。


vol.224 夢か悪夢かリニアが通る! vol.53

 埼玉県八潮市で1月28日、県道が陥没しトラックが転落しました。原因は直径約4.7メートルの下水道管の破損とみられています。1週間たっても男性運転手の行方は分からないまま。約120万人を対象とした下水道の利用自粛も続いています。リニア中央新幹線のうち首都圏や愛知県の住宅地の大深度地下で掘削が進むシールドトンネルの直径は約14メートル、今回の下水道管の約3倍です。朝日新聞「天声人語」(1月30日付)は今回の事故を受けて以下のように記しました。「私たちの当たり前の現実が、揺らいでいる。この国の暮らしを支える土台とは、それほどにもろく、危ういものだったか。自分の立つ足元が、急に消えてしまうことを想像する。怖い」                                井澤宏明・ジャーナリスト

「妙案」なく進む沈下

さらに沈下、低下の見通し
岐阜県瑞浪市大湫町でリニア地下トンネル工事の湧水による水枯れや水位低下が昨年2月に発生してから約1年。JR東海は今年1月になってようやく、地盤沈下もリニア工事が原因だと認めました。沈下は昨年5月末の観測開始から最もひどいところで8.4センチ(1月30日時点)まで進んでしまいました。
1月18日には、昨年6月から半年ぶりにJR東海による住民説明会が開かれました。例によって報道陣には非公開でしたが、翌日の新聞報道によると、マスコミ対象の記者会見が説明会後、多治見市のJR東海事務所で開かれたようです。
説明会の配布資料によると、地盤沈下について「今後、時間をかけて、数センチ以上の低下が生じる可能性」、地下水位低下については「今後5メートル程度は低下する可能性」があるという見通しが示されました。
水枯れや地盤沈下の原因となるトンネル湧水を減らしたり止めたりする対策としてJR東海が打ち出した「薬液注入」。この連載51回目にも書きましたが、「唯一の成功した事例」として同社が示していた「北薩トンネル」(鹿児島県)で昨年7月、内壁が崩落して土砂や湧水が流入する事故が起きてしまいました。
今回の説明資料では「本注入(薬液注入)により水位回復をさせた場合(中略)将来的にトンネルが損傷するリスクがあります」「それにより、湧水とともにトンネル内に土砂が流入し、トンネル上部の地上面の陥没が懸念されます。また、開業後の安全が損なわれることに繋がる可能性もあります」と、「薬液注入」できない理由が並んでいます。

「代替案」に市長苦言
1月22日に開かれた岐阜県環境影響評価審査会地盤委員会でも、委員長の神谷浩二・岐阜大教授から「(地盤)沈下について対策として何かお考えになっていることは」と尋ねられたJR東海の担当者が「今のところ、沈下を止める『妙案』はない」(語尾がハッキリ聞き取れませんでしたが、否定していることだけは分かりました)と力なく答える場面がありました。
その後も対策として「現時点でお示しするものはない」という回答を繰り返したため、神谷委員長は「あきらめのような雰囲気が感じられてしまう。本注入(薬液注入)ができなかったら、それで『おしまい』とならないよう以前から申し上げてきた」と、JR東海に知恵を絞るよう求めました。
JR東海からは新たに「代替水源」やトンネル湧水の「ポンプアップ」、「遮水壁」(「現実的ではないと考える」という説明付き)の3案が示されましたが、出席した瑞浪市の水野光二市長は「大湫町の住民は地盤沈下と水位低下の問題が解決できない限り工事の再開は(認められない)という強い思いだ」と改めて念を押したうえで、ポンプアップや遮水壁案について「そんな程度の代替案しか出てこないのかな。国を挙げて問題解決に取り組まないと、案が出てこないのかなという思いです」と苦言を呈しました。
会合後、JR東海に尋ねました。「地盤沈下と水位低下は進むけど、代替水源で我慢してほしいというのがJR東海の考え方ですか」。これに対して担当者は「まずは水利用をご不安のないようにしたいというのが我々の考えで、代替案として代替水源、トンネル湧水(ポンプアップ)案っていうのをお示ししている」。
未だ解決の兆しは見えません。

 

 


vol.224 ここいく日記 はじめの41歩


10年前に蒔いた種が大きく育って…

ここいくは、「子ども達にいのちの大切さを伝えたい!」という母たちが集まり2010年に産声をあげました。
そして、学校や幼稚園からの授業依頼は、そこでPTAなどの役員をされている方たちが「子ども達にいのちの授業を聞いてほしい」という思いで私たち「ここいく」を呼んでくれることが多いです。
10年前、3人の子どもの子育て真っ只中のお母さんが、地域でつながりのある親子さんと「みんなで一緒に性教育を受けたい」とここいくの授業を企画してくれました。
子どもたちの年齢の幅も広く、幼児~低学年、高学年~中学生と1日に2回の授業を実施しました。その時に参加していた親さんからなんと10年越しで「いのちの授業」の依頼。
当時、幼稚園児だった我が子と受けた授業のことを「しばられない性教育」と表現してくれて、いのちの成り立ちのお話の中で伝える「いのちのもと」の精子と卵子のことを子どもさんがずっと覚えていてくれたことなどを教えてくれて、親子で授業を受けて子育てが楽になったこと、高校生になっている我が子のことを「とっても良い子に育ちました。」と嬉しそうに話してくれました。
今、その方は事業所を立ち上げていて、そこに通っている親子と授業を受けたいとの依頼です。10年前に蒔いた種が育っていたようでとても嬉しく思いました。
そして、授業当日、たくさんの親子が参加。学校の授業ではお母さんの参加がほとんどですが、お父さんの参加もありさらに嬉しい!
子ども達は元気いっぱいで、積極的に授業に参加してくれて、こちらからの問いかけにもたくさん反応してくれました。
授業を親子で受けることで、命の成り立ちの過程(ここを語れない、伝えたくない大人はたくさんいます)を親子で知ることができます。いのちのもとの精子と卵子が出会うことは「いやらしい」ことではなく「素敵なこと」「大切なこと」と捉えられること。自分という存在が奇跡のような確率で生まれたこと。これらのことが、親子で共通認識になると子どもを見る目が代わり、我が子だけでなくすべてのいのちの尊さを感じることができると思っています。
そして、自分を含め我が子も、そしてすべての人が「ありのままの自分で、ありのままのあなたでいいんだ」と思える。
子育ても、生き方も変わると思っています。
私たちは、授業を重ねるたびに子どもたちに伝えるたびに、私たち自身が「生まれてきてくれてありがとう」「いのちってすごいね」「ありのままのあなたでいいよ」というメッセージを受け取り続けていると感じています。
このメッセージがミルフィーユのように私たちの中に積み重なり、私たち自身を幸せにしてくれています。
「性教育」と聞くと、とっつきにくいことと感じる人こそぜひ!ここいくのいのちの授業を受けてみてくださいね♡
授業依頼は随時受付中です。

担当:ここいくメンバー 中村 暁子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.224 菌ちゃん野菜応援団 最終回


私には夢があります。

菌ちゃん野菜応援団は長いこと「土とお腹は一緒だよ」「土を良くすると元
気なお野菜が出来るように、お腹を
元気にすると健康で幸せに生
きていくことができるよ」とお伝えしてきました。

ミネラルの大切さ、微生物の大切さにはじまり、身体が喜ぶものと嫌がるもの、野菜が元気になるものと病気になるもの。
全てが繋がっているんだよ、ものごとはとってもシンプルなんだよ、ということを何度も何度もお伝えしてきて、皆さん耳にタコが出来たかな?なんて思ったりしています。

語るだけではつまらないから、一緒にやろう!ということで実験地として畑を借り野菜を作り、希望される方と一緒に畑活を継続してもきました。
連載の間に畑を2度も手放す事態もあり、今はまた1からのチャレンジ。今回は砂地という今でにない土壌ということ、ここ数年の異常な夏の暑さもあり、野菜は壊滅的。とてもお見せ出来る畑とは言えなーい!!という状況になってしまっているのですが。

でも、私の夢は「命のつながりを肌で感じる場所や体験を子どもたちと共有すること」これに尽きるのです。

すべての命は繋がっているんだよ、私たちはたくさんの命に支えられているんだよ。自分が自分らしく生きていくことが難しい現代社会において、「あなたはあなたのままでとてもすてきだよ」と大人には伝えていきたいし、「自分は自分のままで素晴らしいんだ」と子どもたちに自信を持ってもらいたい。そのために畑があり、事務所がありました。

今年は法人化を目指し、さらに活動を充実させていく予定です。その中でまた皆さんに発信できることが増えてきたら。またこちらに戻ってこようと思います。

ということで菌ちゃん野菜応援団のコラムは少しお休み。夢のためにいちだんとパワーアップして戻って来ますので、そのときはまたお付き合いくださいね!!

各務 亜紀


vol.224 プレゼントコーナー

224号PRESENTS

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1-あなたが今、一番関心があることは?子育て、趣味、環境問題、社会問題…etc。あなたが一番関心があることは何ですか?具体的におしえてね。

2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望を必ずお書きください)
※B、Dは編集室までとりに来られる方
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成
〆切:2025年3月25日  当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.CINEX映画招待券   CINEX様より…ペア3組様

CGを使った作品もいいけれど、CGを一切使わずに、神秘的な自然の中で紡がれる作品に身を浸す、そんなひと時はいかが?写真は映画「光る川」より。柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


B.書籍「元気で行こう」  木田ひと美様より…2名様

「三十歳になるまでに、世界一周の旅にでる」 そう心に決めて、同じ夢を持つ友人とともに、ヨーロッパ・北アフリカをバイクで走破した日々を綴る一冊。
バイクの運転は下手くそだけど、思ったら実行しかない!という著者からのプレゼントです。にらめっこ編集室でお受け取りください。


C.おとなの音あそびご招待  アートギャラリー是様より…ペア1組様

ピアノにサックス、ウクレレ、ギター…。音楽を楽しむ人集まれ!腕前を披露する人も聴くだけの人も、心地よい空間で、飲みながら・食べながら楽しいひと時を過ごしませんか?


D.やじろプレーン   にらめっこより…1名様

木製ならではの温かみのある、やじろべえスタイルの置物です。絶妙なバランスで乗っているので、ちょっとした空気の動きにも飛行機が優しく動きます。(高さ29cm×横42cm)
にらめっこ編集室でお受け取りください。

 


vol.223 慣れてくると気持ちが緩む?

「慣れ」は怖い、ともすれば慢心して「今まではこうしていたから大丈夫」となりがちです。

「慣れ」と「慎重」
時間が経過するとともに今ある環境に適応するようになります。慣れることによって、丁寧さや大切さを見落としがちですが、良いこともあります。ストレスと感じることも減り、楽な気持ちで物事をすすめることができるから。しかし、ことわざに、「初心忘れるべからず」という言葉があるように、慣れてきた時こそより慎重に。物事に取組む際に新鮮で謙虚な気持ちを忘れず、心掛けていきたいものです。

“慣れる”ということは大切なことですが、慣れほど怖いものはないのかもしれません。「慢心」というものを生み出さないように心したいものです。人間にとって慣れてよいこととそうでないことがあります。慣れにどう抗っていくか…マンネリというのもその一つ。習慣化は欠かせませんが、この慣れというのは、潜在的なミスやトラブルの原因となることも。慣れるというか習慣というのは、人間の本能的なもので、安心安全に生きていくために、人類が誕生以来本能的に持っているもの。毎日が不安定では、それこそストレスで体がおかしくなってしまいますから。


人間は置かれた環境には、時間がかかっても慣れていく、これは言い方を変えれば、適応するとも言えます。人間は幸せにも不幸せにも慣れるとも言えるのではないでしょうか?
良い国のはずが、幸せ指数や豊かさという尺度になると、日本は他の国に比べて評価はとても低いです。未来を見たら、課題だらけの日本。日本に生まれ育って、今のこの環境で生活できれば、平和で幸せな人生なのかもしれません。だけど、日本はなんとなく、世界からは幸せな国には見られていないようです。物質的な豊かさは手に入れたが、心の豊かさが満たされていないということは、以前から日本の課題として言われてきました。

逆に物質的な豊かさが達成されたからこそ、心の豊かさに関心が向くようになったとも言えます。
実際、日本よりはるかに遅れた国に行くと、今の環境の中で、幸せそうに暮らしている。ただ、それは、比べるものを知らないからなのかも。
今の日本人は、物質的な満足には慣れてしまった。
ますます、便利で快適なサービスは増殖して、どこまで行くのかというぐらいにエスカレートする便利を追っかけても、すぐに慣れてしまって、ゴールが見えない。
本気で心の豊かさが必要というのなら、それは、日本で身近な所で体験できるし実現できる。都会よりもよっぽど不便な田舎に慣れていくこと。不慣れな中に、幸せのきっかけはあると思うのですが。

台湾の独立は戦争を意味する?
緊張の度を増した台湾海峡の今後

台湾ではなく「チャイニーズ・タイペイ」
東京2020オリンピックに、台湾は「チャイニーズ・タイペイ」という名称で参加した。オリンピックに限らず、台湾が国政スポーツ大会に参加する場合はチャイニーズ・タイペイを名乗るのが慣例になっているが、それは中国が「台湾」や「中華民国(台湾の国号)」という名称使用に反対しているため。この名称問題からも分かるように、中国と台湾は対立関係にある。
1945年に第二次世界大戦が終結した後、中国大陸では蒋介石率いる国民党と毛沢東率いる中国共産党が対立し、内線がくり広げられた。その闘いに勝利した共産党が「中華人民共和国(現在の中国)」を成立させる一方、国民党は台湾に逃れて「中華民国」を樹立。両者は反目しあったまま、歴史を重ねていくことになった。
当初、国連などの国際機関では中華民国が中国代表とみなされたが、1972年にアメリカのニクソン政権が中華人民共和国に接近し、1979年に国交を正常化すると、中華人民共和国(以下、中国)と中華民国(以下、台湾)の立場が逆転する。

台湾海峡で一触即発の危機
「一つの中国」を主張し、台湾の存在を認めようとしない中国は、台湾近海で軍事演習を実施したり、沿岸部に短距離弾道ミサイルを配備するなど、台湾に対する威嚇行動をくり返した。一方、台湾は国際社会で孤立しつつも、中国による台湾併合を阻止したいアメリカから兵器の支援を受けて対抗する。いつ武力衝突が起きてもおかしく回緊迫状態が続いた。
その緊張がピークに達したのが、1990年代半ばだった。台湾の季登輝(リートンホイ)総統(当時)が独立を声だかに叫び、中国政府が台湾海峡で軍事的挑発を見せるなか、1996年3月に台湾で史上初の総統・副総統直接選挙が行われた。このとき中国は、台湾近海でミサイル発射演習などを強行し、台湾を威嚇。これに対し、アメリカが2隻の空母を中心とする機動部隊を派遣したのである。
結局、軍事衝突には至らなかったが、その後も中国と台湾の対立は続いた。

香港の次の標的は台湾?
しかし21世紀に入ると。少しづつ状況が変わっていく。中国が急速な経済成長を続けるなか、台湾は2002年にWTO(世界貿易機関)への加盟を実施する。
さらに2008年の政権交代で総統になった国民党の馬英九(マーインチウ)は、中国との間で貿易・移動・郵便の自由(三通)を容認する「経済協力枠組み協定」を締結、「ひとつの中国」を確認しあって中国と直接取引を行うことを認める政策を採った。・・・・・
ところが、2016年、中国よりの国民党の候補者ではなく民進党の葵英文(ツアイインウエン)が新総統に就任すると、潮目が変わる。
初の女性総統となった葵英文は中国との間で「ひとつの中国」の原則を確認していないし、中国とのパイプも少ない葵政権下において、再び”台湾意識”が高まってきた。さらに2021年1月には中国国防層の報道官が「火遊びをする者はやけどを負う。台湾独立は戦争を意味する」と発言。対米関係を緊密にしようと動いている台湾への警告とされる。アメリカも黙っておらず、同年4月に海軍の駆逐艦を派遣し、台湾海峡を通過させた。
万が一、中台衝突が起これば日本も対岸の火事ではなくなるだろう。その場合、自衛隊によるアメリカ軍の支援も噂されている。緊張が高まる台湾海峡から目が離せない。

今年の「おとな芸術村」活動記録

そんな一触即発とも言える台湾へ「アートな旅」を企画している次回の「おとな芸術村」。情勢をよく理解した上で、実施する予定ではありますが、何より心強いのは現地を案内してくれる人がいるということ。前号でご紹介したイラストレーターのヒコちゃんは台湾人で台北の桃園出身。
旅は旅先の情報をしっかり勉強、理解して出かけるのがその国へのリスペクトにつながります。”おとな”なら尚更、ですよね。第2回「おとな芸術村」の詳細は次号でお知らせいたします。


vol.223 「戦争はしない、させない〜私の戦争取材体験から」

私が主に取材した、ベトナム戦争や中越戦争(中国とベトナムの戦争)を省みながら、写真とともにお伝えしていきます。

中越戦争(中国とベトナムの戦争)
1979年に中国が大部隊を抱えて国境を超えて、ベトナムに派遣し、ベトナム侵略をはじめた。ベトナム戦争中も、色々取材して来たんですが、日本は“戦争をできる国”どころか、“する国”に変貌してしまいました。

アメリカのベトナム戦争は21年間続きました。取材したこの二つの戦争を教訓として、侵略戦争と抵抗戦争について考えます。さらに「戦争をする国」とした日本の危うさを考えます。

ジャーナリストは狙われる
私と一緒に取材をしていた赤旗の高野功記者が、殺された。戦争の現場ではジャーナリストは狙われます。いかに敵がひどいことをやっているか、リアルに撮影し報道しているから、相手にとっては「敵」なんですね。殺された人間の悔しさも含めて、戦争というのはあっちゃいけないんだと伝えようと思っています。

中越戦争・どうして中国がベトナムに入り込んだか
中国は文化大革命があって、ポル・ポトと非常に親しかった。ポル・ポト派自国民(カンボジアで)170万人も虐殺。特にインテリ、ポル・ポトのやり方に反抗しそうな学校の先生、宗教者、学生とか、知識のある人を片っ端から殺しました。ポル・ポトの恐怖政治です。そのポル・ポトが中国の文化大革命を真似たんです。文化大革命は毛沢東が引き起こしたんですが、1,000万人もの中国人が死んだと言われています。

1979年にベトナム軍がポル・ポトを追い詰めて国境まで追い出しプノンペンを解放しました。そんなの中国(当時は鄧小平)としては許せないと、ベトナムに懲罰を与える!と。それでこの中越戦争がおきたのです。

捕まった中国軍の兵隊を見るとみんな若い。ベトナム兵に聞くと、上官からの命令は「なるべく殺さないで手足を打て」と。そうすると担いで帰らなきゃならない。助けてくれーという兵士を置いていくわけにはいかないから。そうすることで戦力は失われる。帰ってからも手当を続けなければいけないし、社会福祉制度も整え補償もしていかないということもあり、中国の負担になるということで、狙いは手足なんです。どういう戦いを挑めば相手は怯むのか、よくわきまえていましたね。(これが現実・非人道的な戦争の現場)

ベトナム戦争史を振り返る
ベトナムは、100年余りもフランスの植民地でしたが、45年にベトナム民主共和国を建国。しかし列強(第2時世界大戦で勝った、米・英・ソ連・フランス・中国という5大国)はジュネーブ会議でベトナムを南北に分断しました。
日本の侵略はその頃から始まった。1940年です。フランス軍と戦わないで、ベトナムを奪え、という形で日本軍は動きます。ハノイもサイゴンも日本軍の支配下に入り日本軍はベトナムの農民から徹底的に米を取り上げる。ベトナムの農民は次々と餓死します。実に200万人も死んでいるんです。
そして、1945年にポツダム宣言を受けて、日本が負けた。しかし、ベトナムは日本兵を皆殺しにしなかった。その代わり鉄砲を置いて行け、と。そしてホーチミンはハノイで独立宣言をし、ベトナム民主化はこの時に誕生しました。

<ベトナム独立宣言>
“1940年の秋、日本軍がインドシナを侵略し、フランスは日本に国を明け渡しました。以来、我が民族はフランスと日本という二重の枷をかけられたのです。私たちは日増しに困窮しました。その結果、年初めにはクアンチから北の200万人が餓死しました。日本が連合国に降伏した時、私たち民族は、フランスからではなく日本からベトナム国を取り戻したのです。”
ベトナム独立宣言の中に、「日本から独立した」と書いてある。このことを知らない日本人がいっぱいいる。近現代史を教えない日本の教育。このことに我々はもっと関心を持たなきゃならない。

<ベトナム戦争、民衆の抵抗>
ところが1953年に当時アイゼンハワー政権の副大統領・ニクソンがベトナムのフランス軍基地を訪問して激励した。それは東西冷戦を見越した、共産主義を封じ込めるんだという理由から。しかし、フランス軍はベトミン軍、農民軍にやられ降伏します。南北に分けられたベトナムの南はアメリカのものとし、まず傀儡政権を作りアメリカの大使がゴジンジェムを大統領に任命したんです。大使が大統領任命するなんて、あっていいのかっていうはなしですが、傀儡政権とはそういうものです。
しかし、民衆の抵抗がすごかった。ベトナムの民衆のほとんどが仏教徒。ティク・クアン・ドクという位の高いお坊さんがサイゴンで弟子にガソリンをかけさせて、戦争に対する抗議で焼身自殺しました。1963年です。時のケネディ大統領は「これはまずいぞ、こんな民衆の抵抗があると、それをまたみんな支持している姿を見ると、アメリカのベトナム侵略は、間違っているんじゃないか」とつぶやき始めた。そうしたらもう、アメリカの軍産複合体が「ケネディーはけしからん!」と大騒ぎ。ベトナムに撃退されたら、軍事全て飛んじゃいますから、軍部系統の企業も反対する。そうして11月にケネディーは暗殺されます。その犯人も連行されていく途中で何者かに殺された。ですから真相は闇の中。わからないままケネディ暗殺事件は葬られた。非常に謎の多い事件です。

また、相模原米軍補給艦での戦車阻止闘争では、社会党・共産党・ベ平連、学生・労働者の50日間にわたる座り込みで、米軍は1台の戦車もベトナムに送ることができなかった。歴史に残る大闘争でした。

非人道的兵器
 ボール爆弾(新聞ではクラスター爆弾)野球のボールくらいの大きさで、中にびっしり鋼鉄の玉が入っている。ボールが爆発すると、これが四方八方に飛ぶ。だから近くにいる人間は蜂の巣のように穴が開けられるし、遠くにいても一発くらい当たるという爆弾です。イスラエルもロシアも使っています。ビルを壊すことはできない小さい爆弾ですが、人間を殺すためだけの対人殺傷爆弾です。
さらにアメリカは化学戦争をやった。軍上層部とメーカーは劇毒ダイオキシンの混入を知りつつ、枯葉作戦を遂行した。1961年から71年まで南ベトナムに対して10年間散布した。ジャングルを全部枯らしちゃえば、隠れる場所がなくなるからですね。

枯れ葉剤の影響はベトちゃん&ドクちゃんだけじゃなくて、いろんな症状を持った子がいっぱい生まれています。水頭症の子も多いですし、眼球症の子も多いです。
ベトナム戦争に行った米軍部隊、集団的自衛権の発動で韓国軍の兵士もベトナム最前線に送られた。彼らも、枯葉剤を浴びて帰ってきてガンになるなどの深刻な影響が出ています。

アメリカ政府はベトナムに従軍した延べ280万人のアメリカ兵全員が枯葉剤を浴びたとみなすと決定。疫学調査で、20種類近い疾病やがんを枯葉剤による疾病と認め、補償対象にしています。ただし、ベトナム兵がアメリカ兵と同じ基準でいいから、補償してくれという訴えを連邦地裁に起こすんですが、連邦最高裁は2009年に不受理。同盟国である韓国の兵隊からの訴えも、不受理です。日本はアメリカの傘下に入って、集団的安保を実現しようとしていますが、どんなことが起きてもアメリカは補償しません。

ちょっと突然話が飛びますけど、ウクライナの大虐殺が起きたキーウ。小学校や病院が常にターゲットになってミサイルが落とされています。あれは誤爆じゃなく意図的に徹底的に狙っています。ベトナム戦争でもそうですが、北爆で最初に狙われたのが病院です。病院と学校を集中的に狙う。どうしてか、恨みを持たないように殺しちゃえ!ということ。子どもたちはいずれ10年か20年経つと兵隊になるから。そういう発想です。ガザ地区でイスラエルがやっているのも同じ。子どもであろうが、病人であろうが、皆殺しです。必ず誤爆なんて言いますが大嘘です。

過去10年の日米共同訓練の回数
2013年24回 2022年 108回。「先制攻撃こそ圧倒的に有利」「敵基地攻撃能力をもたないといかん」と安倍さん。それを固めたのが岸田さん。問題はミサイルやら、次期戦闘機やら、すべてが閣議決定で決めたこと。全部憲法違反です。そんなことを我々は許しちゃいけない。

 民間空港を軍事利用するということ。民間機が離着陸するところで自衛隊の戦闘機が離発着する。空港だけじゃなく港湾も軍艦が入れるようにされています。最近の話しでは、米軍が「日本の統合軍令部を自衛隊に置く」ともう決めたんですね。つい先月です。アメリカ軍の配下に日本の自衛隊が入ると、ということは、ベトナム戦争で韓国軍が背負ったような集団的自衛権があてにされ、どこへでも派遣される。アメリカの戦争では日本兵を使うということが起きるわけです。

戦争国家づくりを急ぐ日本政府
先日行われた日米安全保障協議委員会(2プラス2)は「日本をアメリカの軍事戦略に一体化させる」ことで合意した。米軍は統合軍司令部を日本に起き、自衛隊の統合作戦司令部との相互運用性を強化する。これは日本国憲法を足蹴にし、核を含む米軍の戦争態勢・ミサイル防衛システムに自衛隊を深く組み込むもの。ミサイルで敵基地攻撃をやるということを、日本が公然と言っている。アメリカの軍事アドバイザーは「アメリカが中国と対立する時、アメリカは前面に立つわけではない」と言っています。さらに米政府軍事アドバイザーは「前面に立つのは日本の自衛隊の若者だ、極東での戦争はアメリカ兵の命を失わせたくない」ということをベトナム戦争の時に言っています。アジアでの戦争はアジア人同士でやらせるべきだ。その準備を完成させたのが岸田さんです。

戦争で前線に立つのは誰?
自衛隊の若者です。台湾になんかあったとき、日本が中国軍と戦うことになるんです。その時、日本が一番気をつけなきゃならないのは原発です。そこにミサイルが打ち込まれたら、核分裂が始まり原子爆弾となってしまいます。核爆弾が来なくても、原発が狙われたら核分裂が始まる。つまり、核爆弾と同じ大爆発がおきる。そういうことを我々は知っておかなければいけない。大事なのは43兆円とかいう軍備を強化することではない!そんなことでは平和は実現できません。本当に安全を確保するには外交的な努力で、憲法をかざして、絶対に日本は戦争をしないんだ、と。だからあなたがたも戦争には手を出すな、という形で、外交交渉をするしかないんです。           文責・にらめっこ


vol.223 その水道水、だいじょうぶ?part-3

共同通信

発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を巡り、一部浄水場で高濃度の値が確認された岡山県吉備中央町が25日、住民ら約800人を対象に公費による血液検査を開始した。環境省によると公費での検査は初めて。
山本雅則町長は「5年後も検査をする」と述べ、血中濃度と健康への影響について長期的に調査する考えを示した。
PFASに詳しい群馬大の鯉淵典之教授は、データを蓄積する観点から検出地域での血液検査は重要と指摘。他地域での実施についても「国や自治体が検討する必要がある」としている。日経
検査はPFASの影響を解明し、公衆衛生施策の提案に役立てることなどが目的。今回は12月上旬まで行い、PFAS濃度の他、脂質や肝機能なども調べる。
浄水場の水を継続的に飲んだ約2千人のうち、11月25日時点で18歳以上の成人710人、子ども80人が検査を希望した。25日の検査には50人が参加した。
結果は来年1月中にも検査を受けた人に通知。病気の状況などを尋ねた健康調査票と組み合わせ岡山大が詳しく分析する。この浄水場の水を飲んでいない町民とも比較してPFASによる影響を検討する。

NHKスペシャル

調査報道新世紀
File8 追跡“PFAS汚染”初回放送日:2024年12月1日
自然界で分解されることがほとんどなく永遠の化学物質と呼ばれる有機フッ素化合物PFAS。去年WHO・世界保健機関が一部の物質について発がん性の評価を引き上げたが、そのPFASが日本各地の水道水から検出されているのだ。国が暫定的に定めた目標値を大きく超える地域もあり住民から不安の声が上がっている。汚染源を探る住民、PFASを製造してきた企業、国内外の研究者への独自取材から“PFAS汚染”の全貌に迫る。

ほか、東京新聞、朝日新聞、中日新聞、岐阜新聞からネットニュースにいたるまで、報道は熱を帯びている全国的なPFAS問題。
そんななか、ギャラリーで、「人々の言葉と、言葉にされない思いを紡いだ」という鈴木 萌氏の写真展が開かれていた。

Untitled, Aabuku © Moe Suzuki

鈴木萌写真展「AABUKU」
京都:2024/5/3-5/12

朝起きてまず初めにコップ一杯飲んだ水
保育園に行く息子に毎日持たせた水
毎朝手ですくって飲んだ湧水
自然農法で育ててきた田芋
グッピーを手で捕まえたせせらぎ
サッカーボールを蹴る学校のグラウンド
卵を投げ入れて拝む池
サップに乗ってのぼる川

目に見えず、匂いも味もしない。その物質はあの時飲んだ水に、手ですくった水に、畑にまいた水に、含まれていたのだろうか。そして今まさに、蛇口をひねって流れ出るこの水にも含まれているのだろうか。体の中に蓄積されたこの物質は、自分に、あるいは子供たちにどんな悪さをしたのだろうか。これからもするのだろうか。
2016年、沖縄県中部に位置する浄水場から本島中南部45万人に供給される水道水が有機フッ素化合物(PFAS)で汚染されていることが公表された。それは自然界や人間の体内ではほとんど分解されることのない「永遠の化学物質」(フォーエバーケミカル)の異名を持つ発がん性物質だった。4年後の2020年、宜野湾市の普天間飛行場格納庫にある火災報知器が誤作動し、大量の泡消火剤の泡が排水溝を通って基地外に流れ出た。ロマンチックにふわふわと漂い、いつまでも消えない泡には高濃度のPFASが含まれていた。そしてそこには、当たり前のように飲んで、遊んで、仕事に、そして拝みに使ってきた水の本当の姿を、昔見たかもしれない「泡」の記憶の断片をたぐりよせながら自分なりに捉えようとしていている人たちがいた。

これは、沖縄における米軍基地由来のPFAS汚染の実態を、人々の水や土地にまつわる記憶を軸に語った物語である。時を遡って汚染の数値を測ることはできず、国も米軍も根本的な解決策を提示しないばかりか汚染の事実さえも認めてはいない。それでも汚染の実態が徐々に明かされるにつれ、今まで気にも留めていなかった日々の記憶に生じる歪み…その記憶を聞き取りながら、汚染された土地と水を歩いた。ふわふわの泡以外に視覚的に捉えることはできない永遠の化学物質。基地のフェンスに遮られどうしても辿り着くことができない汚染源。訪れる人々が気持ちの良い風と波の音を被せ、あえて見ようとしないこの地の重荷。こうして「見えないものたち」は捻れて重なっていた。つかめそうでつかめない、ふわふわと漂う夢のようなあぶくをかきわけるようにして、私は人々の言葉と、言葉にされない思いを紡いだ。       鈴木 萌

鈴木 萌 | プロフィール:東京都出身。London College of Communicationで写真を学び、2011年帰国。主な媒体とる写真を軸に、アーカイブ、イラスト、リサーチ、映像などを織り交ぜ、本やインスタレーションの形で物語を表現する。前作「底翳」は東京、京都、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、北アイルランド、フランスなど世界各地で展示され、同タイトル写真集はLuma Rencontres Dummy Book Award 2021を始めとする世界のダミーブック賞への入選・受賞経験を持つ。

 NHKや新聞、さまざまなメディアから取材をうけた小川さん(PFAS汚染と市政を明らかにする会・代表)にお話をうかがいました。

ーマスコミも取り上げる頻度が高くなりました。PFASを知る人は確実に増えている。でも、当事者よりもマスコミの方が熱意があって市民より怒っているよね。社会的使命というか…。20年後30年後という長いスパンで水資源を考えないと不安ですよ。だって、日本の水って安全で美味しい。特に各務原の水はお墨付きだったし。

この夏に東近江市に行きました。「地域にないものは自分たちで作ろう!」と加工品なども全部自分たちで作る。水と土がきちんとしているということ、これってものすごく大事ですよね。地下水保全条例でもきちんと見える化することが重要です。PFASの問題はどういう分野からでも取り組めます。環境問題、地質問題、地学的にも、あと、健康からもしっかりアプローチできるんですよ。わたし達はもっと危機感を持つことが大事だと思います。“新しい水源地を作るから”とか、“活性炭で除去しているから大丈夫”とか、そういうこととは別に、PFASとはどんなものなのか、知ることが大事ですよね。
鈴木 萌写真展「AABUKU」京都:2024/5/3-5/12を観てきました。ギャラリーでPFASのことを発信していたんです。展示が未だかつて見たことのない方法が用いられて、PFASのことがよくわかり、ちょっとカルチャーショック!こんな展示方法があるんだって。
そこで小川の提案:PFASを逆手にとって、PFASのことが何でもわかる学習館とかつくっちゃう?下の世代に繋いでいくことが大事。だって、PFASはただちに影響は出ないと言われているし、だからこそデータを積み上げ、因果関係がはっきりすることをしていかなきゃ、今は問題ないから知らない、ではいけないでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


vol.223 ぎむきょーるーむ 冬こそ外遊び

「子どもの体力低下」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、さらに拍車がかかっているようです。この季節は外遊びがぐんと減る時。でも、「子どもは風の子!!」それを意識して外に送り出しましょう!屋外が寒くても、鬼ごっこやドッジボールなど、身体全体を存分に動かす遊びを取り入れることで、じわじわと身体が温まる感覚を知る機会につながりますよ。 また、冬ならではの冷たい空気や息の白さ、氷・霜柱といった現象に興味を持ち、夢中になる子どももいるかもしれません。

子どもたちの体力が低下している主な原因は?

運動時間が減少

1日の総運動時間が60分以上の子どもはその他の子どもに比べ体力合計点が高い傾向にありますが、その割合は減少しており、特に男子の方が顕著に減っています。中学高での部活動の減少も手威力低下の一員と考えられます。

スクリーンタイムが増加
平日1日あたりのテレビ、スマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間が長くなる傾向があり、学習以外に2時間以上見ている割合が増加。特に男子で長時間化しています。これが運動時間の減少にも繋がっていると考えられます。新型コロナウイルス感染の影響を受けて、放課後の遊びや休日の外出なども含めた子ども達の行動・運動が制限されたことが、それまでの傾向に拍車をかけたといえます。

子どもに最低限必要な運動量は「1日60分」
日本スポーツ協会による「子どもの身体活動ガイドライン」では、子どもとって最低限必要な身体活動量は「毎日60分以上」とされています。

これはいわゆる「スポーツ」だけに限らず、身体を使った遊び、 生活活動なども含めた時間なので、たとえば保育園や幼稚園の行き帰りに少し遠回りして散歩してみたり、家の中でも遊びに体操やダンスのような動きを取り入れたり、掃除などの家事を手伝わせるなど、いろいろな形で運動量を増やす工夫ができます。

子どもの体力をつけるために必要なこと

【運動】外遊びや家の中でできる軽い運動からはじめる
例えば、食事の支度や後片付けの手伝いで少しずつ重いものを運んでもらったり、遊んでいる時の姿勢を意識するように声をかけたりするだけでも、毎日の積み重ねで運動の機会を増やせます。歌が好きな子には踊りながら歌ってとお願いする、できるだけ思い切り体を動かせる公園などに連れ出すなど、様々な場面で体を動かすことを意識をすると良いでしょう。

【食事】肉・魚・卵などたんぱく質をバランスよく
なかでも意識したいのは、筋肉の成長に必要なたんぱく質。小学生は1日30〜50g、成長期では60g以上のたんぱく質が必要といわれています。

 はやい段階で、外遊びを楽しむ習慣を身に付けていることは、生涯にわたっての豊かなスポーツライフを実現するための素地になります。

 

 「外は寒いから、温かい教室にいたい」「外に出たくない」というのは、自然な感情です。外から帰ったら、手洗い・うがい・水分補給等も忘れずに。

 

 「鬼ごっこ」という遊び一つとっても、子どもたち一人ひとりが考えるルールには、小さなズレがあります。そのズレを修正して、みんなのルールを作ることが大切。小さなズレをそのままにしておくと、うまく仲間に入れない子が出てきたり、言い争いになってしまったりすることも。ルールの共通理解が、みんなで楽しく遊ぶことにつながります。

具体的な遊びを2つ紹介します。
へびじゃんけん
人数:5~10人くらい
遊びの時間の目安:5分
2チームに分けて、先頭の子が線の上を走ります。途中で、相手と出会ったら、タッチしてじゃんけんをします。勝った子はそのまま進み、負けた子は戻って自分の陣地の一番後ろに並びます。それを繰り返し相手チームの陣地に入ったら勝ち。

おしくらまんじゅう
人数:5人くらい
遊びの時間の目安:1分
腕を組んで背中を合わせて円になります。「おしくらまんじゅう押されて泣くな」と歌いながら、肩を寄せて押し合います。体と体をくっつける面白さを感じたり、ギューギュー押すことで体の温まりを感じたりすることができます。子どもたちの円陣の外側に円を描き、押されてはみ出してしまった子は、アウトになるルールにすると、さらに盛り上がります。

 

 


vol.223 続・しょうがいをみつめる vol.5

マイノリティーの強み

障害であるとは、単に足が不自由だとか、自閉症の診断があるということではありません。
足が不自由であるということで行きたい場所に行くことを制限されてしまったり、自閉症であることで人とのコミュニケーションでトラブルが生じやすかったり、生きていくうえで社会との間に生じるハードルのことをいいます。
これは、障害のある人に限ったことではなく、LGBTQの人たちや日本に住む外国人など少数派の人たちにもいえることで、多数派を中心として成り立っているこの社会で少数派の人たちが生きていくということは、より多くのハードル(障害)に阻まれやすく、より多くのハードル(障害)を乗り越えていかなければならないことにほかなりません。

では、多数派が圧倒的に有利なこの社会において、少数派の人たちの強みとは何でしょう。

つには「人としての成長」があげられます。
私たちは人生がうまくいかず壁にぶち当たると、悩み、苦しみを感じます。しかし、その苦難に耐え、乗り越えることで学びが得られることも知っています。
先述したとおり、障害のある人をはじめとする少数派の人たちは普通の人たちよりも多くの逆境に直面しやすく、悩みや苦しみを感じることも多いですが、それはその人を成長の機会にもなり得ます。
かつて発達障害の自助会に参加させてもらった際、当事者の方が自らの生きづらさを吐露する一方、そこから得た学びや前向きに生きていくためのマインドセットの方法を語られていました。また、悩みを開示した他の当事者の方に対し、自らの経験を通じて思いやりのある言葉をかけてらっしゃいました。当事者であり、多数派よりも多くのハードル(障害)にぶつかったからこその思慮深さと懐の深さに、多くを学ばせていただきました。

もう一つには「より良い社会を作る原動力になること」があげられます。
2019年大型の車椅子を利用している重度障害のある国会議員が誕生しました。当時話題になったのでニュースなどで目にした方もいらっしゃるでしょう。このことがきっかけとなり、国会のバリアフリーが一気に進んだと言われています。
近年、少数派の人たちが自ら声をあげる機会が増えてきました。それは多数派にとって当たり前の社会のあり方に一石を投じることとなり、時には物議を醸すこともありますが、長期的には誰もが生きやすい社会を作ることにつながっていくのではないでしょうか。

 障害のある人たちと長年関わってきて、彼らの生き方・彼女らの声はわたし自身に多くの気づきや学びを与えてくれました。そして、それはわたし自身の成長にも寄与しています。今後も彼らから学び、彼女らと共に成長していけたらと思っています。

 


vol.223 熱中人 河口 準さん 山口 晋一さん

イギリスで好きなガーデニングを学ぼうと渡英
30になった時に仕事をやめてイギリスに行きました。ガーデニングの勉強と、英語の勉強も含め、ヨーロッパを回ったりとか、人間関係づくりとか、友達づくり、いろんな文化を見るという6年間でした。
帰国して、東京で仕事を探していたのですが、体調を崩し岐阜に帰ってきました。自分の周りにカフェを始める状況が整ってきたというか…これは今やるべきなんでは?と思い、全部DIYで作ったんです。さぁOPENしようと思ったら、すぐにコロナに。預金が日に日に減っていく…本当に辛い4年間でした。

実家をリノベして、カフェに
最初は4ヶ月でこの店を作れると思っていたんですが、実際は11ヶ月かかった。でもまだ完成ではないんですよ。もっと変えていきたいと思うし、それも楽しみの一つです。こんな田舎にこの空間を自分で作ったというと、入ってきた人はみんなびっくりします。カフェに来てくれる人とはいろんな話をします。僕の提案にある人は「あ、じゃぁそうしてみようと思います」と反応してくれたり、またある人は「一歩踏み出せました」って言ってくれたり。

Phin and Beanではベトナムコーヒーを提供
知り合いの人から頂いたベトナムコーヒーがあまりにも美味しかったんです。それから何回かベトナムに行って、コーヒーを飲みまくりました。海外旅行が好きなんで、ベトナムに自分で豆を買い付けに行けるというのがモチベーションの一つになっています。店では「これしかできないですよ」と言うスタイルで、食事も提供しています。それでもオッケーの人から「美味しかった」って言ってもらえればそれでいい。来てくれた人がご飯をおいしい、コーヒー美味しいって。そういう姿を見るだけでも十分幸せを感じます。

俯瞰してみることの大切さ
海外に出て感じたことは、まず自分を俯瞰して物事を見られるようになったこと、日本も含めてね。自分の知らない世界に身を置くと目新しいもの、新しい経験を重ねていけるのでとにかく毎日が楽しくて。経験値も知識も上がります。また、自分がいかに日本のことを知らないかというのを感じました。逆に僕たちは「教えられてない」ということを、海外の人に教えてもらいました。どの国の人もきちんと自分たちの歴史を学んでいます。

続けることでみえてくること
いろんな人と知り合いになれたことかな。ここが人が集まる場所っていうことに意味があるので、ここで交流できたらいいなって。関係人口が増えますよね。
持続可能というか、うちのトイレは水洗なんですが、ためておいた水にはバクテリアと、キアレーションを入れて分解するんです。うちの周りの畑の野菜は全部それで育っています。そういう植物を育てるのも楽しいし、趣味の延長で仕事をやっている感じ。ボクは庭を造るのが好きなので、イングリッシュガーデン的な庭を作りたい。高い木があって、庭をぐるっと回れて、中にいろいろな花が咲いていて、「あ、今日こんな花が咲いてる」って近くのおばさんたちが集まって来て、ただの空き地が交流の場に生まれかわるんですね。

創り出す喜びはすべてアートに
あと、フラワーロードとかもつくりたい。ただ鹿がいるので・・・花芽を食べられちゃう。でも鹿はきちんと命をいただいて、骨はインテリアに。花をあしらいオブジェにしました。動物に対するリスペクトですね。これもヨーロッパで見たものを見ようみまねで創りました。創り出す喜びがボクの中ではすべてがアートです。
自分が手がけることで、分からなかった、知らなかった価値観が見えてきます。アートってそういう垣根を越えて行く力を持っている。それは今までここにはなかったんですよ。
「おんせぇよぉ~(農家レストラン)」でやっていることがボクには刺激的でしたね。山口君みたいな人がいて、景色があって、水があって、それを活かさない手はないですよ。でも目の前の自然が壊されるのはいやだから、見張り役も要る。いつ誰がどこの土地を買っちゃうか分からないし、知らないうちに山を買われたとか、やっぱり、人がいて気にかけてないとね。ここの自然をキープすることは最大のミッションとなっています。あとDIYで古民家改修とかみんなが集まって来るようなおもしろいモノを作って、そこに泊まれるようにする。いろんな人が「ここはいいとこだ」と来てくれて、ここが潤うようなことのために尽力したいなって思っています。


人を呼ぶことが大事だなって
地元の観光系のことに興味を持ったのは、追ヶ谷さん(川魚料理屋:追ヶ谷は美山の中心から川上にどんどん登り、美山キャンプ村を過ぎてもっと上流、さらにそこから追ヶ谷という支流へ入っていったところにあった)。追ヶ谷というめっちゃいい場所で釣り体験とかして、釣った魚も食べさせてもらいました。昔は多くの観光客が来てたんですよ。残念ですが、今はもうないんです。すごく魅力的なのになんでこんなに人が来なくなったのか。人が来ないということは、こういうお店もなくなっちゃうんだなって。そこで、人が来てもらえるにはどうしたらいいんやろうって思い、観光のことを勉強しました。旅行会社は旅行業務取扱管理者という資格がないとできない。それでその資格をとりました。
旅行業法では資格を持っていないと、バスとか宿泊施設がお客さんに代わって予約ができないし、ツアーが組めないんです。人を呼ぶことが大事。それで山県ツアーズというのを作ったのが2023年2月でした。

交流しながら地域の活性化をめざす
リーマンショックで会社自体が休業中に。新規事業を探す中で、春日井市の勝川弘法市で開かれたイベントに参加しました。そこで商店街活性化に関わる方と出会って、「都市と農村の交流イベントをやりたいなら山県市に行こう」ってなったんです。
そのころ、名古屋市でCOP10(平成22年10月18日から29日、生物多様性条約第10回締約国会議)が開催されました。生物多様性保全に向けたさまざまな取り組みですね。その会場に商店街活性化の方と環境を考える団体の1スペースで出させてもらいました
そこからJAさんの活動を引き継いで、本気で「都市と農村の交流イベント」をやりたいと思ったんです。
「方言を学ぶ」とか、「昔遊びをする」「お茶摘みをする」とか、いろんなアクティビティーを企画して、街の人に参加してもらいました。

廃校を利用して飲食店をオープン
市が国に補助金の申請をして、5つの小学校区に補助金が降りました。いつも、地域のおばあちゃんたちが「人に来てもらったり喜んでもらえることをしたい」「加工場もあるといいよね」と話しているのを思い出し、飲食店、加工場を北山小学校区でつくることに。市役所の方から、「飲食店をやるなら廃校になった北山小学校を使ったらいいよ」って勧められ、2013年10月に「舟伏の里へおんせぇよぉ〜」という飲食店を個人事業としてオープン。これは山県ツアーズとは区分しています。

地元愛が強い…のかな?
「おんせぇよぉ〜」の料理を美味しい!と紹介するために、カメラを買いました。そうしたら、撮影の仕事も入るようになり、スチール写真、動画編集もするようになりました。円原川の光芒も撮影しました。(上・写真)
 そして、みんなでこの地域を盛り上げたいね、ということで任意団体「山県フットパス実行委員会」が立ち上がりました。フットパスは小道を歩くという意味です。イベントだけではなく地域を歩いたり、地元の人のお祭りを手伝ったり。僕は山県市の無形文化財の一つの「北山雨乞い太鼓」にも入っていて、そういう地元のサポートもずっと続けています。
僕の実家は美山の南の方なので小学校も違う。だけどここが盛り上がれば自分の地区も盛り上がるんですよ。広く言えばそれが地元愛なのかな?出身は旧美山町なので、僕はめちゃ他所もんなんですよ、実は。河口さんは地元だけど、僕はよそもん。(笑)
 もうひとつ、個人事業として、河合さん(地域おこし協力隊)と、地域まるごと宿にしようと、宿泊施設の整備、営業を進めています。リノベは河口さんに協力してもらってます。

 

 

 

 


vol.223 えんぴつカフェ 『生前整理』の始め方

『生前整理』の始め方 11月27日(水)にらめっこにて

生前整理とは、物・心・情報を整理しながら、生まれてから現在までの人生の軌道を見直し、「自分がどんな人生を歩んできたのか?」「どんな夢を持っていたのか?」に気づくことです。そのなかで、これからの人生、自分が何をして、どう生きていきたいかを見つけることができます。世間のイメージでは生前整理は亡くなる準備など暗いイメージがありますが、生前整理を行うことで人生を前向きに考えることができます。

生前整理を行う ベストタイミング
生前整理には次の5つの力が必要です。決断力・判断力・分別力・物の管理力・体力。この記事をご覧いただいている皆さんのこれからの人生の中で、本日が一番若い日です。この5つの力がある “今” こそ、身のまわりの生前整理を行うベストタイミングです!

生前整理は 何から始めたらよいか?
まず生前整理を行ううえで大切なのが、物、心、情報の順番で整理を行うことです。気軽に始められるところで、家の中に  ある写真や思い出の品々の整理から始めてみてください。特に写真は生前整理の中でも片付けの仕方が分からないナンバー1。遺品整理の段階では、多くの写真が廃棄されているようです。
昔の写真を見返し思い出を振り返ることは「回想法」と呼ばれ、欧米を中心に広がっている心理療法です。回想法は認知症の進行予防などが期待されており、写真の大切さが認識されています。そこで、生前整理の第一歩として、「マイベストショットアルバム」を作ることで写真の整理をすすめます。「輝いている私」をテーマに、ピンとくる写真を時系列に並べ、最終的には30~50枚程度に絞ります。写真に当時のエピソードや気持ちを付箋に書き出し、写真に貼り付けて人生を振り返っていきます。これまで生きてきた自分の人生をしっかりと受け入れられます。

生前整理は安心・安全・ 快適がテーマです
次は、使わない、また使えない物の整理です。服や本、食器や昔もらったけどしまってある物など、使わない物が家のスペースを占領していませんか?そのスペースを有効活用することで、今後の安心・安全、そして快適な生活環境が確保されます。

魔法の片付け 4分類法
多くの人が「いる・いらない」の二者択一で考えがちですが、これでは整理は進みません。この2つに「迷い」と「移動」を加えた4分類で仕分けることがポイント。
「いる」…今使っている物と、将来使うことがはっきりしている物。
「いらない」…今使っていなくて、今後も使う目的がはっきりしていない物。
「迷い」…思い出として残すべきか、手放すべきか、判断に迷ったらここに。自分にとって必要かを考える時間を設ける。
「移動」… 思い出として残すと決めたら「移動」に。それは、今使っている物と明確に分けるためです。ただし、保管する場所は1カ所に決めておくこと。

生前整理は捨てることではなく 大切な物に目を向けること
大切なことは捨てることに目を向けるのではなく、自分にとって本当に大切な 物に目を向けることです。大切な物を見極めて、使わない物を手放していく。

そして情報の整理へ
物と向き合い、心の整理ができてから、情報の整理に入ります。まずは銀行口座や保険、年金などの財産、具体的な対処法について、どんな終末を迎えたいかを考えます。 ①財産情報②不動産情報の整理 ③家族との気持ちの共有 も同時にできそうです。

生前整理のポイント
生前整理のポイントは「いつかやろう」を「今やろう!」にするということ。
これからの人生がどれくらいあるかは誰にも分かりませんが、唯一言えることは、誰にも人生の最期がやってくるということ。だからこそ、年齢に関係なく誰もが準備しておくべきもの。生前整理とは「より豊かに生きることを前提とした整理」です。これからの人生、物も心もスッキリして、よりよい時間を過ごしましょう!

費者問題を よむ・しる・かんがえる
国民生活NO.111より

 

 


vol.223 続 今、地球の生態系が危ない!!

 前号では「地球生態系の危機」をテーマに種の激減に警鐘を鳴らす記事でした。
今号は、その続編として「昆虫種の存続危機」について特筆。小動物や鳥たちの餌、植物の受粉、死骸や糞の分解など、食物連鎖の土台を支える昆虫が絶滅してしまったら、最終的に人類の生存にも影響が及びます。昆虫減少を止めるために私たちができることは……          文/山田 征

 

暗闇を照らす電気の明るさは、自然界には迷惑

前号で昆虫たちの激減の原因を、戦後開発され使用され始めた各種農薬やさまざまな化学物質だけではなく、多くの人たちが便利に使い、今の社会にとってはなくてはならないものになってしまった各種IT機器による電波である、ということを書きました。
今回はそこに書ききれなかった、もう一つの大きな要因を述べたいと思います。
それは、私たちの日常生活の近代化に伴い、社会全体が明るさを増し、便利になればなるほど、この地上から暗闇が消えていくことです。
本来、私たち人間は、昼の明るさの活動が主になっていますが、電気というものの使用が可能になったことで、夜も昼の明るさを保つことが当たり前になりました。
その分、人間は昼と同じく行動する時間がぐんと増えましたが、それは人間社会だけの利便性であって、自然界の動植物にとっては大変迷惑な命取り、とも言える環境となってしまいました。
ときどき、空の高み(宇宙)から夜の地上を撮った映像が紹介されることがありますが、世界の文明国のほとんどが夜も明るく光り輝いています。特に日本などは、その地図上の地形がそのまま明かりで描き出されるのをご覧になった方も多いかと思います。

暗闇が失われ、虫やサンゴが混乱

 とかく私たちは、明るい昼間に行動する生き物たちの視点で、この自然界を見てしまいがちですが、本当は暗くなってから動き始める生き物たちが、昼間のものと変わらぬ数で行動し、生き物にとって大切な本能である、次世代に生命を繋ぐ生殖活動をしていることに気づいていない、知らずにいる人が多いと思います。
蜂や蝶のような昆虫が昼間、たくさんの植物たちの受粉を担っていることはよく知られていますが、蛾やコウモリ、他の生き物たちが暗闇の中で同じくたくさんの植物たちの受粉、送粉を行っていることを知っている、気づいている人はとても少ないと思います。
昔私は、石垣島白保集落に面するサンゴの海を埋め立てて造ろうとした、空港建設を止める活動をしたことがあります。
その時出会った、アメリカの海洋学者キャサリン・ミュージックから、「サンゴはね、春三月の満月の夜に一斉に卵子と精子を海中に放出するのよ。その光景は、それは美しい夢のような世界なの……」と教えてもらったことがありました。
ところが今は夜の空が明るくなりすぎて、サンゴたちにはいつが満月なのか解らなくなっている、というのです。
陸上の虫たちも真の暗闇が失われたことで、さまざまな混乱が起きてしまっています。

異常な光景が種の本能を狂わせ、やがて人間も滅びる

 私たちの生活圏には、たくさんの「誘蛾灯」が設置されていますが、この人間社会そのものが、虫たちにとっては巨大な「誘蛾灯」化してしまったことで、大量の虫たちを誘き寄せ、本来向かうべき方向を、見失わせてしまっています。
次世代に生命をつなぐため、暗闇の中で行われる交尾や送粉、といった行為が、今は大きく阻害され、おびただしい数の昆虫の種がこの世から消滅してしまった、と言われます。
少し前から私たち人間社会では、それまでの白熱灯や蛍光灯からLEDの明かりに大きく切り替わってしまい、これまでの光の質とは全く異なってしまいました。特に夕方以後の車のライトの明るすぎる光は、眩しすぎて異常です。
いずれ人類全体の視力はガタ落ちするのではないでしょうか。人間はそれで良いとしても、この地球上から動植物たちの新しい生命、つまり生態系が失われてしまっては、人間も共に滅びていかざるを得ません。
2022年にカナダで行われた「COP15」(国連の生物多様性条約締結国会議)の場で、「地球の生態系30%保全」への努力ということが採択されましたが、それから2年経ち、今年はコロンビアで「COP16」が開催されるとのことです。
その時、どんな数字が私たちの前に示されることになりますか、よく注視していかなければなりません。

 征さんは、徹底した現場主義。メディアが報道する内容は自分の目で確かめないと気が済まない性分だとか。これまでに数十カ国へ足を運び、事実を自分の目で確認。ガザへも2回訪れています。
情報が溢れ錯綜している昨今です。何が事実で何がフェイクか見極める力が必要。征さんのお話は揺るぎがない。判断に迷ったら、征さんの話を思い出してみよう!

山田 征(やまだ せい):東京武蔵野市在住。 4人の娘たちの子育てと共に、農家と直接関わりながら共同購入グループ「かかしの会」を約20年、地元の学校給食に有機農産物他、食材全般を約17年にわたり搬入。 仲間と共にレストラン「みたか・たべもの村」をつくる。反原発運動、沖縄県石垣島白保の空港問題他さまざまな活動を経、現在は、日本国内だけではなく地球規模で設置拡大され続けている風力や太陽光による発電設備の持つ深刻な諸問題についての講演活動を精力的に続けている。1988年4月9日から自動書記によるノートを取り始める。2002年1月より「隠された真実を知るために」のタイトルで、ひと月に1回の小さな勉強会「菜の花の会」を続けている。

DNA情報の利益「基金へ」
生物多様性保全 評価方法は持ち越し

コロンビア・カリで開かれていた国連の生物多様性条約締結国会議(COP16)は2日夜(現地時間2日午前)、議決に必要な定足数を満たさなくなった本会議を「中断」とし、日程を終えた。国政目標の評価や資金に関わる重要議題で合意がもちこされるという異例の結末となった。

COP16「中断」し日程終了

会議は当初1日に閉会予定だったが、交渉が難航する議題が続出。日程を延長し、開始がずれ込んだ本会議は10時間を超えた。会場を離れる締約国が相次ぎ、定足数に達しなくなった。条約事務局によると、改めて再開会合が開かれる見込み。
2年前のCOP15では「生物多様性の損失を止め、反転させる」ことをめざし、2030年までの23項目の国際目標を採択。締約国はそれぞれ国家戦略を提出することになっていた。(中略)
日本の企業にも密接に関わる議題。日本は拠出を強制されない形でも決着をめざしていた。経団連も開会前に「資金拠出は、任意とする」と表明していた。
会議は参加登録者が過去最大の約2万3千人に上った。23年に生物多様性への依存や影響について情報を開示する枠組み「TNFD」が正式に始まって最初のCOPとなり、企業の参加も目立った。TNFDのページによると、日本企業ではすでに世界最多となる130社以上が開示に取り組んでいる。会期中に環境省は、TNFDに2年間で約50万ドル(約7600万円)を拠出することを発表した。
また、国連環境計画などは10月末、国際目標に掲げられた「30年までに陸や川、海のそれぞれ30%以上を保全する」という目標の進み具合を検証した報告書を発表。保全されているのは陸域・内水面で17.6%、海で8.4%だったとした。             2024年11月4日 朝日新聞


vol.223 ボーダーレス社会をめざして vol.81

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

障がいのある人の支援者

朝日新聞10月25日付の記事に『障害者施設を運営前理事長が性加害 東京地裁 元職員らへの賠償命令』というのが掲載されました。障害者施設などを運営する社会福祉法人「グロー」(滋賀県)の北岡賢剛・前理事長(66)から性的加害を受けたとして、元職員の女性ら2人が賠償を求めた訴訟で、東京地裁は24日、性加害を認めお金の賠償を命じる判決を言い渡しました。
北岡さんは、障害福祉業界ではかなり有名で圧倒的な力のある人で、厚生労働省の社会保障審議会障害者部会の委員などを務めていました。障害者のアート「アール・ブリュット展」を展開した立役者であると私は思っています。
北岡さんが中心になっていたのだと思うのですが、アメニティフォーラムという研修会が毎年1回、全国の支援者・関係者を対象に滋賀県の大津プリンスホテルで行われています。それは、それは大きな研修会で、そこに出席すると、これから少し頑張れるぞ~という気分にさせられるものです。この場所で、アール・ブリュット展が開催されたのを機に、障がいのある人のアートが注目され始めたのを覚えています。私にとっては、とても有意義な研修会で、最新の情報を得られる場所なのです。
滋賀県は「この子らを世の光に」と障がいのある人を隔離収容するのではなく、障がいのある人、一人ひとりの要求を大切にした人、糸賀一雄さんの実践により、福祉の最先端の県であると認識していました。私にとって滋賀県は特別な県で、岐阜県より10年20年先を歩んでいる県でした。ですから滋賀県で大きな研修会が開催されるという事は、福祉の世界では当たり前だったのです。しかし、そんな滋賀県代表の北岡さんが実際にはこんなことをしていたのかと残念で仕方ありません。
人はミラーボールの様にいろいろな側面を持っていると作家の一穂ミチさんが先日テレビで話していましたが、確かにその通りです。しかし、障がい者の支援をしている人が、人を大切にできないという事は情けない限りです。偉くなった人は何をしてもいいわけではありません。誰かもっと早くに彼を止められなかったのでしょうか?
2023年5月に大きく報道されました障がい者のグループホーム「恵」の問題もしかりです。十分な食事を提供しなかった事や不正請求をした事などで指定取り消しが決まりました。その後、譲渡先が決まり、そのままグループホームは経営されるようです。行政の方のご尽力で、障がいのある人・ご家族が困ることなくスムーズに移行できるようです。一安心と関係者は胸をなでおろしています。 障がいのある人は、環境が変化すると対応するのが困難な方もいらっしゃいます。それが回避できて本当に良かったと思います。しかし、誰もこのような違法な行動を止められなかったのでしょうか?障がいのある人たちは、ひどい扱いをされたのです。決して現場の支援者が悪い訳ではありません。
岐阜のグループホームについては、私自身は、良い話しか聞いていませんでした。ただ、支援者がよく変わるということは、漏れ聞いていました。その理由が経営のやり方だったのかもしれません。障がいのある人を守るための課題は次々と出てきます。


vol.223 夢か悪夢かリニアが通る! vol.52

リニア中央新幹線の「関東車両基地」の工事説明会が11月15、16の両日、神奈川県相模原市緑区の鳥屋地区で開かれました。鳥屋地区は、標高1000メートルを超える峰々が連なる丹沢山地の山あいにある閑静な集落です。ここに全長約2キロ、幅最大約500メートル、広さ約60ヘクタール、東京ドーム13個分にも及ぶ巨大な車両基地をつくる計画です。(関東車両基地については、連載第5回「真の文化は山を荒らさず」=にらめっこ176号・2017年3、4月、第39回「不都合な『真実』」=同210号・2022年11、12月でも取り上げています)     井澤宏明・ジャーナリスト

 

集落の真上に巨大車両基地


「環境アセスやり直さない」
住民説明会の対象は例によって「鳥屋地区にお住いの皆様」と関係者。取材はお断りのようです。参加者から説明会の配布資料と録音データを入手したので、それを元に報告します。
まず驚いたのが、この説明会が終了したら、年明けから本格的に工事着手する予定だという点です。会場で以下のようなやりとりがありました。
参加者:この工事説明会後、すぐに工事着手となっている。「環境保全計画」は12月下旬に公表予定だという。きょうの説明だと、一つの空港をつくるぐらいの大工事だと思うが、環境影響評価(環境アセスメント)の時点ではここまでの計画は出ていなかった。環境影響評価をやり直すことになるのか、神奈川県の環境影響評価にかけることになるのか。
JR東海:今回、環境影響評価をやり直すということではない。この工事計画を踏まえて、改めて環境保全計画書を工事が本格的に始まる前に公表させていただく。
つまり、環境保全計画書を公表したら、神奈川県の環境影響評価審査会などのチェックを受けることなく、工事を始めてしまうというのです。さらに、こんなやりとりもありました。
参加者:環境影響評価のときの車両基地の計画は、ただ四角だけだった。だから、環境影響も何も分からなかったと思うが、ようやくここ(公表された計画)から具体的な環境影響が分かるのではないか。
JR東海:評価書上、四角で記載しているが、具体的な形に基づいて予測評価していて、四角の形ですべてを予測評価していない。
「環境影響評価書」資料編(2014年8月)の施設計画に示されている関東車両基地は、長方形の中に施設の概要が記されているだけです。

「自然の摂理に反する」
一方、今回の配布資料によると、車両基地は大きな谷を4つ埋め、4つの沢を暗渠化する、つまり土管の中を流す計画です。これだけ谷を埋め、沢を改変してしまえば、周辺の環境は大きく変わってしまうでしょう。
神奈川県の黒岩祐治知事は2014年3月、「環境影響準備書に対する意見」で、県環境影響評価審査会の審査結果について「車両基地や変電施設等の位置が明確に示されていないため、環境影響が及ぶ範囲が確定していないなど具体性に欠ける」としたうえで、「特に、車両基地は面積が約50ヘクタールと大規模なこと(中略)から、講じようとする環境保全措置等の内容について、住民に対し十分に説明を尽くすこと」などと念を押しています。
黒岩知事の意見書に沿った具体的な計画がようやく公表された今、県のチェックは働くのでしょうか。環境アセスメントを所管する県環境課環境影響審査グループに尋ねてみると担当者は「(車両基地とは)全然違うものをつくるなら話は別だが」と断ったうえで、環境影響評価審査会などを開いて審議する予定はないと明言しました。
JR東海の計画によると、これだけの大規模な盛り土の造成を2027年9月までの約2年半で行ってしまうことになっています。その後の車両基地建設のスケジュールは明らかにされていませんが、環境影響評価書で工期が11年とされていたことから、2035年までかかることになります。
住民説明会直後の11月23日、地元・鳥屋地区の住民団体が開いた講演会で、環境カウンセラーで技術士の桂川雅信さんは「車両基地全体が鳥屋の集落の真上。集落に向かって水が流れてくるところを止めて盛り土をしようということですから、自然の摂理に反すること甚だしい」と計画全体を強く批判しました。


vol.223 ここいく日記 はじめの40歩!

 10月31日(日)各務原瑞巌寺で開催されたお産トークまつりに参加してきました。
ここいくメンバーの古川あけちゃんと、代表の中村あきちゃんが参加するトークセッションが楽しみなのはもちろん、一番は産む育つを応援する市民団体NPO法人『Umiのいえ』代表・齋藤麻紀子さんにお会いできること!会場入りされた麻紀子さんに向かってつい「生(なま)麻紀子さんだ~」とつぶやいてしまった私を、優しくハグしてくださり、始まる前から感動でした。

第1部    麻紀子さん・あけちゃんと、急遽大阪から参加された助産師の越本さんでの、子どもの出産を通してのババトーク。
自分で考えて、自分で選択し、自分で決断し行動したそれぞれのお子さんたちのお話は、長男の出産時を思い出し少し胸が苦しくなった。何も知らなくて、考えることも調べることもなく、何かおかしいと思っても、しょうがないよね…と受け入れてしまい、納得のいかない出産をした私の育児はマイナスからのスタートで、とても辛かった。
自分で選択したお産、幸せなお産で、その後の育児が全然違ってくる。幸せなお産は、その人だけじゃなく周りの人までも幸せにしてくれる…そして日本を変える!と改めて思いました。

第2部 助産院とミッドワイフ。ゆりかご助産院の赤塚さんと暁助産院の中村あきちゃんの、これまで関わってきた赤ちゃんとお母さんたちのお話。あ~こんな素敵な助産師さんがいるところで産みたかったなぁと思いました。お母さんと赤ちゃんの人権を尊重し、対等であること、そして二人の力を信じて待つ。
妊娠、出産、子育ては自然なもの、思い通りにいかなくて当たり前。だからこそ、妊娠中から信頼関係を築いていく1対1助産を目指したいという言葉に感動。

第3部 BFF@(Birth For the Future@ぎふ)の山本ちかこちゃんと渡部みゆきちゃんの発表。この二人が本当に凄い!
まずちかこちゃんから、出産費用の保健適用化とお産を女性の手に取りもどすネットワークとして、厚生労働省へ提言書の提出をした経緯の報告。本当に普通のお母ちゃん?!と感じるぐらいの行動力にびっくり。そして、私には夢がある「産婆魂を無形文化遺産にしたい!!」と、明るく元気に叫ぶみゆき母ちゃんの熱い思いはズキューンと心に響きました。こういう若いお母ちゃんたちがいる!これが未来への希望ですね。
 同時開催されていた、『わたしのお産展inぎふ』もとても素敵でした。私も次男の出産の時の写真を提供させてもらいました。みんなそれぞれの出産ごとにドラマがある。写真についているキャプションを読むだけで、涙が溢れました。

当日は、県外から参加された方も多かったようで、熱い思いの人たちが各務原市に集結して、お産とは?助産とは?医療とは?見直さないといけないことだらけの現実と、守らないと消されてしまうお産の文化、その危機感をみんなで共有し、希望につながる勇気をもらった1日となりました。

私たち ここいくも、ここいくらしく、出産を伝えられるよう、包括的性教育を広げていきたいです。

担当:ここいくメンバー 小田 佐知子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)

 


vol.223  菌ちゃん野菜応援団 vol.43

 急に寒くなりました。今年はいつまでもいつまでも暑くて、にんじんも大根も、種をまいてもまいても出てこない、もしくは出てもすぐに枯れてしまう、を繰り返し。ようやく芽が出ても、大きくなれずにちまっとしたままのところも多く、長年つないだ種がほぼなくなってしまいました。

農家さんも早生の野菜はほぼ全滅、お米も3割減は当たり前、ひどいと5割減のところもあったと聞きました。
このところの気象はちょっとおかしくて、畑仕事を楽しむ方にもきつい日々ですね。
でも、こんなに暑くても自然農を始めて5年以上の場所はそれなりに野菜は育っていたりするので、環境が悪くなればなるほど土にどれほど微生物がいるかということが野菜の出来を大きく左右するんだな、と改めて思ったのでした。

体調面でいえば、暑いかと思えば一気に寒くなったりと、このところの寒暖差で体調不良の方も多くいらっしゃいました。

ここからは冬本番。
さぁ、こんなときはどうしたら良かったでしょうか?

しんどいときほど基本に忠実に!
・お腹を冷やさない・身体の負担になるものを食べすぎない・体が喜ぶものを食べる・くよくよせず日々よく心も身体も動かす
これですよね!人は自然界の一部です。人間は自然から離れすぎた時に病を得、自然に立ち戻ったとき健やかで居られるようにもともと出来ているのです。

迷ったときほど基本に忠実に。

応援団の畑はいつでも見学可能。事務所ものんびりくつろいでお話していただけます。興味のある方はぜひ足を運んでください。

この冬を元気に乗り切りましょう!


vol.223 プレゼントコーナー

223号PRESENTS

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1-2025年、私はこんな年にします!さあ、新しい一年が始まります。あなたの決意を教えてね。
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望を必ずお書きください)
※B、Dは編集室までとりに来られる方
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成
〆切:2025年1月25日  当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.やきものワールド ペア招待券テレビ愛知様より…3組様

国内最大級のやきもののイベントが今年もやってくる!食卓を楽しくするアイテムが集まる、買えるブースが大集合!詳細をチェックしてみてね♪

https://yakimonoworld.jp/


B.青パパイヤ 信長バナナ様より…3名様

青パパイアの魅力は、シャキシャキの歯ごたえと、ほんのりと感じる甘味。 クセがないので、生のままサラダや和え物にしても良いですし、炒め物や煮物にしてもおいしくいただけます。 沖縄などでは「青パパイアチャンプルー」という炒め物が人気の定番です。

にらめっこ編集室でお受け取りください


C.CINEX映画招待券 CINEX様より…ペア3組様

私たちの知らない日常を過ごしている子どもたちがいる。その事実をどう受け止め、何を感じたか。良質な映画を観た後は、誰かと語り合いたくなります。写真は「大きな家」の1コマ。

柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


D.トートバッグ型コンポスト 命の循環プロジェクト様より…1名様

生ごみを「入れる・混ぜる・フタをする」たったこれだけ。おしゃれなトートバッグ型コンポストで、生ごみを捨てない暮らしを。スタイリッシュなトートバッグ型のコンポストです。生ごみと混ぜ合わせる原料つき。栄養価の高い堆肥を作ることが出来ますよ。

にらめっこ編集室でお受け取りください


vol.222 人はどんなことにも慣れられる存在だ?

「人間は慣れる生き物」の意味を考えてみたいと思います。「人はどんなことにでも慣れられる存在だ」とは、ロシア人作家のドストエフスキーの名言の一つです。 生きていくためにどんな過酷な環境であっても慣れるようにできていると。それは生存本能かもしれませんね。
でも、いま当たり前のように得られていること、例えば「戦争のない日本」。
世界のあちこちで紛争が絶えない実情を踏まえると、日本は平和です。

質問- ① 軍隊をなくした国はどこですか?
答え-「世界に戦力不保持を憲法に明文化した国が2つありますが、さて、それはどことどこの国でしょうか? 1つは日本。 そしてもう1つは中米の国コスタリカです。 コスタリカでは憲法により軍隊がありません。

質問- ② 世界一戦争をしない国は何か国?
それはどこですか?
答え-8か国 。アイスランド、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、ブータン、 日本の8か国です。 日本のようにこの79年間戦争をせず、平和を維持してきた国は世界196か 国(国連未加盟国を含む)の中でもきわめて限定されています。

質問-③世界が平和にならない理由は何ですか?
答え-世界が平和にならない理由には、利害や歴史的な対立、宗教の違い、貧困と格差、政治的な不安定、さらには国際協力の不足といった要因が影響しています。 そして、世界各地で紛争や内戦、テロ、暴動などが起こり、多くの被害者や難民を出しています。 これらを解決するには、世界各国で協力し解決に向けて取り組むことが必要です。

質問-④日本の平和指数、世界で何位?
答え-世界平和度指数ランキング2024年、日本は9位から17位にランクダウン「軍事化の影響」。首位は17年連続で北欧の島国。 日本の評価は、世界平和度指数ランキングが始まって以来“最も悪化した”結果に。

質問-⑤平和を一言で言うと何ですか?
答え-争いや戦争がないこと。 差別をせず、違いを認め合うこと。 悪口を言ったり、けんかをしたりせず、みんなが笑顔になれること。 身近なところにも、たくさんの平和があります。

質問- ⑥ 平和の具体例は?
答え-安心して学校へ行くこと、勉強すること、遊ぶこと、食べること。今、私たちが当たり前のように過ごしているこうした日常も「平和」なのです。世界中のどこの国も「平和」であるために、今必要なことは、自分の考えを伝えること、 相手の考えを受け入れること、つまりお互いの心を開くことです。人間は言葉をもっていますから「対話」ができるはず。
私たちにとって「当たり前」が「慣れ」となってしまうと、感謝もありがたみも薄れていくのではないでしょうか。そして、慣れは思考停止を引き起こしてしまいます。

思考停止とは、どういう状態か調べてみると、
自分の頭で考えることをやめてしまった状態のこと。 自分で「思うこと」「考えること」を放棄してしまい、新しいアイディア出しや自分での判断ができない状態のことを指します。 特徴としては、受け身で指示を待つ人、ルールや周りの意見を鵜呑みにして自分の考えを出さない人などが挙げられます。
「思考停止」をしてしまう主な原因として、「現状のままでいいという考え方」「前例主義」「ストレスを抱えている」ことなどが考えられます。 職場や家庭などで毎日同じことの繰り返しをしていると、だんだんと無気力になり、「思考停止」状態になることも。 何も考えずに毎日決まったことだけをこなすのに慣れると「いつかやらなくちゃ」と思っていても、実際に何もできないまま年月だけが経過してしまうようになってしまう。

そこで、前述した「日本は平和」でいられるのは、やっぱり憲法9条があるから、だと思うんです。ウクライナのゼレンスキー大統領が各国に援助を求めるときに、下段のような発言をされたことを受けると、日本国憲法9条は平和憲法と位置付けられ、世界にも認識されていることを裏付けていますね。
(2023年11月3日「平和のつどい」にらめっこ218号掲載)

よく「憲法9条は理想論で、他国が侵略してきたときに防衛できないのは独立国とは言えない」という意見を聞きます。それは、「戦争」と「他国の侵略行為に対する防衛」を混同した意見です。国際法では、防衛のための武力行使を戦争とは言いません。相手国に対して、宣戦布告をして武力行使をおこなう行為が戦争であり、その手続きを取らない武力による侵略行為は、国際法上、戦勝国としてその権利を主張することも許されておりません。と同時に、他国の侵略行為に対しておこなう防衛を「戦争」とは規定しません。
もし、他国が日本の国土を侵略し、その戦力で日本国民を傷つける行為をおこなったとしたら、日本は防衛する権利を国際法上、当然のことですが、持っています。
そして実際に、防衛する能力もすでに十二分に持っているのです。現在、 自衛隊が保有している防衛力は、機器、人員、予算共に、世界の中でも決して小さいものではありません。
国の交戦権とは、相手国に宣戦布告をおこない、国の意思で戦争を開始することを意味しています。かつての日本がおこなった「自国が仕掛ける戦争」です。これを憲法9上は放棄しているというのが、いままでの日本政府の考えでした。
ところが、自民党の改憲草案をみると「戦争放棄」が「安全保障」に変わっています。安全保障には、「他国からの防衛」という意味合いがあります。
国際紛争解決の手段としては「永久に放棄する」というきっ

ぱりした宣言から、「用いない」というあっさりした表現になっているのが引っかかります。

問題は第2項。「戦力の不保持」「国の交戦権は認めない」と言う部分が削除され、自衛権は発動できることをわざわざ断っています。
現憲法のもとで、自衛隊は合憲か意見か、論じられることがありますが、存在の是非論は少し置いといて、その戦力を他国に向けたことはこれまでありません。実際、歴代の

内閣が、日本国憲法は「個別的自衛権(自国が攻撃されたときには反撃できる)」は認めるが、「集団的自衛権(同盟国が攻撃されたときには共に反撃できる)」は認めないと解釈してきました。ところが、安倍内閣で「日本国憲法は『集団的自衛権』と認める」という解釈変更を閣議決定したのです。(2014/7/1)のちに、この時の検討経緯を記録した公文書が残されていないことがわかり、問題になっています。

さらに、岸田内閣では国家安全保障戦略(NSS)など安保関連3文書を閣議決定した。NSSは安保環境が「戦後最も厳しい」とし、相手の領域内を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」との名称で保有すると明記。2023年度から5年間の防衛費を現行計画の1・5倍以上となる43兆円とすることなどを盛り込んだ。憲法に基づいて専守防衛に徹し、軍事大国とはならないとした戦後日本の防衛政策は、大きく転換することになった。(朝日デジタルより)

国防軍って何でしょうか?
「軍」というからには、戦争をするための軍隊ですよね。この際、「軍隊」という位置付けに変えてしまおうというのが、自民党の狙いです。この条項では、国防軍が具体的にどういうことをするのかが見えてきません。自民党は、その時の情勢によって政府が武力行使の内容を決められるように、憲法を変えてしまいたい、ということなのだと思います。

平和のつどい
望月さん白井さん対談後

望月さん:広島サミットに行ったとき、ウクライナのゼレンスキー大統領が最終日の前日に来日。広島放送局の若手男性記者が、「武器の話が出たけど今回、平和の都市広島で、平和資料館をご覧になられたときに、貴方は何を感じたのか」と、「武器ではなく平和な対話による解決ということをどう思われるか」と踏み込んだ問いをした。ゼレンスキー大統領は、対話による解決には言及しなかったが、彼ははっきり「いま日本に武器による支援は全く求めていません」と答えたことから始まって、「いつか自分たちの街も平和の都市広島のように生まれ変われると思っている。僕は軍事支援を日本に求めません」と明確に言った。日本の国民が聞いているだろう「広島サミット」の場で武器の支援を!とは言わなかった。
ゼレンスキー大統領は「日本は9条を守り続けている国民がいる国だ」と思っている。海外の首脳陣が見たときに「9条を持って、それを掲げている日本という国は、平和を守り続けたいという国である。だから武器輸出とかいう支援を求める国ではない」ということを知られていることは、すごく大きいことだと感じた。
9条を骨抜きにしようとする動きは進んでいる。だけど、9条の理念があるおかげで76年以上直接的に戦争しないですんだ国であって、その中に私もいたんだと思うと、守りつづけなければいけないと感じました。

 

 

 

 

 

 

 


vol.222 地球規模で「食」を考えてみる


「好き嫌いはダメ」「食べ残しはやめなさいい」。そう教えられて育った人も多いのでは?そして、子どもたちへも同じように「食べ残しはダメだよ」と言いますよね。食べ残しをしてはいけない理由を聞かれたらみなさんはなんと答えていますか?

多くの人は「恵まれない地域の子どもたちは十分に食事ができていないんだから」と伝えているかもしれませんが、正直子どもはピンときていないかも…。

食べ残しがダメな理由①「食品ロス」

「食品ロス」というのは、本来食べられる食品が捨てられてしまうこと。

いま全世界では、毎年13億トンの食品が捨てられていて、そのうちの3分の1はまだ食べられる食料です。たくさんの食品が捨てられているにも関わらず、世界人口の約8億人、9人に1人が栄養不足、飢餓状態にあると言われています。

食べ物を多く捨てている国がある一方、全く食べれていない人や国もあるというアンバランスな状態が今の世界の現状です。学校のクラスに例えると、1クラスが40人だとしたら、クラスメートのうち4人は毎日朝ごはんも給食も夜ご飯も、十分に食べられていない状態なのです。

食べ残しがダメな理由②「お金と環境問題」

食べ物を捨てれば捨てるほど、コストがかかるのです。日本では、廃棄した食料は焼却しますが、その焼却するということ自体にお金がかかります。

この処理コストには、私たちの税金が使われています。日本は食料自給率が低く、わざわざ海外から輸入して食料を買っているにも関わらず、多く捨ててしまっているのも問題です。買うコストと捨てるコストの両方で大きなお金を使っていることになります。食品ロスを減らすことは家計の負担を軽くすることにも繋がります。つまり、食品ロスが増えることにより皆さんのお金の負担は大きくなりますし、減れば減るほど負担が軽くなるということです。

A:外国産の物は飛行機や船で輸入され、運ぶ距離が長くなり、地球温暖化の原因のCO2をたくさん排出してしまいます。

食べものがどのくらいの距離を運ばれてきたかを表す指標を「フードマイレージ」といいます。距離が長いほどガソリンなどの燃料を使うので、地球温暖化の原因のCO2を排出してしまいます。
そして、食べものをどのくらい自国でまかなっているかを表す指標を「食料自給率」といいます。現在日本はカロリーベースで40%、生産額ベースで70%です。カロリーベースでは60%も海外に依存していることになります。食料自給率は、8月15日の終戦記念日に農林水産省から発表されるので、毎年チェックすることも覚えておいてね。
輸送のために排出するCO2を減らすためにはもちろん、安全保障の面からも食料自給率は大切です。現在、世界人口が増えており、2050年には90億人になるといわれ、食糧不足が心配されています。すでに自国を守るため、日本に輸出をしないと宣言した国が20カ国以上あり、今後60~70カ国は輸出しなくなります。
そして、経済の豊かな国が台頭しており、これまでは日本の商社が外国の食品を買っていましたが、買い負けをしています。
水道・電気・ガスなどのライフラインや、食糧が途絶えてしまう危機は、我々は実際に経験しています。安全保障の面を考えることも、食育には重要なのです。
食料自給率を上げるためには、お米を食べること、国産かを確認して買うことが大切ですが、現在、日本は「地産地消」と言っている場合ではなくなってしまいました。

「もったいない」は世界共通語。食べ物は生き物だから、最後まで感謝の気持ちを持っていただきたいですね。安易に捨てることは控えたいものです。Shoku-ikuより


「食」という字の成り立ちをみると、上の「人」の部分は「集めてふたをすること」を表し、下の「良」の部分は「穀物を盛ったさま」を表している。「食」はこの二つの意味を合わせた会意文字で、容器に入れて手を加え、柔らかくして食べることを意味するのだそうだ。

「食」という字の「良」の意味が「穀物を盛ったさま」なのに、それがなぜ「良い」という意味になるのだろうとさらに調べてみると、「食」の「良」と、「良い」の「良」は形は同じなのだが、成り立ちも意味もまったく違うものだったのである。

「良い」の「良」は、丸い穀粒を水で洗い、きれいにしたさまを表すのだそうで、そこから「けがれのない穀物」の意味となり、「良い」となったのだ。

ついでに、「良い」と同じ意味の「善」も調べてみた。すると、「善」は「たっぷりと見事な供え物」が原義で、これも食べ物に関係し、そこから「よい、すばらしい」という意味になっている。

つまり、「良い(善い)もの」は、けがれのない豊富な食物に由来しているというわけ。これは、美しい自然の豊かな恵みである食物こそ良い(善い)ものである、と遠い昔から尊ばれてきたことを表しているようで、なにやら嬉しくなってしまった。

土や海を相手に暮らしていると、自然は「良いもの」をふんだんに用意してくれていると本当にそう思う。
けれど、人間が自然に余計な手出しをして、せっかくの「良いもの」を台無しにし、自分で自分の首を締めている、というそんな状況ばかりが目につく。食が自然から切り離されていたのでは、人を良くするどころではないだろうに…。

なんていまさら愚痴をいっても仕方がない。せめて子どもたちには、この「良いもの」を食べてもらいたいと思う。そうすれば、食は人を良くする、はずだ。   Sophia Forestより


vol.222 順応と適応について

順応と適応は、どちらも変化する環境や状況に対応する能力を指す言葉です。

 環境や境遇の変化に従って、性質や行動がその環境に合うように変化すること。慣れることでストレスなどから身を守り、生き延びるために無意識に自然と変化していきます。

 

自らの意思や意識で外部に適するように変化していく様で、状況が変化した際に、自分自身を修正したり新しいスキルを学んだりする能力を指すことが多いです。

 

適応と順応。 同じニュアンスを持ちながらも、それぞれが持つ言葉の意味の違いが明らかになってきました。

この夏は「危険な暑さ」というフレーズを何度も聞きました。気温40度は今まで体験したことのない暑さ。体温を超えています。こんなフレーズを何度も聞くと、いつか慣れてしまって、危機感が薄れてしまう気がします。しかしそういう状況でも、人は順応していくんだろうか・・・
今までに経験したことのない暴風雨、線状降水帯・・・だんだん耳馴染んできて、「またか」にならないか。気象情報に限らず、その原因などを考えることに及ばないと、トンデモない状況に直面してしまうのではと危惧しています。

加えて、水道水の問題。各務原市では問題が発覚して早1年が経ちます。新聞では全国的な広がりに懸念を示し度々報道されていますが、喉元過ぎれば熱さ忘れる??なのか、話題に上らなくなりました。これは「順応」?それとも「適応」したの?度々報道されるPFASについて、ちゃんと理解しているか、周りの人に「その水本当に安全?」と聞いてみると、「国の基準より下がったからいいんじゃない?」という返事が多かった。基準値・・・そもそも基準はどこにあるのでしょうか。

ここで基準値についておさらい
PFAS(有機フッ素化合物)の基準値は、次のような根拠や経緯で決められています。
水道水中のPFASの暫定目標値
厚生労働省は、2020年に水道水中のPFOSとPFOAの合算値を50 ng/L(1リットルあたり50ナノグラム)としました。これは、体重50 kgの人が一生涯にわたって毎日2 L以上飲用したとしても、人の健康に悪影響が生じないと考えられる水準です。ここで疑問が生じます。
疑問① 健康な大人(体重50kg)が一生涯・2リットル以上飲用しても影響がない?では子どもはどうなんだろう。大人より寿命は当然長いし、体重だって少ない。
疑問② 飲み水以外に、食品にはありとあらゆる添加物が含まれています。大気中にも化学薬品(消臭剤や忌避剤など)が浮遊する今の生活では「複合汚染」※を考慮しないといけないのでは?そのアセスメントはできているのかしら。
疑問③ 人の健康に悪影響が生じない、とは?悪影響ってなに?具体的に示すことが重要です。
疑問④ ③を受け、血液検査は今後の知見のために必要では?

PFASの規制値
環境省は、PFASの合計値を100 ng/L、4つのPFAS(PFOS、PFOA、PFNA、PFHxS)の濃度合算値を20 ng/Lとして規制値を定めています。これらの規制値は、それぞれ2026年と2028年から適用される予定です。
PFASの要検討項目
国は、有機フッ素化合物のPFHxSを2023年4月1日に要検討項目として位置づけました。これは、毒性評価が定まらないことや、浄水中の存在量が不明などの理由によるものです。
また、日本企業はPFASへの対策が求められており、2010年には化審法(化学物質審査規制法)でPFOSの輸入や製造などが原則禁止となりました。

※複合汚染:2種類以上の汚染物質が共存して、人の健康や生活環境に相加的、相乗的な影響を及ぼすこと。
作家・有吉 佐和子(1931-1984)が、朝日新聞紙上で1974年10月-1975年6月にかけて連載した小説(その後、新潮社より発行)『複合汚染』は、さまざまな毒性物質の複合汚染の実態とそれを生み出す構造について告発・警告し、大きな反響を与えた。
『複合汚染』(有吉佐和子・著)
内容紹介: 工業廃液や合成洗剤で河川は汚濁し、化学肥料と除草剤で土壌は死に、有害物質は食物を通じて人体に蓄積され、生まれてくる子供たちまで蝕まれていく……。 毒性物質の複合がもたらす汚染の実態は、現代科学をもってしても解明できない。


違和感はとても大事
たとえば、水を飲んで「おいしくない」と感じることで、自分が望む水とは違うと感じる違和感はとても大事。水に限らないですが、自分が感じることへは真摯に向き合って、違和感を感じたら、「まぁいいか」ではなく、とことん突き詰めることが重要です。

不自然と思われる食べ物、例えば、ゲノム編集されたトマトや鯛。遺伝子組換えされたトウモロコシや小麦、大豆…。そういう食べ物に、今までにらめっこでは警鐘をならして来ましたが、普通に流通されていると違和感も薄れ「慣れ」てしまうのか?でも、忘れた頃に、そのつけが回ってくるということになりかねません。

“「慣れること」に慣れるな”は、新一万円札の顔・渋沢栄一の言葉。要するに習慣というものは、善くもなり、悪くもなるから、別して注意せねばならない。現代の言葉で言うと…
同じことを習慣にしていても、それが“精進”になればいい結果につながり、“マンネリ”になれば悪い結果しか生まない。注意して、両者を分ける必要がある。「慣れること」に慣れて、流されることのないように、違和感を感じたらその感覚を大事にすること。


違和感への対処
それは違和感に素直に従うこと。いたってシンプルです。違和感の理由を明確な理屈で説明できないために、従うのは少し勇気が必要なことかもしれません。でも、それは自分では処理しきれていない情報を直観的、無意識的に感じ取っているということかもしれません。それに従うことによって、顕在化していない自分の視点を得ることができるかもしれません。もし違和感を持つような瞬間があったら、その時が自分の行動を変える良いチャンスとなるのではないでしょうか。


vol.222 ぎむきょーるーむ 「こどもかいぎ」対話の本質ってなんですか?

 8月10日、「こどもかいぎ」という映画を観ました。にらめっこの名前の由来は、<どんなに忙しくても1日に一回は目と目を合わせて、こどもと対話をしよう!>という想いから名付けたことを思い出しました。
普段、家庭でも学校でも会話はしています。でも、対話することと会話は違います。例えば、友人との軽いおしゃべりや、日常の出来事について話すことが会話(chat)。その目的は、相手のことを知る/理解を深めること。 一方、対話(dialogeu)は、相手の考えや感情に対してより深く向き合い、理解を深め合うコミュニケーションを指し、自分と異なる考えに対しては、「それはおかしい/違う」でなく、「なんでそう思う?」と質問することとなります。
そこで、「こどもかいぎ」の狙いはなんなのか、探ってみました。


こどもかいぎの目的は何ですか?
子どもたちは「対話」という「心のスキンシップ」を重ねることによって、「安心して話す」ことを覚え、「自分の気持ちを言葉にする」という術を身につけ、他人との違いをポジティブに認識し、人とのコミュニケーションを楽しめるようになります。

1. 子どもに「かいぎ」なんて無理でしょ?

子どもはじっとしていることが苦手。『こどもかいぎ』では、正解も、答えも、なくていい。自由に、思ったことを発言できる居場所を作ることが大切だと私たちは考えています。

2. 自己主張が強い、口達者な子に育ってしまう?

『かいぎ』はディベートではありません。他方を言い負かすことではなく、お互いの話を聞き、理解しようと努め、新しい価値観を生み出そうとする機会です。

3. 結局、積極的な子だけが楽しめるのでは?

コミュニケーションが得意な人、そして「声の大きい人」が有利? そのような「不均衡を是正」するためにも、小さい頃からの発言・対話の経験と積み重ねが必要だと感じています。

4. 苦手な子にはネガティブな体験になるのでは?

コミュニケーションは社会で生きていく上で、欠かせないもの。人間の悩みのほとんどは人間関係とコミュニケーションの不和から生じます。

5. 『かいぎ』をしたって、何も解決しないのでは?

対話をすることで、「自分と異なる考えがある」ことを知り、お互いに歩み寄り、信頼関係をつくり、将来的な解決に至る道筋をつくこともあるのではないかと思います。

6. 『かいぎ』=対話では暴力は止められないのでは?

圧倒的な暴力の前には、対話は時に無力です。それは事実。「言葉で言えば良いのに、何で鉄砲とか使うの?」これは、『こどもかいぎ』で戦争の話になった時に、参加していた女の子が発言した言葉です。

7. 話す内容は哲学的な問いがいいの?

生まれることや死について、語り合うこともありますが、楽しみにしていること、保育園で苦手なこと、お楽しみ会でどんな劇をやりたいかなど、日常生活にも関わる内容について話し合うこともあります。

 

エピソード ①

 子どものころ、月初めの土曜の夜「家族会議」を開いていました。もう、ん10年も前の話です。今となってはどんな話をしたのかあまり記憶にないのですが、子ども心に普段たべれないおやつが並べられるので楽しくて待ち遠しったなぁ。5人兄弟で長女が仕切役。議題は「おこずかい」「お手伝い」「役割分担」などで話し合った記憶があります。子どもは言いたい放題。両親はニコニコしながら耳を傾けてくれていたように思います。それで何かが改善したかというと、それも記憶にないんですが、話を聞いてもらえることと、「話し合い」という場を設けてくれたことは、親に感謝してます。(mi)

エピソード ②

 にらめっこ15周年の時に、アフリカ系アメリカ人のアリーン・ロビンソンという方が率いる「ウモジャ」というアフリカンドラム&ダンスチームを日本に招聘しました。ある日、全員でモンキーパークに遊びに行った時、ダンスメンバーの一人の少女と引率の大人が何やら揉めて、しまいには大声での口論となってしまいました。私はどうしていいかわからず、結果静観していたのですが、最終的には双方とも納得したようで、「I Love You」と言い合いながら笑顔でハグしてことは収まりました。その時に、文化の違いを痛感。自分の思いをちゃんと伝え、たとえ激昂しても思いを伝える、同時に相手を受け入れる準備をする。一部始終を見ていて、私もこうありたいと思いました。(mi)


vol.222 続・しょうがいをみつめる vol.4

『パリパラに思う』

パリでオリンピック・パラリンピックが開催された今夏。前回東京大会は新型コロナウィルスの影響で無観客でしたので、2大会ぶりの有観客開催となった今大会は、遠く日本の私たちもその熱気をいつも以上に感じた大会ではなかったでしょうか。

連日多くの試合がテレビで放映され、メダリストがニュース番組やスポーツバラエティに引っ張りだこだったオリンピックと比べると、パラリンピックは見られる試合はほんの一部、しかもNHKでのみ、ニュース番組で取り上げられるのも一部の金メダリストだけ。もちろんネットではいくらでも知ることはできましたが、テレビをつけていれば自然と情報が入ってくるオリンピックとはどうしても格差を感じずにはいられませんでした。

金メダルの有力候補として注目されていた車いすテニスの小田凱人選手も、自身の初戦を前に「試合はあるけどテレビ放送はないらしいです。・・・これが現実」とSNSで発言しています。ですが「とりあえず試合で魅せます」と記したとおり、魅せる試合で見事金メダルを獲得してくれました(有言実行かっこいい)。

なぜパラリンピックの注目度が低いのか。理由はさまざま考えられますが、やはり私たち社会の関心が低いからというのが大きいのではないでしょうか。障害者スポーツは自分たち健常者のスポーツとは別物、障害者スポーツをしている人を知らない(身近でない)、こういった無意識の無関心が私たち社会の中にはあるのだと思います。
ただ、社会の関心が低いからとテレビ放送をしないことで、障害者スポーツに私たちが関心をもつ機会やきっかけが失われてもしまうのも事実です。

パラリンピック開催期間中のある日、日本では『24時間テレビ』が放送されていました。『24時間テレビ』とは、1978年から日本テレビが毎年放送しているチャリティー番組で、マラソンやドラマなど複数の企画を通して福祉や社会支援の必要性を訴える目的で行われています。近年では、感動の押し売りとか障害者に対する画一的なイメージだなどと批判を受けることも多くなっていますが、テレビという最も身近なメディアで46年前から一貫して障害のある人たちをメインに据えて番組を制作してきたことは、障害者という少数派の人たちの現状や問題を多数派が知る機会としては大きな意味を果たしてきたと個人的には感じています。

日本では盛り上がりに欠けたパラリンピックでしたが、現地パリでは違うようでした。
その日、私はNHKで放送されていたブラインドサッカーを見ていました。監督やガイドの声、音の鳴るボールを頼りに、まるで見えているのではないかとみまがうほど正確で無駄のない動きの選手たち。エッフェル塔を間近に臨むコートには1万人の満員の観客。しんと静まり返った会場はプレーが止まると同時に大声援に包まれ、多くの観客がブラインドサッカーを楽しんでいる様子でした。

 確かに障害者スポーツは身近ではないですし、私たち健常者のスポーツとルールも異なります。しかし、自己の能力を高め、限界に挑戦し、そしてスポーツを楽しむ選手たちの姿は私たち健常者と何ら違いはなく、見る者を感動させます。
スポーツに限ったことではなく、何かに夢中になり、何かを楽しむ姿には多くの人を魅了する力があります。見たことがない、身近でないから避けるのではなく、興味をもって見てみる、そういう人が多くなれば、もっと豊かで面白い社会になっていくのではないかと思っています。


vol.222 やってみた

 ワーキングホリデーで来日したヒコちゃんは、ダイナランドスキー場での仕事を得ました。浜崎あゆみの大ファンで、日本に来たら会える!と本気で思っていました。スキー場では、リゾートバイトで働く杉山さん(P-14 熱中人 参照)と同じ寮で過ごしたのが縁で、結婚することに。

「高校の時から落書き感覚でイラストを描いていました」。結婚したあとも、当時、バイトしていた病院でも、時間があると描いていました。ある時、夫である杉山さんの個展の時に、イラストをポストカードにしておいてみると来場された人から、「かわいい」「いいね」と、評判を呼び、カードを手に取ってくれる人が買ってくれるようになりました。
 風の芸術村(P-10参照)の第一回アートキャンプの時、「想像の動物を描いてみよう」をテーマに、創作活動をした。その時に描いた絵がこちら(上段)→
ヒコちゃんは言います。「どうしても平面的にしか書けない、ほんとは立体的に描きたいんだけど・・・」と。 しかしそこはすかさず杉山さんが「ヒコが描きたいように描けばいい」「立体的に書くことを知ってしまったらヒコの絵からヒコらしさがなくなる」といって、技術的なことは一切覚える必要はない、と言います。それを理解したのか、ヒコちゃんは飄々と絵を描いています。それがイラストの魅力となっているのはまちがいないですね。


イラストの他にも「ヒコTV」を定期的に発信することも精力的です。やりたいことはいっぱい!と語るヒコちゃんは、今度は自分が描くキャラクターを動かしてみたいとか。アニメ!ですね、それは楽しみ。それにしても、ヒコちゃんのキャラクターのネーミングがまたまたおもしろい!ますます目が離せません。

 

 

「てんしんらんまん」とも違う、「ひょうきん」ともちがう、ヒコちゃんの雰囲気がなんとも落ち着くのはなぜだろう。日本語が得意ではないというけど、コミュニケーションは問題ないし。。。でも、インタビューしてて気づいたこと。それは、まっすぐこちらを見つめる「目ぢから」かもしれない。目力というと強い印象ですが、その目線がなんとも柔らかいんです。「熱中人」の杉山 大明さんとは、本当に補い合ってる。いいコンビだなぁって思いました。

 


vol.222 えんぴつカフェ 藍染

新鮮な藍の葉を使って叩き染めをやってみました。トンカチで叩くだけ。媒染液はアルカリ性の石鹸を水が白くにごるまで溶かしたもの。15 分以上、強くこすらず、よく洗い、液を染みこませます。媒染液をよく水ですすぎ、絞らずに、ぬれたまま、日陰で完全に乾くまで乾かします。

「ジャパンブルー」その意味は?
外国では“日本の色” とされる青。 それは「藍」より生まれたものでした。 明治時代にイギリスから招かれた科学者ロバート・アトキンソンが日本に降り立ち、その街という街で見られた藍色を『JAPAN BLUE』と呼び世界に知らしめました。

藍染で有名な県は?
徳島県。北部を流れる吉野川の流域は、藍染料の日本一の産地。

藍を食べる。その効果は?
やけど、口内炎、唇荒れ、腫れ物、毒⾍の刺し傷、肋膜炎、月経不順、便秘など、 解熱、解毒、痔、⿂やキノコの中毒に効果がある。徳島県には古くから「藍商人は病気知らず」という言葉が伝えられています。体に不調を感じると藍を摂取していたのだとか。

藍染 緑から青なぜ?
藍の生葉をしぼった汁 の色は葉緑素の色(緑色)ですが、藍の葉の汁を布に染みこませてから空気や水、太陽の光 にふれると、汁にふくまれる無色の「インディガン」から青色の「インディゴ」というもの ができるから。

藍染は色落ちする?
藍染製品は本染技法を使ってしっかり染色しても、繊維が染料を吸収できる量には限界がある為、繊維が吸収しきれずに付着している染料は色落ちします。
(今回の体験では色止めに酢を使用しました。前回体験された人の話「2度、3度水洗いしたあとは、色落ちも他のものに色移りすることもなくなった」とのこと)

藍染めはリメイクに向いている?

シミや汚れが目立たなくなり、染め重ねるごとに深い藍色に近づいていきます。草木染めなどの緑や紫など、一種類の植物から染めることが難しい色も藍を混ぜることで実現されてきました。

汚れたら捨てるのではなく、染め直してとことん使いきる。
藍染めは古い技術なだけではなく、このような時代だからこそ、藍染めを楽しみながら衣服を長く愛して使っていくことには新しい価値があると言えるのではないでしょうか。

剣道で藍染するのはなぜ?

天然染料である「藍」の特徴として、汗による酸化に強く、布地を丈夫にして、防虫機能、抗菌作用があること。剣道稽古の打ち身や傷の化膿止めの役目もあったといわれています。


vol.222 今、地球の生態系が危ない!

 

山田征さんに「にらめっこ」を毎号送らせていただいています。征さんからは「菜の花つうしん」が送られてきます。今回、送っていただいた中にとても気になるメッセージが同封されていました。征さんの同意を得てにらめっこに掲載させてもらうことに。

菜の花つうしんには、「人間世界の歪みは、そっくりそのまま自然界の姿になって私たちの前に立ちはだかっています。生きるもの全てにとって必要不可欠の生態系そのものをもう決して取り返しのつかない限界点まで追い詰めてしまいました。生きるもの全てにとっての赤信号です。このようなことを書いたり、話している私は少しおかしいのかもしれませんね。でも私は書かずには、言わずにはいられない思いでいっぱいです。暑い夏、ご自愛ください」。と結ばれていました。

 

環境活動家・山田征さんからのメッセージ

文・山田征(菜の花つうしんより転載)

種の消滅が加速化

この地球上にある生態系の種は、約三千万ほどあった、といわれます。

ところが、2022年に行われたある大きな国際会議の場で、「今この地球上の生態系の約69%が失われてしまった。我々は残りの30%を切らないようにしなければならない。そのためにはあらゆる努力が必要である」という声明が出されました。

少し古いのですが、私が2007年初頭に書いたものに次のような数字があります。

「一万年前には100年に1種、千年前には10年に1種、百年前には1年に1種、そして現在は

1日に約100種が絶滅している。地球上に約三千万種はいたはずの中の、ただ一種の人間の生活のために凄じい勢いで種の姿が消えています」

これを書いてから約20年近くになりますが、昨年にはとうとう「生態系の限界点を超えようとしている。超えるのは時間の問題である」ということになってしまいました。つまり超えてしまった、ということだと思います。人間の生活の在り方がより便利に明るく速くなればなるほど消滅の速度は加速され、いずれゼロになってしまうのかもしれません。

最大の原因は電波

その大きな原因は様々な資源を地下から取り出し、20世紀初頭から使われ始めた電気を動力として使うことで、ありとあらゆる物が大量生産、そして同じ速度でゴミになっていく生活。大量に使われ始めた農薬や化学肥料他の数々。それによってどれほど多くの種が消えてしまったことかと思います。

そして決定打は、今となってはほとんど多くの人々がけっして手放すことのできなくなってしまったIT機器使用により、人間だけではなく、ありとあらゆる動植物全般に影響を与えてしまう「電波」というものではないかと思います。

ある昆虫学者が書いた「サイレント・アース」というぶ厚い本が、昨年日本でも出版されましたが、「約400万種はいたはずの昆虫の約84%が消えてしまった」と書かれています。「たかが昆虫」などと言ってはいられません。私たちが生命をつなぐ食料のかなりの物が、この小さな昆虫たちの助けがないと得られません。食料としていない他の多くの物も、昆虫によって新しい命を繋いでいます。その大切な小さな生き物たちが9割近くもいなくなってしまった、ということの恐ろしさを、人はどう受け止めていくのでしょうか。人々が電波による便利なものを使えば使うほど、私たちは生命をつなぐ大切なものを失って行きます。

ところで私たち肺呼吸する生き物にとって、酸素は必要不可欠です。一般的にその酸素をつくり出しているのは陸上の緑の植物、と言われていますが、日が隠れるため、陸のものは夜になるとその逆になります。

水の中の魚介類が激滅
 ところが水の中の水草、海草、さまざまな藻類、植物性プランクトン、サンゴ虫などは昼夜関係なく二酸化炭素を吸収し、酸素を放出し続ける存在です。
最近のニュースでは、養殖の収穫量がガタ落ちしているそうですが、そういう物が減っていくことは、新しい酸素の供給源がなくなる、ということでもあります。
結果、今何が起きているかといえば、水の中の魚介類が激減しています。それだけではありません。水の中の植物たちが消えると魚介類の餌がなくなり、産卵の場がなくなる、ということです。
数年前、国連本部が「2050年までに、東アジア諸国の沿岸漁業の漁獲高はゼロになるだろう」という大変ショッキングな警告を出しましたが、今現在の各地各国の状況をみますと、もしかしたらそれはもっと早まるのでは、と思えてなりません。もちろん電波は水の中のものたちにも大きく影響することはよく知られています。
つまり、電波が私たち人間や大きな体の動植物以上に、昆虫のような小さな体の生物により大きなダメージを与え、絶滅を早めてしまうようです。

生活の在り方を見直す
たまたま私は、全国各地に出かける動きをしていますので、行く先々での生の声、生の現状を見たり聴いたりする機会が多いものですから、想像や憶測の話ではない、あまりにも生々しい現実に息を呑む思いです。その具体的な事実をひとつひとつ書くことはやめますが、半世紀余りも前、レイチェル・カーソンは『沈黙の春』で警告しましたが、今ひたひたと迫ってくる「サイレントアース」「沈黙の地球」のことをぜひ知っていただき、今日このときから、各々の方々の生活の在り方をお考えいただけたら、と私は思っております。
2024年7月5日

山田 征(やまだ せい):東京武蔵野市在住。 4人の娘たちの子育てと共に、農家と直接関わりながら共同購入グループ「かかしの会」を約20年、地元の学校給食に有機農産物他、食材全般を約17年にわたり搬入。 仲間と共にレストラン「みたか・たべもの村」をつくる。反原発運動、沖縄県石垣島白保の空港問題他さまざまな活動を経、現在は、日本国内だけではなく地球規模で設置拡大され続けている風力や太陽光による発電設備の持つ深刻な諸問題についての講演活動を精力的に続けている。1988年4月9日から自動書記によるノートを取り始める。2002年1月より「隠された真実を知るために」のタイトルで、ひと月に1回の小さな勉強会「菜の花の会」を続けている。

『サイレント アース』 デイヴ・グールソン 著

 昆虫がいなくなれば、世界は動きを止める。危機を食い止める具体的な行動指針を示す、現代人必読の書!

レイチェル・カーソンが、『沈黙の春』で「鳥の鳴き声が聞こえない春が来る」とDDTの危険性を訴えたことにより、その使用が禁止されて半世紀。私たち人間は、さらに地球環境を悪化させてきた。本書はまさしく「昆虫たちの羽音が聞こえない沈黙の春」への警告だ。
カーソンの時代の農薬よりはるかに毒性の強い農薬によって、最初に犠牲となるのは小さな無脊椎動物、昆虫だ。
土壌は劣化し、河川は化学物質に汚染されているばかりか、集約農業や森林伐採によって昆虫のすみかは縮小し、加えて急激な気候変動で虫たちの生態環境は悪化し、減少スピードが加速している。

 この現象は、虫好きの人の耐え難い悲しみであるだけでなく、虫嫌いの人を含む全人類の豊かな暮らしをも脅かす。なぜか?それは、作物の授粉、他の生物の栄養源、枯葉や死骸、糞の分解、土壌の維持、害虫防除など、様々な目的で人間は昆虫を必要としているからだ。昆虫をこよなく愛する昆虫学者は訴える。「今、昆虫たちはあなたの助けを必要としている」と。

EU 全域にネオニコチノイド系殺虫剤の使用禁止を決断させた運動の立役者であり、気鋭の生物学者である著者が、多様な昆虫と共存することの重要性を訴える渾身の一冊。

「生態学者と昆虫学者は、昆虫がきわめて重要な存在だということをこれまで一般の人々にきちんと説明してこなかったことを深刻に受け止めるべきだ。昆虫は地球上で知られている種の大部分を占めるから、昆虫の多くを失えば、地球全体の生物多様性は当然ながら大幅に乏しくなる。さらに、その多様性と膨大な個体数を考えると、昆虫が陸上と淡水環境のあらゆる食物連鎖と食物網に密接にかかわっているのは明らかだ……

私は、ほかの人たちが昆虫を好きになって大切にしてくれるように、そこまでいかなくても、昆虫を尊重してほしくてこの本を書いた。私が昆虫を見る目で、あなたにも昆虫を見てもらいたい」(本文より)

 

 

 

 

 


vol.222 熱中人 杉山 大明さん

  アーティストビザを取得して、10月2日から台湾での活動を開始する杉山大明さん。どんなことにチャレンジするのか聞いてみました。

 

「稼ぐことは、誰かの役に立つこと」という自分のビジョンを実現させるために、まず、今までやってこなかったこと、「必要とされる活動」を中心にやっていきたいと思っています。そのためにまずは「人脈作り」から始めていきたいと思います。

僕は今まで、作品制作に没頭するあまり、「お金を稼ぐ」という考えは二の次だったんですね。でも数々の活動をこなす中、「お金を受け取った時ほど、感謝されている」ことに気付いたんです。もちろん、それが全てではありませんが、「稼ぐ」ことに無頓着な僕にとっては、「お金を稼ぐ=誰かの役に立つ」という一つの答えは、とても意義のある気付きでした。

 アート作品を、「有料でも観に行きたい」と思う人は少数派だと思うんです。有名人ならまだしも、私は無名ですし、ましてや台湾なら尚更だと思うんです。でも音楽関係のイベントは入場料金を支払って、友人も誘って「楽しみに」行きますよね。そことの違いをもう一度考え直したんです。「私の作品は、本当に誰かの人生に必要なのかな」って。
必要とされるには「役に立つ」ことが必須だと考えます。そこで描いた新しいビジョンが「稼ぐことは、誰かの役に立つこと」。それを台湾で実践してみたいと思います。何より、「台湾で稼ぐには」より、「台湾の人の役に立つには」と考えた方が、ワクワクするんですよね。「稼いだ金額」は、「誰かの役に立ったかどうかの数値化」と考えたら、もっと面白いかもしれませんね!

地元・安城市で開いていた美術クラスの先生では、お金をしっかり頂戴しました。にらめっこのご縁で「風の芸術村」の講師として、何度か経験を積ませてもらい、それが自分の自信やスキルに繋がりました。美術クラスは数値化できています。「稼ぎイコール役に立っている」という実感があります。

台湾では自分の視点を上げたり広げたりするために、人脈作りにチャレンジします。どうすれ台湾の人たちの役に立てるのか。それを知るためには多くの人と接することが欠かせないのかなと。役に立つ行為は、自分から行うと「おせっかい」に当たる事もあり、とても難しいです。なので自然発生的な部分に重きをおくつもりで、自分から何か仕掛けていくことはしないつもりです。

未知の土地でのアート活動は、見当がつかないというのが正直な気持ちですが、不安よりワクワク感の方が強く、台湾人のヒコ(妻)と一緒なので、心強いです。二人三脚でこのビジョンを実現させたいと思います!

 

杉山さんのお話を伺って、思ったこと。それは彼の中にある「志」がとても大きいということ。どう世の中に役に立つのかということを常に考えている「志」が大きいんですね。大きな「志」は多くの人から「ありがとう」って感謝されるんだろうなと思いました。だから「稼ぐ」ことが、どれだけ「人の役に立てる」か、とつながるんですね。

豆知識:台湾(たいわん)は、東アジアの島(台湾島)、およびそれを中心とした地域の名前であり、フォルモサ(葡: Formosa、繁: 福爾摩沙)という別称がある。全域が中華民国の実効支配下にある。面積は日本の九州よりやや小さく、日本と同じ火山帯に属し、温泉も豊富にある。

 

 


vol.222 ボーダーレス社会をめざしてvol.81

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

 

現在、読書がマイブームで、BSテレビ東京の「あの本読みました?」とNHKの「理想的本箱」の番組を見ることが一番の楽しみになっています。この番組で紹介された本を次々と図書館で予約し、読んでいます。その中で柴崎友香さんの「あらゆることは今起こる」と瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」の2冊の本を続けて読みました。
「あらゆることは今起こる」は、まさか障がいのことが書いてある本だとは、全然思わず予約しました。なんと著者の柴崎友香さんご本人の事だとは??知りませんでした。医学書の分野で出版されています。読み進めると何だか、普通の本ではないなと思いだしました。ADHD(注意欠如・多動症)・ AD (自閉スペクトラム症)という文字がやたら出てくるのです。障がいの分野で働いている私は、少しは分かるのですけれど、一般の人がこれを読んでくれるのだろうかと疑問に思いました。しかし、かなりの人気があり、図書館では予約待ちになっています。障がいのことを皆さんが知りたいのか、自分もひょっとしてADHDかな?と疑問に思っている人がいるのか?もともと柴崎友香さんの小説のファンなのか?
ADHDと診断されたご本人は、薬を飲むと「36年ぶりに目が覚めた」と書いてありました。ご本人は小説家であるがために、分かりやすい内容で、こんなことがADHDの人の頭の中では起こっているのかとびっくりさせられました。「私は私の身体しか体験できない」とか、「複数の時間が流れている」とか、「平行世界がある」とか、私にとっては、摩訶不思議な言葉の数々。ADHDであるご本人が、本を書いているのは稀だとかで、一読に値します。障がいを知らない人には、ハードルが高いかもしれませんが、書かれているような人は、私の周りにいるよねと思われるかもしれません。しかし、大変な日々を暮らしていらっしゃるという事がよく分かりました。
どうして締め切りや予定が分かっているのに、さっさとやらないの?という私の昔からの疑問に初めて答えてもらえた気がしました。決して約束を忘れているのではなく、頭の中は超忙しく働いているのだそうです。
また、瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」は、PMS(月経前症候群)の女性とパニック障害の男性が、最終的に不安を抱える友人として助け合い、生きていこうとする話でした。PMS という障がいは、知らなかったのですが、パニック障害はよく耳にする障害です。私自身も随分前に、睡眠を削って仕事?をしていた時に、ふらつきや動悸がし、担当医にパニック障害かなと言われたことがあります。全然信じてはいませんでしたが・・・。
パニック障害と言われた時に、ある小学校へ講演に行った事を思い出します。講演中に倒れないかなとまず、心配しました。念のため友人に車を運転してもらい、付き添いをお願いしました。友人は、「倒れたらかっこ悪いからね」と一言。「倒れたらかっこ悪い」を呪文のように講演中、心の中で言っていたのを覚えています。また、教室のドアをすべて締め切られると息苦しくて不安でたまらず、20cmほど開けてもらい話しました。会場へ行く途中にもトラブル発生です。少し長いトンネルがあったのですが、あの閉鎖された暗闇が怖くて、怖くてたまらなく叫びたい気持ちになりました。その時、自閉症の人が大声で叫んでいるのは、これなのかもしれないなとちょっと気持ちが分かったような気がしました。
その時は、障がいを理解するための試練?なんて思っていましたが、それはないですね。自分の容量以上の事はしないという事に尽きると思います。


vol.222 夢か悪夢かリニアが通る!vol.51

広島市で9月26日朝、道路陥没事故が起きました。陥没は東西約40メートル×南北約30メートルに及び、深さは最大約2メートル。けが人はありませんでしたが、広島市によると10月7日現在、傾きやひび割れを確認した建物は12棟、住民は避難を強いられたままです。道路の地下約30メートルでは直径6.15メートルのシールドマシンによる市の「雨水管」掘削工事が行われていました。2020年10月に東京都調布市で陥没事故を起こした東京外郭環状道路(外環道)には直径約16メートル、リニア中央新幹線には直径約14メートルのシールドマシンが使われています。地下工事で事故が起これば地上に取り返しのつかない影響をもたらします。岐阜県瑞浪市大湫町のリニアの地下トンネル工事ではシールドマシンは使っていませんが、その後も被害が広がっています。
井澤宏明・ジャーナリスト

 

止まらぬ沈下、水枯れ

3.7センチの地盤沈下

大内さんがくんでくれた井戸の水。すぐにガラスのコップが曇った

今年2月中旬に発生したトンネル湧水は10月になっても止まっていません。共同水源や井戸、ため池の水枯れや水位低下は8月下旬までに17か所(水枯れ12、水位低下5)に広がってしまいました。
トンネル湧水の減水・止水効果があるとして5月下旬にようやく始まった「薬液注入」ですが、JR東海が「成功例」として参考にすると例示してきた「北薩トンネル」(北薩横断道路、鹿児島県)で7月下旬、内壁が崩落して土砂や湧水が流入したり、路面が隆起したりする事故が起きてしまい、JR東海は対策の見直しを迫られることになりました。
さらに、8月27日の第5回岐阜県環境影響評価審査会地盤委員会では、「地盤沈下」が観測されていることをJR東海が初めて明らかにしたのです。5月末から観測を始め3か月で最大2.4センチ。これには委員の1人から「3 か月で2センチメートルぐらいだと、1年で8センチメートル。このスピードで行くとは信じられませんけれど、どうしてそんなにその土地が沈むのかな、それだけ帯水し(地下水が溜まっ)ていたのかな、と思うのですが、そのあたりが少し怖いなという気がします」と驚きの声が上がりました。
9月26日の第6回地盤委員会では、同じ地点で3.7センチの沈下が報告されました。約1か月で1.3センチ沈んだことになります。

「まだ何が起こるか」

JR東海が約60世帯を対象に被害調査を始めた9月中旬、筆者は大内延男さん(83)のお宅を訪ねました。リニア路線から100メートル以上離れたところにあります。
自宅脇の縁石がずれ、縁石と同じ高さだったというコンクリート舗装が1.5センチほど沈んでひび割れ、自宅の基礎との間にすき間が目立ちます。コンクリート製の浄化槽に接している土砂がえぐれ、浄化槽の側壁がむき出しになってしまいました。調布市の外環道の陥没事故現場周辺の住宅で筆者が見たのと似た光景です。玄関の引き戸を閉めると、わずかに戻るようになってしまいました。

「倒伏」した稲が目立つ田んぼ

「家建てて43年ぐらいになるけど、初めてやね」と大内さん。飲食に使っている井戸の水位は1メートルほど下がってしまいました。大内さんが蛇口からガラスのコップに水をくむと、表面がさっと曇ります。飲ませてもらうと癖のないおいしさ。「井戸水はねえ、ほんとに貴重やし、こんだけのええ(良い)水は出ない。スイカやそうめんなんかものすごい冷えるよ」と誇らしげです。
そんな大内さんも「元に戻るってことはもう恐らくないと思う。僕はそう思っとる」と厳しい表情です。
JR東海は家屋の被害調査に合わせて9月13日、19日に住民説明会を行いました。会場を後にする男性に声をかけると今年5月、田んぼの見回り中にお話をうかがった方でした。
男性によると、田んぼに傾きができたためか水のたまり方が一定にならなかったそうです。水を多めにして稲の倒伏(倒れること)を防いだものの、水の管理が大変だったとのこと。「これからまだ何が起こるか分からない」。不安げな表情は以前と変わりませんでした。
JR東海は「薬液注入」以外の対策を打ち出せていません。第6回地盤委員会では神谷浩二委員長(岐阜大学工学部教授)が「早急に対応を考えていただきたい」とJR東海の担当者に発破をかけました。


vol.222 ここいく日記 はじめの39歩!

 各務原市まちづくり活動助成事業「いのちのつながりフェス」今年も開催しました。いのちを感じるスペシャルライブとワンオーガニックマルシェをあすかホールにて同時開催。なんと約250名の参加者があり、とても盛り上がりました。
スペシャルライブは各務原の歌姫・木歌ちゃんと、絵本ソムリエ・和歌ちゃんと、性教育団体ここいくのコラボです。
木歌ちゃんと、和歌ちゃんとの出逢いは2022年の「稲フェス」。稲フェスは田植えのイベントですが、その内容はアートそのもので衝撃的でした。雨の中の田植えは、天候にあわせて動き、ゆるやかで心地よい。とにかく自由。まだ稲を植えていない田んぼでは、歌、踊り、太鼓と、みんなが自由に表現しはじめる。大人も子どもも一緒に地球と遊んでいるみたいで、大地とつながることで体が自然に浄化されていく感覚。田んぼの土は温かくて、そのぬくもりは家に帰っても残っていた。
この「いのち」を感じるアートを、いつかこの人たちと表現したい!そしたら「包括的性教育が地球を救う!」と伝えたいよね~と「稲フェス」に一緒に参加した仲間と妄想炸裂!あれから2年…妄想が形になった。

「いのちを感じるスペシャルライブ」
神秘的な歌声とユニークな絵本語りパフォーマンスに合わせて壮大に繰り広げられる「いのち」の物語。 テーマは~WAになろう ひとつになろう~ 性交も出産も対等に、いのちの神秘を伝えたい。「ここいく」の思いをどう表現するか?劇団っぽく挑戦しました!でもストーリーを考え、イメージを形にするまでとても不安。これでちゃんとお客さんに伝わるのか?動きは?照明は?本番に間に合うのか?みんなで何度も話し合い、製作、練習を重ね試行錯誤しながら、少しずつ形になっていく。
ゼロから創りあげていく過程は大変だけど、集まると楽しくて笑いが絶えないここいくメンバーでした。そんな私たちの思いを受け止め、コラボしてくれた木歌ちゃんと和歌ちゃん。二人が関わることで、最高の演出となり、ここいくの世界観が広がり、夢のようなステージが出来上がりました。

第一部は「いのちのはじまり」
性交から出産までを神秘的に伝えました!何度も何度も練習した着床のシーンは伝わったかなぁ~。神秘的な空気から一転し、和歌ちゃんの絵本の世界へ。ラストは木歌ちゃんの歌と約100人の出産の写真が流れる。奇跡のような確率で誰もがうまれてきた。「うまれてきてくれてありがとう」このメッセージが届けたかった…

第2部は「みんなちがってみんないい」
第1部の緊張感が抜け、ハプニングの連続でしたが、ここいくらしい多様性の授業とお二人の素敵なパフォーマンスを届けることができました。
最後は、みんなでWAになろう!ひとつになろう!その目標の通り、会場がひとつになりました。
そして同時に開催したワンオーガニックマルシェも素敵なお店がいっぱい。ワンオーガニックを「ひとつはじめよう、ひとつかさねよう、ひとつひろげよう」各お店で、勝手に輪がひろがり、つながり、あっちこっちに溢れる愛を感じた1日でした。
ここいくの新たな挑戦はまだまだ続きますのでお楽しみに!ライブも授業もご依頼お待ちしています。

担当:ここいくメンバー 古川 明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.222  菌ちゃん野菜応援団 vol.42

お盆明けたら大根と人参の種を蒔き、じゃがいもを植え付ける、と聞いたのはほんの数年前なのに今年は人参は芽を出してすぐに暑さのため全滅。大根は芽も出ない。じゃがいもは腐る。。。お彼岸まで36 ℃が続くってどういうことなんでしょうね。

一説には海底火山噴火のため海水温が上がって、ともいわれますが、それにしても。。。今年はあまりの暑さに畑で体調不良になる人も続出。水分とって適宜休憩していても、いきなり吐き気と手足のしびれが襲い、目の前が暗くなる。これは危ない、と車に避難するも瞼がピクピク痙攣したり唇が震えてきたり。もちろん心臓はバクバク。畑作業に慣れているわたしでも落ち着くまでしばらく時間がかかりました。

いやー、テレビや新聞で熱中症で畑で倒れてという記事を見るたび「早目に対処しないからかしら」と思っていたわたしが甘かった。不調は一気に来るものなんですね、勉強になりました。ちなみに熱中症の予防に良いものはなんだと思いますか?

ズバリ!ミネラルです。

そもそも熱中症とは、体内の水分やミネラルのバランスが崩れて体温が上昇し、体が正常に機能しなくなった状態のことをいいます。

 畑では汗をたくさんかきますが、汗の成分にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれています。発汗により、水分とともにこれらのミネラルも大量に失われてしまうため、ミネラルバランスが崩れ、熱中症にかかりやすくなる、ということなんですね。つまり、熱中症の予防には水分とともにミネラルの摂取が欠かせない!!

この場合、塩単体は強すぎることもあるので梅干しをチョビチョビ舐めるとか、ミネラルが多い玄米珈琲を飲むなどしてバランスを取るといいですよ。

また日本人に多いのが鉄不足。

こちらも大切なミネラルの一つ。これから寒くなって冷え性の方にはきつい時期が来ます。今から上手にミネラルを料理に取り入れておくと寒さを乗り切れる身体になりますよ。ぜひ秋の食養生にミネラルを取り入れてみてください。

畑は。。種の蒔き直しです😭

 


vol.222 プレゼントコーナー

222号PRESENTS

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1-やっと涼しくなった。あなたはどこ行きたい?やっと涼しくなったとなるとどこかに出かけたくなる。あなたの押しスポットは?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望を必ずお書きください)
※C、Dは編集室までとりに来られる方
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成
〆切:〆切:2024年11月25日  当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.CINEX映画招待券 CINEX様より…ペア3組様

世界中の大ニュースになるとは!一人の男が行方不明になると警察のツィートをきっかかで世界中で話題になった。二人が離れ離れになるのは人生で2度目。決して離れないと誓った男がどうしてもいかなければならない 理由とは…

柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


B.絵本『風船爆弾』〜和紙気球は海を渡った〜  掘野 慎吉様より…1名様

気球は、子どもや若者の夢やあこがれ。あんな時代はこりごりだよ。と始まるこの絵本は、時代に翻弄された芳恵が語る美濃和紙の運命…「気球紙作り」「風船爆弾」「新しい秘密兵器」…。戦局の起死回生を狙った作戦だった。身近な和紙の一面が優しい絵とともに語られた絵本です。


C.ゆりかごカレンダー2025  ゆりかご助産院様より…3名様

分かりやすい月の満ち欠け、月の出入りや満潮干潮の時間なども載って、自然とともに日々を送りたい方へおすすめのカレンダーです。見やすい日付の文字、書き込める余白など、実用性もバッチリ。かわいいゆりかご助産院さんのロゴがアクセント!

にらめっこ編集室でお受け取りください。

 


D.青パパイヤ  信長バナナ様より…3名様

青パパイアの魅力は、シャキシャキの歯ごたえと、ほんのりと感じる甘味。 クセがないので、生のままサラダや和え物にしても良いですし、炒め物や煮物にしてもおいしくいただけます。 沖縄などでは「青パパイアチャンプルー」という炒め物が人気の定番です。にらめっこ編集室でお受け取りください。


vol.221 続・しょうがいをみつめる vol.3

vol.3
『インクルーシブって?』

インクルーシブ(inclusive)という言葉を聞いたことがありますか。

「包括的な、包み込む」という意味の英語です。ちょっと分かりづらいと思うので、反対の意味の言葉から考えてみましょう。
インクルーシブの対義語はエクスクルーシブ(exclusive)で、「排他的な、締め出す」と訳されます。ですので、インクルーシブとは『排除しない』ということになります。
そこから、性別や国籍、宗教の違いや障害の有無などにかかわらず、すべての人が互いを認め合い、排除せずに共生する社会を『インクルーシブ社会』、また誰も排除せずすべての人が学べる学校教育を『インクルーシブ教育』といいます。

2006年に開校した大阪市立大空小学校では、初代校長を務めた木村泰子氏と教職員らが「すべての子どもの学習権を保障する学校を作る」という理念を掲げ、特別支援の対象となる子どもを含むすべての子どもたちが同じ場で学び、育ち合える学校を作ってきました。木村氏は著書の中でこのように語っています。

“最近の学校はとても頑丈な「スーツケース」のように見えます。長い棒のように尖った子は、端っこをポキンと折らないと入れられない。まん丸の大きなボールのような子だと、ふたが閉まらないからダメ。そんな子たちは、スーツケースに入れて運べません。
ところが、「風呂敷」だったらどうでしょう。大風呂敷を広げておけば、棒の端っこが出ていても、みんなでなんとか担げます。ボールもなんとか包めます。包み方はアバウトで、マニュアルがあるわけでもありません”
ー「みんなの学校」が教えてくれたことー

大空小学校に校則はなく、「自分がされていやなことは人にしない。言わない」という『たった一つの約束』があるだけだそうです。大きな理想とそれを実現するためのシンプルな約束、それが大空小学校が風呂敷であれた理由であり、インクルーシブ社会やインクルーシブ教育を実現するために必要なことなのではないか、と私は考えています。
今の学校には「ブラック校則」といわれるように、いつからあるのか何のためにあるのかわからないようなきまりごとがたくさんあり、多くの子どもたちにとって居づらい場になっているように思います。また、授業は同じ内容を同じように(1時間机に向かって座り、先生の話を聞き、黒板の文字を書き写し)学ぶことが求められ、こういった学びが苦手な子には別の場が設けられています。
校則も授業スタイルも、より良い学校・より良い学びを追求してきた結果なのかもしれませんが、それが排除を産んできたともいえるのではないでしょうか。

 一人ひとりの個人に排除しようという意識がなくても、社会や学校がその集団全体の利益や効率を最優先する時、排除は容易に起こってしまうものです。
技術が進み、情報に溢れている現代において、私たちはそれについていくのが必死で余裕のない生活を送ってはいないでしょうか。一人ひとりの心から寛容さが失われると、排除は容易に起こってしまうものです。
インクルーシブ社会やインクルーシブ教育は実現が難しい理想かもしれませんが、その理想を共有し、隣の人や目の前の人を大切にするそんなシンプルな約束を一人一人が守っていくことができれば、案外実現できるのかもしれません。