今はちいさな仕事つくりが、大きな目標です。
月3万円ビジネス実践中!吉岡 翔一朗さん
「エコロジーなまちづくり」
そんなタイトルの講演会に出かけたんです。スライドショーでは環境先進国のドイツの環境都市・フライブルクの映像でした。ドイツではすでに原発をやめ自然エネルギーに切り替えていました。講演会での話しに魅了され、環境問題にますます興味を持ちました。
ドイツの取り組みが、日本では全然できてないのはなんでだろう。ふと疑問に思い、講演会の後、フライブルク視察ツアーがあることを知り、参加することにしました。ツアーは一週間。下は小学生、上は60代の方、学生が一番多かったかな。総勢30人ほどでした。夏休みだったからかな、小学生の子は単独で参加していました。
ヨーロッパのエコ活動に興味を持った人たちばかりで、本当に多種多様な人たちと交流でき、楽しい一週間でした。
ドイツ・フライブルクで最初に感じたこと
政策として、大きく3つに分けていたことです。
その優先順位にびっくりしました。 最優先はなんと「家のリフォーム」なんです。
断熱材を使用したり、エネルギーを使わなくてもいいような工夫。エネルギーを最小限にしても快適に暮らせる家づくり。それに併せてエネルギーを考えるという取り組みです。
できるだけ燃費のいい生活を心がけるということでしょうか。
2番目は「コ・ジェネレーション」(一種類のエネルギー源から複数のエネルギーを取り出すこと。特に,発電の際に生じる熱エネルギーを再度発電や暖房に利用すること)。
発電所で出た熱を有効利用することを国が後押ししています。冬は寒いのでこういった熱で暖房を取れるのはいいですよね。3番目に「自然エネルギー」を取り入れる。太陽光発電・風力・水力などです。
ドイツで取り組んでいることを日本でもやってみたい。このまま就活していいのか、迷いが出てしまった。それで、一年休学して日本を自転車で回ろうと、九州を一周して東京までいろいろな面白いところを見つけて旅をしました。
自転車の旅で「トランジション・タウン」というコミュニティーに出会いました。ゆるい感じで持続不可能を持続可能にする生活スタイルです。
エコビレッジとも似ていますが、共同生活ではなく、各自の家に住み自分の今の生活はキープしながら、定期的に集まって、米作り、野菜つくりを共に作業しながら、未来のビジョンを話し合う。できることから、楽しみながら、持続可能な社会を組み立てていこうという活動です。
旅の途中の最終到達点で、もっともっと勉強したいと思うようになりました。いろいろな方からの情報を得て、非電化工房が弟子を募集していることを知り、さっそく面接を受け、昨年の4月から今年の3月までの一年間、ウーファー(住み込み弟子)として工房での生活をおくりました。
(非電化工房とは:新しい暮らし方の実験工房でもあり、電気を使わずに暮らす道具の博物館でもあり、アトリエでもあり、本当の豊かさを追い求める私設テーマパーク。愉しい非電化の発明で、新しい豊かさへの選択肢を提供している。栃木県の那須高原にある)
非電化工房での生活は、3つの学びを中心に暮らしました。
まず、1つ目に「自立力」自立力とは自給力(食べ物、エネルギー、必要なモノを作れる力)2つ目は「自活力」自分の能力を活かし、それで必要なお金を稼ぐ力。3つ目が「仲間力」コミュニティーをつくり、支え合いながらみんなの力をコラボして暮らすこと。
そんな3つを学ぶために、主にカフェのセルフビルドや畑で野菜を育てたり、エネルギーのことも学び、地域でイベントを開いたり参加させて頂き地域の方と交流もしていました。
そして、「自立力」で、セルフビルドで家を弟子のみでつくりました。(弟子は多いときで5人、少ないときは2人でした)
まずは土地ならしからはじめ、基礎つくりからから水道工事まで、専門家や業者には一切頼らないで大工作業も自分たちでやる。プロにしかできない、作れない、と思っていたことが、その気になれば素人でもできるんだなと思ったことは大きかったです。
でも、フツーの家ではなく、非電化の家です。電力会社とは契約をしないで、自家発電でやってみろと言われ、あたふたしたり・・・
先生(藤村氏)に教えを請いながらつくりました。とても充実した一年でした。
やっぱ、電気があった方がいいな、と思うことは?
風呂!かな。冬場はけっこう辛かった。お風呂は五右衛門風呂だったんですが、湯上がりはすぐ冷えるし(/_;)。
でも、非電化は電気を否定するわけではないんですよ。あくまでもライフスタイルの提案なんです。
人生の中で一番濃い時間を過ごして、自分が変わったと思うこと
大学に入って、時期が来たら就職してという選択肢しか持っていなかったけど、自分が生きるための方法は、就職して給料を得るという他にもいろいろあるんだということに気づいたことです。
そして今、自分のやりたいことが見えてきたんです。それは、小さな仕事をつくって、小さな収入を得て、生活は小さな支出に押さえる。
非電化工房での修行生活で3つの力が身についたことで、生きていく自信になりました。これからが僕の本当の意味での人生のスタートかなと思います。
本当の意味での人生のスタート
今、仕事をつくる事に興味があるんです。起業とかいうイメージとは違い、月3万円ビジネス(分かち合いのビジネス)です。
たとえば3万円ビジネスを月に3から4つ持つ。収入は10万円前後となります。そして支出を3~4万円ほどに押さえる。実働週3日くらいになります。仕事のない日は畑で野菜作り・・・
そんなライフスタイルを築きたいと思っています。すると時間に余裕ができます。まさにスローライフとなります。
月3万円ビジネスのルールは仕事はいいことで楽しく!!
自分の仕事を通じて社会が持続可能な社会・地域になって良くなって、社会性も向上できると思うとわくわくして楽しい!
今は、本当にできるのか、実践で実験中です。今回のソーラーフードドライヤーつくりのワークショップも、その一環です。
みんなで仕事をつくろう!
先ほどお話ししたトラディション・タウンのコミュニティーに参加しているので、いろんなつながりが増えました。仕事の宣伝方法とか、会場探しとかを一緒にやってくれる人がいるので助かります。自分一人ではたいしたことはできないですから。マンパワーのコラボレーションから、いろいろな仕事を生み出していきたいと思っています。
吉岡さんが参加している『トランジション・タウン浜松』(TT)とは。
現代の持続不可能な行き詰まりを迎えている地域社会から、地域の『自然』・『いきもの』・『人のいとなみ』を創造的で楽しいカタチで自立的循環を生み出し、持続可能な地域社会・町へのトランジション(移行)を目指すゆるやかなジモトに根差した世界的ネットワークです。
TTは浜松の持続可能性の為に活動していたり、興味を持っている方をネットワーキングさせ、様々な創造的コラボレーション活動を生み出しています。 トランジションタウンのテーマは【誰でも参加が可能!】 みなさんも一緒にトランジション!!していきませんか?
みなさんのこれからの暮らしがここで作り出せるかも・・・♪
ソーラーフードドライヤー・ワークショップの様子
9月20日 県立森林文化アカデミーにて。
主催:パーマカルチャー中部
使いきれない野菜や、採れすぎちゃった野菜など。あと、果物、キノコや魚など自然の力で美味しく保存!
乾燥させる他にはパン生地の発酵にもGood!温度計と湿度計がついているので、空気穴の開閉で、温度を調節します。
できた!ドリルやドライバー、金づちなど普段使い慣れていない道具を駆使して、やっと完成。
生活の道具をつくるって、智恵を創出している感があります。
参加者感想
持続可能な生活に興味があり非電化生活に並々ならぬ関心を持っていた。っていうか、実は電気代を滞納してて、非電化生活に突入してます。案外と大丈夫なことがわかりました。
生活に密着した道具をつくり、生活に取り入れることで自分の生活が少しづつ変わっていくだろうと思った。
電気がなくて困ったな、と思うときは、夜帰宅したときに、着替えを探したりするのが苦労、と言えば苦労かな。あとはあまり不便を感じないです。友だちが遊びに来たとき「真っ暗でごめんね~」と言います。
樋口 仁さん(犬山市)