202号(2021.7&8)」カテゴリーアーカイブ

vol.202 目に見えないもの・見えるものPart-1

 サン=テグジュペリの小説「星の王子さま」の中に、「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない。」という一文があります。地球で出会ったキツネが王子様に話した言葉です。王子さまは、生まれた星でバラの花に振り回されていましたが、そのバラが王子さまにとってかけがえのない存在だったことに気付くのです。王子様にとって大切なものは、バラへの愛情、共に過ごした時間、思い出、結んだ絆など、目に見えないものでした。

 それではまず「目に見えるもの」を考えてみましょう。私たちの身の回りのモノのほとんどが目に見えます。そして、目に見えるものは、必ず朽ち果てていくことも私たちは知っています。では、モノだけではなく、私たちの感情はどうでしょう。いろんな場面に接して一喜一憂して抱く感情。いっときの感情は目に見えませんが、やがては過ぎ去ります。

 ではいっときの感情以外の「目に見えないもの」はどうでしょう。目に見えないものは2種類あります。
 一つ。例えば「携帯電話」。電話器そのものは見えますが、会話をしたり情報のやり取りができるのは電波があるから。この「電波」は目に見えません。でも「電波」が存在することは誰もが承知しています。目に見えないけれど存在する一例です。
今、新型コロナウイルスによって世界中の人たちの暮らしを大きく揺さぶられています。コロナウイルス自体は私たちの目には見えません。目に見えないけれども、何らかの器具や機械を通せば確認でき、存在を知ることになります。
 二つ目。これに対して、器具や機械を用いても見えないもの、逆に器具や機械を使わなくても見えるものが、実はあります。
それはどんなものでしょうか。大正時代の女流詩人、金子みすずさんの詩に「星とたんぽぽ」があります。

 星は昼間には見えないけれど、確かに存在している、と謳われています。また、枯れたたたんぽぽを見ると、地表には現れてないけれど、地下にしっかりと根を張っていることを、私たちは知っています。

 これら以外に「見えないけれど確かに存在するもの」にどんなものがあるか考えてみます。例えば、親子や恋人に対する愛情、思いやりの心、また精神、魂、霊魂などがあり、さらに人によっては神、天国などを挙げる人もいるかもしれません。その中で「魂」を例に挙げてみます。「魂のこもった作品」とか「大和魂」というように、人間の肉体に宿り心の働きをつかさどると考えられているものですが、証明するのは難しいです。

 さて。困ったことに「目に見えないもの」には、放射能、ウイルス、電磁波、匂い、感情、うわさ・・・他まだまだいっぱいあります。そして「情報」。見えるようで見えないのが情報ではないでしょうか。マスメディアが取り上げる情報は確かに見えます。ただ、事実が深いところに潜行してしまうと、見えない情報となってしまいます。しかしこれらを感知する方法はあるはずです。

 新型コロナウイルスについて、検証してみたいと思います。
この数ヶ月、ほとんどの方は、手洗い、マスク、検温、外出自粛、これらを徹底してきました。その一方で、大切な人とはちゃんとハグしたいし、ふれあいたい。国民性の違いはあるかもしれませんが、人を思う気持ちに違いはないと思います。目に見えないものを恐れる気持ちに対して味方になるのは、人を想う気持ちではないでしょうか。

 一方で、私たちは、目に見えるもの、科学的に根拠のあるもの、を求めがちです。例えば「コロナ予防のワクチン」について。新聞・テレビなどでそれらの情報はしっかり見える化されています。でもそれが正しいのか?という疑問はぬぐいきれません。科学的根拠より、圧倒的な情報量の差で判断せざるを得ない現実があります。さらに、ネット上にはありとあらゆる情報が氾濫しています。これらをどう受け止めればいいのか・・・
 目に見えないウイルスの存在を打ち消したい気持ちをワクチンが担ってくれる。なら、積極的に接種しよう、という方が多い中、異を唱えるのも勇気が必要です。そこには目に見えない同調圧力や、差別・偏見が生まれます。
 この「目に見えない圧力」を「目に見える情報」で打ち消すことはできるでしょうか。私は「できる」と思っています。そのためにはしっかりと情報を精査し、人と意見を交換し、自分の判断を固めていくしかないと思っています。そこで、先日ある講演会で得た情報を、私はみなさんとシェアしたいと、紙面に掲載することにしました。


一連のコロナ騒動の問題点

高橋 徳 統合医療 クリニック徳 院長

1977年、神戸大学医学部卒業。 関西の病院で消化器外科を専攻した後、1988年米国に渡る。 ミシガン大学助手、デユーク大学教授を経て、2008年よりウイスコンシン医科大学教授。 米国時代の主な研究テーマは『鍼の作用機序』と『オキシトシンの生理作用』。

 人間の生活の必須の条件は、私は「愛」と「健康」であると思います。ところが今、マスク、ソーシャルディスタンス、あるいは3密(密閉・密集・密接)を避ける生活。コロナが、今いった「愛」と「健康」の大きな妨げになっております。

オキシトシンについて簡単にお話しします。

 オキシトシンは視床下部で作られます。女性の出産時の子宮収縮や母乳の分泌に関係しています。オキシトシンが最近、抗ストレス作用、抗不安作用といって、ストレスや不安を少なくする、あるいは自律神経を整える、鎮痛作用で痛みを抑えるなどの作用も分かってきました。そしてオキシトシンの第4の作用として、社交性、愛情、信頼に関連することがわかっています。

どうやって自分自身のオキシトシン分泌を高めるか。

 オキシトシンの分泌を高める方法は、心地の良い五感の刺激、と言われています。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の刺激でオキシトシンが分泌されるからです。もう一つが、受動的な刺激です。苦しい時、悲しい時に誰かから思いやりの言葉をかけてもらった時、こういった時にオキシトシンが出ます。

オキシトシンが育む愛と思いやり。

 これは自己と他者の間の境界を取り払って、自分と他人が一つになって強い絆が生まれてきます。愛とおもいやり、といった感情は人々が集団で生き延びるために必要不可欠です。人類全てが持つ本能と、私は考えます。日常的な営みを通して我々も、健全な人間関係、健全な人間社会を築いてきたわけです。ここにもオキシトシンが関係しています。

集団的な生きがい。

 孤独でないこと。家族や友達を大切にしていること。家族以外の何らかのグループに属していること。あるコミュニティーの中で同じ目標に向かって進むこと。こういった集団的な生活様式が、今の新生活ではないがしろにされているのです。オキシトシンについては色々本も書いているのでご覧ください。


vol.202 目に見えないもの・見えるものPart-2

さて、ロックダウン・自粛の前提について

 「新型コロナウイルスは無症状の人の半数から感染する。」これは令和2年12月31日、新型コロナウイルス感染者対策分科会:尾身茂会長の発言。厚生労働省のホームページにも「新型コロナウイルスのほとんどが、発症前・発症早期に見られる」。と書いてありますが、この結論は間違いです。
 その根拠はこの論文。台湾における新型コロナウイルス感染発症者の感染力の研究です。「新型コロナウイルスの二次感染は0.7%の確率で、そのほとんどが発症前・発症早期に見られる。そして、発症前の無症状感染はその半数(0.4%)にすぎない。感染者の発症前・発症早期に濃厚接触しても、大多数の99%以上は感染しない」と結論づけています。
 一方で別の論文。これは去年の11月に発表されたものです。
 「武漢は、2020年1月23日から4月8日までロックダウン下にあった。調査はロックダウンが解かれた後の5月14日から6月1日までに武漢の6歳以上の全ての市民(1,000万人)に対して行われた。結論は、新型コロナウイルスの無症状感染者が他者に感染させた事例は皆無であった。」
 この論文を受けて、アメリカのジャーナリストはこんな記事を書いています。「中国の武漢で行われた調査によると、新型コロナウイルスの無症状性の蔓延は全く発生しなかったことがわかった。これは、ロックダウンの前提となっていた『症状を呈していない感染者の人々が無意識のうちにコロナウイルスを拡散させている』という概念が崩壊したことを意味する。新しい武漢での研究は、『無症状性感染は存在しない』という確かな科学的証拠を示している。」無症状性の陽性症例が感染を拡大させる証拠がないことが判明したのです。この研究はロックダウンの正当性について重要な疑問を投げかけています。

マスクとソーシャルディスタンスについて

 マスクの穴は、5μm。ところがウイルスは0.1μm。ですからウイルスはこの穴を簡単に通り抜けます。最近は1枚より2枚のマスクがより効果的といわれているようですが、これも同じように、1枚であろうと2枚重ねようといっぱい空気が漏れます。
 文部科学省はこんな通達を出しています。2月に改定。
「新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、学校教育活動に対しては、児童生徒及び教職員は、基本的には常時マスクを着用することが望ましいと考えられるところ、気候の状況等により」は、改定後に記載が削除されました。
 同じようにソーシャルディスタンスでも、「身体的距離の確保(ソーシャルディスタンスあるいはフィジカルディスタンス)といった「新しい生活様式」に、学校を含めた社会全体が移行することが不可欠である」は、改定後に削除されました。すなわち、マスクもソーシャルディスタンスも必要ない、と文科省は言っているんですね。

一連のコロナ騒動の問題点
日常生活の破壊、ワクチンと称する遺伝子注射

 これまでのワクチンは、病原性をなくしたウイルスを摂取することで免疫をつける「不活化ワクチン」と呼ばれるものが一般的でした。これに対し、「ファイザー」が開発を進めているのは「mRNA」と呼ばれる物質を使った新たな手法によるワクチンです。体内に新型コロナウイルスの遺伝情報を取り入れて、ウイルスの一部を作り、免疫を獲得することを目指しています。

遺伝子ワクチンの製造方法

 コロナのウイルスにはこんなスパイク(トゲトゲ)があります。このトゲの部分をとって、これをコロナの特有の抗原部分のDNA/RNAを精製し遺伝子を作ってヒトに筋肉注射をします。そうすると、
1:遺伝子の指示でヒトの細胞がコロナの抗原(タンパク質)を合成する。2:この抗原(蛋白質)に対して抗体が作成される。そして侵入してきたコロナウイルスに作成されていた抗体が結合してコロナウイルスを非活性化させる、というものです。

遺伝子ワクチンの危険性

 徳島大学医学部 大橋名誉教授(免疫生物学)が訴えています。
◆ 遺伝子の代謝経路が不明。◆ 遺伝子が長期間、体内に残留したら何が起こるか?◆ やってみないとわからない。◆ 自然にないものを人間の細胞に入れ込むことは、自然の摂理を超えている。
 こんなにも危険な遺伝子ワクチンを使わなければならないほどコロナウイルスは有害なのか?という基本的な疑問を提示されています。彼のサイトは削除されて今や見ることができません。恐ろしいほどに言論統制が行われています。
 週刊現代では、<コロナワクチンを娘や息子に打たせてはいけない>という見出しに続き、◆ 政府は、ワクチン接種を全額国費負担で受けられるようにする方針。◆ しかし、コロナワクチンが恐ろしいのは、異変がすぐに起きるとは限らない。◆ 遺伝子ワクチンは10年後、20年後に重大な被害が起こる可能性もある。まさに「人体実験」だ。◆ 高齢者であれば、予防のメリットと短期的な副反応を天秤にかけ、接種するのもありだろう。◆ 将来がある息子や娘たちには決して打たせてはいけない。と報道しています。

まとめ・開発が優先され、安全性が軽視されている

  人間の遺伝子組み換えにつながり、遺伝物質が生殖細胞に移行すれば、人間の遺伝子改造につながる。臨床試験の観察期間はせいぜい数十日の間に重篤な副作用がなかったことを検証するに過ぎない。数ヶ月後、数年後の体の異変については全く研究されてないまま投与されることになります。今回のコロナワクチンは、一度打てば、取り返しがつかなくなります。遺伝子組換え作物のテクノロジーがヒトに試されようとしているのです。


見えるものと見えないもの。

 一連のコロナ騒動は、「見えない」からこその騒動であるように思います。そこには、疑念や不安を自分より弱いものへ差別的な言動として現れました。娘夫婦が住むアメリカ・ニューヨークでは、アジア人へのヘイトが激しく、夫君は医療従事者であり通勤は地下鉄。いつも緊張して乗っていると聞く。ここには「見えない恐怖」が存在します。そして、この差別が時には正当化されてしまうことさえあるのではないでしょうか。「アジア人のせいで我々の命が危機に晒されている」という心理が働いて・・・。

 そして、2021年7月23日が開会式となる「東京オリンピック」。そもそもオリンピックには「世界平和を実現する」という目的があります。このオリンピックが世界の人々が協調と優しさと融合を取り戻せるなら、賛成です。しかし、見えない恐怖・不安でそれらが霞んでしまうなら、延期もしくは中止せざるを得ないと思うのですが。
 コロナ禍で私たちは「どう生きるか」を突き付けられました。
今こそ「目に見えないサムシング・グレート」に想いを馳せて見たいものです!

この宇宙が誕生して137億年
この地球が誕生して46億年
人が誕生して400万年
生きとし生けるもの全ての記憶が
あなたの体に眠っている。
生きててくれるだけで良い。
そう思えること、それが愛情。
自分の金メダルを!
自分の花を咲かせよう!

村上和雄ドキュメント「SWITCH」遺伝子が目覚める瞬間より

 高橋医師の講演会は2021年4月25日に行われたものです。状況は刻一刻と変わってきています。講演後、なんども勉強会が開かれ、参加者も多く、関心の高さが伺えました。そこでの意見交換が何より重要と考えます。自分の考えを深めたり、修正したりできるから。高橋医師は地元名古屋でも街頭活動を行われているとのこと。私は、伝えたい内容が、言論統制で伝わらないことが何よりも恐ろしいと考えます。ただし、今回掲載した内容が必ずしも「正しい!」というものではありません。何が正しくて、何が間違っているか、というのは、その人の生き方に通じるからです。まずは、「情報を知っていただくこと」を念頭に掲載をいたしました。講演内容の全文をご希望の方はメール配信いたします。PCR検査のトリックについても詳しく話されています。(にらめっこ)

ご希望の方はinfo@niramekko.comまで


vol.202 アウトドア特集

具入り焼きおにぎり

ごはんにカニカマと大葉を挟んでホットサンドメーカーで焼き上げました。最後に追い醤油をして火を入れるとカリッと仕上がり、焦げた醤油の香りが食欲をそそります!

【材料(2人分)】
•ごはん お茶碗2杯ほど •大葉 4枚
•カニカマ 5本 •醤油 少々 •ごま油 適量
•調味料(醤油 大さじ1、みりん 大さじ1、だしの素 ひとつまみ)
【作り方】
1-あたたかいごはんに調味料を入れてよく混ぜ、ごはんに下味をつける。
2-ホットサンドメーカーにごま油をひいて、ごはんの半量を入れる。そ  の上に大葉、カニカマを並べたら残ったごはんをかぶせて両面を中   火で5分ほど焼く。
3-ごはんの水分が飛んだら表面に醤油をハケなどで塗り、再度両面を焼  いてカリッと仕上げる。

餃子の皮の6Pチーズ包み焼き

6Pチーズと大葉を餃子の皮で包んでホットサンドメーカーでパリパリに焼く!ブラックペッパーや岩塩をふ振ってどうぞ!


【材料】
•餃子の皮(大きめ×6枚)
•6Pチーズ(6個入り1パック) 
•大葉(6枚)
【作り方】
1-餃子の皮(大きめサイズのもの。なければ通常サイズを2枚使っても可) に大葉と6Pチーズを乗せる。
2-指に水をつけ、餃子の皮のフチを湿らしながら貼りつけ、三角に包む。
3-ホットサンドメーカーに油をひき、餃子の皮で包んだチーズを並べる。
4-弱火〜中火で、餃子の皮に軽く焼き目がついたら完成。

食器としてはもちろん、こんな使い方も

★鍋として使う
基本となる「湯沸し」はもちろん、ひとり分の鍋やチーズフォンデュ鍋、ご飯も炊けます。
★フライパンとして使う
ベーコンやウィンナー、目玉焼きなど簡単なものに火を通すこともできます。できたらそのままテーブルに!
★おたまとして使う
汁物を取り分けようとしたら、おたまが見当たらない!そんな時もシェラカップで代用!
★計量カップとして使う
目盛りつきのものならば、計量カップとしても使えて便利!

ミニサイズ燻製

 燻製器がないと燻製できない?
いえいえシェラカップが2つあればできちゃうんです。小さいので一度にたくさんは作れませんが、短時間で濃厚な味が楽しめます。

【材料】
・シェラカップ2つ
・アルミホイル 10cm×10cm・網 小さいもの・燻製チップ 適量・お好みの具材(チーズやナッツ、うずらの卵など)
【作り方】
1-アルミホイルを下のカップに敷いて火をつけたチップを置く。
2-下のカップの上に網を乗せて具材を置き、もうひとつのカップで蓋をする。
3-30分ほど放っておく。
4-色づいてツヤツヤしたら完成。煙が近いので芳醇な香が楽しめます!

トマトリゾット

トマトの甘みと酸味を楽しむことができるトマトリゾット。
トマトジュースを使う簡単なリゾットです。

【材料】(1人分)
・ご飯・(2/1~1膳分)・トマトジュース (100ml~200ml)・ベーコン(5㎝)・玉ねぎ(30g)・チーズ(好みのもの)・サラダ油(適量)・バジル(お好み)

【作り方】
1-玉ねぎはみじん切り、ベーコンは細かく切る
2-シェラカップを熱してからサラダ油を入れ、弱火で1を炒める
3-玉ねぎがしんなりしてきたら、トマトジュースを100mlほどシェラカップへ注ぐ。火は中火。
4-ご飯を入れ、トマトジュースを適量で追加、沸騰させる
5-沸騰後、弱火に戻し、お好みでチーズを投入、よく混ぜ、バジルをふりかけたら完成


vol.202  続・ぎむきょールーム

特別インタビュー「公教育を考える」-Part-1

みんなの森ぎふメディアコスモス
総合プロデューサー 吉成 信夫氏

 各務原市は小中高一貫の特別支援学校の建設が決まり進められつつある。議会では詳細が語られず、どんな学校を作るのかが見えてこない現状に、教育を考える会のメンバーたちは、もやもやを隠しきれない。『ハコモノは変えられる-子どものための公共施設改革-』の著者で、みんなの森ぎふメディアコスモス総合プロデューサーである吉成信夫さんに、はたしてハコモノは変えられるのか、話を聞いた。

公共って誰のためのもの?

 僕は子どもと一緒に、「子どもを取り巻く環境、子どもの地球環境」を作っていきたい、40歳になる時に、このテーマで生きていこうと決めて、岩手に移住しました。それから「森と風のがっこう」を作るために奔走するわけですが、公共施設、いわゆるハコモノを変えていった事例として、最初に岩手県立児童館「いわて子どもの森」ができるまでをお話します。
 立地は標高700mのところ。スキー場と温泉はあるものの、人家はありません。その荒野といってもいいところに総額58億円の児童館を建設するという巨大プロジェクトでした。冬には積雪が1m以上、とても歩いて行ける場所ではない。クマの棲息地で、クマが見え隠れするんですよ(笑)。建造物はコンクリートで巨大な要塞みたいでした。ルパン三世のカリオストロの城みたい。何人も近づけませんって感じでね。さて、人が住んでいないこの地にどれだけ人を呼ぶことができるのか。

ここで発揮したのが「発想の転換」です。

 児童館では「どういう活動をするか」、子ども達の心や体を考えた時に、「どういう部屋があればいいのか」、ということを考えました。児童館の使い方と人が来たくなるようなソフトを、ハードを作っている段階から散りばめておこうと考えたのです。
 まず野外。とっても広大な場所で、車椅子の人も乗り降りできるゴンドラとかも付いていてバリアフリーです。フィールドのキャンプ場にある全天候型キャンプファイヤー場は「いつでもファイヤー」という名前をつけました。全天候型だからいつでもできちゃうわけですよね。「いつでもファイヤー?あはははっ」て笑うような仕掛けをしておくとね、人は来てくれるんです。註:屋内にもユニークなネーミングがあちこちに。たとえば<冒険の塔「のっぴぃ」>、<風のデッキ(気節ごとに変わる展示スペース)>、<レストラン「ハラヘッタ亭もぐもぐ」>などホームページを見るとわくわくする。
 それはいいんですが、計画では丘の上からズーーーーーと滑る巨大な滑り台が2台もありました。なんで2箇所も?まだ工事は始まっていなかったので両方とも発注を止めてもらいました。自然の中でも、いわゆる学校教育的で効率を求める。そういう取り組みをするのが、日本の公共施設作り、野外教育の考え方だから、多人数で動かせるように設計してあるんですね。
 その滑り台の予算で、コンセプトや空間のディスプレイを作り直しました。例えば、建物の中の空間に僕はアートを取り入れたかったので、ピクチャーレールをつけてもらうとか。足場が外れたらもう二度と付けられないですからね。
 オランダのスヌーズレン※という重度の身体・知的障害の方が心地よい感覚刺激を通して、楽しんだりリラックスしたりというものを取り入れました。児童館でスヌーズレンが入ったのはここだけです。(※スヌーズレン (Snoezelen) とは、1970年代半ば、オランダの知的障害施設から始まった取り組み。どんなに障害の重い人たちでも楽しめるように、「光」「音」「香り」「振動」「温度」「触覚の素材」このようなものを組み合わせたトータルリラクゼーションの部屋が生まれた。)

iwatekodomonomori.jpより。おとなでもワクワクする仕掛けがいっぱい!
不思議の国の児童館っていう感じ。心も体も解放できそうだね。

おとなも こどもも のんびり、ゆっくり、ぽけ〜っとしようよ。 これは岩手県立児童館「いわて子どもの森」のキャッチフレーズですが、全国の公共施設で「ぽけ〜」を使ったのはここだけじゃないかな。要は、リラックスしようってことです。児童館というのは、遊びを通して、子ども達の心と体の健全な育ちを育むための施設だからです。そしてこんな約束もあります。
みんなの合言葉
・ 事故は自分の責任。自分の判断で自由に遊ぼう。
・ ゴミは出さずに自分で持ち帰ろう。
・ わからないことはスタッフのお兄さん、お姉さんにどんどん聞こう。
おとなのお約束
・ まず、子どもの話に耳を傾けること。
・ 早くしなさいと、むやみに急かさないこと。
・ あぶないからやめなさいという前に、本当にそうかよく考えること。
・ 服を汚してもおこらないこと。
 岩手に移住してまもなく、役所の中に入って関わったのが「石と賢治のミュージアム」ですが、着工寸前で抜本的に計画変更する事ができました。市民・専門家会議を行政の中に委員会として作ったり、その中に建築のわかる人も入れて、半年かかって、すでにでき上がっていた図面に対して代案提示したんですよ。奇跡的に全部通って、結果的に建物を作り直すことができました。代案提示は非常に大事です。

 話しは変わります。先日、オンラインで講師に招かれたのが「四日市の図書館を作る有志の会」。そのメンバーはみんな子育て真っ最中の30代後半から40代前半くらいの人たち。「自分達だったらこういう図書館を作ります」、といろんな意見を集約し代案を作り市長に伝えています。そのアイディアが現実化するかどうかわからないけれど、そういう動きは大事ですね。何かを作るときみんなで一緒にやっていくという姿勢、信頼感を作っていくということ。理想論かもしれないですが、決して対立しないことです。地域の中で声を上げて、それを変えていくところまで持っていくのは大変なことですから、やはり信頼関係を築くことでしょう。

切り口があるとすれば、「代替え案提示」、
それから「理念」の骨格作り。これが最重要です。

 代替え案提示というのは、本当に大事です。しかも現実に即した提案でなければ意味がないです。そこには専門家も必要です。建築家とか、地域作りに関係している大学の教授とか、想いを共有できる人を見つけて理論構築をする。首長や、教育長さんがこれは!とうなづくような代替え案を提示する。ここで重要なのが人選です。市民であることと、できたら政党や宗教とは一線を画し、なるべく若い人たちが率先して動けるような仕組みを作ることです。


お話しを伺って感じたこと

 身体や発達に重度の障害のある人や、病弱の児童生徒さんたちの保護者の方々は、地元に学校ができるのは悲願でもある。そういう現状を理解した上で、自分たちが何を問題視しているのか、洗い出す必要がある。それを踏まえた上で、市立でできる最大限の力を発揮して、日本に誇れる「学校作り」に関わりたいと思った。

吉成さんの話は尽きません…なので続きは次号に
「公教育を考える」-Part-2


vol.202 しょうがいをみつめるvol.13

ありのままで居られる美術教室
サポーターとして関わって3年

 障がいのある方たちの美術教室「風の芸術村」には小学生から成人の方まで幅広い年代の生徒さんが通ってきています。みなさん作ること・描くことが大好きだという点は共通していますが、その制作への向き合い方は実にさまざま。
感性の赴くまま筆やペン、時には指を動かし作品に変化を与え続ける方、テーマを深く落とし込みオリジナルの表現を模索しながらじっくりと作り上げていく方、自身の好きな対象物や好きな表現をひたすらに追求していく方・・・。
 誰もが真剣な眼差しで作品と対峙しており、出来上がる作品はどれもピュアで力強さをもっています。

 私が、この美術教室でお手伝いを始めて3年がたったでしょうか。美術に関する知識やセンスはとんとないので、制作に関するアドバイスなんてほとんどできません。お手伝いとはいっても基本的には生徒さんたちの様子を見守ったり、イイね!などと声を掛けたりする程度。ですが、「風の芸術村」という場や空気を作るために、心がけていることが一つあります。

 「風の芸術村」は美術教室ですので、毎回こういうものを描こうとか、こういう風に作ろうなどといったテーマがあります。しかし中には、そんなことお構いなしに、自分の作りたいものを作る生徒さんもいます。気持ちが乗らず制作に取り組まない生徒さんもいます。
 こんな時、勤めている学校だったら、テーマに沿った作品を作るよう説得するでしょう。何とか取り組めるようあれやこれやと働きかけるでしょう。
 ただし、ここは「風の芸術村」。私は、「こういうのもイイね。」とか、「そっか。今日はそういう気分じゃないのね。」と言うでしょう。
 「風の芸術村」では、純粋に自分の好きな作ること・描くことを楽しんでほしい。そのためには、何にも強制されず、誰からも否定されない、安心できる場や空気を作ることが必要なんじゃないかと思うのです。

 障がいのあるなしに関わらず、そういう場ってあまりないような気がします。学校でも職場でも、家庭でだって、やらなきゃいけないことがたくさんある。こうしろ、ああしろってしょっちゅう言われる。だからこそ、やりたくないことを認めてもらえる、やりたいことをひたすらやれる場が一つくらいあってもいいんじゃないかと思うのです。
 私自身も、「風の芸術村」では、生徒さんのありのままを認めてあげられることや、良さや面白さを見つけて褒めてあげられることに、心安らぐ思いです。

 自由で温かいこの美術教室から、次はどんな素敵な作品が出来上がるのか、いつもわくわくしながら向かっています。   S.I


vol.202 niramekkoGallery「こころのでんわ」

 みわちゃんの成長には目を見張るものがあります。興味関心がそのまま絵や作品に昇華されていくプロセスに立ち会えることは、とっても幸せ! 最近は色の魔術師!と言われるくらいの塗り絵が、あちこちで展示されています。今回ご紹介する作品は2019年5月のもの。すごく印象深い作品です。さらに記憶に残るお母さんのメッセージをご紹介します。

 このでんわを使うと、 知りたい人の本当の気持ちが聞ける。その頃娘は取りつかれたよ うに心ない言葉を言った子の本当の気持ちを知りたがった。何で そんなことを言ったのか。悲しかった。びっくりした。そんな思 いの中、手を使って思いを表すことで少しずつ思いを消化してい った。 この大きくて、力強いこころのでんわを見るたびにその時の強い 思いを感じずにはいられない。


vol.202 人生これから!

シニアポートレート撮影会・第2弾
(もしもの時に使える写真)
5月14日(金)

撮影会、皆さんから感想をいただきました。

◆ さすがプロですね!表情をうまく引き出してもらえました。メイクもポイントを教えてもらいよかったです。(Iwa)
◆ こんなふうに撮ってもらったのは初めてで、とても楽しかった。私は背が高いので、今まで可愛いなんて言われた事がなかったので、みなさんに可愛いと言ってもらえてすごく嬉しかったです。           (Ue)
◆ メイクをしてもらったのは初めての経験でした。でき上がりの写真を見て、自分は人からはこう見えるのか、と思いました。次回はお袋を連れてこようと思います。(Naka)
◆ とっても良かったです!普段はメガネをしているし、がさつなのですが、知らない自分を見た感じです。(Saka)
◆ いつもガハハでクシャクシャな自分ですが、できあがった写真はシャッキリしていい感じです。何枚も撮ってもらってモデルになったような気分でした。こんないい体験は他に無いです。           (Yama)
◆ 自分の容姿に自信がないので、昨日から不安でしたが、メイクもステキにしてもらって、写真を見て安心しました。家族が見たらビックリすると思います。   (Hora)
◆ 普段の自分もありだけど、今日のような素敵な自分もありなのかな、と思いました。もっと大胆に日々過ごしてもいいのかな、と思いました。     (Nakamoto)
◆ メイクをしてもらうのは、ウン十年前の自分の結婚式以来!可愛いと言われたのも久しぶりでした。結婚して太ってからは写真を避けていましたが、今日はステキに撮ってもらってよかったです。        (Matsu)
◆ ヘアメイクをしていただいて、魔法にかけられた気分です。撮影もどんどん惹き込まれて、楽しく穏やかな時間を過ごさせてもらいました。自分のいろんな表情を知りました。    (Ichi)
◆ とても夢のような時間でした。撮られる事に慣れていないので、ちょっと恥ずかしかったです。もっと若いときから撮っておけば良かったです。     (Kazu)
◆ 楽しかった!ヘアメイクは自分ではこんな素敵にはできないです。撮影では自由にさせてもらって楽しかったです。 (Hide)
◆ 今日は妻の送迎についていくだけ、と思っていたのですが、撮ってもらって良かったです。写真は思った以上に若い自分が写ってました。       (Kiyo)
◆ 今まで経験した事の無い時間でした。メイクでどんどん変わっていく自分を見るのが嬉しかった。写真を見て、新しい自分と出会えたと思いました。これはどんどん更新していくべき!なので次回も参加したいです。(Mura)

フォトグラファー:田中ちいほさん
 本来の自分の形が写真に出るものと私は思っています。撮影があるから、今から姿勢をよくしよう、もう少しお肌の手入れをしたり身なりに気を配ろう、そんな事を続けるうちにそれが習慣になったら、写真をきっかけにしてより豊かな日々を送ってもらえるかな、と思います。


ヘアメイク:鈴木美沙さん
 みなさんが魔法にかかったようと言ってくださるのが嬉しかった。いつもと違うその人を引き出すのが楽しい時間でした。普段とは違う自分の魅力を見つける事は誰にでもできることなので、どんどん挑戦していただけたらな、と思います。

第3弾は11月の予定! お楽しみに!


vol.202 次回えんぴつカフェのご案内

えんぴつ・カフェとは・・・
毎月1回おしゃべりしながらライフデザインノート『ゼロの昇天』を書き込むために集うカフェです。お茶を飲みお 菓子をつまみながら、持ち寄った課題をみんなで考えます。話題は多岐にわたります。「人生これから!」を基本に、やがて迎えるであろう「そのとき」まで、 どう生きるかを念頭に置いて書き込んでいきます。ちっとも筆が進まない、というのが現状ですが、みんなの話を聞いて、回を重ねるごとに、少しづつイメージ が湧いてきます。そんなカフェです。

主催:NPO「人生これから!」
問い合わせ 090-5638-7044(田辺)・ 090-7854-4561(三上)


vol.202 やってみたシリーズ

「好き」を形(CD)にしてみた!

 上西さんにがんが見つかり、手術をしたのは去年のこと。入院した8階の病室からは岐阜城がよく見えました。流れ行く雲、どこかへ飛んでゆく鳥、緑深い山々…。入院してもコロナ禍でお見舞いの人もいない中で、窓から景色を観たり、自分と向き合う時間がたっぷりありました。「自然ってすごいなぁ、とか、自分はこれからどうなるんだろう、といろいろ考えました。」 そんな時間の中で自分の思いを歌詞にし、曲もつけた。「これを自分で歌ってCDにしよう」。
 トランペット、クラリネット、フルートと、子ども時代から楽器に触れていて、数年前にはフルートの演奏をCD にした経験も!自分の想いをなにか残そうと思ったとき、それが音楽なのは上西さんにとって自然な流れでした。
 退院後は、食生活を見直しました。「以前は食べたい物を食べる、という生活。特に甘いものが大好きで、今から思えば炭水化物の摂り過ぎ?ムチムチと太っていたの」。悪玉コレステロールも多く、お医者さんからは薬を飲むよう言われましたが、「薬は飲みません、食事で改善します!」と宣言。やると言ったからにはとことんやる気質の上西さん。
 それからは野菜中心の食生活に切り替え、家庭菜園も始めました。するとなんとわずか3ヶ月で10キロも体重が減りコレステロール値も平常に。身体のなんと軽いことか。病気は健康を見直す良いきっかけだったと振り返ります。
 孫の子守りやひとり暮しの親との時間を共にしながら、あっと言う間に一年が過ぎ、CDのことは頭にはあるものの、なかなか形にできない日々が過ぎていきました。
 しかし、きっかけは思わぬところにあるもの。知人が教えてくれて参加した「人生これから!」主催のシニアポートレート撮影会。せっかくだからと、娘婿さんに買ってもらったファンシーなワンピースを着て参加しました。ヘアメイクも仕上がり皆さんに「まぁ、女優さんみたい!なんて声かけてもらって、リラックスできました」。
 できあがった写真は想像以上の出来映えで「これをCDのジャケットに使っていいですか?」思わず言った自分がいました。快くOKをもらい、CD化への流れは一気に加速したのです。
 後日、レコーディングも無事すませ、写真も制作業者に送りました。「作曲家の先生の素晴らしいアレンジと、演奏のおかげで自分の想いを音に乗せていただくことができました。音楽を通して生きる喜びと、感謝の心をお伝えできたら、と思います。」

できあがったCD「月夜の約束」

 いろんな人のおかげで病気を乗り越え、CDも作る事ができたと一連の流れに感慨深げな上西さん。今後はそれを忘れることなく元気に過ごしたい。休んでいた施設訪問などの活動も復活させ、歌や演奏を通して多くの人に喜んでもらえたら、と思っています。 「私たちって、やっと自分の時間を持てるようになった世代でしょ。命って限りがあるし、1日1日を大切にしなくちゃ。もちろん、楽しくね!」
 撮影会で伊勢和紙にプリントしてもらった写真は、タンスの上に飾り、「これいいでしょ、気に入ってるの」と少々照れながら夫に見せました。


あなたの「やってみた」をご紹介させてください。掲載された方には人生これから!編集のライフデザインノート『ゼロの昇天』を進呈!


vol.202 夢か悪夢かリニアが通る!vol.31


大深度工事、おびえる住民

 東京都調布市の住宅街で昨年10月に起きた高速道路「東京外郭環状道路」(外環道)の陥没事故。「大深度法」による国の認可を受け、地権者との用地交渉や補償をしなくても進めることができる大深度地下トンネルの掘削工事中に発生しました。この事故を受け、リニアの大深度地下トンネル工事の行方に注目が集まっていましたが、JR東海は着工に向けた一歩を踏み出しました。国の緊急事態宣言下の東京で6月8日、住民説明会を開いたのです。                                井澤宏明・ジャーナリスト

「外環さん」とは違う

 説明会は、「第一首都圏トンネル」(品川駅-仮称・神奈川県駅、約37キロ)が通過する品川と大田、世田谷の3区の住民が対象で、報道陣には「非公開」で行われました。
 計画によると、「北品川工区」は約9.2キロ。品川駅近くに掘った「北品川非常口」から神奈川県川崎市の「等々力非常口」まで、深さ55~90メートルをシールドマシンで掘り進めます。トンネルの直径は14メートルもあります。
 この日の説明会で関心が集まったのは陥没事故を受けたJR東海の対応です。担当者は事故の原因をNEXCO東日本が設置した有識者委員会の最終報告書に基づき、「特殊な地盤条件となる区間」における「施工に課題があった」と説明。「リニアには、事故が発生した『特殊な地盤』に当てはまる場所はないと考えているが、外環道事故を踏まえ、施工管理を強化する」と安全性を強調しました。
 追加のボーリング調査を行うことを求める声が住民から上がりましたが、中央新幹線建設部の吉岡直行担当部長は「私どものところの区間は『固結シルト』がほとんどを占めており、きちんと地質が把握できている。『外環さん』と違って、掘っていくところの確認がしっかりとできているので、改めてボーリングをする必要はない」と自信満々に答えました。
 一方、これまでは否定してきた大深度地下工事の地上への影響を一転、認めました。「シールドマシンが家屋の近くを通ったとき、どんなことが起こるのか」という問いに「ビット(刃)をぐるぐる回してトンネルを掘っていくので全く音、振動が出ないことはありえない」としたうえで、「建物の杭、基礎に振動が伝わって建物が小さく揺れる。それを振動として感じる人もいるし、空気の揺れを騒音、低周波音と感じる人もいる。騒音、振動、低周波音を抑え、シールドマシンがお宅の下を通っていることに気付かないようなるべく頑張りたい」と答えたのです。 さらに、トンネル真上と両側約40メートルの範囲で事前の家屋調査を予定していることを明らかにしました。

シールドマシンの発信地点となる北品川非常口。ここから大深度地下トンネルを掘っていくという(JR東海の説明会資料より)


「住民の理解」って?

 報道によると、会場に入れなかったマスコミにJR東海は説明会後、「住民からの理解を得られたと考えている」と説明したそうです。赤羽一嘉・国土交通相が陥没事故を受けて「地域住民の理解と協力」を得てリニア工事を実施するようJR東海を指導したことを意識した発言だと思われますが、これは長野県大鹿村など各地の説明会で多くの疑問や不安の声が住民から上がる中、JR東海が一方的に繰り返し不信を買ってきた「やり口」です。
 報道陣の多くは、説明会の模様を録音してもらおうと、住民にボイスレコーダーを託しました。録音を聞くと、14人の住民が質問しています。質疑は途中で打ち切られたそうです。
 「トンネルが真下を通り、陥没したり家が傾いたりするのではないか心配」「陥没事故ではシールドマシンの回転で低周波音が発生し、眠れる状態じゃなかったと聞いている。夜間工事はやめてほしい」「振動や音があると眼科手術ができない」――さまざまな不安の声が投げかけられましたが、「理解を得られた」ことを裏付けるような発言は1つもありません。
 「大深度地下については、通常は補償すべき損失が発生しないと考えられる」(国土交通省パンフレットより)という大深度法の前提は陥没事故で崩れました。説明会に参加した「リニアから住環境を守る田園調布住民の会」代表の三木一彦さん(63)は「リニアのルートは特殊な地盤じゃない、安全なんだとなぜ断言できるのか。施工管理をうちはしっかりやるから大丈夫と言われても、人為ミスは起きる。『しっかりやる』と繰り返されるたびに不安になる」。不信感は募るばかりです。

大都会のオアシス・洗足池のカワセミ。リニアルート沿いにあり、説明会では住民から「工事で洗足池の水が抜けるんじゃないか」と疑問の声が上がった(昨年11月撮影、東京都大田区で)




vol.202 ボーダーレス社会をめざして vol.61

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

家事

 先日、息子が馬肉を買ってきて、おいしく味付けした焼き肉にして食卓に出してくれました。自分の食べたいものを買い、作って食べることが出来るようになりました。それも家族の分まで作ってくれました。
 10年先を見据えながら子育てをしなくてはいけないと思い、自閉症の子どもを育ててきたつもりです。「自分のことは、自分でできるようになってほしい」と考えていましたので、小さい頃から家事をできることから少しずつやらせていました。実際にどのようにしていたのか、小学3年生の頃の記録が残っていましたので、読んでみました。
 実は、数年前まで私の脳は、息子が小学生の頃の記憶が完全に封印されており、その頃の記録があっても読めない状態でした。辛い思い出しか頭の中には残っていなかったからです。情けない話なのですが、クラスの子にいじめられた、先生に辛く言われたなど強烈なマイナスの記憶しか残っていなくて思い出したくなかったのです。実際、障がいのある子どもが普通学級に通うという事は、親に相当な覚悟がない限りできないものだと思っています。
 数年前にどうしても調べなくてはいけないことがあって、その記録を読んでみますと、とっても楽しそうな日々がその中にはありました。近所のたくさんの人に支えられ毎日、毎日楽しそうに暮らしている姿がありました。記憶って実に曖昧なのですね。とりあえず小学3年生の4月から夏休みまでの記録を読んでみました。
 5/31(土)朝、町内の掃除だったので、淳司もほうきを持ってお手伝い。ほうきの扱いが大変上手になっていた。学校でずいぶんやらせてもらっているのだなと感謝。家でも躾けねばと思う。
 6/2(月)花が買ってきてあったので(インパチェンス)10株、花壇に妹と植えてもらう。「じょうろでお水もやって!」と言う。じょうろを取り合いながらやる。
 6/8(日)伊木の森のアスレチックへ行く。お弁当作りのお手伝い。二人にチーズ巻きとおにぎりを作ってもらう。『おにぎり』という絵本(こどものとも)があるのでそれを見せ、本の通りに「手にお水をつけ」「塩をつけ」というふうに。妹も淳司も上手に作っていた。
 7/9(水)『ぐりとぐら』の本のカステラを作るというので、宿題をやって7時半頃から作る。これも自由勉強の一つとして。小麦粉を入れ・・・。というように、文章と動作を一致させやった。上手にでき、皆で食べた。おいしかった。 
 楽しそうな毎日の中で、家事手伝いを取り入れています。家族から認められ、喜ばれる経験はかけがえのないものです。大きな力として蓄えられること間違いなしです。


vol.202 菌ちゃん野菜応援団 vol.23

種から育てる!

 今年は夏野菜を種から育ててみたいね、と種と種蒔き培養土を入手。子どもたちと種を植えました。

 本当は菌ちゃん土で十分芽出し出来るはずなんですが、弱くなった種はなかなか芽を出してくれなかった過去があり、今回は培養土を買いました。
一つ一つ種を蒔きながらよろしくね、と声をかける。

 水をやったり強い雨に当たらないようにしたり。子どもを育てるように見守ること数日。芽が出たときの嬉しさったらないですね。

 また、昨秋植えた小さな小さな苗から立派な野菜が育ったりするのをみると、なんでこんな風に植えただけで野菜が出来るんだろう?何を吸収してこんなに大きくなるだろう、とついつい考えてしまいます。

 お日様のエネルギー、風、土、水、そんな自然が凝縮して野菜が出来るのならば、神様はまさにここにいるんだろうなぁ、とちょっぴりスピリチュアルなことを考えたりも。

自然の中には全てが揃っているんだろうなぁ。。
息子のまいた種は今すくすくポットで育苗中。
美味しいお野菜になるのかな。とてもとても楽しみです。


vol.202 未来に続く暮しの学びPrt-43

イマジネーションが与えてくれる贈り物。

 イマジネーション。[想像すること。私たちはイメージを頭の中で描きだせる力を持っています。イメージするのは自由。現実では成り立たないことがあってもいいところ。想像とは実際に経験していない事柄などを推測すること。現実には存在しない事柄を心のなかに思い浮かべること]と辞書には書いてあります。

 私の生活は、絵を描くことが日常で当たり前のようになっています。(コロナの影響でいろいろと生活が変わり、絵を描く時間が増えました!)
 絵を描くことは想像力を駆使していることに気づきます。描くほどに、想像の幅が広がり、楽しくなってきます。絵という表現を通して、自分の持つ能力にアクセスできるようになり、物語の世界に入り込んでいきます。内なる世界は、思っていたより深く、広い。
 私は今、いろんなマーケットで絵を展示しています。私の絵には、たまに変な生き物が出てきてしまって、こんなの描いたら変人だと思われるかな、なんて思ってしまいます。でも、人と話しをすると、「この生き物と夢であったことがある」とか、「私見たことある!」とか言われ、こっちがびっくり。
 想像することを楽しんで、ちょっと不思議な世界と繋がっても、前向きに捉えるとイマジネーションの世界はどんどん広がっていきます。

 想像力を保つには、意識的にグラウンディングします。地に足をつけることが大切だから。私の場合は畑仕事、自分のためだけの静かな時間です。土に触れることで、とてもいいバランスを保ってくれています。妄想や幻想は時に不吉な想像力を膨らませる場合があるのでそこは注意が必要なところ。私は半農半アートで模索しながらも、持続可能な暮らしを実践しています。


vol.202 原発事故は終わっていない 小出裕章さん講演会

「さよなら原発・ぎふ」活動10周年を記念し、小出裕章さんをお招きして、近著「原発事故は終わっていない」の内容を中心にお話をいただきます。

8月21日(土)14:00~16:00(13:30開場)
岐阜県図書館 多目的ホールにて
参加費:800円

定員148名(先着順) コロナ感染予防のため、マスク着用してご来場ください。

参加申し込み:お名前・電話番号・メールアドレスを明記の上、メールにて、伊藤hitou@kibousha.co.jpまでお申し込みください。

【さよなら原発・ぎふの活動内容】
 私たちは、フクシマ原発事故の起きました2011年の6月より、脱原発を目指して、3か月ごとに「さよなら原発パレード」を行ってきました。今年9月で40回目を迎えます。
 パレードと並行して、さまざまな取り組みも行っています。例えば2012年には、福井の美浜原発近くの水晶浜から1,000個の風船を飛ばして風向き調査を行いました。その結果、福井の原発に事故があれば、風下の岐阜に甚大な放射能汚染の被害が及ぶことが明らかになりました。

主催・問い合わせ先
さよなら原発・ぎふ 伊藤 TEL090-8952-0013




vol.202 ここいく日記 リレートーク はじめの19歩!

今こそ必要な「性教育」

 昨年度に続き、コロナの感染拡大で、性教育団体「いのちの授業」ここいく への授業の依頼はほとんどありません。そんな中で、学校ではないところからの依頼がポツポツあります。教育現場や社員向け、現役高校生が自らなどなど。いろいろな場で「性教育=生き方(人権)教育」が広がれば、優しい社会になるなぁとうれしく思っています。

 先日、その中の一つ、小・中学校の先生を目指している教育学部の学生さんに性教育をお伝えしてきました!!
 私たちの夢、「全ての子どもたちに性教育を届けたい」が当たり前になるためには、学校のなかで日常的に性教育を行える先生が増えること、これは何よりうれしいことです!うれしすぎて伝えたい思いがありすぎて、伝えたい内容をどうまとめるのか?いつものことですがぎりぎりまで悩みました。
 今回、授業の依頼を受けて、先生や生徒さんと話す中で、先生になる人を教える立場の先生たちも、生徒に何をどのように教えるかの教材すら持ち得ていないし、学んでいないために生徒に教えることもできていないという現実を知りました。時代がこんなにも変化しているのに性教育は化石みたいに眠ったままなのです。
 性教育の国際的な指針が書かれているユネスコの『国際セクシャリティ教育ガイダンス』この国際基準では包括的性教育はスタンダードです。そしてガイダンスでは普遍的に人権を基礎に置いています。誰もが「性的に健康である権利」、そのための「教育を受ける権利」が「性の権利」として位置付けられています。
 人権が尊重され、権利が保障される社会を築いていくために教育は確かな基盤となるのです。無知は罪という言葉があります。性感染症、デートÐⅤ、予期せぬ妊娠、これらは正しい知識があれば防ぐことができるのです。
 現代社会において、予期せぬ妊娠や性犯罪・性暴力が社会問題となる中、国は令和2年度から4年度までの3年間を、「性犯罪・性暴力対策の集中強化期間」としました。「生命(いのち)の安全教育」には 自分の身を守る重要性の理解のため、幼児期・低学年には水着でかくれる部分プライベートゾーンの指導をすることと、中高生には カップル間で起こる暴力、デートDVの危険性や嫌なことは嫌という大切さなどを指導することが加えられました。これは、性教育後進国の日本の教育が進化するチャンスだと思っています。
 このような現状の中で、『国際セクシャリティ教育ガイダンス』の最初のページに書かれている文章は、以下のように私たちに問いかけています。「メディアやインターネット、 仲間や劣悪なところから見つけてくるであろう部分的な情報や誤った情報、あからさまな搾取といった中に子どもたちを「放置するのか」それとも「尊重と人権といった普遍的価値の基盤にたった」科学的な包括的性教育に「挑戦するのか」‼「ここいく」はもちろん挑戦していきます!
 10年間活動してきた経験をもとに、今、私たち 「ここいく」にできる挑戦とは何かを模索していきたいと思っています。
今回の依頼のように、機会が得られれば、どこにでも性教育の必要性や伝え方のポイントなど、私たちの活動経験のすべてをお伝えすることができます。

 コロナを戦時中に例えることがありますが、今までの生活がままならなくなり、今までの価値観が大きく覆されようとしている今だからこそ、幸せに生きていくために何が必要なのか?何を大切にするのか?権利より義務を課せられることがより強くもとめられる今、基本的人権、その人がその人らしくいられること、色々な考え方や生き方があってよいこと、多様性であることが当たり前に保証され、尊重されることが求められます。私たちが目指してきた包括的性教育には生殖のしくみやいのちの成り立ちの話だけでなく、これらのことが根幹に位置付けられています。今こそ、性教育が必要なのです。
 必要な方々とつながり、私たちだからできることに挑戦していく時だと思っています。

担当:ここいくメンバー・中村 暁子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.202 連載-2 南の島よりハイタイ

花ブロックさんぽ

 沖縄に来て間もないころ、あちこちでブロックに模様の入った本土では見られない建物風景が目に留まりました。これを花ブロックと呼ばれることは、随分後になってから知りました。この花ブロックは、沖縄でコンクリート住宅が次々に建てられるようになったころ、
 アメリカ世(ゆ)、アメリカ政府による沖縄統治時代[1945年~1972年]の沖縄で生まれた建築工芸です。無粋なブロックに空けた丸や四角、菱形などを刻んだ穴を組み合わせ、素敵な幾何学的なデザインに積み上げていく。どこか琉球絣や花織の模様にも通じるものがあります。一般民家はもちろん、マンション、そして市役所、博物館などの公共建物にも多く使われています。平凡なブロック壁や塀にアクセントが付き、建物に個性が感じられます。花ブロックを探しながらウオーキングをするもよし、モノレールの車窓から見つけるのも楽しいものです。外観の美しさ、楽しさはもちろんのこと、心地よく暮らすために生まれた花ブロックは、機能的にもすぐれています。気温が高くて湿気の多い沖縄では、涼しく暮らすための工夫が必要です。太陽からの強い日差しを和らげ、同時に風を家の中に運ぶ優れもの。
 外から中が見えにくく、中から外の様子が分かります。花ブロックは昔の人が生んだ素敵な県産品です。
 最近では、建物の外だけではなく、インテリアとして室内に置かれたり、お店の店内の
 ディスプレイなどにも使われています。私事ですが、先日リノベーションした岐阜の実家の門に花ブロックを取り入れてみました。このおしゃれで機能的にも優れた花ブロックが、本土でも使われるようになったら・・・と、ひそかに願っています。


かとう まみ プロフィール
岐阜市生まれ。桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業 ・2015年5月:写真集「奥飛騨に響く種蔵の里」(岐阜新聞社)出版 ・2019年6月:写真集「ばあちゃんぼくが継ぐ」(岐阜新聞社)出版・個展3回 岐阜市美術展委嘱作家岐阜市美術展部会推進委員・岐阜県写真作家協会会員・二科会写真部岐阜支部委員・ギフフォトクラブ会員


vol.202 プレゼントコーナー

1- あなたの「省エネ夏の乗越え方」は?
今年も暑〜い夏がやってくる!でも、できれば省エネで過ごしたいですね。あなたの工夫教えてね。

2-気になるにらめっこ紙面での広告
3-気に入った記事、気に入らない記事の
 タイトル1つ・その理由もお書きください。
4-ご希望のプレゼント名(第1希望・第2希望を必ずお書きください)
 ※Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5-本紙をどこで入手されましたか?
6-氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:7月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.CINEX 映画招待券 シネックス様より…ペア3組様

色とりどりに咲き誇るたくさんの花々、広がる青空…。大きな画面いっぱいに広がる映像美に魅せられながら、ストーリーに笑ったり涙を流したり。そんな映画館ならではのひとときをどうぞ。写真は映画「ローズメイカー」のひとこま。柳ヶ瀬のシネックスでご利用いただけます。


B.小冊子「タネは命 子供のために日本の種を守ろう!」 にらめっこより…5名様

一般社団法人心土不二発行の冊子。種子法と種苗法との違いは?家庭菜園はこれまで通り種取りをしても大丈夫?など、タネについての18の疑問に丁寧にわかりやすく答えています。B6サイズ18ページです。


C.シャボン玉 酸素系 漂白剤 引換券  和楽様より…3名様

漂白、除菌、消臭の効果がある酸素系漂白剤。色柄物の洗濯や染み抜きにも使えます。成分は過炭素ナトリウムなので、塩素系漂白剤のようなツーンとした臭いもなく、塩素ガスが発生する危険もありません。和楽さん(一宮市時之島丸先2-12)店頭でお受け取りください。


D.竹製のうちわ 2本セット にらめっこより…3名様

竹製の骨組みで作られた、日本伝統のうちわです。自然素材の味わいがあり、涼しい風を送ります。これからの季節、一本手元に置いてあると重宝です。柄が全部違うので、にらめっこ事務所で選んでくださいね。