144号(2012.11&12)」カテゴリーアーカイブ

食は文化・食は芸術 緊急特集part-3 子どもを守れない国は滅びる 放射線による健康への影響 まず「知る」

放射線による健康への影響 まず「知る」

なんとなく、不安…放射線による健康への影響
まず「知る」ことから始めませんか?

知られざる内部被曝についてー25年たったチェルノブイリから福島を考えるー
講師:松井英介(岐阜環境医学研究所所長・医師)

生体系の中で生きる

今回の原発事故による放射線の放出を、みなさんはどのように受け止められたでしょうか。

私たちは空気なしでは生きていけません。また、私たちの身体は水でできていると言っても過言ではありません。私たちの祖先である小さな生き物は、海で生まれたといわれています。私たちの身体の7割、乳児の場合は8割が水に近い組成をもった水です。ナトリウムやカリウムなど塩分がバランスよく保たれた環境=内部環境の中で私たちの細胞は生きています。ホルモンの変動にあわせて微調整しながら、体温は一定に保たれています。心臓は私たちが生まれてからずっと一定のリズムを刻み続けています。

このような”いのち”の恒常性に支えられて、私たちは今ここにいます。そして、私たちは植物とは違って、ほかの生き物のいのちを自らの身体に取り込むことなしに、生きていくことができないのです。今回の事故は、あらためて私に、自分自身のいのちを、まわりのいのちとの関わりを考えさせてくれました。

大量の放射性物質を海に放出するとき、あるひとはこういいました。「海の水で薄まるから大丈夫!」。そのひとには、海に生き物がいっぱいいることを忘れていたのかもしれません。放射性物質をプランクトンが取り込み、それを小さな魚が食べ、その小さな魚を大きな魚が食べる。生態系の中でこのような食物連鎖を繰り返すうちに、放射性物質がだんだん濃くなることをご存知なかったのでしょう。

陸上でも同じです。乳牛は空気を吸っています。空気が汚染されれば、汚染物質を空気と共に肺に取り込みます。できるだけ自然な条件で育てようとされている畜産農家の乳牛は、アメリカ産の配合飼料ばかり食べているわけではありません。外に出て草を食べます。土も食べます。草や土が汚染されていれば、それも一緒に身体に取り込みます。

茨城の牛乳からセシウムが検出されたのはそのためでした。今回の事故の後、放射性物質は風の向きによっては数百キロ離れたところまで運ばれました。群馬県産の野菜からセシウム137が検出されたのは、風や雲と一緒に運ばれ、土の上に降り積もり、地下水に浸透していたセシウムの小さな粒を野菜が自らの体内に取り込んだ結果でした。

「放射線は距離の二乗に反比例して弱くなる」から、福島から200キロも離れた東京は大丈夫といったひとがいましたが、雨雲とともに運ばれてきた放射性物質は雨に混じって地上に降り注ぎ、その雨水を含んだ水道水は東京に暮らす人々の生活の中に入り込んできたのです。

放射性物質を含んだ水を飲んだ場合、一部は体内に残り、細胞の間にとどまった放射性物質の小さな粒子は、その周辺の細胞を照射します。放射性物質と細胞との距離が近いだけに、まわりの細胞に照射される放射線の強さは半端ではないのです。内部被曝の怖いところはここです。

胎児や小さな子どもは大人に比べ体重あたりでみると、甲状腺に取り込むヨウ素131の量もずっと多いのです。また、カリウムはナトリウムなどと共に、重要な塩分(電解質)ですが、カリウムと似た化学的性質をもったセシウム137は体内に取り込まれやすく、その影響は子どもにとってずっと深刻だと考えなければなりません。

放射線から身を守る

放射性物質を身体に取り込まないことにつきます。授乳中のお母さんには特別の配慮が必要です。体内で何回も繰り返し長時間にわたって、ごく近いところから放射線を浴びることを”内部被曝”といい、体外からごく短い時間放射線を浴びる胸部エックス線検査や胃透視検査などの外部被曝から区別しています。放射性物質は小さな粒ですが、そのまわりの細胞にとって、内部被曝の影響は、外部被曝と比べるとケタ違いに大きいのです。このことを大人も理解し、子どもにも教えないといけません。01

『見えない恐怖 放射線内部被曝』より
松井英介・著 旬報社 1,400円

今回の福島原発事故で自然界に放出された放射性物質の量は、人類史上例を見ないものであると考えられます。その意味でも世界中から注目されています。これから気の遠くなるほど長く続く放射線による健康影響をどうするのか、どのように生きていけばいいのか、子どもたちを交えて、私たち一人ひとりの生き方の問題として議論を深めていきたいものです。

 

国と自治体に次のような要求をしましょう。

1-国は、放射性物質に関する検査点と検査項目を時間的空間的にできるだけ細かく定め、全放射線核種に関する検査結果をreal timeで各自治体に通知すると共に、マスメディアおよびインターネット・メディアを通じて公開すること。

2-国は、数千キロメートル圏内をカバーするWSPEEDIの広域汚染状況予測値を誰でもわかりやすいアニメーションとして、1と同様、いつでもどこでもアクセスできるように、リアルタイムで公開すること。

3-水道水、野菜や肉、海藻や魚介類、牛乳などの飲食用農水産物の汚染状況に関しては、放射性核種と放射線量(基準値以下であってもその値を)明記すること。生産地も、できるだけ詳細に記載すること。

4-次のような内容の要求を、友だちや家族、職場の仲間と相談して、都道府県・区市町村議会を通じて、首長に要望してもらう形で、政府と東京電力にくり返し提出しましょう。

当面個人でできること

1-内部被ばくを常に意識し、子どもに発症してくるであろう晩発障がいを予防するための、子どもの安全最優先の日常行動計画を立てる。

2-妊産婦、乳児、14歳以下の子どもは、優先的に避難させるべく、学校・幼稚園・保育所や地域で知恵を集める。

3-野菜や肉、海藻や魚介類、牛乳などの飲食用農水産物は、汚染の極力少ないものを入手する。便利さと安価なものに頼っていた生活スタイルと価値観を転換させ、バランスよく食べ、運動し、身体の恒常性・免疫力を高める。

4-WSPEEDIの広域汚染状況予測値に目を光らせ、風下になることが予想されるときには、とくに降り始めの雨に濡れないようにする。

5-子どもの基準値を定めるように首相に手紙を書く。ICRPなどの基準値を鵜呑みにしない。

『見えない恐怖 放射線内部被曝』より

プロフィール

松井英介(まついえいすけ)
岐阜大学医学部付属病院勤務、放射線医学講座助教授。退任後、岐阜環境医学研究所を開設。日本呼吸器学会専門医。廃棄物、アスベスト問題などにも関わる。

そして、ぜひ心がけて欲しいこと。

自己防衛。やはりなんといっても「食」が大事。内部被ばくを防ぐ5つの食べ方を紹介します。

01「水で洗う」
まずは表面についた放射性物質を洗い流す。15分ほど水につけてから洗えば、表面の汚染がとれやすくなりさらに効果的。

 

01「酢漬け」
酢はセシウムやストロンチウムなどの金属イオンと結びついて抽出しやすい性質がある。クエン酸も同じような効果が。

 

01「ゆがく」
細切れにしてからゆがくと、さらに細菌膜が壊れやすくなり、取り込まれた汚染水分を効果的に搾り出すことができる。

 

01「塩もみ」
浸透圧により、放射性物質を含む水分を内側からしみ出させる。漬け物や和え物の下ごしらえとしてもおすすめ。

 

01「煮込む」
下ごしらえしてから素早く煮て、うまみを逃さないように。汁物料理の場合は味付けの汁は別に作って、あとで具を入れる。

 

基本は水洗いから。

まず、しっかり土を取り除き、皮を剥くこと。キャベツやほうれん草など複数の葉が重なり合っている野菜は、外側の葉を数枚捨てることで、大幅に放射性物質をカットできます。次に、水洗い。野菜の表面に傷がついている場合は、傷んだ部分を大きめに取り除く。問題は、食材の内側に入り込んだ放射性物質。セシウム、ストロンチウムは水に溶けやすいので洗ってからさらにゆがく、煮るという方法で細胞壁を軟らかくし、野菜内の水分を搾り出すのもおすすめ。塩を使って浸透圧でしみ出させる塩もみや塩漬けも効果的。また、この2物質が持つ金属イオンは酢と結びついて溶け出しやすいので、酢に浸すのもよい。その際、ゆで汁や煮汁、付け汁は飲まずに捨てます。


食は文化・食は芸術 緊急特集part-3 子どもを守れない国は滅びる 流れの中で立ち止まり、もっと議論をしよう!

食は文化!食は芸術!「続・福島原発事故を考える」

流れの中で立ち止まり、もっと議論をしよう!

1973年にオイルショックで化石燃料の枯渇が問題となり、原子力エネルギーに突っ走って、今や日本には54基もの原発が点在している。そして今、福島原発の事故を受け、再生可能な自然エネルギーにシフトしようとしている。それはかつて世界大戦に突き進んでいった時の日本の姿を思い起こす。「目的」(=脱原発)をはっきりさせ「合い言葉」(=再生可能な自然エネルギー)をもたせ、ある種の興奮状態(=アクション)を作り出していく…。いまこそ、その大きな流れの中で立ち止まって、自分で考え、行動する勇気を持ちたい。「<原発>をやめて、今市民にできること」をテーマに講演された、山田征さんのお話の中から、「わたしたちにできること」を探ってみました。(以下は山田さんのお話の一部を要約したものです)

全ての原発がなくなっても電力不足にならない。

それは原発には火力・水力、2つの発電設備がセットになっているから。電力不足にならないのなら、新しくエネルギーを作る設備は要らないのでは??「石油の代替が原発」が世の中の流れとなった1973年に酷似していて、とても気になります。自然エネルギーの設備が増えれば個人負担も増える仕組みです。大きな企業になれば億単位の負担となります。経産省では個人の家庭でも、自然エネルギーの設備が増えると数千円の負担となるだろうとコメントしています。

そのカラクリは…「原発」も「自然エネルギー」も国策であるということ。今国会で問題になっている「再生エネルギー促進付加金」を全電力使用契約者から徴収する、つまり全電気利用者に負担させるという決定がされました。

自然エネルギーの発電設備は高額なため、なかなか普及できなかった。そこで業者がやりやすいようにと成立させた法案です。多くの人は今回の原発の恐ろしさで、自然なら安全と単純に思ってしまいました。しかし、その「自然エネルギー」つまり太陽光や風力発電、その他の発電設備を増やすための費用を全て自分たちが負担させられるということをご存じでしょうか?とりあえず今年度は「太陽光」の分だけですから一般家庭で2円から数十円で収まるようですが、今回の「再生エネルギー促進付加金」が可決されると、一般家庭で150円から200円以上の負担となり、自動的に銀行口座から引き落とされるのです。これには納得できません。ですから私は徴収分を差し引いて使用した電気料金分のみ振り込みました。すると三鷹に住む私の所へ東京電力から集金に来ました。「支払いを拒み続けるとどうなりますか?」と逆にたずねましたら「電気を止めます。これは法律ですから」と。それでは徴収分は行政の方に払うべきでは?と食い下がりましたら黙ってしまいました。

自然エネルギーにはまだ問題点があります。

下の図(各種発電設備の特徴)を見てください。電気をつくるのに外部電源がいるとはおかしな話です。しかも風車の羽は強化プラスチック(石油の固まり)で30?50tもあります。自然の風では重くて回らないため、中に組み込まれたコンピューターが風を検知し外からの電気で羽を回します。また「ソーラーパネル」の材料はシリコンやアルミです。それをつくるために大量の電気を使います。

このように「電気をつくる道具」をつくるためにたくさんの資源と大量の電気を消費します。しかも元手をとらないうちに耐用年数が終わってしまいかねません。そして新たなゴミ問題が生まれます。さらに、日本は山間部の多い国ですから、適地が少ない国です。今現在2000基以上の風車がありますが、適度な海浜地区はほとんど建てつくされ、人家の近くや山々の稜線が狙われています。そのため山の尾根まで資材を運ぶ幅広道路の建設からはじまります。風車は金槌を逆さに建てるようなモノですから基底部分は40m四方、深さ10mの穴を掘り、2000t以上のコンクリートを流し込みます。そのための作業場が造られます。

私たちは「火」を使う生活から離れつつあります。やかんや鍋を直火に乗せればお湯が沸きご飯が炊けます。でも今の私たちの社会は、火で電気をつくり、その電気で電気をつくる道具をつくり、その電気を使ってお湯を沸かしご飯を炊いているのです。そのようなものを造れば造るだけ、石油も石炭もガスもその他の資源もどんどん消えてしまい、残るのは原発からでるゴミ同様、たくさんの粗大ゴミです。何かを造るときは、それがゴミになるときのことまで考える必要があります。

「石油」という資源は飛行機を飛ばし車を走らせ、ありとあらゆるものを作りだすことのできるとても大切なものです。少しでも長持ちさせるようにしなければと思います。これから先の時代を生きていく人たちのことを考えて、私たちは立ち止まる勇気を持ちたい、と思います。(山田 征)

各種発電設備の特徴

01

プロフィール

やまだ せい
4人の娘達の子育てと共に、農家と直接関わりながら共同購入グループ「かかしの会」を約20年、地元の学校給食に有機農産物他食材全般を約17年にわたり搬入。仲間と共に レストラン「みたか・たべもの村」をつくる。並行して、反原発運動、沖縄県石垣島白保の空港問題他、さまざまな活動を経て現在に至る。著書:「ただの主婦にできたこと」(現代書館)、「山田さんのひとりNGO」(現代書館)他


食は文化・食は芸術 緊急特集part-3 子どもを守れない国は滅びる もっと知りたい!原発のこと!放射能のこと、エネルギーのこと!

もっと知りたい!

原発のこと!放射能のこと、エネルギーのこと!地球温暖化のことも…

今各地で行われているアクション。ムードで参加するのではなく、自分で調べて確かめて、よく考えて、行動したいですね。いま私たちにできることは「本当のことを知る」ことでは?でも…何が本当で、何が不誠実なのか…情報は一つではないので、あらゆる角度から取り入れることが大切です。そこで各地で行われる勉強会やイベント情報を集めてみました。都合がピタッとあう時にぜひ参加してみて!

映画上映会「ミツバチの羽音と地球の回転」

2011年11月5日(土)
午前の部 9:30-11:45(開場 9:00)
可児市文化創造センター 映像シアター
午後の部 13:30-15:45(開場 13:00)
中部学院大学各務原キャンパス 大講義室
協力費 前売り 800円(当日1,000円) 小中高大生 500円

日々の報道から放射能の恐ろしさを知らされています。フクシマの人々の苦しみを思います。今回の災害は、エネルギーについて考える大きなキッカケとなりました。太陽光や風力などの発電を促進し「脱原発」の社会づくりを前進させるという「再生エネルギー特別措置法案」がこの夏成立しました。際限なくあって当たり前と思っていたエネルギーについて、どうあったらよいのか一緒に考えたい。どうか参加してください。

問い合わせ:058-384-3150 清水

放射能勉強会 第4回「安心して暮らしてゆくために」

2011年11月26日(土)10:00-12:00
美濃かも文化の森みどりのホール
講師:田中 優 参加費 1,000円
問い合わせ:090-9939-8591 中山

みんなともだちtunagariフェスティバル Vol.2

(→ホームページへ

「人と人とのつながり」「地球環境とのつながり」「親子のつながり」「いろいろな考え方とのつながり」「地域とのつながり」「過去や未来とのつながり」などを参加して下さった皆さんと一緒に考えたり、感じたりできるお祭りを開催しよう!ということになりました。

世界おかあちゃん同盟の日設立記念イベント
2011年11月26日(土)10:00?16:00 雨天中止
岐阜市金公園文化センター前広場
☆ステージ・WORKショップ・クラフトショップ・オーガニックフードなど

田中 優 講演会「みんなと考える子どもたちの未来」
2011年11月26日(土)16:30-19:00 岐阜市金神社会館3F広間
参加費 1,000円(別途託児料・託児保険)
問い合わせ tunagariフェスティバル実行委員会・世界おかあちゃん同盟 ぎふ 090-3589-1454(早矢仕)

震災後、福島第一原発の事故を受けて、私たちは何をどう考えていけばいいのか…。原発の問題だけでなく、放射性物質とのかかわりあい方、地産地消をはじめ、節電など一個人、家庭の中で今後子育てをしていく上で、何を気をつければいいのか…。様々な視点から参加される方と考えるキッカケを作りたいと企画しました。

01

アンケート取り隊・募集

お手伝いいただける方は、下記いずれかのかえる同盟者までご連絡下さい!
058-266-5004(岡田・mbカフェ)
058-385-4572(千田・空歩21)
0574-54-1355(櫻井・わらべ村)
058-383-8666(三上・にらめっこ)

 


第6回 こども芸術村作品展 今年のテーマは「森のいろ」

第6回 こども芸術村作品展
2011年10月12日(水)~15日(土) 岐阜現代美術館

今年のテーマは「森のいろ」

01 飛騨高山の森の中で、木や葉っぱなどの自然物を収集して、大きな鍋でぐつぐつ煮出して染料を作り、長い布に「森のいろ」を染めました。

今年も岐阜現代美術館で作品展を開催。広い空間に、子どもたちが染めた布や、Tシャツ、絵画を展示しました。

いつも思うことですが、本当に子どもの発想はおもしろいです。しかも、迷わず大胆に色を塗ったり構図を書いたりして、スタッフはいつもその想像力に圧倒されてます。

「自然、こども、アート」というキーワードで活動が始まった「こども芸術村」。来年もはじけるような子どもたちの笑顔に出会えることを願っています。

01

01

01 01


ぐー・ちょき・ぱー ボーダレス社会を目指して(27) 伊藤佐代子

きょうだいを思う

先日岐阜特別支援学校で「きょうだい」についてお話をする機会がありました。きょうだいの話をし始めると何故か涙腺が緩んで涙が出てきます。参加して下さった人も涙を拭きながらの話し合いになりました。

障がいのある子を育てると同時にきょうだいを育てるのに親は苦悩をしています。きょうだいに辛い思いをさせたくない、できるだけのことをしてやりたいという思いに駆られながらも十分なことができない…そんなふうに子どもを思っている親が多いのではないかと思います。このきょうだいの事を話す機会を頂いたことで自分自身の考えをまとめることができました。

障がいのある子のきょうだいを育てるのに大切な事は

  1. きょうだいの方を優先しなくてはいけない時がある
  2. SOSを出していたらしっかり受け止める
  3. 1対1で向き合う時間を持つ
  4. 愛情は50:50
  5. 約束は必ず守る
  6. 私たちは子育ての原点を知っているということを自覚する
  7. その子らしく生きることができるよう応援する
  8. 信頼関係を築くこと…とことん信用する…自分の子だから
  9. 障がいのある子をしっかり育てている姿を見せること
  10. その子を大好きであること

…だと今は考えています。
子育ての原点を知っているというのは、学歴など全く関係のない世界で障がいのある子どもたちは暮らしています。何が大切か?成績ではない。まず生きること、そこに存在するということです。彼らがそこにいるだけで価値がある。彼らを知ることで周りの人は多くを学びます。

障がいのある子のきょうだいも一般の方もそこにいるということがまず一番に大切なことなんだと思います。と言っても障がいのある子を育てるのは大変です。いるだけでいいんだなんてお気楽な事は言っているわけにはいきませんが、きょうだいにはせめて「自由に自分の思い通りに生きてよ!」という考えになるのです。

愛情を注いだつもりでも「お母さんはお兄ちゃんの方がかわいいんでしょ」と言っていた娘が不憫で、申し訳ない気持ちはずーと持ち続けていました。体は一つしかありません。障がいのないきょうだいを思い葛藤しながら育ててきました。

プロフィール

伊藤 佐代子 (いとう さよこ)
伊藤淳司の母、岐阜障害者就業・生活支援センターの支援ワーカーをした後、NPO法人オープンハウスCANの理事長。地域で暮らす障がいのある方の生活支援や障がいのある方と書道を楽しんでいる。

リンク

NPO法人オープンハウスCAN


知的に楽しく学ぶ・遊ぶ・集う Activa おとなのあそぶ 瓢ヶ岳軽登山

おとなのあそぶ 瓢ヶ岳軽登山

アクティバ「おとなのあそぶ」では今回は軽登山を楽しみました。

01

瓢ヶ岳(1,163m)頂上から望む高賀山

 10月7日am7:00集合出発!登山初心者も含め総勢7人と1匹。肌寒いのもつかの間、歩き始めるとうっすら汗ばむ陽気に、おしゃべりもはずむ。

01 01

01 01

01 かつて山は、大学の山岳部や一部の社会人の山岳会によってリードされ、ごく一般の人たちには近寄りがたかったといわれていました。しかし、スポーツアルピニズムも有限のフィールドが底をつき、一般的なルートでの活躍は山小屋の整備やプロガイドの誕生もあり、若者から中年に、そして中高年にその場を明け渡す感じとなった。だから!山は自然の心地よさを求める中高年の天下です!

ですが、最近は「山ガール」とかが流行りだし、静かに自然の中に身を置いている空間に「キャー、めっちゃきれいやん!」「すっげー、気持ちいい!写メしなきゃ写メッ」と身なりも言葉も現代風な若者が混ざる。しかし、それもにぎやかでよし、としよう!

 


知的に楽しく学ぶ・遊ぶ・集う Activa アクティバ たんぼプロジェクト

9月24日(土) 稲刈り

 アクティバたんぼプロジェクト2年目のお米の出来は如何に?

01 今年は田んぼの一角に「古代米」を植えました。粒は濃紫色で大きい。稲も長くて一目で違いがわかりました。

 今年は一畳刈りの機械参入。しかし、台風15号の影響で田んぼはまだ完全には乾いておらず半分以上はぬかるみ、活躍はほんのちょっと。あえなく手作業にバトンタッチ。それでも、ありがたかった。稲刈り最中にメンバーが「カヤネズミ」の巣(跡)発見。

01

02

03 04

05 06

カヤネズミの巣跡。

01 カヤネズミは日本で一番小さなネズミです。体長は6cmほど。体重は5gほどしかありません。ススキなどイネ科の植物でまりのような丸い巣を作るのでマリネズミという呼び名もあります。直径10cmくらいの大きさで見た目は鳥の巣のよう。その巣の中で子供を産み育てます。雄も雌も巣を作り、休憩用と子育て用と使い分けます。冬は地下にトンネルを掘って過ごします。ほ乳類で草の上に巣を作るのはこのカヤネズミだけ。特徴は周辺の葉っぱを引っ張ってきて細く裂いて丸めているところ。いあやぁ〜ほんと可愛い巣です。

10月4日(火) 脱穀・唐箕・籾すり

今年も登場。足踏み脱穀機。リズムに合わせてグィ〜ン、グィ〜ン…と足踏みしながらの脱穀。稲の束が絡むととたんに足踏みが重くなり、一定のリズムで回転させるのはなかなか難しい!唐箕(わらのクズや籾殻と米の入った籾とを選別する)も経験がものをいいますね。昨年の体験・経験が私たちにもちゃんと実っています。(^о^)

01 01

 

 01脱穀した時にこぼれた米や、稲穂をていねいに拾い上げます。モッタイナイ!ですから。
出来栄えはいかに?
そのお味は来年の収穫祭で!

01

01


知的に楽しく学ぶ・遊ぶ・集う Activa 生前準備講座|第4回「終末期医療について」ホスピスの基本的な考え方 |第5回「こころに残る遺言状について」

生前準備講座 第4回「終末期医療について」ホスピスの基本的な考え方

2011年8月31日(水) 岐阜中央病院 松尾啓子 看護師長
01 死は自然なことと認めます。無理な延命や意図的に死を招くことをしません。苦しみの中に生きている人もいます。これも命、何か意味があるはずと受け止めています。うれしい!とか楽しい!などと常に意識して感じるとNK細胞が増え免疫力がアップして生きる力をつけていくという生きがい療法、民間療法などでガンが治ったという例もあります。ですが、人は生きてきたようにしか死ねないんですね。

病院(ホスピス)はこれ以上増やさないだろうと思います。本来はお家(在宅)で過ごすのが一番。そのサポートを出来るシステムを確立したいと思っています。訪問看護とか、往診とか。中央病院をセンターとして各家庭を回る…看護という分野を医療と分離させていく動きもあります。人として人を看る。治療は医療として診る。ということです。

Q:ホスピスではみなワイワイにぎやかに過ごしているが孤立している人はいないのか?
A:みながみなワイワイと過ごしている訳じゃない。一人を好む方もいらっしゃる。それはその方の生き方だから、無理強いはしません。ただ、メッセージを発せられることもありますので、その時は寄り添うようにしています。
Q: 今年父を亡くしました。どう看護したらよかったのか迷ったのですが…
A: 迷った時はとにかく行動を!電話一本でもいいから。

 和やかな雰囲気ながらもとても充実した講座(内容)となりました。

生前準備講座 第5回「こころに残る遺言状について」伝えておきたい事柄

2011年9月28日(水)司法書士 青木文子 氏
01 「遺言を残すメリットは、法定相続分と異なる分配をしておくことができる。法定相続人以外のもの(友人。知人、公益機関)に遺贈することができる。様々な財産を相続財産として指定できる。家族関係が複雑な場合、相続人間のトラブルを未然に防止できる。なによりも自分の気持ちを伝えておくことができる。」と講師の青木さんは遺言は毎年自分の誕生日に書くことを進める。感謝の気持ち、自分の棚卸しにつながる。

内容は毎年更新して、日付が一番新しいものが有効となる。一通りの遺言についての基礎知識を得たあとに展開した「ワールド・カフェ」で各テーブル4人が「遺言」についてフランクに話し合いをしました。今回は、座学とワークショップを取り入れたひと味違う講座となりました。

「ワールド・カフェ」スタイルを取り入れ、遺言についてグループセッション。その後、一番記憶に残ったフレーズを書き留め、全員が発表。「気持ちを伝える」「行動する」「手紙を書く」など意見が出ました。

01 01

リンク

岐阜中央病院
青木文子司法書士事務所


まいまいの看護師見習い奮戦記~From Newyork~

NY貧乏Nuseものがたり part -6
まいまいの看護師見習い奮戦記 ~From Newyork~

あるコロンビア人のおじいちゃんの話

病室にいくと見覚えのある顔に出会えた。たしか過去に何度もホスピス病棟に入退院を繰り返してたあの人だ。おくさんは英語がほとんどしゃべれない スペイン語のみ・・・

彼は私にイスラム教のChaplainを呼んでほしいと頼んできた。(病院にスピリチュアルケアのサービスがあって、リクエストさえすれば自分の宗教・またはどの宗教でもお祈りできるようトレーニングされた人がきてくれます)

彼、どうみてもラテンの顔でスペイン語が母国語なのに、イスラム???この辺のラテンアメリカの人はほとんどがカソリックだからびっくりした。そしたら、おじいちゃんはゆっくり話してくれた。

自分はムスリムで38年前に改宗したんだ。自分は一日に5回お祈りもするし、アラビア語でコーランを読む。家族も妻もみんなカソリックだけど、私はムスリムです。でも自分は他の宗教もリスペクトしていて、妻もモスクについてきたり、自分も妻のチャーチのミサにいったりもする。お互いに尊敬しあいさえすれば、何の問題もない。それぞれの宗教はそれぞれに美しい。うちはふと、みんながこんなふうに考えられたら紛争も戦争も生まれなかったやろうか・・と思った。

彼は、私の宗教についてもきいてきた。死んだらどうなると思う?天国と地獄はあるか?この世とあの世をどう考えるか?お線香はなんで焚くのか?お坊さんはなんでお輪を鳴らすのか?あの袈裟の色にはどんな意味があるのか?とまぁ、仏教徒とこたえたものの私が知らないことまでいっぱいいっぱいきいてきた。自分のあやふやな宗教観と、知らないことばっかりでちょっと恥ずかしくなっちゃった。でも、自分の知っている範囲で、信じることと、日本の文化を織り交ぜて話した。おじいちゃんはとても興味深そうにきいてくれて、最後に、美しいねって。

最後におじいちゃんは、私はね、死んだらムスリムとして土葬してもらいたいんだ。カソリックとしてお葬式はあげてほしくないし、火葬されるのも嫌だ。イスラムに従って一人のムスリムとして土に埋めてほしい。でも、貯めておいた8万円では、土葬もできないとわかって途方にくれたよ。そしたら、ホスピス訪問看護師の一人、モハメドさんが自分の希望をきいて、モスクやイスラム教の団体に連絡してくれた。そしたら、2つもの場所から連絡がきて、希望どおり土葬をしてくれることになったんだよ。

私はうれしくてね。やっぱりアラーはみていてくれてるんだね。アラーに感謝したよ。当然土葬の日には、私の家族は私の意志を尊重して、モスクでもイスラムを軽蔑することなくしきたりに従ってほしい。私はそれを願っている。それは全部家族に伝えてあるし、葬式などの手配も全部整っている。あとはもう待つだけだよって。

こんなケースはあんまりない。自分も周りも旅立つ準備ができていて、自分の希望や意志が周りにも伝わっていて、きっとそのとおりに実行されると思う。それは彼が家族や周りの人間に対して築いてきた人間関係の上に成り立っているものでもあって、またそれがかなえられる状況があったからこそ成り立ったものでもある。

もし病気が脳や意識障害をもたらしていたら、難しかったかもしれないし、アメリカじゃなかったらできなかったことかもしれない。生前から家族や親戚に自分がどういう人生を歩んでどういう最期を迎えたいかを伝えることは大切なことで、縁起でもないことを・・ってめんどうくさがらず、死も人生の一部であることを認識して話せるといいなぁ。

プロフィール

まいまい
ニューヨークの片隅在住。2010年6月に看護師国家試験取得。不況のあおりで就職難民・・・そんな日々の中で感じたこと、気づいたことを現地からお届けさせていただきます。

 


ぎむきょーるーむ 自己肯定感って・・・なんだろう?

01今の自分に満足してる?
子どもの声

—– YES —–
・ 好きなこともあるし、家族も好きだし、友だちもいる。(小5・男子)
・学校でクラスの中心になって動くと「さすが!頼りになるわー」などといわれることがたくさんあるので、自分がやっていることは正しいんだと思える。(中3・女子)
・家族6人が元気でいてくれて、育ててくれてありがとうという気持ちです。(小5・女子)

—– NO —–
・ 目標があってもそれに向かっていけない。(小5・女子)
・ あらゆる問題を背負いすぎていて、いまにも崩れそう。(高2・男子)
・ 絵がうまくないし、スタイルもよくないし、頭が悪い、顔立ちが悪い。(中3・女子)

 

落ち続けてきたオレが息子にいったこと・・・玉袋筋太郎

01 少年時代?そりゃ自信なかったよ。運動できないし、勉強できないしさ。だけど卑屈になることもなかった。なんていうのかな、全員がスターになれるわけじゃなく、脇役もいる。それぞれにポジションがあって、オレもどっかいいとこあんだろう、ぐらいに思ってた。オレのいいところを認めてくれる仲間がいたしね。

ところが、小学校三年生のとき、授業中にウンコをもらすという大失敗をしでかしちゃったんだ。これって致命傷だよ。それまでのオレはおもしろいこといったりして、けっこう人気者だったわけ。もうすっかり凹んだね。

この大ピンチをどうやって乗りこえたかっていえば、やっぱり仲間がいたからだろうな。へたに同情されたり、かばわれたら立つ瀬ないけど、彼らだけは見て見ぬフリというか、そっとしておいてくれた。だから、またひょうきん者にもどれたんだと思う。

失敗したって、「そんなこと、どうってことないよ」っていってくれる人が一人でもいたら、子どもは楽になるんじゃないかな。近所のおじさんやおばさんでもいい。ついでに「いつもあいさつの声が大きくて気持ちいいね」なんて、ほめてくれたら最高だよね。自分を見てくれる人がいるって、自信につながるよ。

じつはいま、息子がメチャクチャおちこんでいるんだ。大学の推薦入試に失敗してさ。同じクラブから息子ともう一人が推薦枠のセレクトを受けて、息子だけ落ちた。親の目から見てもほめてやりたいくらい熱心にとりくんできたから、自信喪失なわけよ。

オレは息子に言ったんだ。「相手をねたむな。『よかったな』っていえれば、受験には失敗しても人生では合格だ」って。そしたら彼の表情が明るくなってきた。

大学入試の失敗なんて、長い目で見ればどうってことないともいったよ。オレなんて、仕事でどれだけセレクトに落ちつづけてきたか…。考えてみれば、人生は大半がつらいことや傷つくことばかりだよ。だけど、ひとつでもいいことがあれば生きていける。だから失敗をおそれるなっていいたいね。

それに、失敗しても笑えばなんとかなるって。「笑う門には福来たる」っていうだろう?失敗をみずから笑うことで、不思議とパワーが出てくる。例のピンチも、仲間の存在と「ウンコもらしの赤江(オレの本名)です」って笑いに転化することで乗りきれたんだよ。

漫才師 玉袋筋太郎
漫才コンビ「浅草キッド」のメンバー。著書に「男子のための人生のルール」(理論社)などがある。一児の父で、ライフワークはスナック通い。

「これでいいんだ」を積み重ねて・・・辰巳渚

01 大人になって働きはじめてからは、こんなことがありました。仕事がうまくできなくて、精神的にも肉体的にも参ってしまい、辞めざるをえなくなったのです。人と話すのもこわく、しばらく家のことだけをして過ごしていました。でも、そうしているうちに、ごはんがおいしかった、布団を干したら気持ちいい、部屋を掃除したらすっきりした。あたりまえのことをあたりまえに感じることができ、「ちゃんと自分がここにいる」と思えました。枯れていた自分が、満ちていったような気もしました。

このように、すごく落ち込んだ状態から、時間とともに自分をニュートラルにしていくことができたのも、子どもの頃に愛された思いや、何度でも自分で再生できる「支えになる言葉」があったからだと思います。

「あなたがいてよかったわ」。私は子どもたちによくいっていますが、親ができることのひとつは、そういった支えにできるような言葉かけをすることかもしれません。私は「家事塾」を主宰していますが、子どもは家のこと、身のまわりのことを体感することで、自分ができること、できないこともわかります。誰かの役に立つ実感も得られます。親も言葉をかけやすい。自尊感情が育めるものだとすれば、こういった日常でなのだと思います。

私の講座には、「家事のほんとうのやり方を知らない」といってくる人もいます。親子講座では、子どもの姿を見ているとアラばかりが気になってほめる部分が見つからないという人もいます。私が感じるのは、自分に対しても子どもに対しても理想が高く「これでいい」と思えない。自己評価が低い人が多いのかもしれないということです。

いま思えば、仕事をやめて家のことをひたすらしていたあの時期に、私は日常の小さな満足を得ることで「これでいいんだ」を積み重ねていたのだとも思います。

「家事塾」代表 辰巳 渚
2008年から、親子に家事の大切さとワザを説く「家事塾」を主宰。一男一女の母。「親子で楽しむこどもお手伝い塾」(明治書院)など著書多数。

抜粋

にらめっこのバイブル:こども・きょういく・がっこうBOOK『おそい・はやい・たかい・ひくい』N0.31より抜粋

リンク

ジャパンマシニスト社