「219号(2024.5&6)」カテゴリーアーカイブ
vol.219 謎すぎる菌ちゃん
微生物。見えないだけに謎多き存在ですが、「私たちヒトは、微生物に支えられて生きている」と専門の研究者は語ります。微生物は、土の中にも存在し、土壌の生成や生態系の維持に大きな役割を果たしており、農業をする上でも無視できない存在です。そんな土壌微生物が、昨今、いままでになく注目を集めていることをご存じでしょうか。それは、いったい、なぜでしょう。
研究で解明されていることは、たった1%
「微生物」とは、肉眼で捉えることができない小さな生物の総称。例えば、「細菌(バクテリア)」「カビ」「原生動物」「藻類」など。よく知られている細菌といえば、「乳酸菌」「納豆菌」「麹菌」「ピロリ菌」等々です。微生物は、私たちの手、口、鼻、目、皮膚にも潜んでおり、腸の中には100兆個が存在していると言われています。それらはバランスを取り合って、私たちの健康を支えてくれています。他の生き物にも存在し、空気中や、あらゆる環境の中にも息づいています。ただ存在するだけではなく、その場で増え続け、何らかの影響を与えているのです。現在、地球上の微生物については、どの研究者もこう言います。「99%は謎」。
大きくわかっていることは、私たちは、「微生物に支えられて生きている」「微生物に生かされている」、さらには「微生物に支配されている」と研究者が語りたくなるほど、切っても切れない深いつながりを持つ最も身近な生き物ということ。
菌ちゃんが分解できないものは?
微生物にも分解できない“ゴミ”があります。 それは微生物にとって有毒な物質。 また、もともと地球上にはなかった物質、例えば人間によって作られたプラスチック製品などは、微生物による分解がむずかしい物質です。
では微生物は何を分解しますか?
通常、微生物は生物の死骸や枯葉などを好んで分解するのですが、中にはダイオキシンやPCB、残留農薬など、人間が合成した有害化合物を分解する変り者もいます。 このような微生物は、化学物質で汚染した土壌を修復するための、環境浄化技術に利用されています。
微生物は化学物質を分解できるのか
はい、自然界には分解されにくい化学物質をも分解してくれるような微生物が存在します。 そのような微生物、「分解菌」をうまく利用して汚染された環境を修復することを「バイオレメディエーション(bio=生物,remediation=修復)」といいます。 化学物質を食べて無害な物質に変えてくれる分解菌です。
希望のもてる最新研究
PFASをめぐる懸念のひとつは、人体や環境中にいつまでもとどまる点にあります。「永遠の化学物質」は、時とともに蓄積するおそれがあり、取り除くのは難しい。PFASを含む食品パッケージは堆肥化できず、ごみ埋め立て地を汚染します。
Fofbes JAPANによると、「永遠に残る」化学物質をナノテクノロジーと微生物で分解を目指す!として現在、ピッツバーグ大学とニューヨーク州立大学バッファロー校の研究者がその仕組みの解明に取り組んでいます。(218号にもこの記事の一部を掲載)
かたや、ヒトと微生物の関係について、日本の研究グループが、12年もの歳月をかけ、私たちの先祖をたどり、「アーキア」という微生物に行き着くことを解明しました。
私たちは、かつて微生物でした。微生物とは、深いところで繋がっていたのです。今、微生物のおかげで健康を保ち、私たちは生きています。微生物によって生かされているといっても過言ではないでしょう。
それならば、ギブアンドテイク。土が劣化しているのであれば、土の中の微生物が再び生きやすい環境を取り戻す手助けをする。それができたら、微生物も私たちも、正真正銘、共に地球を支え生きていることになるでしょう。土を耕し、土の健康を守ることは、実は私たちの健康を守ることにもつながっているのですね。
もう一つ。化学の進化は私たちの暮らしを大きく変えました。簡単、便利、安価…ばかりを追求すると自然界に大きなダメージを与えるばかりか、私たち人間に未知の不安を抱かせることになります。自然の理にかなった生き方を選択したいものです。
目に見えないものにもその気配を感じる事はとても重要です。PFASにしても放射能にしても、健康被害を与えないと言われる基準値は一応の目安ではありますが、それにとらわれると重要なことを見逃してしまう恐れもありますから。
かんじんなことは目に見えないんだよ
(サン=テグジュペリ)
小説の中で王子は「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」と教えられました。現代社会に生きる私たちは、目に見えるものばかりに心を奪われて、数値ばかりを追い求めてきました。その結果、大切なものを見失い、目に見えない多くのものに支えられていることに気付かなくなってしまったのではないでしょうか。
vol.219 廃棄野菜をアップサイクル
廃棄される野菜たち
にらめっこ編集部でも過去に何度も足を運び、膨大な量のキャベツや小松菜、ほうれん草などを収穫させてもらったことがあります。車いっぱいに積んだそれらの野菜は、編集室に置きその場で公開。欲しい方にもらっていただきました。収穫しないとその野菜たちはどうなるのか?
「はい、トラクターで踏み潰し土に混ぜる」のだそうです。有機物として土に還るとは思いつつ、野菜たちの本望ではないだろう…。複雑な思いで事務所から一時間以上かかる畑に、何度通ったことか。こういう現状の裏には、農家さんの忸怩たる思いがある。大きくなりすぎたのは市場に出せない、のだそう。適度な大きさに育ったものを収穫して市場に出せばその畑の役割は終わる。だから、それ以降の野菜は、次の野菜を植え付けるのに邪魔なだけ。さっさと土に混ぜるか、何日かの猶予を残し、その間に欲しい人が好きに収穫する。そういう現実にびっくりすると同時になんとかならないものかと思っていました。
こども食堂や、独居の方など必要としているところへ配る。「世の中には不必要な命など一つもない」という吉田先生(菌ちゃん先生)の言葉に後押しされて、命を活かす方法を選んだボランティアの人たち。それでも限界はあります。そんな折に希望につながる記事を見つけたのでご紹介します。
廃棄野菜がクレヨンに!?紙に!? TOPCONより
いま、廃棄野菜へ温かな目が注がれています。これまで農作物の世界では、取引や出荷の簡素化、流通の合理化によって定められた規格に適さない野菜が、「規格外」というレッテルを貼られ捨てられていました。いわゆる「食品ロス」です。 食品の廃棄は、「もったいない」だけではなく、捨てて燃やすことにより地球環境への負荷が増大します。そのため、日本では法整備され、SDGsへの取り組みとしても廃棄削減が強化されている最中です。つまり、不当な廃棄はNGへ。そこで、新たな付加価値を持たせる流れが盛んになりました。野菜を全く別のジャンルへと製品化させるのもその一つ。なんと、クレヨンや紙、洋服の染料へアップグレードさせる「アップサイクル」という方法が注目を集め、ヒット商品が続々と誕生しています。
隠れ食品ロス問題が2021年に浮上
食品ロスとは、「本来食べられるのに捨てられてしまう食べ物」のこと。売れ残り、規格外品、返品、食べ残し…。実は、ここには、出荷前に畑で廃棄される農作物は含
まれていません。畑で規格外と確認できる、曲がったキュウリ、丸くないトマト、先が分かれたニンジンやダイコンなどの変形野菜は、SNS映えはしますが、市場では廃棄されるとわかっているので、産地で処分。ダメージを受けている野菜も、同じく処分。また、豊作の場合も、価格を維持するための生産調整として産地で処分。これらは「畑の食品ロス」とも「隠れ食品ロス」とも呼ばれており、現状が見えにくくなっていました。
モノづくりにも廃棄野菜を活用
代表的なモノといえば、「おやさいクレヨン」(mizuiro株式会社)。廃棄された野菜(果物も)をパウダー状にして配合し作られています。それぞれのクレヨンには、色の名前ではなく、「きゃべつ」「ねぎ」「ごぼう」「ながいも」「とうもろこし」「雪にんじん」等と材料名の表記。
越前和紙の老舗工房「五十嵐製紙」が手掛ける「Food paper」も野菜のアップサイクルです。和紙職人の息子による5年間もの夏休みの自由研究『食べ物から紙を作る研究』がヒントとなり、地元の福井県で廃棄される野菜や果物を使用して紙類などが作られています。使用する野菜は、ニンジン、玉ネギ、ジャガイモがメイン。その他、オクラ、パプリカ、ショウガ、ナス等、収穫できる季節に合わせても製品化。
環境負荷が最も深刻とされるファッション業界でも、新しい価値が生まれています。野菜を中心とする廃棄食品に含まれる成分から染料を抽出し、素材や商品を提供するプロジェクトブランド「FOOD TEXTILE」(豊島株式会社)が名だたる企業をサポートしています。化学染料ではなく、野菜等による天然染料90%を使用したTシャツ、ネクタイ、シューズ、ハンカチといった洋服や雑貨に驚きを隠せない消費者が続出しています。トレーサビリティを徹底し、タグから読み取れる商品の背景や生産の過程を大切にしていることも大きな試み。持続可能を目指す社会では、ファッション業界でさえ取り組みが問われることを、このブランドは教えてくれています。
そもそも規格外野菜とは? なるほどSDGSより
市場で決められた大きさや形、品質、色の「規格」から外れてしまった野菜のことで、規格に合わない野菜や、傷がついた品質の良くない野菜は規格外野菜となるのです。
これらの規格外野菜は、商品として出荷はされません。カット野菜や加工品として商品になることもありますが、ほとんどが廃棄されているのが現状です。規格外野菜として廃棄される量は、生産された野菜量の約30%〜40%にものぼります。
では、なぜ規格が存在するのでしょう
規格を設ける主な理由としては、取引と流通を効率化するため。トラックで野菜を運搬する際、野菜はダンボールに詰められます。しかし、形がバラバラだとたくさんダンボールに効率よく野菜を詰めることが出来なくなります。
また、レストランなどの飲食店から野菜の形やサイズを指定されることも。それは、形の良い「きれいな野菜」を買いたいという日本の消費者の意識も関係しているでしょう。しかも、規格に合わせるように、必要以上に農薬が使われているのです。
食品ロスを減らす!私たちにできること
エシカル消費に徹すること。その取り組み例からできることを考えます。エシカル消費とは「人や地球環境、社会、地域に配慮した消費行動」のこと。このとき、・価格・品質・安全性・倫理性の4つのポイントで、「人、地球環境、社会、地域」に優しいものを選びます。
vol.219 永遠の化学物質を排出する!? 3つのデトックス方法
発汗による解毒
汗の分析は、ヒトにおける BPAの生体蓄積をモニタリングするための方法の一つとして考慮される必要があります。誘発された発汗は、BPAを除去する潜在的な方法のようです。BPAが体外に排出される主な経緯の一つが汗によるものだということが明らかになっており、サウナや運動で発汗することがBPA,PFASのみならず、他の有害な化学物質の除去を促進することが研究で明らかになっています。
誘発された発汗は、DEHFやMEHPなどの有毒な「フタル酸エステル化合物」の除去を促進するのに役に立つ可能性があり、汗から容易に特定される(おそらく組織に蓄積されているのでしょう)いくつかの有毒成分は、血清中には検出されなかった。誘発された発汗は、人体から多くの有毒要素を除去するための潜在的な方法であると考えられます。
「アブラナ科の野菜」による解毒
キャベツ、カリフラワー、特にブロッコリースプラウトのようなアブラナ科の野菜には、植物が本来、捕食者や病原体から身を守るための化合物である、ファイトケミカルの一つ、「スルフォラファン」が含まれています。スルフォラファンは、体の解毒力や抗酸化力を高める作用があり、がん予防にも効果的だということが、研究で報告されています。このスルフォラファンを含むものを摂取すると、私たちの体は「第2相薬物代謝酵素」として知られるものを放出し、 BPAや PFAS、その他の有毒な脂溶性化学物質(油に溶ける性質を持つ物質)を水溶性(水に溶ける性質)に変え、体がそれらを除去しやすくすることがわかっています。
腸内には、マイクロバイオームという細菌叢が存在します。肝臓の周り、そこから出ている総胆管にもマイクロバイオームがあり、肝臓から毒素を押し出しています。そこで野菜を使い、そこに存在するこれらの善玉菌に餌を与える必要があり、「アブラナ科の野菜」が有効です。これらは、肝臓の解毒を促進する素晴らしい効果があります。
発酵食品の解毒作用
近年の研究では、発酵食品には、BPAを分解して除去できる特別な細菌株が含まれていることが示されています。日本で行われた研究ではブレエベというビフィズス菌と、乳酸菌シロタ株の2種類の菌はBPAが腸内で吸収されるのを防ぎ、体内から排出するのに役立つものとして期待されています。また、2007年の日本、2013年のインド、2023年に韓国で行われた研究等でも、キムチ、大豆等(納豆)の発酵食品に含まれる細菌が、BPAをより無害な物質に分解することがわかりました。
腸内の微生物は、毒を分解する酵素を作り、解毒を助けます。オススメは、善玉菌とアブラナ科の野菜を組み合わせることです。例えばキャベツのような食物繊維のプレバイオティクスを発酵させます。キャベツはアブラナ科であるだけでなく、
発酵させると善玉菌にもなるため、解毒に役立つ
素晴らしい食品となります。
ファスティング、断食による解毒
化学物質の多くは、体内に多くのフリーラジカル損傷を引き起こします。それに対抗するため、私たちの体は「内因性抗酸化物質」と呼ばれる抗酸化物質を生成。特に断食すると、体がオートファジーの状態になり、体の損傷の修復のほか、病原体の除去も促進されます。断食は内因性の抗酸化ネットワークを増やすのにも役立ち、抗酸化物質がより多く生成され、免疫システムがより強力に。結果的に、体がフリーラジカルによるダメージに抵抗できるようになります。
大抵の環境毒は油に溶ける性質で、厄介な場合は脂肪の中に蓄えられます。その脂肪に蓄えられた毒を、最も効果的に解毒する方法の一つは食事を一時的に止めること、つまり断食です。食事を消化するのには、膨大なエネルギーが必要です。そこで、食べるのをやめると、体が一番助けが必要な場所を探して、そこにエネルギーを費やし始めるのです。ただその前に、まずその場所をきれいにして掃除しておく必要があります。それは、断食中にあなたの体が行なっていることで、解毒、デトックスがしばしばクレンズ(浄化)と呼ばれる理由なのです。
今回は摂取してしまったPFASやBPAを解毒する、有力な方法をリサーチしました。しかし、まずこれらの有害物質を極力避けるよう、食生活や生活態度を改めることが第一歩。摂取されたものに対しては、これらの手段が有効のようです。また、前述の野菜や、発酵食品を選ぶ際も、農薬、化学肥料、化学調味料、ある種の添加物などは、それ自体が毒素であり、そもそも解毒を行う肝臓、腸などの環境を悪化させるため、できるだけこれらのものを使用していない食品を選ぶ必要があります。
自分でオーガニック、有機野菜を買ってきて自然塩などで漬物を漬けるのも良いかもしれませんね。
※「マイクロバイオーム」とは、多様な微生物が集まったコミュニティのこと。 土壌や水中にはそれぞれの環境に応じたマイクロバイオームがあり、人体にも、口の中や皮膚、腸内、女性の膣内にもマイクロバイオームが形成されています。 その中で、特に近年注目されているのが腸内のマイクロバイオーム、いわゆる腸内細菌叢です。
岡山県吉備中央町
関係住民への血液検査 公費で実施
岡山県吉備中央町の円城浄水場から有害な有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題で、町は22日、基本的な健康対策を発表した。関係住民への血液検査や継続的な健康調査を行うとしている。
町賀陽庁舎で記者会見した山本雅則町長によると、PFASの血中濃度を調べる血液検査の対象は、浄水場の水を使用した円城地区約500世帯の希望者。町が水道水の安全を確保した昨年11月までの約15年間に居住・勤務した人も含む。費用は町が負担する。
外部委は「血中濃度の医療的な低減策が確立されておらず、かえって不安が増す恐れがある」として血液検査を推奨していないが、山本町長は定期検査により「濃度の低下が確認できれば安心につながる」とし、検査機関の選定や希望者の募集を急ぐ考えを示した。
山本町長は「住民の皆さんには心配をかけている。今回の方針や対策を広く周知し、不安があれば相談してもらい、一緒に解消していきたい」と述べた。
(2024年03月22日 21時16分 更新)山陽新聞デジタル
広島県東広島市
「PFAS」検出受け住民の健康診断実施
東広島市の川や水路で有機フッ素化合物(PFAS)のうち有害性が指摘される物質が国の暫定目標値を超えて相次いで検出されている問題を受けて、東広島市は23日、地域住民を対象に健康診断を行いました。
東広島市では、市内を流れる川や水路、それに井戸から「PFAS」のうち有害性が指摘される2つの物質が国の暫定目標値を超えて相次いで検出されています。このため、暫定目標値を超えている地域の住民を対象に健康診断を行うことにしていて、会場の集会所におよそ40人の住民が訪れました。
東広島市医療保健課の吉岡志保課長は「この問題で地域の人には健康面で不安を持っていて、市として寄り添うために実施した。受診した人には検診の結果を返しながらこの問題について話していきたい」と話していました。
市では、23日に受診できなかった人に向けて、4月以降も健康診断を行うことにしています。 NHKニュース
vol.219 ぎむきょーるーむ 早期教育のメリット、デメリット
今から20年ほども前の話。今は尾木ママで知られる尾木直樹氏の講演会がありました。(その当時から少しオネェことばだった気がします)それはともかく。早期教育は意味がない、とはっきりおっしゃっていました。 『早期教育を施して幼児期に特別な能力を身に付けても、小学校に入ったらほとんどが元の木阿弥。僕の娘の例をお話ししましょう。彼女は、カナダに留学するのですが、渡航前は、日本の勉強レベルはかなり上だったので、余裕のよっちゃん、意気揚々としていました。それは最初の一年だけ。あれよあれよという間にみんなに追いつかれ、抜かされて、慌てふためいたんです。向こうの学生は目的が定まることで、猛烈に勉強を始める。短期集中というかね。ということは、学力というものは、勉強に意義を見出せることが大事なんですね。』
もちろん、早期教育の全てが悪いわけではありません。でも、早期教育を始めるなら、いい指導者を見つけて、その後もずっとお金をつぎ込んで、子どもを「その分野で突出した子」にし続けていかなければならないの。尾木ママ(日経ウーマンより)
というわけで今回は「早期教育」を考えてみます。
早期教育は、未就学児に対して知識や技術の習得を目的に行う教育です。 英語や読み書き、運動などが例として挙げられます。 早期教育は、「好奇心や得意分野を引き出せる」といったメリットがある一方で、「自主性や創造性の発達が遅れる可能性がある」などのデメリットもあります。
早期教育と幼児教育の違い ほいくらしより
早期教育と似ている教育方法のひとつに、「幼児教育」があります。幼児教育は、児童の日常生活における、あらゆる場面での教育の総称です。そのため、保育園や習い事などに留まらず、家庭での生活や地域活動なども幼児教育に含みます。
知識や技術の習得を主な目的とする早期教育と異なり、幼児教育では多様な社会性を身につけることも目的のひとつです。幼児教育で身につけた能力は、今後の人生において子どもの基礎となります。早期教育と幼児教育を混同すると、教育の方向性が定まらなくなってしまうため、それぞれの内容をしっかり覚えておきましょう。
早期教育のメリット
メリット1:子どもの好奇心や得意分野を引き出せる
小さい子どもの好奇心を引き出すためには、新しい経験や物事に接するきっかけを、親が提供することが重要です。思いもよらないものに興味を持つ場合もあり、子どもの可能性を広げることにつながるでしょう。
また、多くの事柄に触れるなかで、子どもの得意分野を引き出せることもあります。得意分野の専門的な教育を受ければ、さらに才能を伸ばすこともできるでしょう。
メリット2:子どもに「自分はできる」という自信がつく
できることが増えると、子どもが「自分はできる」と自信を持つようになります。自信がつくことで、自己肯定感が高まり、子どもはほかの物事にもどんどん挑戦するようになるでしょう。結果として、さらに経験や能力の幅が広がります。
「よくできたね」などの肯定的な声掛けを行うことが大切です。「もっとこうしなさい」といった否定的な発言は、子どもが自信をなくしてしまう可能性があるため、注意してください。
メリット3:育児の相談相手を見つけられる
早期教育は、子どもだけでなく親にとってのメリットもあります。 幼児教室に通う場合、先生やほかの親と交流する機会が増えるため、育児の相談相手を見つけることが可能です。
育児をしていると、日常的にストレスがかかる場面が多くなります。特に、母親は育児に専念していることも多いため、日ごろ他人とコミュニケーションを取る機会自体が減少しやすいでしょう。また、関係性が深いがゆえに、夫には話しにくいこともあるのではないでしょうか。
悩みや疑問を気軽に話せる相手を見つけられれば、親自身が楽しくリラックスできる時間にもなります。
デメリット1:自主性や創造性の発達が遅れる可能性がある
早期教育のなかには、先生から一方的に知識や技術を伝えるだけの場合もあり、主体性が身につかない可能性があります。事前に教室などの情報を集め、子どもが主体的に学べるような幼児教室やサービスを選ぶと良いでしょう。
また、子どもと友達が接する時間が少なくなると、遊びや日常的なコミュニケーションのなかで身につくはずの創造性が養われないことも懸念されます。反対に、早期教育によってほかの子どもよりできる事柄が増えてくると、周囲より優位であることを重視してしまう可能性もあります。
デメリット2:精神的負担を与える可能性がある
早期教育を詰め込むと、子どもにとって精神的な負担となる危険性があります。特に、親が早期教育に対して過度に期待している場合は、教育が訓練のようになってしまうことも考えられます。
子どものなかで、「親を喜ばせなきゃ」「親に怒られないように」などの義務感が発生し、プレッシャーがどんどん大きくなる可能性があります。
まとめ
早期教育は、未就学児に対して知識や技術の習得を目的に行う教育です。英語や読み書き、運動などが例として挙げられます。
早期教育は、「好奇心や得意分野を引き出せる」といったメリットがある一方で、「自主性や創造性の発達が遅れる可能性がある」などのデメリットもあります。 また、早期教育を行う上では、「子ども自身が楽しんでいるかどうか」や「子どもの自主性を抑圧しない」の2点が重要です。早期教育を失敗しないためにも、ぜひ2つのポイントを意識してください。
vol.219 続しょうがいをみつめる vol.1
『障害は個性か』
この問いに対する私の見解は、
「現時点ではNO ですが、社会(我々)が変わればそう言える日が来るかもしれない」です。
障害とは何か。
一般的には、目が不自由なこと(視覚障害)とか、半身麻痺がある人(身体障害)などと考える方が多いでしょう。これを、障害の「医学モデル」といいます。障害は、目が不自由だとか、半身麻痺がある『人』そのものがもっているという考え方です。だから、目が不自由な人はそれを補うため「点字を読めるようにしよう」とか、白杖の使い方を学ぼう」と言われます。半身麻痺のある人は、「杖を使ったりリハビリしたりして機能回復を目指しましょう」と。努力を求められるのは、障害のある人の側だということです。
「障害」という言葉を辞書で引いてみましょう。「物事の成立や進行の邪魔をするもの」とあります。この本来の意味に立ち返ってみると、障害は、目が不自由だとか、半身麻痺のある『人』がもっているものではなく、生活、学習、仕事の成立や進行を邪魔している『社会』の側にあるということになります。これを、障害の「社会モデル」といい、世界的には主流の考え方です。このモデルで障害を考えると、努力を求められるのは、社会の側だということになります。
日本でもこの考え方に基づいて、公共施設にエレベーターが設けられたり、要請があれば筆談で窓口対応をしたりといった環境がかなり整えられてきました。障害者差別解消法などという法律も整備され、障害者雇用率も上昇して社会的に活躍する障害のある方も増えています。
一方でなかなか変わらないのが、社会(我々)の価値観であるしょう。表立って差別することは流石に減ってはきていますが、何かがあると「障害者だから・・・」と言われることはいまだに多いのではないでしょうか。
「障害者だから・・・」と当事者が自分にレッテルを貼り、自ら機会を奪ってしまうことすらあります。
社会(我々)の価値観を変えることは容易ではありません。ですが、社会の仕組みを変え、法律を変え、目に見える部分から変えていくことはその第一歩であり、まさに今その途上にいると私は信じています。
「個性」という言葉を辞書で引いてみましょう。「個人に具(そな)わり、他の人とは違う、その個人にしかない性格・性質」とあります。
目が不自由であっても半身麻痺であっても、その人の望む生活、学習、仕事ができる社会(障害となるものがない社会)であれば、不自由な目も麻痺のある半身も『個性』だと言えるようになるかもしれないし、そうなってほしいというのが、私の望みです。
たとえそれが、まだ遠い道のりだったとしても、障害のある方々を支援する者として理想をもっていたいと思います。
ライター・障害者支援に携わっているS.Iさん
vol.219 niramekko Gallery 第4回 ゆっくりつくる展
vol.219 やってみた 篠田 睦月さん
やってみたシリーズ第22弾
ゼロスタートで、作品展を開く
工房睦月・篠田 睦月さん
倉庫(作品の陳列)兼 アトリエ 兼 お昼寝べや…そんな工房・睦月を建てて早20年。2年ほど前に娘のプライベートの部屋も作ったので、製作の場が狭くなってしまったけど…そう語り始めた篠田さんは、もともと縫製が大好き。好きが興じてすてきなアトリエを作って、毎日せっせと製作しています。 「作ると、きれいにディスプレーして誰かに見せたくなる。でもここでは駐車スペースも少ないし、周りに迷惑をかけられないしね。なら、どこか他の場所でみんなに見てもらおうと、今回可児市文化創造センターalaをお借りして『アートと手作り作品展』を開催することにしたんです」。
自分の夢は学校で習得した大好きな縫製を仕事にすることだった。それで縫製に携わる会社に勤めたものの、“人にたのまれて作る”のではなく、“自分が創りたいもの”を作りたいという気持ちがだんだん強くなってきた。結婚を機に会社を辞め自分のスタンスで創るスタイルに舵を切った。それが売れるのか売れないのか、という問題はあるが、とにかく創ることを楽しみたいという気持ちが強くなってきたという。
「6年前、大病を患い初めて死を意識しました。その時、縫製にまつわる備品とか、コツコツ買い集めたパーツ(ファスナーとかボタンとか…)を手づくり仲間にあげちゃった。今まで作りためてきた作品もあったけど愛着もあるし、何より自分の思いがこもっているしと、作品の処遇を考えました。そこで、お客さんの中に赤十字に勤めている方がいらして、その方に『役に立ててもらえれば』と思って、ほとんど全部差し上げたんです」
後日、その方から連絡が来た。
「作品が好評で結構な収益になりました、ありがとう」と。自分が作ったものが、誰かの役に立てたんだと思うと、自分が救われた気がしたと本当にうれしそうに語る篠田さん。
「身辺整理をすると、なんかすごくスッキリしてね。人生のリセットというか…。そういう意味では、大病は良いきっかけを作ってくれました。今までの自分を棚卸しできたし。でも、元気になると、自分の人生を取り戻したいという思いがむくむくと出てきて。やっぱり洋裁が好きなんだと、再認識しました」。作品はみんな寄付したり、処分したけど、布だけは残してあった。
ゼロスタート!しようと作ったのが、この帽子。これでますます元気が出てきて、自分の人生を生きようと思った。病気で一度は覚悟した自分の命。よし、人生を仕切り直そう。売れる、売れないは気にせず、「創りたいものを作る!」と。
今は作ることが楽しくて、楽しんでできた作品を集めて作品展をしたいと思いを馳せ、この5月に第2回作品展が実現する。
いろんな人と出会って…作品展のやり方を学んできた。そう考えると「自分の人生全部が作品」なんだという篠田さん。利益だけを追求するのではなく、「やることに価値がある」と。今回の文化創造センターの会場も一人では広すぎて…で、協力してくれる人を探していたら、呼応してくださった方が二人。今までお付き合いしてきた方々で、恵那の井口 久美子さんと(洋服)と、群馬の田中 克樹(切り絵)さん。
「手作りの品って、丹精込めて作る割りに採算が合わないんだよね。でも作家たちはプライドを持っていらっしゃる。私は捨て身でやれるけど、お二方を巻き込むわけにはいかない。その塩梅が難しいです。でも、やってみなきゃわかんないです。今年は2回目。来年3回目ができるといいなぁ」と篠田さんは早くも来年の構想を練っているようだった。
vol.219 えんぴつカフェ 薬膳料理
vol.219 5月6月のえんぴつカフェ
vol.219 熱中人 青木 ラブさん
“普段遣いの女優”というキャッチーなフレーズを引っさげて颯爽と現れた青木ラブさん。マッシュルームヘアが印象的なラブさんは、今年2月24日から上映された「女優は泣かない」に出演した。
ーラブさんが演じた内田仁美はどんな人?
主人公の梨恵(蓮佛美沙子)は可愛い人なんですけど性格が悪くて友達がいないのね。内田は梨恵の地元の同級生で、唯一の友達。ちょっとキャラが強め、というのが私の役どころです。
ー映画のストーリーは?
主人公の梨恵がスキャンダルで仕事を干されて、その再起をかけた仕事を地元・熊本でドキュメンタリーを撮る。ドキュメンタリーを撮るのが、若手ディレクターの咲(伊藤万理華)。地元で撮りながら、彼女のルーツに触れていき、彼女の家の問題と、仕事を絡めた梨恵自身の問題がさらに絡んで、最後は家族の話になっていくんです。升毅さんが、梨恵のお父さん役。宮崎美子さんは梨恵の昔の彼氏のお母さん役。そして双子のマナカナのお姉ちゃんの方、三倉茉奈さんが梨恵のお姉さん役というキャスティングです。
まだ完成する前のたたきの状態の台本を読んで、なんていい本なんだって感激しちゃって。だからオファーをいただいたときは本当にうれしかった。
ー自分が演じた作品が、世の中に出ました。どんな気分ですか?
実はこの映画の企画ができたのは6年も前なんです。コロナ禍があったので、伸びに伸びてしまって。熊本ではクランクインして2日目でコロナになって、自分のパートを一つだけ撮ったら、監督から「ラブさんごめん、大事な話があります」って言われた時はドキッとしました。結局、監督はじめ5人の方がコロナに感染してしまい、もう撮れないと判断し一回中止しますと。そこからさらに1年。本当にやっとできた作品なんです。だから私、一演者なんですけど、この作品の宣伝をやれることがあれば全てやりたいと思って、東京でもラジオに出て、豊田と東海市のラジオ、高崎のラジオと岐阜のラジオ…ともう一人でいろんなところに行って宣伝していました。
ー青木さんの出身は岐阜県大垣市。高校では演劇部で活躍、大学卒業後は、就職活動はせずに女優の道に進みました。今、迷いはないですか?
それは…ありますね。やっぱり同級生の友達が大企業で働いてちゃんとした収入を得て生活しているのを見たり、友人の家に遊びに行くと、友人の子どもが懐いてくれて、それは楽しい時間なんですけど、こんなにも人と違う生活、人生を選んだ私。これで良かったのかなというのは、ついて回ってきますね。でも、今は邁進してやりきること。この映画の番宣をやりきる。そこから何か派生してお仕事に結びつくこともあるだろうし、いろんな人に出会えるチャンスだと思うんです。こういう風にちゃんとした映画になったものがあるので関心を持って頂ける。見せるものがないと、宣伝もできないし、評価もしていただけないですしね。なので今はこの映画の番宣をしながら自分の営業をしています。
ーこれから、目指すことは?
朝ドラに出たいですね。なんでかわからないんですけどすごく「朝ドラ」に出たい。年末に自身のプロフィールを持っていろんなテレビ局に飛び込みで営業に行きました。日本テレビと共同テレビ、テレビ東京。プロデューサーさんに手渡すんですが、最初は手も止めてくれない。でも自分はフリーの役者をしていてちゃんと自己紹介をして、ごあいさつをすると「えっ?本人なの?」って、きちんと正対して向き合ってくださるプロデューサーさんもいらっしゃいます。これはもう自分で行かなきゃと思ってます。ただ、朝ドラは日本放送協会。入構証がないと入れないんです。西島秀俊さんのマネージャーさんがとても親切な方で、その方が NHKに行かれる時に一緒に行きたいとお願いしました。
ー呪文のように「朝ドラ」「朝ドラ」に出るまでは…?
はい、髪の毛もツヤツヤにして、マッシュルームヘア(天使のリング)を売りに、こういう個性的な人、要りませんか?と記憶に残る飛び込み営業をし続けます。
あるオーディションを受けた時、大変すぎて帰りの電車の乗り換えがわからないほどヘロヘロになってしまって。体力には自信あったんですが、これじゃダメやと思い、心肺機能を高めようと始めたのが、キックボクシングです。もう7年続けていますが、運動することで心と体が保たれるんです。
*1983年生まれ、岐阜県出身。近年の主な出演作品に、映画『タイトル、拒絶』(20/山田佳奈監督) 、YouTube日本生命チャンネル「心配性の母ちゃん」(22)、TV「働かざる者たち」(20)、「スカッとジャパン」(21)、舞台「呼吸」(22/西条みつとし演出)、「快物」(19/倉本朋幸演出)ほか。秦建日子主宰演劇ワークショップTAKE1 出身。
vol.219 アウトドア特集
日光にあたるメリット
日光を浴びると、セロトニンやビタミンDなどが生成され、私たちの体と心に良い影響を与えます。
骨や歯を強くする
紫外線を浴びると、ビタミンDが生成されカルシウムの吸収を良くする働きがある。
脳の健康に役立つ
ビタミンDは、脳機能を正常に保つ働きがある. 年齢とともにビタミンDの摂取レベルが低下すると、認知を司る脳の機能が低下することが分かっています。
免疫力が上がる 体内時計をリセットする
朝すっきり目覚めたり、夜ぐっすり眠れたりと規則正しい生活を送れます。
日々の活力や健康的な体を保つためには、太陽の光が欠かせない。1日30分は外に出て、日光浴をする習慣をつけてみてください。
vol.219 菌ちゃん野菜応援団 vol.39
三寒四温、いや、五寒二温?というくらい寒さの残った3月。月末に雪が降るなんて何年ぶりだったでしょうか。
せっかく植え付けたじゃがいもが寒さで凍みたのでは!と心配になるほどでした。でも、春!春が来ましたね。
毎年この季節は、あー新しく畑仕事が始まるなぁとわくわくします。冬の間にためた生ごみ漬物を土に返し、コンポストの中の堆肥を取り出し、草を使って草堆肥の畝を作り。とにかく「土つくり!」土が出来てなければ野菜は育たない!!!発酵した土が出来ているか、つまりは土壌中にどれだけ微生物がたくさん居るか。そこがキーポイント。
また腐敗菌を増やさないためにも今年は軽トラでたくさん炭を買い付けてきて畑にすき込みました。炭は光合成細菌の高級マンション。これで有用菌がきっとたくさん入居してくれることでしょう。
今年は畑活の日を固定にして皆様に参加してもらいやすい形にしていこうかな、と考えてもいます。各務原は水道水から検出されたPFAS問題もまだまだ未解決のところが大きいですよね。
PFASにとどまらず現代社会には様々な化学物質が溢れていて、そろそろ無視できないレベルに来ています。そこに光を当てるのが微生物!!地球環境問題も、体内環境問題も。微生物がうまく動いてくれるようにすることで解決に向うことは多いのです。畑にも菌ちゃん!体内にも菌ちゃん。さぁ、今季も菌ちゃんと仲良くしていきますよぉー!!
作り方は簡単。
大豆1キロ、糀1キロ、塩350グラムを用意。
①大豆は一晩水でふやかして柔らかく茹で、潰しておく。
②糀と塩を合わせた塩切り糀をつくる。
③庭に出てその場にある野草たちを摘んでくる。今回我家の庭にいたのは、はこべ、ふきのとう、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、カキドオシ、ユキノシタ、ヨモギ、ノビル、等など。
④野草をきれいに洗って細かく切り、①、②と共に合わせる。固いときは豆の茹で水で調整する。
⑤容器に空気を抜きながらきっちり詰めて密封。半年から1年後をお楽しみにします。
味噌汁にしたり、味噌和えにしたり、味噌炒めも美味しい。春の野草は身体の毒出しにもってこい。熟成が楽しみです!
vol.219 ボーダーレス社会をめざしてvol.78
住まいと意思決定
障がいのある人はどのような所で暮らしているのでしょう。まず、入所施設と言われる所があります。20年ほど前に「障がいがある人もない人も、同じように地域で暮らす」という「ノーマライゼーション」の考え方が主流になり、入所施設が建てられなくなりました。
次に現在多く利用されているグループホーム。高校を卒業後、そのままグループホームへという流れはできてきているようです。都会では、シェアハウスもあります。あとは、自宅です。親御さんの年代により大きく動きが違ってきています。放課後デイサービスなど多くの公的サービスを使い慣れてきている親御さんたちは、スムーズにグループホームの利用を考えられます。 私の年代の親は、子どもとなかなか離れられずにいます。そんな中、親と障がいのある人が一緒に暮らせる施設というものがあるというのを紹介したいと思います。
因島にある高齢者・障害者地域生活総合支援センター「はばたき」です。他の地域でも障がいのある人と親とが一緒に支援を受けられる施設というものが少しはあるようです。しかし、なかなか全国的には広がっていかないようです。国の制度では、経営・運営が難しいのだろうと思います。昔は施設か自宅かの二者択一でしたが、今は多様化してきています。しかし、親御さんと一緒に暮らしていらっしゃる方は多いと思います。 障がいのある人が高齢になれば、当然、親はもっと高齢です。家族そのまま地域で支援という事が、これからは増えてくるだろうと思われます。先日そのような会議がありました。高齢者の支援者と障がい者の支援者との顔合わせがありました。家族支援となると当然の成り行きですが、初めての経験でした。親が介護保険を利用し、障がい者が障害福祉サービスを利用するというケースです。
障がい者に携わっている人が、高齢者支援のノウハウを知らないのと同様、高齢者を支援されている方は、障がい者についてほとんどご存知ないのが実情です。これからは何度も話し合いの場を持って理解を深めていくより仕方がないのかなと思います。果たして障がいのある人の事をどれだけ、高齢者支援の方々が理解していらっしゃるのか・・・?興味津々でした。
話し合っていくと障がい者が、よく分からないようでした。
① 経験したことは、理解できますが、経験していないことは、分からないのではないでしょうか。
② 選択肢は3つくらいまでで、ことばだけでは多分理解できないでしょう。
③ 「今後どうしていきたい?」という質問は、難しく、具体例がないと分からないと思います。
④ ゆっくり分かりやすいことばで話してほしい。など、本人を交えての会議では知っていて欲しいことを4つほど障害福祉サービス側からお話ししました。
「分かりませんか??どう話したらいいでしょう?」と困っていらっしゃる姿は印象的でした。本人主体と言っても、ご本人がどうしたいと言えない人がいるという現実に愕然としていらっしゃるようでした。
障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインというものがあります。
① 本人への支援は、自己決定の尊重に基づき行うこと。
② 職員等の価値観においては不合理と思われる決定でも、他者への権利を侵害しないのであれば、その選択を尊重するように努める姿勢が求められる。
③ 本人の自己決定や意思確認がどうしても困難な場合は、本人をよく知る関係者が集まって、様々な情報を把握し、根拠を明確にしながら意思及び選考を推定する。
高齢者支援の方と一緒に、できる限りご本人の意思を推定し、物事を進めていくことが大切になります。
vol.219 夢か悪夢かリニアが通る!vol.48
JR東海の丹羽俊介社長は3月29日、リニア中央新幹線を巡り「残念ながら2027年の開業は実現できる状況にはない」として品川―名古屋間の「27年開業断念」を公式に表明しました。しかし、その原因については「静岡工区が開業の遅れに直結している」と相変わらず静岡県が県内の南アルプストンネル着工を認めない「せい」にしています。もし、この4月に着工できたとしても、開業は「34年以降」になる見通しだとか。ところが、同県の川勝平太知事が辞意を表明し、4月3日に記者会見すると翌4日、同社は山梨、長野両県の工事でも31年まで工事が遅れることを初めて明らかにしました。静岡県以外の沿線各都県でも工事が大幅に遅れていることは以前から指摘されていましたが、同社は頑なに認めようとしませんでした。リニア事業が足元から揺らぎ始めています。 井澤宏明・ジャーナリスト
『2027年断念』の波紋
「失言」と「リニア区切り」で辞職決断
川勝知事の辞意表明のきっかけは県の新採用職員への訓示でした。
「静岡県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいはものをつくったり、ということと違って、基本的に皆さま方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね」
猛批判を受け報道陣に釈明した2日夕、突然漏らした辞意。川勝知事は3日、改めて記者会見し、「特に一次産業、農業、酪農、水産業は最も大事にしてきた産業で、そういう方たちの心を傷つけたとすれば誠に申し訳なく、心からおわびを致します」と謝罪しました。
辞職決断の原因として「失言」以上に強調したのが「リニア問題」でした。
「一番大きかったのはリニアです。私は(任期の)4期目はリニアの南アルプストンネル工事から、南アルプスの水と生態系、環境をいかに守るかということに心を砕いてきた。リニア問題を解決するのは、事業計画を見直す以外にないと思っていた」
川勝知事は「27年開業断念」を挙げ、「丹羽新社長が事業計画見直しに踏み出された。リニアの問題が大きな区切りを迎えた。県民と約束したリニア問題で一里塚をしっかり越えた」と自賛してみせました。
さらに、「リニアについては将来世代のことを考えなくちゃいけない。南アルプスは国立公園ですから、自然を保全することは日本の国策であると信じているし、ユネスコエコパークですから、政府が関わっているので国際的公約であると。(リニアは)国家的事業とはいえ営利事業ですから、堂々とものを言わなくちゃいけないと思っていた」と、自負ものぞかせました。
「南アルプストンネル、ペイするのか」
静岡工区に関しては国の有識者会議が23年11月、約3年半の議論を終え報告書をまとめました。とはいえ、南アルプストンネル掘削により大井川の水が減ったり、上流の沢が枯れて生態系が破壊されたりする恐れがなくなったわけではありません。県は国に議論を求めていた47項目のうち30項目が「未了」だとして着工を認めず、専門部会で同社と対話を続けるとしています。
3日の記者会見ではこの点についても「道半ばで解決されていないのでは」と問われましたが「仮に工事をやる場合にしても2040年近くまでということだから、いかに南アルプス(トンネル)工事が長い時間かかるものでペイする(採算がとれる)かどうか問われているんじゃないか」と、繰り返し主張してきた南アルプストンネルの「ルート変更」を示唆する回答で応じました。
リニア事業そのものについても「立ち止まってどうしても考えざるを得ない段階。従来とはまったく違う次元に至っている」と、問題提起しようとする場面もありましたが、マスコミが取り合うことはありませんでした。
リニアの県内着工を巡って「命の水を守る」と国やJR東海と対峙し続け「静岡バッシング」の的となってきた人物の突然の退場劇。NHKが夜7時のニューストップで報じるなど、リニアの行方とからめて注目を集めています。川勝知事は任期を1年残して4月10日、辞職願を提出する意向です。直後の知事選でリニア問題がどう語られるのか、注目したいものです。
vol.219 ここいく日記 はじめの36歩!
いのちの授業 じっくり編
普段の授業は決められた時間の中で、性教育の国際水準ともされているガイダンスのようにジェンダーへの理解や、体と心の発達、性や生殖など包括的性教育の一連の内容をギュッと凝縮して伝えています。でも、本当はもっと時間をかけて丁寧にじっくり伝えたい。昨年の「いのちのつながりフェス」をきっかけに、通常の授業をテーマごとに分けて取り組むことに挑戦しようと決めたここいく。まずは、今年3回に分けて自主授業を企画しました。今回はその授業の様子をお知らせします。
2月10日(土)☆成長する体の仕組み・食育☆
通常の射精・月経・プライベートパーツのお話に食育をセットで伝えました。大人の体に近づいてくると、いのちをつなげる体に成長します。成長するには食べることが必然。じゃあどんな物を食べる?朝は?昼は?10年、20年先、健康な精子が作られる体であること、赤ちゃんが産める体であること、そのために食べることを大切にして欲しい。砂糖・添加物の話では、ジュースにどれだけの砂糖が入っているかをクイズにしてみんなで考えます。普段飲んでいるものに、想像以上の砂糖が入っていることを知ると、子どもも大人もびっくり!!まずは知ることが大事。知っていることで何を食べるか自分で選択できる。本当に食は大切ですね。食育だけの授業をやりたいぐらいです。
2月24日(土)☆いのちの始まり・性の多様性・心の話☆
通常は人間の性交や受精しか教えませんが、他の生き物はどうなのかな?魚は?ニワトリは?精子は空気に触れると生きられない。どの生き物も水がないと生きられない。知れば知るほど面白い。いのちってすごい!生きるってすごい!
それぞれの生き物が様々な方法でいのちをつないでいる…いのちの神秘、精子と卵子の出逢いを知ることで、自分のいのちも大切にできる。そして性の多様性やジェンダーの話の中から、お互いの違いを認め合うことで、ありのままでいいんだ…自分らしくでいいんだ…と感じてもらえたら嬉しです。性交も受精も、生まれ方も産み方も、性別も家族の形も、み~んな多様であることを伝えたい!そんな思いのプログラムとなりました。
3月17日(日)☆妊娠と出産の話☆
妊娠中の胎児の成長を、お腹の中の赤ちゃんの様子や重さの変化で伝えます。今回は、途中でお空に帰るいのちのこと(流産・中絶)も伝えました。そして出産へ。普段の授業では、経腟分娩での出産劇を見てもらい、帝王切開については話をするだけですが、今回は両方とものお産を出産劇で伝えました。妊婦さんが、「触って欲しい、欲しくない、この体勢がいい!」などハッキリ自分の意思を伝えながら陣痛と向き合う迫真の演技に、参加の子どもたちは本当に心配そうに見ていました。帝王切開も手術の様子をリアルに再現。お腹を切って、子宮を切って赤ちゃんを取り出します。自分も帝王切開で生まれたのと教えてくれた女の子。自分の出産の時を思い出しましたと話してくれたお母さん。終了後に、参加者の皆さんの感想を聞き、交流ができてとても良かったです。
もっともっと伝えたい、学びたい、ここいくは今も進化中!!自主授業も続けていきたいと思っています。
担当:ここいくメンバー 小田 佐知子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)
vol.219 プレゼントコーナー
219号PRESENTS
プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
1-最近びっくり!しちゃったこと
日常の中のささいなことでも大歓迎!あなたが最近驚いたことってなんですか?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望を必ずお書きください)
※Aは編集室まで受け取りにこられる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成
〆切:〆切:2024年5月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。
A.青磁の平皿2枚セット にらめっこより…2名様
涼やかな色合いの青磁は、これからの季節にぴったり。お刺身、水羊羹、カルパッチョ、サラダ…食卓を彩る器と料理とのコラボレーション。見て、味わって、楽しみの幅が広がりますね。野の花をおいても青磁は花を引き立てますよ。
にらめっこ編集室でお受け取りください
B.CINEX映画招待券 CINEX様より…ペア3組様
映画の主人公の生き方に励まされ、力をもらう。そんな名作と出会えたら、毎日の生活に変化が起きそう。いろんな人生に出会いに映画館に行ってみよう。
写真は映画「パリ・ブレスト〜夢をかなえたスイーツ〜」の1コマ。
柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。
C.「おとなの音あそび」ご招待 アートギャラリー是様より…ペア1組様
ピアノにサックス、ウクレレ、ギター…。音楽を楽しむ人集まれ!腕前を披露する人も聴くだけの人も、心地よい空間で、飲みながら・食べながら楽しいひと時を過ごしませんか?
D.よりよく生きるためのライフデザインノート「ゼロの昇天」
人生これから!様より…2名様
もしもその時が来たら、私らしく見送ってほしい…。でも、私ってどんな人?その時が来るまでどんな風に生きようか。など、よりよく生きるためのヒントが詰まった一冊です。絵本作家・高畠純さんのイラストが温かく寄り添います。