148号(2013.7&8)」カテゴリーアーカイブ

VOL.148 アウトドア特集 自然を感じよう

大切なのは、自然を感じること
さぁ、ソトへ出かけよう。

サイクリングで風を感じる!

01湖畔をゆっくりサイクリングするのもよし。森の中の起伏に富んだコースにチャレンジするのもよし。自然の中を風を切って走り抜ければ、気持ちも体も健康になります。大人と子どもでも、互いにペースを合わせることができるので、親子で会話をしながら楽しく走れます。

 

水の冷たさ、流れる感覚…川あそびはキャンプの醍醐味!

・ 泳ぐ・飛び込む・流れる・葉っぱ船を作って流す・水切り・カッコイイ石を探す・トンボを捕まえるなど、子どもたちはどんどん新しい遊びを考えて楽しみます。 川遊びは楽しさのあまり時間が経つのを忘れてしまいます。ですが、川の水は冷たいですので、あまり長時間遊ばないで、休憩を取って、水分もしっかり取ることをお忘れなく。

「星空ウォッチング」

01天気が良かったら、夜空を見上げてみて下さい。できるだけ周囲に灯りのない場所、空の開けた場所、月のない夜を選びます。夏の代表的な星座といえば「さそり座」、南の空の低いところにいます。天頂を見上げれば翼を広げた大きな「白鳥座」、北の空には有名な「北斗七星」。都会では見ることも難しくなった「天の川」などなど。本物の夜空で星座をたどってみましょう。毎年、お盆の時期になると現れる「ペルセウス座流星群」、月食や惑星が月の影に隠れる現象など、いろいろな天文イベントを追いかけてみるのも良いで すね。

 

感覚を研ぎすまそう!「私の木」遊び

自然の中で五感を最大限に発揮する遊びに「私の木」遊びがあります。まず、キャンプ場や森の中で1本の木を選んで2人1組のペアを作り、1人が目隠しをしてあらかじめ選んだ木に連れて行ってもらいます。その木に触って大きさや感触、周囲の音や香りをおぼえた後、30?40mほど離れます。目隠しをとった後、自分の感覚だけをたよりに「私の木」を探す遊びです。森にいくらでもある木の1本1本に、それぞれ個性があることを実感させてくれる遊びです。

嗅覚を働かせよう!香りのある植物や木を見つける。

木の見分け方には、樹全体の形、葉や枝のつき方、葉の形、冬芽の形などいろいろとありますが、匂いで見分けられることもあります。
嗅覚は視覚や聴覚に比べると、記憶を呼び起こす作用が強いという報告もあります。また、イメージや色など記憶と調和する香りを知覚することによって、その香りは強く作用することが知られています。一度匂えば記憶に残る樹木となるでしょう。

【クスノキ】
枝や葉を傷付けると,香りが漂う。名の由来についても,「薬の木」「臭い木」など薬効や香りに基づいた説がある。
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【ヘクソカズラ】
葉や茎を揉んだときに出る臭気からついた名。万葉集の時代はクソカズラとも。
 
【カツラ】
落葉には甘い芳香がある。カツは香出とする説がある。葉は抹香にする。
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【ダンコウバイ】皮は灰褐色で、楕円または円形の皮目が多い。クスノキ科の仲間は、枝を折ると芳香がする。  01
【サンショウ】
まだ緑色の若い実(6?7月)を、口にすると舌先が痺れる。刻んで刺身の薬味にすると美味しい。
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【クロモジ】
葉をもんだり,枝を折ったりするとレモンのような香りがする。高級つまようじの材料として知られている。
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VOL.148 医食住 暮らし上手!

食「免疫力が高まるレシピ」
医「数値が意味するもの」「放射能対策」
住「生活は創意工夫」

 

01わたしたちは、人生の土台をしっかりと支えている衣食住という生活にもっとまなざしを向けるべきだ。もっと考え、もっと反省し、改良を重ね、知性と芸術的感性を生活の基本に差し向けようではないか。衣食住こそがわたしたちを生かし、現実にこの人生を歩ませているのだから。(byニーチェ)
にらめっこ編集室では「衣」を「医」に置き換え編集しました。

01やっぱり、「食」は芸術です。もちろん文化です。人を良くする、と書いて「食」。今号から改めて、食を360°あらゆる方向から考えてみます。

免疫力が高まるレシピ(安保徹)

免疫力は「心」を鍛えることから
1)心と体は密接に繋がっている
2)怒りの感情はなんとしてでも手放すべき
3)ひとりで抱え込まない
4)メリハリのある人生を送ろう

(1)丸ごと食品 玄米・大豆・小魚・小エビ・ごま・くるみ…など

食べ物を大切に丸ごとおいしくいただく
丸ごと食べる理由:野菜や果物の皮には、食物繊維と機能性成分が豊富に含まれています。空気に触れると壊れてしまいやすいビタミンC等を守るため。また、魚の皮も同じ働きがあります。健康作りに有効な脂を酸化から守っています。丸ごと食品が良いというのは、動植物が持っている生命維持に欠かせないさまざまな栄養素をバランス良く無駄なくいただけるから。

(2)発酵食品 味噌・納豆・漬け物・チーズ・ヨーグルト…など

麹菌や乳酸菌がもたらす、うまみと健康効果
発酵食品が体によい理由:麹や乳酸菌の作用で食品が本来持っている栄養素をより消化しやすい状態に変化させるから。その変化によってうまみが増すのも特徴。たとえば味噌。大豆のタンパク質がうまみ成分のアミノ酸に変化したもの。漬け物やヨーグルトの乳酸菌のように、菌自体が健康に役立つものもあります。

(3)食物繊維が多い食品 きのこ・海藻・いも・根菜…など

不要なものを追い出し、すっきり健康な体に
健康な体を作るには、食べ物から栄養素を摂取するとともに、不要なものをきちんと体の外へ出す必要があります。それを助けてくれるのが食物繊維。きのこや海藻、芋、野菜、果物などに多く含まれる栄養素で、便のカサ増しをして便通を良くし、老廃物なども絡め取って排出します。また、食物繊維が豊富に含まれると噛みごたえががあり満腹感が得やすく、腹持ちも良いので肥満予防にも効果的。腸内では善玉菌のエサとなって腸内環境を改善するため、肌トラブルを改善したり、さまざまな病気を防ぐ作用もあります。

(4)イヤイヤ食品 酢・梅干し・わさび・しそ・ゴーヤ…など

体を元気にする3つの風味。ほどよい刺激で免疫力アップ
イヤイヤ食品とは、酸味や苦み、辛みなど独特の風味がある食品。本来、酸っぱい、苦い、辛いと言った味は、腐った食品や毒など、人体に害のある物質が持つ味。体はこれらの味を感じると、有害物質が入ってきたと認識し、不快物質を排除するために胃腸が活発に働きます。そして、排泄を促した結果、副交感神経が優位に働き免疫力がアップします。しかし、これらの食品を食べ過ぎると反動で交感神経が優位になってしまうこともあるので適量を心がけること。

(5)体を温める食品 しょうが・ねぎ・こしょう・唐辛子・羊肉・えび…など

体をポカポカさせて、全身パワーアップ
体の中にはさまざまな酵素が存在し、生命を維持するために絶えず働いています。酵素が最も働きやすい体内の温度は37.2度(脇の下で36.5度前後)この体温をベストな状態に保つために働いているのが自律神経です。自律神経のバランスがくずれると、正常な体温が保てなくなり、血行が悪くなったりします。体温が低めの人や手足に冷えを感じる人は要注意。自律神経のバランスがくずれているかもしれません。自律神経のバランスを良くするためには、冷たい飲食物を避け、体を温める作用のある食品を意識して摂取するのが大切。

体の声に耳をかたむけて心身ともに健康に。予病は毎日の食事が大事

以上の(1)-(5)特徴を理解したら次は献立。

理想は主食としての玄米ご飯を中心に、魚や豆・大豆製品などを使った主菜、野菜などのカリウムや食物繊維が豊富な食品をたっぷりと摂取できる副菜が揃っているメニューを紹介します。食事が変われば生活習慣も変わりますよ。
『安保徹の免疫力を高める食べ方』より

タフでなくても元気に生活する秘訣

睡眠を甘く見てはいけません。同じ睡眠時間をとっていても早寝早起きと遅寝遅起きではリンパ球への影響が異なります。最もリンパ球が適切に上昇するのは「早く寝る」ケース。太陽の光で覚醒し生活リズムを作りましょう。
体の声とは「お腹がすいた」「水が飲みたい」「酸っぱいものが食べたい」など、体はそのときどきで必要なものを摂取できるようサインを出します。(1)-(5)をバランスよく食べていると、だんだん体の声が聞き取れるようになってきます。

丸ごと食品
玄米いなり寿司、大豆とさくらえびのサラダ、ごまとごまの葉のスープ
発酵食品
きのこの味噌ホイル焼き、チーズキムチ納豆、えびとたくあんのヨーグルトサラダ
食物繊維が多い食品
しめじの煮浸し、長芋ののり和え、ごぼうもち
イヤイヤ食品
いわしの南蛮漬け、切り干し大根のわさびふりかけ、紫蘇の葉の白和え
体を温める食品
しょうがねぎスープ、ラム肉のこしょう煮、えびのピリ辛炒め

上記献立のレシピは「にらめっこ」のホームページに掲載してあります。ぜひ作ってみてくださいね。後は、ご自分のアレンジを楽しんでください。(編集部)

BOOK紹介

01「免疫力を高める食べ方」
「年をとると病気になる」は大きな間違い!人は年齢にあった免疫を創り出している。若者の免疫であるB細胞は減少しますが、T細胞は年齢とともに上がり続けます。それでも病気になるのは能力の限界を超え無理したから。免疫力アップの具体的レシピも満載!
著:安保 徹中経の文庫 533円+税

 

「生ごみ先生のおいしい食育」
01知識ではなく、体験を!土の中の無数のいのちが元気いっぱいの野菜を育てているように、自分の元気につながってくれる小さな生き物たち、食べ物の中の無数の生命に感謝の心が芽生えます。それにはまず元気ないのちを選ぶことから…
著:吉田俊道 西日本新聞社 476円+税

 

 


 

01放射能測定の数値が意味するもの

にらめっこ編集部は、C-ラボ(※-1)(名古屋市西区)に食品の放射能測定の体験に行ってきました。C-ラボの代表であり、名古屋生活クラブ(※-2)の代表でもある伊澤氏にお話を伺いました。

放射能のリスクについて、1ベクレルでも危険という主張と、100ミリシーベルト(経口でのベクレル数にすると、770万ベクレル)まで安全という主張があります。あまりに両極端な主張なので、多くの人は不安だと思います。科学的に確立されている一番低い線量でのリスクに胎児のX線撮影による小児ガンの発症があります。アリス・スチュアートによるこの研究によって、妊婦のX線撮影は行われなくなりました。

X線の撮影の様な外部被ばくとセシウムの経口摂取のような内部被ばくは大きく違う、「内部被ばくの方が危険だ」という主張があります。しかし、シーベルトという単位は、放射線が人体へ及ぼす影響を表す単位ですので、外部被ばくであっても内部被ばくであっても、シーベルトの値が同じであれば、人体への影響は同じはずです。なので、多くの場合、食品中に含まれる放射性物質を表現するときに、ベクレルの値以外に「経口摂取した場合のベクレル数をシーベルトに換算した値」を表示しています。それでは、シーベルトだけ比較すれば安心できるのかというと、そうでもありません。「ベクレル数をシーベルトに換算」と簡単に言いましたが、これがたいへん難しいのです。挙げたらきりがありませんが、ざっと挙げてみると、「放射性物質が体のどこに集まるのか」、「体内から排出されるのにかかる時間」、「放射線の飛ぶ距離(生体内の場合どれ位の細胞を貫通するか)」、「放射線を出した後できた物質が、同じ場所でさらに放射線を出すかどうか」、「疾病の種類と危険性をどう判断するのか」などです。前の方にあげた要因は、計算することもできるかもしれませんが、後ろにあげた要因ほど影響との関係を計算するのは難しくなります。最後にあげた「疾病の種類と危険性をどう判断するのか」などは、5年で死んだ場合と10年間の闘病の末に完治した場合は、何倍の差があるかという話ですので、計算することはできません。もともとこのような数字ですので「内部被ばくの影響を過小評価しているが、実際には何百倍も危険だ」とか、「過大評価していたずらに人々を混乱させている」といった議論が出てきます。なので、評価の難しい物に関しては、数倍から数十倍は、内部被ばくの換算係数(リスク、危険性)が違っていても何の不思議もないということは、理解しておく必要があると思います。いろんな放射性物質の排出量は、チェルノブイリと比較して、少ないものも多く、幸い現状では危険性の判断が大きいストロンチウム90はセシウム137の1%で、プルトニウムの汚染もほとんどありません。危険性の判断が小さいセシウムが汚染の大部分を占めていますので、ある程度シーベルトの値で比較できそうです。

日本人は一年間に自然界から1,5ミリシーベルトの被ばくをしています。が、それ以上なのは医療被曝で2,3ミリシーベルト、最新値4ミリシーベルトだそうです。ガン検診の一つPET-CT検査は放射性物質を1億7500万ベクレル?3億5000万ベクレルも飲んでから、CTを受けるものですが、15ミリシーベルトにもなる可能性があります。
名古屋生活クラブでは、C-ラボに依頼して、汚染度が高そうな食品から順に放射能測定を行い、汚染の有無にかかわらず、測定値と検出限界値を全て公開しています。検出されると、どれだけ検出値が低くても(1.6Bq)ほとんど売れなくなってしまいます。それ以前に東日本の産地というだけで売れ行きは減ります。数値は何を意味するのでしょうか。安心を得るのか、不安を助長させるのか…放射能という目に見えない”モンスター”と何とか折り合いをつけていくしかないのか…。

伊澤氏は「数値の意味するもの」として、「私たちの生活の中には自然界の放射線、医療放射線など、昔から存在はしていました。が、3,11以降、福島第一原発の事故で放射線が私たちの生活を脅かしはじめたのは事実。数値が「検出限界値以下」でも安全と言い切れない(半減期がそれぞれに違うし、ゼロになるのに何万年もかかる物質がある)放射線の性質上、それを見据えて生きていくことになる。その中で、我々はまず子どもを守ることを第一優先としたい。できるだけ数値の少ない(小さい)レベルの食品を選び、数値の小さいレベルのところで生活できることを考えることが重要だ。」と結びました。

※ -1 未来につなげる・東海ネット 市民放射能測定センター(C-ラボ)とは、未来につなげる・東海ネットの活動部会のひとつ。食品中の放射能含有量を測定しており、公開を前提に市民からの測定依頼を受けています。また現在東北のホットスポットの支援のための調査チームの派遣・測定、愛知県私立幼稚園連盟の給食調査も行っています。

C-ラボでは、放射線(γ線)をNaI(エヌエーアイ)シンチレーションスペクトロメーターという機械で測定しています。検出限界値5Bq(ベクレル)で120分の測定時間がかかります。持ち込んだ食品は「お米(関市武芸川・昨年秋収穫)」。「青森県産の長芋」。「千葉県で生産された豆乳(豆の原産地は不明)」測定体験だから、時間は10分。測定限界値を出ない、という判明だけで、精査はしなかった。時間をかければかけるほど限界数値は低くなる。基本は1キロの食品を容器に入れ、測定器にかける。コンピューターが結果をプリントして終了。

C-ラボでは公開を前提に放射能含有量を測定します。

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0101『生活は創意工夫』。非電化生活はその極意!
えっ?電気を使わない生活?
あ、ありですか?
あり、です。でも愉しくネ

 

「電化と非電化、どちらがいいか悪いか?」という辛い選択ではなく、「電化と非電化、愉しい方を選ぶ」というのは如何でしょうか?貧しい昔に戻るのではなく、新しい豊かさを実現する、そのための選択肢の一つとしての非電化という考え方です。

捨てない文化

環境問題というと、直ぐに生ゴミとリサイクルが連想されます。ことほど左様に生ゴミとリサイクルは今日、ポピュラーなテーマです。しかし、生ゴミもリサイクルも、モノを捨てすぎるから生じる問題です。日本人は平均すると食事の25%を食べ残すそうです。カロリーベースでは、2億人の子供が飢えないで済む量に匹敵するのだそうです。リサイクル自体はすばらしいことですが、捨て過ぎをそのままにして(お金とエネルギーを掛けて)リサイクルにまい進‥‥というのは、なにか訝しい話です。

50年保つマイホームを建てるとすると、50年後には家一軒分に育つだけの木を植える‥‥大正時代くらいまで、日本人がマイホームを建てる時の常識でした。「自然が回復するのに要する時間より長く使う」??これが、環境問題を生じさせない生産と消費のあり方なのですが、この当たり前の考え方は高度経済成長時代に忘れ去られてしまいました。ドンドン買って、ドンドン捨てることが経済を大きくするとして礼賛されました。
「愛着がわいて捨てたくなくなる商品」、「壊れても直せば長く使える商品」、「捨てても土に戻る商品」??これが、環境問題を生じさせないモノ作りの考え方と言えそうです。非電化製品は、シンプルの極みですから、壊れにくい上に、壊れても直しやすいという特徴があります。「捨てない」あるいは「もったいない」文化に合っていると言えそうです。

プロセスを愉しむ

非電化珈琲焙煎器を作ってみました。いま、この珈琲焙煎器がささやかなブームです。コーヒーの生豆を、この焙煎器で3?4分かけて、自分好みに煎り上げます。煎りたてのコーヒーをミルで挽いて、淹れる。「煎りたて、挽きたて、淹れたて」のコーヒーは、酸化するチャンスがありませんから格段に美味しいし、健康にもいい??しかし時間もかかるし手間もかかる。時間と手間を惜しむ人にとっては苦痛の極みでしょうが、プロセスを愉しむ人にとっては贅沢の極みなのかもしれません。結果を急ぐばかりではなく、ゆっくりとプロセスも愉しみたい??1960年以降、寸刻を争うようにして働いて私たちは高度経済成長を実現しました。過労死は勲章と褒められた異常な時期も経験しました。そして自由な時間をゆったりと過ごしたい気分に今はなっています??スローライフ派の人たちが増え始めたゆえんです。この「プロセスを愉しむ」というのが、非電化の特徴の一つです。ですから、非電化製品を作る時には、いかにプロセスを愉しめるようにするかを工夫します。珈琲焙煎器の場合には、手で握って左右に振る??心地よい重心の位置や重さを工夫します。コーヒーの豆が転がる音色も工夫します。いい香りが立ち昇るようにも工夫します。技を磨けば、ますます美味しく煎ることができる??こういう要素も残します。

先ずは無駄を無くす

電力はあまりに強力ですから、電力に頼れば大抵のことはできてしまいます。電気に頼りすぎて、負荷そのものを少なくする技術や習慣が衰えてしまいました。例えば家??昔の日本建築でしたら夏は扇風機だけでもホドホド快適に過ごすことができましたが、今日の多くの建物では扇風機だけでは発狂しそうになります。このような大きな(時には無駄な)負荷をそのままにして、非電化で快適・便利を実現することは困難です。非電化製品は、自然のエネルギーや人力を使うので、電力に較べて格段に非力だからです。
ですから、「先ずは無駄をなくす」ことが非電化の前提です。無駄をなくして、負荷を下げてからでしたら、非電化でも快適・便利はホドホド実現できそうです。例えば冷房??北側や床下に陽が当たらない空間を大きく用意し、ここで作られた涼しい空気を自然に取り込む。あるいは屋根の断熱を大きくするなどの平凡な工夫で冷房負荷を半減することは容易です。例えば暖房??昼の太陽光を十分に採り込んで蓄熱壁等に蓄えておくなどの平凡な工夫で暖房負荷を半減することも容易です。このように、先ずは無駄をなくして負荷を下げておくことが、非電化の前提条件です。
無駄な負荷や不必要な用途はそのままにして「原発は不安全だから太陽電池‥‥」のような(上滑りな)議論が先行しがちです。太陽電池も同じく強力であるが故の議論でしょう。(さいわい)非電化は非力ですから、先ずは無駄をなくして‥‥という正論を思い起こすきっかけになりそうです。(非電化工房より)

01ガスコンロの上で3?4分左右に軽く振るだけでムラなく美味しく煎ることができます

 


VOL.148 知的に楽しく学ぶ・遊ぶ・集う Activa 食のおまつり

アクティバのおまつりも今年で3年目。晴天に恵まれ、今年も「愉しいこと、意義深いこと」をモットーに!

サイエンスカフェ

医学博士:渡部和男氏(各務原ワークショップ・代表)
クリーンな環境は基本的人権です。「たべる」ことは私たちの命をつなぎます。健康でいられる体つくりの初めの一歩が「たんぼプロジェクト」
無農薬・無施肥の自然栽培にチャレンジして今年で3年目。今回の「食のおまつり」もアクティバ米を提供できました。「食」の勉強と通して学んだことの一つは農薬問題。除草剤はじめ農薬は劇的に農作業を軽減しました。でもそのつけは確実に私たちの生活環境を脅かしています。サイエンスカフェでは、農薬の研究40数年という医学博士に「農薬の功罪」と題してお話を伺いました。

現在の農業(農薬)政策
農薬の開発・使用法にはやや潤沢な資金が!しかし、総合防除には資金・労力投入が少ないのが現実。それ以外の耕種的方法にも資金・労力投入が少ない。

01日本の農薬使用量が、やっと世界2位。
それまでは世界1位でした。不名誉な記録ですね。
近くのコンビニの駐車場周りに除草剤を使用していたのを発見しました。市役所に苦情の電話をしたところ、それ以降は薬の使用はされていないようです。田んぼにも噴煙が上がるほどの除草剤をまき散らしているのを動画で撮影しました。農薬使用で周辺の空気や水が汚染されるは市民として黙っているわけには参りません。
みなさんも気づいたこと、嫌だと思ったことは直接行動を起こしてみてください。(文責・アクティバ)講師:渡部和男氏

01

農薬のまめ知識
約3000年前(ローマ時代) 畑に硫黄や木灰をまく
1600年 日本最古の農薬。トリカブトや樟脳などを混合し、ウンカとイノシシ対策として。
1698年 江戸前期の農学者・宮崎安貞(みやざきやすさだ)タバコの煮汁や硫黄を燃やした煙り
1700年頃 除虫菊粉、デリス根の利用開始
1750年 注油法の発明(田に鯨油などをまく)
1800年 アメリカでも青酸や亜ヒ酸や硫酸ニコチン
1851年 ブドウと石灰硫黄合剤とボルドー液
1921年 現在の三共(株)がクロルピクリン
1930年 日本の農村でヒ酸鉛、石灰硫黄剤
1938年 DDTの殺虫性発見(P・H・ミュラー、
1948年ノーベル生理学・医学賞受賞)
1944年 除草剤2,4-D誕生
1946年 DDTが日本上陸
1948年 農薬取締法
1952年 パラチオン使用開始(水田)→1971年使用禁止
1962年 サイレント・スプリング出版
(『沈黙の春』:著-レーチェル・カーソン)
1964年 食品残留農薬の調査開始
1966年 いもち剤の非水銀化申し合わせ
1967年 急性毒性の高い剤の生産中止を農林省が通達
1969年 水銀剤およびDDT・BHCなど塩素系殺虫剤の水田使用禁止
1971年 農薬取締法大改正と使用禁止農薬の拡大
2007年 環境・農水省通知:住宅地などにおける農薬使用について改正

うさとの服でファッションショー

綿・絹・麻それぞれの素材を紡いで織られた一枚の布をできる限り有効に使った服はゆったりとしたシルエットや優雅な布の表情を見せてくれます。モデルなんて初めての人ばかりでしたが、インド音楽に気分も乗って楽しく披露しました。

01

01今年で3回目のアクティバのおまつり。初回は「モギソウギ」で、今どきの葬儀のあり方に提案する形で、斬新で(自画自賛?)オリジナリティーあふれる葬儀を披露しました。昨年はアクティバ米を使った「食のおまつり」一日レストランを開店。アトラクションはアンデスの音楽で和んだ雰囲気に。そして今年は、自然栽培で作物を育てることは、環境にやさしく、その結果人に優しいということを伝えようとサイエンスカフェを開催。アトラクションはミニファッションショー。衣服も自然素材が一番体やきもちに馴染む。さて来年は…アクティバでは一緒に活動する仲間を募集しています。中高年の集いはなかなか面白いですよ!

ライフデザイン・カフェ

講師:市川雅清氏
01今を大切に生きるための「生前準備」
人は生きてきたようにしか死ねません。生き様が、死に様に反映するのです。死ぬときだけうまいことやればいい!?そんな上手くはいきません。土壇上になって、あわてふためかないように…。「生前準備」とは、「死」を考え「生」を学ぶこと。その準備を通して安心の保証を得ることです。人生は「ゼロ」から始まり「ゼロ」で終わる。それが、戦前準備ノート『ゼロの昇天』の本当の目的です。

アクティバの今後の予定

7月14日(土) 13:30-15:30  遊墨 墨で書いたり紙を貼ったり
関市武芸川公民館(武芸川体育館隣)
参加費:非会員-2,000円 会員-1,000円
講 師:柴田節郎(マルチアーティスト)
定 員:30名
持ち物:エプロン、筆、新聞紙、雑巾
申込締め切り:7月10日(アクティバ事業部まで)
(あればお気に入りの筆をご持参ください)
書でもない絵でもない、白い紙に真っ黒な墨
で自由な表現を楽しみませんか?
定員になり次第締め切ります。
お申し込みはお早めに!

8月 活動をお休みします

9月 稲刈り(はざかけ天日干し・脱穀・とうみ)

10月 生前準備講座

11月 スペシャルなコンサート(予定)

12月「食と健康」勉強会
たべる」「いきる」「あそぶ」毎月一回活動日があります。
活動日と内容のお知らせは、 アクティバ掲示板を参照ください。
会員にはメール配信いたします。

お問い合せ NPO法人「人生これから」アクティバ事業部
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25(ミニコミ紙「にらめっこ」内)
TEL/FAX 058-383-8666(担当・三上)
e-mail/ info@niramekko.com
アクティバはHP:niramekko.comのトップページから検索できます。


VOL.148 ぐー・ちょき・ぱー ボーダレス社会を目指して(31) 伊藤佐代子

ボーダレス社会をめざして(31) 伊藤 佐代子さん

がん

息子が岐阜県芸術文化奨励という賞で表彰される2日前に私には癌の告知がされていました。「悪性でした」「ということは胃がんですか?」「そうです」体から血が引きました。不思議にあるがままに受け入れる事が出来、今自分がなすべき事は何か?家族に知らせ、仕事を何とかしなくてはと思いました。”生きる”ということに初めて向かい合いました。ただ、いとこが医者をしていて「早く見つかってよかった。治るから大丈夫」と言ってくれた言葉が何よりの心の支えでした。淳司の受賞のお祝いをしている時に娘から「お母さん今死んじゃったら・・・。私どうしたらいいの?」と電話があり、向こうで泣いている様子がわかりました。「何を食べてもおいしいし、たくさん食べれるから心配しないで」とは言ったものの、私自身は死というものを漠然と受け入れていたようで、その言葉でハッとしました。生きなきゃいけないんだ。そうか孫が成人式を迎える日まで生きないといけないんだ。相当疲れていたようで絶対生きなきゃ!なんて思いは全然ありませんでした。やはり頭の中が錯乱していたのでしょう。その後検査をたくさんし転移はしていなくて早期がんだと言われました。がんが分かってから手術まで約20日間、いろいろな経験をしました。明日が分からないということは実に暗い気持ちになります。明日があるから生きられるとよく言われますが、明るい未来があるから人は生きようとするのだとよく分かりました。淳司が幸いにも自分でいろいろな事ができるようになっていましたので、心配することなく入院ができました。手術後、病室にとても緊張した面持ちでお見舞いに来てくれました。手には鶴やバラなど5つほど折り紙を持っていました。「お母さんどうぞ」。何にも勝るお見舞いの品でした。34歳の子どもが折り紙か?なんて思いながらも、どういう思いで折り紙を折ったのだろうかと想像するとちょっと涙が出ました。退院の日までズーと窓際に飾り、癒されていました。淳司はどの程度私を心配してくれていたのか全く分からないのですが、ベッドに横たわっている私の元気な顔を見たら、すぐ病院の中の探検に出かけて行ってしまいました。

プロフィール

伊藤 佐代子 (いとう さよこ)
伊藤淳司の母、岐阜障害者就業・生活支援センターの支援ワーカーをした後、NPO法人オープンハウスCANの理事長。地域で暮らす障がいのある方の生活支援や障がいのある方と書道を楽しんでいる。

リンク

NPO法人オープンハウスCAN


VOL.148 記者雑感 From 気仙沼 何もわからない・・・現場で痛感

何もわからない… 現場で痛感。

南風が吹くと、特に晴れた日は何とも言えない臭いが市内に漂う。やったことはないが、鶏糞の袋に頭を突っ込んだ感じか。水産加工業者の冷蔵庫跡の瓦礫に、魚介類が混じっているためだ。
気仙沼漁港はカツオの水揚げが15年連続で日本一。震災でガタガタになった港を昨年6月までに一部修復し、首位を守った。ただ、水産の街と言われるのは、市場が大きいせいだけではない。加工業者が多様で、サメでも何でも、「揚げれば買ってくれる」という信頼感ゆえだ。だから港周辺には、氷屋、容器屋、冷蔵・冷凍庫など、関連施設が沢山あった。
津波で貯蔵庫から流れた水産物は、宮城県の方針で海に捨てられた。しかし、倒壊しそうな建物に残った場合は放置せざるを得なかった。蛋白質混じりの瓦礫が今もあるのはそのせいだ。
4月に岐阜から当地に来た。1年以上たつのにどうなっているんだと思った。漁業の始末に限らず、書店や車用品店など大型店舗は骨組みをさらしたままの所が多い。住宅は流されるか、撤去されているのに。とはいえ、少しずつ大型店舗の解体も始まった。そうすると、足首から下だけの遺体も見つかる。警察は靴や靴下の特徴を詳細に発表する。気仙沼市の死者は1035人、うち身元不明者は41人。行方不明は280人いる(6月12日現在)。
「復興」の道のりを知りたくて赴任した。新設する防潮堤の高さは? 集団移転の世帯数は? 食品の扱いはどうなっているの? などなど。が、魚瓦礫や足首遺体に接した今、そればかり追うのは違うのではないかという気がしている。
父親の影響で、中学時代に起きたチェルノブイリの原発事故に関心を持った。今回の政府の食品の放射性物質基準にも疑問を持ち、記事を書いてきたつもりだ。
けれども、核心に迫れると思って来た現場では、何も知らないという事実を突きつけられただけだった。誰に何を聞いて、どう伝えればいいのか。全く分からない。
少し前の新聞に書いたコラムは、地元紙の記者の発言で始めた。「市民は支援疲れしているのです」。毎日のように寄付や支援イベントがあって、動員をかけられる人々が疲弊しているという内容だ。表向きは「ありがたい」「助かる」と言う人たちも、裏では確かに「置き場所に困る」なんてつぶやいている。本音は本音。正しいかどうかはまた別。誰も判断できない。
もっと複雑なのは、やはり放射能。「カツオは回遊魚だから、泳いでいるうちにセシウムが抜けてしまう」説がそこそこ流布している。「都会は放射線アレルギーだ」という声も上がる。ここに来る前ならば、それは違うと反論しただろう。でも、取引先に切られ、水揚げを「自粛」させられながら網を手入れしている漁師と話していると、言葉が出ない。

 

NO310:津波でほとんどの建物が壊れた南気仙沼地区。まだ解体されていない大型の建物も残る/4月21日  01
1426:5月3日からの豪雨で、仮設住宅の一部は床下浸水した/5月4日 02
1643:水産加工会社の冷蔵庫跡には魚の残骸を含んだがれきが残る/5月30日 03
1435:津波の後、火災に襲われた鹿折(ししおり)地区。地盤沈下しているため、雨が降ると一面水浸しになる。奥に見えるのは打ち上げられた共徳丸/5月4日  04

 

プロフィール

現役新聞記者(宮城県・気仙沼在住)
私のいる事務所兼住居は、1階の浸水のみですみましたが、3軒隣の警察署も、少し離れた小学校も解体です。節電といわずとも、家の周辺は真っ暗。人がいないから…街灯もいらないわけで…これから、気仙沼で自分の見たまま感じたままをお届けします。


VOL.148 まいまいの看護師見習い奮戦記~From Newyork~ NY貧乏Nurseものがたり-10

01part -10

One Day

ホスピスボランティアとして、この一年間、ほぼ毎週末たずねていたおじいちゃんが、ついに死んだ。

実は彼2週間前に足に血栓ができて痛みがひどくて、うちの病棟のホスピスの部屋に入院してた。
ホスピスなので症状緩和と痛み緩和のみやったけど、彼にとっては辛い最後やったと思う。

うちは知り合いだったせいもあって担当になることが多かったけど、3日目くらいからは意識も朦朧として会話はもうなりたたなくなってた。4日目くらいからは幻覚や幻聴があったと思う。それ以降は、もううなり声とも痙攣ともとれるようなのの繰り返しで、家族もそばにいて苦痛だったと思う。本人とはもう意思疎通ができなかったから、痛みがあるのか、体の向きかえたいのか、どうしたいのか、なんでうなってるのか、はっきりとはわかんない。

家族はどんな心境でいたかわからないけど、彼がちょっとでもうなり声をあげるとすぐに、痛み止めや精神安定剤をリクエストしにきた。
静かに眠っている状態にしてあげたかったのだろうと思う。

末期の患者さんはみんな、機能低下や体力が低下して喉の痰や水分がを自分自身では吐き出せないから、すごい呼吸が苦しそうな、まるで自分の痰や唾液におぼれているような音がする。これは周りが思うほど本人はそれほど苦しさや息苦しさは感じないそう。でも聞いてるほうは、いたたまれなくなる音で、患者さんが痰におぼれてるように聞こえる。それを抑える薬も何回も注射した。

彼が病院にいる間、うちは何回も何回も痛み止めと精神安定剤と痰を減らす薬を投与した。
何度も抵抗を感じた。それが本人の本当に望んでることかわかんないまま投与するんやもん。

あまりにも頻繁に家族がリクエストしにくるから、まわりの看護師たちは”きっと家族は早く患者さんに逝って欲しいんやろう”っていってた。
そんなことはないとは思うけど、薬は死を早めることにもなる。
結局そういう状態が一週間くらい続いて彼は死んだ。

今は、彼の最後が痛みの極力ない、安らかな状態だったことを願うばかり。

なんかね、本人の意思表示がきっちりと事前にあると、それにそってケアができるからいいけど、意思疎通ができなくなってからやと、痛み止めとか精神安定剤とか、そういった薬をどれだけどんなふうに投与するか、難しい。
文化や宗教や考え方の違いで、最期の時期は本当にみんなそれぞれ受け止め方が違う。

最期まで苦しみぬいて死ぬ。
それは精神が肉体の苦から開放される瞬間なのか。
薬で痛みや苦しみをできるだけ抑えて昏睡状態になってしまうと、魂だけが苦しみ続けるような気もしないでもない。
でも最期まで闘い抜くことが、悲痛すぎるときもある。

難しいなって、あらためて思った。

おじいちゃん、ボランティアとして一年間いろいろお話きかせてくれてありがとう。
時々きかせてくれた歌声は素敵だったよ。

また、天国で会おうね。

 

Other Day…

輸血があって、ちょっとテンパッたけど無事終わってホッとする。
次からは、きっともう少し自信をもってできるようになると思う。

ただ、誰かの血が誰かの体にはいっていくのって、いつもいつも不思議な感じがして、どうにも、なんだかなじめない。

でも輸血がおわるころには、誰かの血は誰かの血と混ざり合ってちゃんと血を受けた人の体の一部となって循環されていくのね。

輸血終わると、たいていの人は本当に顔色が良くなったり、体のしんどさが軽くなったりする。

不思議…

プロフィール

まいまい
ニューヨークの片隅在住。2010年6月に看護師国家試験取得。不況のあおりで就職難民・・・そんな日々の中で遂に2011年10月に就職!感じたこと、気づいたことをお届けさせていただきます。


VOL.148 ぎむきょーるーむ 夏休みの自由研究

工夫していること、困ったことは?

01・キャップ、ダンボール、ひも、ワイヤーなど、使えそうなものは分別収納して残しておきます。(息子6歳・3歳)
・ アイデアを出す時点からいっしょに考えています。こども自身からは、なかなか浮かばないようです。製作も、下準備等は親がやっています。本人の作品か?といわれると悩ましいところです。(息子10歳・6歳、娘4歳)
・インターネットで上手な人の作品ばかり見せてしまった。自分で作るより親に頼ってしまい、こちらも手伝いすぎた。どのように導いたらよいか、まだわかりません。今年は下手でも自分の力でやらせたいとは思いますが。(娘8歳、息子6歳)

省エネ的かかわり方か、楽しむか?

01 自由研究への向かい方は、二つの道しかない。とにかくめんどうだから、「出せばいいや」と、できるだけ簡単に、親子間でトラブルのないように、省エネ的に無難に切り抜ける道。
もう一つは、保護者自身が、子どもと楽しもうとする。親といっしょになにかとりくむことに意味をみつける道だ。
「やらねばならぬ苦しみ」と受け止めているあいだは、怒りやいらだちしか残らない。子どもといっしょになにかできるということに、素直に喜びを見つけていくのである。年に一度、ゆっくりと子どもに手をかけることを「覚悟」するのだ。堂々と、あるいはつつましく、親子の共同作品としてもかまわない。
教員の側からすると、夏休みの自由研究は、家庭、保護者の姿を作品に見つけることができると思っている。実際は、保護者がなんらかの形で、協力している自由研究が多くなっている。アドバイスをすることもあるし、材料集めをいっしょにやってくれたり、作るのを手伝ってくれたり。親の手が入っている研究成果物を見て、「がんばってくれているんだな」と思う教員は多い。少なくとも私はそう思う。
親によっては、何人も子どもがいて、「あんたの宿題でしょ、あんたがやればいいじゃないの、なんで親に手伝ってもらおうとするの!そんなヒマじゃないんだから」と突き放していうこともある。だが、忙しいからこそ、こんなときくらい、子どもといっしょになにかチャレンジしてみたらと思うのだ。
自由研究は子どもや親を自由にしない。でも、子どもは、親といっしょになにかをいっしょにやっているとき、まんざらでもない顔をしているものだ。きっと「いやだなぁ」といいながら、できあがると、みんなに自慢するのも自由研究なのだ。親子でちょっと遊びませんか?
岡崎 勝 おかざき・まさる 小学校教員。お・は編集人

 

生き方を知る絶好の機会だ

01林 丈二
イラストレーター・路上観察家
母親が保存しておいてくれた小学校一年生?三年生までの作品や作文、テストとかを調べてみたんだ。唯一、研究らしいものといえば、これかな(写真参照)。春夏秋冬に分けて、観察したものを絵と文章で表してある。その中の春が傑作。「毛虫の毛は43本ありました」って書いてあるけど、まったくのインチキですよ。よく見ると、自分が描いた絵の毛を数えているだけ。それを堂々と「43本あった」って書いちゃうところがスゴイ。三年生になるとこれぐらいの知恵はつくんですね(笑)。
もう少し説明すると、最初の観察という目的が途中で変わってしまい、それらしく見せることに興味が移ってしまった。どこかで辻褄を合わせなければいけないとすれば、これも生きていくための知恵だと思います。できる子はいいんですが、全部まともにこなそうとしたらたいへんでしょ。
壁だって、かならずしも乗り越えたり克服しようとしなくていいと思う。迂回したり、引き返す手だってある。僕は壁をおもしろがり、なぜここにシミがあるのか、どこまで続くのか、うしろはどうなっているかを見てみようとするタイプ。そんな生き方もあるんじゃないですか。まあ、社会や組織の重要なポストにはつけないですけどね(笑)。
おおげさないいかたをすれば、夏休みの自由研究は自分の生き方を見つける絶好の機会かもしれません。自分が好きなこと、おもしろいと思うことを自分のやり方でできるんですから。自分がどんなタイプかもわかる。
さっきの毛虫の毛だって、まず自分がおもしろがり、それを認め評価してくれる大人がいれば、その子は将来、小説家になるかもしれないし、はたまた詐欺師になるかもしれない(笑)。いろんな可能性があるってことですよ。

抜粋

にらめっこのバイブル:こども・きょういく・がっこうBOOK『おそい・はやい・たかい・ひくい』N0.50より抜粋

リンク

ジャパンマシニスト社


VOL.148 かえるプロジェクト かんがえるONE DAY!

6/11 かえる同盟一周年記念イベント
かんがえる ONE DAY!

食事から学ぶ→料理教室。対話から学ぶ→ワールドカフェ。

朝から晩までじっくり考える日となりました。料理教室では、免疫力アップにはどんな食材をどのように調理すればいいかを学びました。ワールドカフェでは、昼の部で「がれきの処理問題」夜の部では「大飯原発の今後」をテーマに意見交換を行いました。会の終わりにはポストイットに印象に残った言葉を書き、一人づつ発表し全員でシェアしました。

01

02

料理教室

01

 

講師:岡田桂織さん(おかだかほり)
♪つぶつぶトマトライスコロッケ
♪高キビと金時豆のチリソース
♪青菜と粒そばの柚子胡椒ドレッシング
♪つぶフルクリームサバラン

 

 

01 01

日々の食事で免疫力アップ!

今回のポイントは抗酸化作用の強い、ポリフェノールを多く含む「もちキビ」「高キビ」「粒そば」を簡単に炊飯器と鍋で調理する事。短時間に4品作りました。
12時には「いただきます!」食事しながら、酸化しやすい食品、陰と陽の食品、体が緩む、締まる食品、油の種類(圧搾か抽出か)、発酵食品などのお話しを伺いました。

「ワールドカフェ・ぎふ」の協力を得て、和やかだけど熱く語り合う参加者。各テーブルの模造紙は色とりどりの言葉やイラストが。みんなの思いがあふれていました。
ワールドカフェ:ゲスト 岡田桂織、冨田貴史、兼松秀代、伊澤真一、大泉 讃(敬称略・順不同)

かえる同盟・次回の活動は9月。今回のプロジェクトで大きな収穫が二つ。一つは、参加していただいた方と、それぞれに情報、思いなどをシェアできたこと。二つ目は、食べ物、放射能、原発再稼働、がれき処理の問題…気になることは多いけど、みなさんと、どんな形であれ”つながっている”という実感をもてたことです。ありがとうございました。