186号 (2018.11&12)」カテゴリーアーカイブ

vol.186 デンキの特集


台風の多かったこの夏。停電や断水になり不便な思いをされた方も多かったと思います。水、デンキ、ガスなどのライフラインが機能しなくなったとき、日ごろのあたりまえが、あたりまえでなくなります。前号では、日本ではあたりまえに供給されている「水」がテーマでした。今回は「デンキ」について考えてみたいと思います。

ライフライン (lifeline) とは、元は英語で「命綱」の意味。日本では主にエネルギー施設、水供給施設、交通施設、情報施設などを指して、生活に必須なインフラ設備を表す語。
現代社会においては、電気・ガス・水道等の公共公益設備や電話やインターネット等の通信設備、圏内外に各種物品を搬出入する運送や人の移動に用いる鉄道等の物流機関など、都市機能を維持し人々が日常生活を送る上で必須の諸設備のことを指す。


「あなたにとって 欠かせない家電は?」
回答が多い順に

1番目は「冷蔵庫」1,071件(25%)
2番目は「洗濯機」586件(14%)
3番目は「携帯電話/スマホ」463件(11%)
4番目は「テレビ」443件(10%)
5番目は「照明器具」367件(9%)でした。
次いでエアコン、電子レンジ、炊飯器、と続き、さらにドライヤーや、食洗機、タブレット端末のあとに、掃除機と続きます。
2014年8月20日~11月30日に実施しましたニッポンの産業技術50年第1弾「家電&のりものWebアンケートより

たとえば冷蔵庫を置かないと食生活はどうなる?
『電気代500円。贅沢な毎日』の著者・アズマカナコさんの場合、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品を置かないのは、電気代を節約するためではない。「ただ好きだから」なのだそうです。
冷蔵庫がない。だから、まとめ買いはしない。肉や魚はすぐに食べきってしまい、野菜は近所の農家直売所で買っている。数日くらいなら常温で保存できるものしか買わない。余った食材は保存食にする。ぬか床があるので、たいていの野菜は漬け物にできる。
朝食は、野菜たっぷり具だくさんの味噌汁をつくって、あとはご飯と漬け物で済ませる。昼ごはんや弁当は、夜のおかずを温め直したものだ。アズマさんは「料理は適当にする」という方針。テキトーといっても、レトルト食品や冷凍食品を食卓に並べるわけではありません。あらかじめ作っておいた佃煮や干物やビン詰めなどの保存食を活用する。これは「手抜き」とは言わず「段取りが良い」といいます。
玉子は常温でも1~2週間くらいは保存できる(生食もできる)が、アズマさんは玉子を買わない。そのかわり烏骨鶏(ウコッケイ)を自宅で飼っている。薬効や栄養価が高いといわれている高級種だが、じつは畜産試験場に行けば「ひな」を500円程度で購入することができる(東京都の場合)。 雑食なのでエサは何でも良い。1kg100円のクズ米や野菜クズでよく育つらしい。大きな声で鳴くのはオスだけであり、玉子を産んでくれるメスは静かなので住宅地でも無理なく育てることができるという。

洗濯機がない!脱水もできない・・・
基本、コインランドリーは使わない。まず洗濯は、ぬるま湯を「たらい」にためて、せっけんを溶かして洗う。洗濯板は「しつこい汚れ」を落とすときに使うものであり、たいていは押したりもんだり踏んだりすればアカや汗はキレイになるし、風呂の残り湯をつかうので冬でも手が冷たくない。ちなみに、バスタオルは使わずに小さいタオルで代用している。『必要十分生活』という本でも紹介されているライフハック※であり、洗濯機のある家庭でも有効です。
問題は脱水です。雑巾を絞る感覚でぎゅーっと絞って完了。ワイシャツや生地の厚い服なんかは干すときに結構水が垂れてきますが気にしないことに。
※ライフハック:ライフ(人生)、ハック(術)効率良く仕事をこなし、
高い生産性を上げ、人生の クオリティを高めるための工夫。


掃除機もない。
掃除をこまめに心がければ、ホウキとチリトリと雑巾で不自由ありません。

火鉢を使うのは難しくない?
エアコンもヒーターもない。しかし、火鉢(ひばち)がある。火がついた木炭で暖をとる。いまや時代劇ドラマでしか見かけない、日本古来の暖房方法です。
「スキマ時間のなるほど!メディア」より

「炭のこたつや火鉢、あんかに炭を入れて暖をとるんです。中でも、火鉢は手軽に使えて便利です。使い方は簡単。中に燃やした炭を入れて、手などの冷えるところを部分的に暖めます。炭はガスコンロで火をつけることができ、1回火がつけば、それをつないで一日中使うこともできます。夜は灰に埋めておけば火は消えません。朝になって灰をどかせば、またすぐに使うことができる。慣れると、毎回火をおこさなくても、ずっとつないでいくこともできます。」 (『電気代500円。贅沢な毎日』から引用)

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ちなみに、にらめっこの三上はエアコン、テレビ、電子レンジ、こたつ、ファンヒーター、オーブントースターを手放しました。契約アンペアも20Aのまま。以前は、よくブレーカーが落ちて家の中が真っ暗になることも。子どもたちは学習したのか、「今から○○使うから、◇◇は消して」とか声かけをするように。家電をいくつか手放したおかげで、今ではそれもなくなりました。
今年の異常な暑さの中、「暑さ対策はどうしてたの?」とよく聞かれます。とくに熱帯夜。寝苦しい夜は窓を全開して扇風機を弱にセット。部屋の空気をかき混ぜるようにすると、問題なく熟睡です。これから冬。暖は石油ストーブ、たまに囲炉裏で炭火を楽しむことも。人間の体って不思議ですよ、ちゃんの環境に順応しますから。節約モードではなくガマンでもない、なんか楽しいから続けてるって感じです。持続可能なことを考えると、消費は出来るだけ押さえたほうがいい。自分が出来ることをやってみる、そんな気持ちです。

 


やってみよう!どうせやるならたのしくね〜!創意工夫(*^^)v

煮込まない「煮込み料理」でおいしく節電しよう!
体が温まる料理として思い浮かぶのは煮込み料理ではないでしょうか。カレー、シチュー、おでん、スープといった汁気が多く暖かいものは、冬場にうれしいですね。
こうした料理は長時間コトコト煮込んでこそというイメージがありますが、「保温調理」をすれば小さな労力と少しのエネルギーで簡単に作ることができます。保温調理とは、1度暖めた鍋をできるだけ長時間保温することで、とろ火で煮込んでいるような状態を作り出す方法。鍋が沸騰してから10分程度で加熱を止めてしまうため、調理にかかりきりになる時間が少ない。保温調理用の鍋を使うのが最も手軽な方法ですが、土鍋など厚くて冷めづらい鍋を、バスタオルや毛布でくるむという方法でも十分代用できます。
例えば、おでんを作る時は前の晩に1度火を入れ、沸騰させたものを新聞紙で包んだ後バスタオルや毛布で多重にくるみ、コタツの中にでも入れておく。コタツの電気を入れる必要はなく、要するに熱がこもる場所に入れておけばよいのです。朝、もう1度沸騰させてから保温し直せば、夜にはじっくり煮込んだおでんが出来上がる。カレーやシチューならば、ルーを入れる前段階で保温調理し、最後に暖めなおす時にルーを入れるとよいでしょう。
この調理方法だと具材が煮立てられて踊ることがないため、じゃがいもなどの煮崩れ防止にも役立ちます。形を残して調理したい時にもオススメ。逆に、煮崩れて渾然一体となったものが好みなら、最初から具材の一部をすり下ろして入れてしまえば、同じような状態にできます。
また、保温調理は味がよくしみるのも特徴です。実は、味は冷える時にしみます。しかもゆっくり冷やすとさらにグッド。大根の煮物などは長時間煮込んでも芯の辺りが白かったりしますが、「沸騰させて冷やす」を繰り返すと簡単かつ全体に味がしみます。普通の鍋でも、「しばらく煮立ててから火を止め、自然に冷えたらまた火を入れる」を繰り返すと簡単です。汁気の少ない煮物などでも試せる方法だから、ぜひ試してみて!
何より前日の晩や朝にちょっと手をかけるだけで、仕事中がまるごと調理時間になる。忙しくて簡単な料理ばかりという人でも、うまく保温調理を使いこなせば手が込んだように見える料理が楽しめるのがうれしい。しかも、暖かいものを食べれば体が自然に温まって、暖房も控えめにできてしまうから一石二鳥。節電・節約だからと我慢せず、手間をかけずにおいしいものが食べられる機会を楽しみましょう。

意外と電力を食うテレビ! 消して新しい趣味を見つけよう
わたしたちが思っているより節電効果があるものは?それはテレビなんです。テレビはエアコンのように、安定稼働の状態に入ったら消費電力が減るというものではないですが、長時間つけっぱなしにされることの多い家電です。特に見たい番組があるわけではなく、食事時などにBGM代わりにつけていたり、時刻を知るためにつけていたり・・・
でもね、テレビの消費電力はなかなかあなどれないんです。プラズマテレビよりは液晶テレビのほうが省電力であるものの、最新の省エネモデルでも32V型で60W程度。一般的なモデルならば100Wは消費してしまうそうです。もちろん大型化すれば消費電力も増えて、60Vクラスになると省エネモデルでも200W以上!!プラズマテレビだともっと跳ね上がり、42V型で300W以上も使う。そして、古いモデルだとさらに消費電力は増え、なかには500Wというプラズマテレビの旧型もあるようです。何となくつけておくには、あまりにももったいないですよね。
そこで提案したいのが、ラジオの積極利用とテレビのスイッチを入れる前に番組表を確認する習慣です。ラジオは音だけで伝えるメディアだけに、番組内容は「聞いてわかる」ようにできているから、ニュースや交通情報などもわかりやすい。しかも、消費電力は昔のラジカセ的なものでも10W程度。テレビを見なくなった分は、本を読むもよし、絵を描いたりプラモデルを作ったりと別の遊びをするもよし。あなたなら何をする?

冬の節電に備えて湯たんぽ&捨てないカイロ
いま注目を浴びているのが「湯たんぽ」。空気を暖める防寒グッズよりも肌が乾燥せず、頭の辺りだけが暖かくてボーっとしてしまうこともありません。
椅子に座って使うなら、小さなものを腹部にかかえるようにしたり、背もたれとの間に置いて腰を温めたりするといいですね。また、最近では足下を暖めることに特化して、床に置いた湯たんぽに足カバーが取り付けられた製品もあります。床置きにする時は、湯たんぽの下に薄い座布団のようなものを置くと暖かさが長持ちします。冷えは大敵ですからね。まずは足下から温めることをおすすめします。
さらに、大きめの膝掛けで足下から腰辺りまで覆えば、ちょっとしたコタツのようになって快適。今は内部にアルミ層などを入れて反射熱で暖める膝掛けや、巻きスカートのように腰にまきつけてたち歩けるものもあります。オフィスのひざかけといえば女性が使うものというイメージがあるが、この機会にぜひ男性も使ってみてほしいなぁ。
屋外で暖を取る時は「ハクキンカイロ」が頼りになります。本家ハクキンカイロはベンジンをゆっくりと中で燃やして金属ボディが温まるという仕組み。近年はライターで有名なZIPPOブランドのOEMモデル「ZIPPO ハンディウォーマー」もあり、こちらはZIPPOのオイルを入れて利用します。コンビニでも売っているオイルが使えるから手軽だし、たっぷりオイルを入れれば24時間は暖かく、ゴミも出ないというのがいいですね。金属ボディだけに火傷に注意は必要ですが、カバーをきちんと使っていれば心配ありません。

防寒の基本は分厚い服を1枚着るのではなく、薄い服の重ね着。吸汗性の高い肌着も使って暖まり過ぎて汗をかいた時の冷えも防ぐことが大切です。さらにレッグウォーマーで足首を、リストバンドで手首を温めるのも効果的。「今年は節電がんばらないと!」と思うのではなく、おしゃれな防寒グッズを早めにチェックしてみては?


デンキのない生活7年目山田 征
私は2012年10月3日朝、東京電力の人達によって電気を切られてしまいました。それ以来もうすぐ丸7年の間、全く電気を使えない生活をしています。
その理由は、その同じ年の4月から日本中のすべての電気利用者から徴収され始まった、固定価格買取制度、「太陽光発電促進付加金」というものを不払いしたことによります。
なぜ不払いしたかは紙面の余裕がありませんので、その後の電気無し生活について書きます。
よくきかれるのが、「何が一番困りますか?」という質問です。私は迷うことなく「照明です」、と答えます。電気の代わりの照明はローソクと懐中電灯、それから外の電柱についている外灯です。
懐中電灯は玄関とお勝手のまな板の上にぶら下げ、スポットライト状で使っています。これらを使い始めて気付いたのは、懐中電灯は向けた先だけ明るくて手前は暗いままです。でも探し物には無くてはなりません。ローソクはどんなに小さくてもその空間全体を照らしてくれます。食事の時や、寝室ではほとんどローソクだけです。ローソクは洋と和ローソクの二種類あってそれぞれ使い勝手がちがいます。
次にきかれるのが冷蔵庫や冷暖房についてです。冷蔵庫は気温が低い時は必要ありませんが、高くなってくる頃は保冷剤を入れたクーラーボックスを利用しています。保冷剤は一日一回娘の家で凍らした物と交換しています。
私の処はもともとエアコンも扇風機もありませんでしたので前と同じで、有りったけの窓を全開して風を入れています。それでも暑い時は、タオルをぬらして頭に乗せています。車もエアコン無しですから同じです。いまの家屋はまるで箱のように窓が小さいので大変だろうと思います。
暖房はもともと電気と関係無い灯油ストーブです。上で湯を沸かしたり煮物も出来ます。
そして電話です。私の家のは白ですが、一般的に「黒デンワ」といっているダイヤル式のものですから前と同じです。でも電気が無いと通じない、と思っている人が多く、電気無しになってからは掛かってくる量がガタンと減りました。
それからトイレですが、これも前から電気と関係無しのものです。炊飯器も同じです。昔から土鍋で炊いていました。
洗濯機ですが、小さい物は手洗です。大きい物は溜めておいて時々よそで洗濯機を使わせてもらいます。あとお風呂でしょうか。あいにく電気が無いと使えませんので、夏場は行水です。年をとってくると、そんなに汚れもしませんので、ひんぱんに出掛ける旅先で入ります。
それから私はパソコンも携帯電話もありませんので、それも困りません。
近年巻き起こっている、特に今回北海道全体での大停電。いったい何が起きたのかぜひ詳しく知りたい思いです。

やむを得ず電気を使わなくなってから丸7年、そういう生活の中で気付いたこと、見えてきたこと、考えたことほんとに沢山沢山あります。何はともあれ、他の動植物とちがって、人間は電気を使い過ぎています。その結果、必然的に滅びの道を歩んでいるのでは、と思います。

山田 征(やまだ せい)
1938年東京生まれ。6才より九州宮崎で育つ。24歳で結婚、以降は東京都武蔵野市在住。4人の娘たちの子育てと共に、農業と直接関わりながら共同購入グループ「かかしの会」を約20年主宰し、地元の学校給食に有機農産物他食材全般を約17年にわたり搬入。仲間と共にレストラン「みたか・たべもの村」をつくる。並行して反原発運動、沖縄県石垣島白保の空港問題他、さまざまな活動を経る。


『ご存知ですか?自然エネルギーのホントのこと』

山田 征:著
自費出版1200円+送料200円
自然エネルギーの裏に潜む深刻な問題にどれほどの人が気付いているでしょう。硫黄と反応すると危険物質に変化するとされるソーラーパネルに多く含まれる「鉛」と「銅」。大規模に自然を破壊し、そこに作られた風車やソーラーパネルは十数年後には粗大ゴミに。風力発電の風車は電気を使わなければ回らない…。脱原発の切り札とはならない自然エネルギー。発電設備の諸問題について分かりやすく書かれています。
※この本をご希望の方は、にらめっこに在庫あります。

 

 

これからの暮らしを「降りてゆく生き方」から考える
2009年に公開された映画「降りてゆく生き方」。それから9年。日本は、世界はどうかわってきたか。「デンキ」は私たちの生活を激変させました。「便利」を追求したその先には何が潜んでいるのか・・・私たちは改めてじっくり考える必要があります。生き方で暮らしは変わるし、暮らし方で環境は変わると思うから。

「人と出会うこと、それが映画作りの出発点でした」と言う監督の森田さんは、5年かけて日本全国を旅して200人の人々にインタビュー。作品中の台詞には、実際に出会った人々から発せられた言葉が多く使われているという。東京生まれ東京育ちの彼が、過疎地域、限界集落の地域で町づくりに奔走している人々から与えられた影響は計り知れない。その気づきが見る者の魂にずんと伝わってくる。
以下は、監督からのメッセージ(全文は129号に3ページにわたり掲載した文章)をコンパクトにまとめたものです。

「降りてゆく生き方」
戦後、世界中の人々は、科学の進歩こそ人類の明るい未来があると考えていた。そのハイライトは、世界中が熱狂した米国のアポロ計画による月面着陸だろう。当時の人々は「人類は月にも行くことができる!科学技術は、どんな問題も解決できる」と。まさに「昇っていく時代」の象徴といえる。

かつて人間は、他のあらゆる生物(熊、ジャガー、猿、鮭、森の木々など)と、対照的・同列的な存在であり、敬い、畏怖していた。しかし、人類は生物圏から分化し人間圏を生み出した。そのころ、地球が寒冷化して狩猟採集による生活維持がままならなくなったため「農耕牧畜」に舵を切る。そうして人間は、地球上のエネルギーや物質の流れに影響を与える存在になった。だが、しばらくの間は、その影響はさほど大きくはなかった。これが劇的に変化するのは、17世紀に世界を襲った寒冷期による食物の不作がきっかけで18世紀に始まった「産業革命」以降。地球が冷えるとき、人間圏は変化している。産業革命により、人間の生産量は飛躍的に伸び、史上初めて、余剰生産物が発生する・・・。ここから、余剰生産物の流通が始まり、「貨幣経済」が本格化していく。資本主義の萌芽である。

人間は産業革命によって、石炭・石油といった「駆動力」を持つことで地球に与える影響力は飛躍的に大きくなった。産業革命は、人間と地球との関係を一変させ、貨幣経済を発展させるきっかけともなった。資本主義の発展は、それまで生きることが精いっぱいだった人間が、抑圧していた「欲望」を解放する。そして「欲望」は「所有欲」「消費欲」へと向かっていった。さらに「貨幣制度」が人間の「欲望の解放」をさらに促した。「貨幣」の価値がぐんと上がることになり「マネー」は「手段」から「目的」へと変化し、資本主義がめざましい発展を遂げた。

一方で、科学や技術の発展は、人口増加を招く。日本では江戸時代に3000万人だった人口が、今はその4倍以上。近代の主役である国民国家は、いわば「領土」や「国民」を「所有」する存在となる。国民国家の台頭により、「領土は国家が所有するもの」となった。これが「地球は人類が所有するもの」という現代の人間の考え方の出発点といってよい。

日本では、明治以降、官僚が国家の経済をリードするようになる。日本は、第二次大戦で敗北した。しかしその反動か、敬愛的・物質的豊かさこそが幸福であると国民の誰もが信じ「右肩上がりの経済成長神話」を共有し、一体となって働いた。戦後の新憲法は、「福祉国家」を謳い、国民は「いざとなれば国や行政が何とかしてくれる」という幻想を抱くようになる。しかし、官僚主導の護送船団方式は、バブル崩壊によってもろくも崩れ「安定的なシステム」であった日本というものが終わりを告げた。

地球において人間圏が膨張する中、地球温暖化や環境汚染や食糧問題が発生している。中国など新興国の工業化により、食料が今後確実に不足してくると言われている。食料と水は、人間が生きていく基礎をなす。

これまで日本人は、「物質的に豊になれば幸福になれる」という、カネやモノをより多く得ることを欲求の対象として生きてきた。これは、「足していく」ことに価値を見いだす「足し算の生き方」といえる。しかし、多く持ちすぎることで、何が大切か分からなくなっている。これからは何を得るかではなく、何を手放すか。いらないもの、無駄なものをどんどんと「引いていき」、本当に大事なモノを見すえるという「引き算の生き方」こそが、現代の日本人にとって大事である。われわれは今、経済成長がピークを迎えて下り坂となる「降りてゆく」時代に生きているのである。

かつての人間は、森には神の力が宿っていると畏敬の念を抱いていた。それによって、森は開発から逃れ、生命を育む力を持ち続けていた。だから日本人は、長らく森を大切にしていたのである。自然との一体感のある農耕漁労生活こそ、日本人が立ち戻るべき生き方であり、奥山や、棚田をはじめとする、里山を再生していくことが、私たちの急務ではないだろうか。森を造ることは、人間と自然の一体性を体感させ、取り戻させてくれる。

「生きていく喜び」を感じるような生き方をしたい。そのために、「自然」や「動物」や「人間」と一体化するための「祭り」というものの意義をもう一度、縄文人や先住民たちに学びたい。そのスピリットを再現した現代の「祭」を創り上げ、自他が一体となる「場」を創造することが大切である。それには「夢」を語ること。他者の情動を引き起こし、新しいイメージを生み出す。そうやって、夢が共有され、刺激し合って、大きな夢をつくっていくことが大事なのだ。そうすることで、人々はつながり、新しい「コミュニティー」が生まれるのではないだろうか。その「新しいコミュニティー」の第一関心事はこれまでのように「お金」ではなく、「生命の躍動感」になっていくだろう。

イラスト・にらめっこ147号表紙 ライフデザインノート「ゼロの昇天」の表紙にも使わせていただいたお気に入りのイラスト。
映画「降りてゆく生き方」のイメージにもピッタリ!。


vol.186 カタコトの部屋 お塩のはなし


お塩のお話会【好塩快】
講師/ご塩社 社長 笹谷達朗さん
8月下旬、古民家再生工房(羽島市)参加者:学生~お母さん15人

 

 


「どんなお塩を選んだらいいですか?」
「岩塩」がとれる欧米は、岩塩に含まれたミネラルを多く含んだ硬水が土壌にもいきわたり、ミネラル豊富な土壌となっています。その土壌で育った植物にはミネラルが豊富に含まれ、その植物を食べた草食動物(家畜の肉)にも当然、ミネラルが多く含まれています。
日本の水はミネラル分が少ない軟水です。土壌も火成岩で、育つ植物はそれなりのミネラルしか含みません。だから、日本人は昔からミネラルの宝庫である海からの「海塩」を摂り続けてきました。
塩という物質は、身体に入って、直接、細胞に作用するモノですから、お塩の製造方法・工程が大切で重要なポイントとなります。海には多くのミネラルが溶け込んでいます。しかし、旧日本専売公社が販売していた「食塩」は、イオン交換膜法でつくった塩化ナトリウムが99%以上の過精製イオン塩。海水に含まれているミネラル等を取り除いた「ミネラル欠乏塩」なのです。どの塩が身体に良いか、それはご自身で試してみて実感するのが一番確かですね。


「健康のために減塩、とよく聞きますが?」
健康の第一条件は、血液の塩分濃度を0.9%にすることです。自分の血液が塩分濃度0.9%かどうかは体が判断してくれます。塩っけが足りていると塩がいらなくなる。舌が判断するので私は「ベロメーター」とよんでいます。実際に塩をなめてみてください。何十グラムもなめられないはず、もういらない!となります。または、いつもより塩辛い味付けの料理を続けてみてください。だんだんと塩辛い料理を受け付けなくなります。もしも塩分を取り過ぎても吐くだけ。吐くことは悪いことではなくて、もう十分であることの知らせです。塩の摂取量は頭で考えなくても体が知っているんです。
腎臓では1日に200リットルの体液、血液を濾過しているそうです。塩に換算すると25kg相当を濾過し、そこからまた99%の塩を再吸収します。その時に、減塩で塩分濃度が低いと、腎臓は濾過処理の回数を増やさなければ必要な塩分を吸収できません。結果、腎臓をこき使い過ぎ、腎臓に負担がかかります。腎臓が弱まり機能しなくなると様々な病気に繋がります。

笹谷 達朗さん

おねしょの予防は、水分を摂りすぎているなら夕飯をいつもより塩辛くしてみたらどうでしょう。塩分を排出するために尿が出るので、眠る前に不要な水分を出し切れるかな?
※精製塩では逆効果です

漬物や梅干しは使う塩によって、ずいぶん味が変わります。漬物に精製塩を使うと、塩そのものにミネラルの成分が少ないため、素材のミネラル分が漬汁のほうに溶け出てしまいます。そのため、風味はよくありません。天日海塩で漬けると、塩のミネラル成分を摂れるだけでなく、味もよくなります。

女性は子宮の上に腸があり、水分や砂糖の摂りすぎると腸が冷え、下にある子宮まで冷えてしまいます。塩を摂ることで水分が抜け、冷えを予防できます。塩分濃度が0.9%に近づくと、水分が出て体温が上がるんです。

 

 

 


●日本には昔からお塩を大切にしてきた文化があり、『いい塩梅』『手塩にかける』など塩から生まれた言葉も沢山あったことを知りました。昔ながらの日本の風土や暮らしが、健康のキーワードだと聞いて、納得しました!(Rさん)
●減塩をすることが必ずしも良いということではないんだと知り、塩分摂取について改めて考えさせられる良い機会になりました。(Mさん)
●妊活中の体質改善にも塩にかなり助けられたので、塩にはすごく興味ありました。塩などからミネラルを摂って、”出せる体、循環のいい体”に戻していくこと、コレ、ホント大事だなーと感じました。(Cさん)
●おねしょの予防法や、子宮を冷やさない方法がお塩を使ってできるとは、目からうろこでした!すぐ実践して、体の声を聞いてみたいです。(Aさん)
●自分の体にコンプレックスがあったけど、笹谷社長とお話していたら、そのままの自分をまるっと認めてOK、大丈夫、むしろこのままの方がいい、と包まれたような気持ちになりました。楽しく健康になれそうです。(Sさん)

 

 

この車で全国をまわってます

笹谷 達朗さんプロフィール
北海道夕張市出身 。大学を出て食肉の日本一の会社で輸入実務を担当、畜産業界がどういう業界かを知る。25年ほど前に、お塩の大切さとお塩の裏事情を知り、生業とし、塩屋になる。2006年、夕張市の財政破綻が、きっかけで、夕張市にご塩社を移す。夕張で政治を勉強。2011年大震災をきっかけに、「お塩の大切さを伝える」塩屋となる。2014年より、軽トラックで、「全国塩脚」をして、お塩のお話を700回以上こなす。

 

子育てコミュニティ toco toco
子育て世代のやってみたい、知りたい、学びたいことを、自ら企画・運営。誰かが講師、受講者という立場のない、一人一人が活躍する「学び合い会」を中心に、顔と顔を合わせて集う良さを生かした活動を展開中。
問い合わせ:facebook「子育てコミュニティtoco toco」


vol.186 ここいく日記 自分を守る

自分を守る
私が「ここいく」の仲間となり授業に参加するようになり6ヶ月たちます。授業では、まだ伝えることに必死ですが、「ここいく」のメンバーは、まずはきよちゃん(私のことです)が楽しんで!と言ってくれます。そして、毎回子どもたちからたくさんのパワーをもらうこともできます。それが幸せな時間につながるのかなと思っています。
それまで、頑張らなきゃ認めてもらえない!と突っ走ってきた私に、「ここいく」の仲間は、無理をしなくていいんだよ、ありのままでいいよ、と温かく受け容れてくれました。優しい気持ちをたくさんもらうと、自分も優しい気持ちになれます。そうすると、自分のことも、みんなのことも大切にしたいな・・・と思えるようになりました。
そんな思いもあり、授業では「自分を大切にすることは自分を守ること」を大切に伝えています。

自分を守るためには、まず自分の体を知る、相手(異性)の体を知ることが大切です。授業では、男の子・女の子の体の仕組みや成長について、絵や模型を使ったり、または劇や紙芝居などで表現します。
感動体験が心を動かし、子どもたちはちょっとずつ声を出して応えだし、テンションも上がり、楽しい雰囲気になります。
小学生の高学年では精通や初潮について、いのちのもとを作ることができる大人の体になることの素晴らしさ、個人差があること、どう対応したらよいか、どんな注意がいるのかについてもお話しています。また、悩んでいても、なかなか人に聞きにくい勃起や生理痛などの話もします。体の仕組みを知ることで、感想文の中には、「自分は異常ではなかったんだ」、「誰でも起こるかもしれないんだ」、「個人差が大きいんだ」との意見も聞かれ、ちょっとホッとした気持ちが伝わってきます。知ることで、自分の体の成長を嬉しく思うことにつながってほしいな・・・と思っています。そして、お互いの体を知ることは、からかったり、不用意に指摘することも避けることができ、相手を思いやる心が生まれます。このように、自分の体、相手の体のことを知ることは自分と相手を尊重し、自分も相手も守ることの第一歩であると思っています。
子どもが狙われる性犯罪が多い中で、『プライベートゾーン』のお話をしています。プライベートゾーンとは「他人に見せたり触らせたりしてはいけない体の部位。自分だけの体の場所」なので、自分の体、プライベートゾーンは大切に守るべき場所であることを伝えます。
たとえお友だち同士であっても、そこに性的な意味がなくてもプライベートゾーンは触らせない、触ってはいけない場所だと話すことで、それが自分でも守るべき場所であることを自覚することにつながります。また、プライベートゾーンが大切な場所と知らせることに合わせて、きれいに保つ場所なんだということもお話をしています。
「もし、誰かが、プライベートゾーンを見せてって言ったり、見てって言ってきたらどうする?」と問いかけると、逃げる!助ってっていう!お母さんやお父さんに言う!と、大きな声で答えてくれる子どもたち。もし、思いつかなくても、お友だちの意見を聞くことで子どもたちはどうしたらよいかを学んでいます。自分を大切にするために、小さな勇気を持てるようになってほしいなと思っています。
プライベートゾーンについて、小さい頃は「大切な場所だよ」と伝えることで十分ですが、成長と共に望まない妊娠を避けること、性感染症の予防にもつながること、結果的に自分も相手も守ることを伝えます。
自分を守るための性教育だけではなく、幸せに生きるための性教育を届けています。

担当:ここいくメンバー・安田紀代子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.186 リバース 第16号

 ヤマセミはブッポウソウ目カワセミ科に分類される山地の渓流に生息するカワセミの仲間。動物写真家には一度は狙いたい被写体である。人の気配は2〜300メートルで察知され撮影には難儀をする。20数年前は岐南町の造園会社に勤めていた。板取からは往復100キロの道程を16 年間通勤したお陰でヤマセミにも出会えた。というのは、今はなくなったが板取と洞戸境近辺に吊り橋があり一羽のヤマセミが居たのだ。吊り橋の太いワイヤーがいつもの場所の様だ。下は透明度が良い板取川が流れる。チャンス到来!毛布に穴を開けカモフラージュして橋の橋台に身をかがめ早朝何度も狙った覚えがある。
6月頃のある日、今度はなんと2羽のヤマセミ!解像度はイマイチのミラーレンズだが、くちばしが黄色の巣立ちから間がない幼鳥だと確認できた。レンズ越しには寂しそうに見えた。切り立った土の崖に横穴を開け巣を作る。近年セメントが吹き付けられ巣作り環境が狭められているのが心配だ。   撮影・文:長屋 泰郎

松岡さんは、劇団はぐるまの元団員。劇団員の時は自分の声に劣等感を抱いていたとか。柔らかくて耳にここちいい声が、実は自分のやりたい役にはそぐわなかった。その声ゆえに「娘役が多くて・・・本当はね、荒くれだったおばあさんの役とか、土臭い人物を演じたかったの」と笑う。その笑顔がまた魅力的な頼詩子さんは詩人の顔もあわせもつ。

取材には松岡さんが所属する、朗読グループ「あきの会」のメンバー、高橋明子さん、外山澤子さん、堀口博子さんの3人と講師の浅井彰子さんが駆けつけてくださった。みなさん長いお付き合いの仲間たちで「講師の浅井彰子さんの指導力とその人柄に惚れ込んで」、と口をそろえる。本紙3周年でお世話になった実践童話の会の浅野彬さんの志を次いで全国大会にも参加された高橋さん、コボたちの詩集を編んで44年という外山さん、お孫さんの世話にかかりっきりでも、そのおかげで自分の世界が広がったとおっしゃる堀口さん。それぞれの人生を「朗読」を通じて共有しているよう。さっそく、朗読の練習風景を見学させていただいた。
まず発声練習。「明るい声で、口角をあげてにこっとね、はいどうぞ!」の合図で始まっったのは、浅井さんのオリジナル「笑み声体操」。ウォーミングアップしてから、作品を朗読。

「川の声」
「伊自良川の石にすわると」
いろんな音が降ってくる・・・
みんなの顔が程よく緊張し声にもハリが出る。目を閉じて聴いてみる。水の音、鳥の鳴き声、木々のざわめき、などが折り重なるように川の情景として浮かんできた。何やら美しい旋律の音も聴こえてくるようだった。
「自然界の音は、いろんなタイミングできこえてきたり、降ってきたりします。そこには規則性なんてないわけだから、みんなが口々に言っていくことが、ここは詩的かなって思う。」と、浅井さん。次は「さそりざのおんな」。そして「ふしぎなビー玉の世界」と続く。どの作品も、コボたち詩コンクールの入賞作品だ。声の抑揚や声色でいろんな情景が浮かぶ。
 こんなに楽しそうな練習風景に身を置いていると、つい声を出したくなる。だけど腹から声を出す、というものの素人ではなかなか難しい。すると松岡さんは、「孫たちを怒鳴っていれば、声は出ますので。」(笑)ユーモアたっぷりでその場が和む。
「松岡さんの声は、文学に対する愛情そのもの、本当に暖かくてやさしいの。お人柄そのものが現れている。」と3人が口を揃える。すると、「わたしなんか、お腹は出てるけど、声は出ないんだよ」(一同笑)突っ込みが入る。なんとも楽しい雰囲気で笑いが絶えない。
「実践童話の会の浅野彬先生(故人)の話術は、本当に素晴らしくてなかなか真似は出来ないです。いつだったか先生のお宅におじゃました時に先生の本棚を見せていただいたんです。落語とか、私たちが普段手に取らないような本がね、いっぱいあったの。こういうところからヒントを得て、先生は実践されているんだなって感心して帰って来たんです。」という松岡さんたちは図書館でも朗読をしている。そこではゼロ歳の子もお母さんに抱っこされて聞く。最初は「えーっ!ゼロ歳に絵本を読める?」という危惧感があったが、お母さんが一生懸命に聞いてくれて、赤ちゃんも絵を見ながらジッと聞いてることに驚いた。朗読をしている喜びは、そういうシーンをみられることなのだろう。反対に朗読のむずかしさも痛感している。常に、どんなふうに読むか、そのための練習は欠かせない。
「自分が、そのものごとをどうとらえているか、というのが声に出ます。その本の人物とかものごとと、自分との距離感も声に出るので、ほどよい距離感を持って朗読することが大事。」と講師の浅井さんの言葉を常に意識しながら取り組んでいる。
「『あきの会』の名は、講師の彰子さんからつけさせてもらったの。平和のつどいの群読で知り合って、あこがれちゃってね」とお茶目に笑う松岡さんは永遠の娘役が似合いそう。会は発足して今年で10年目となる。現在会員は11名。今年7月には「『はじめまして』のおはなし会」で浅井さんと共に朗読を楽しむ6グループの発表会が、みんなの森 ぎふメディアコスモスでおこなわれ、『蜘蛛の糸』(芥川龍之介)「サーカス」(中原中也)を朗読した。
松岡さんは今後も練習を積み、朗読の場を重ねていく。作品とほどよい距離感を持って楽しみながら・・・


vol.186 ボーダーレス社会をめざして vol.45

お金
障がいのある人たちは、社会でどのように暮らしているのでしょうか?小学校・中学校・高等学校は一般の方と同じです。が、人によって普通学級・特別支援学級・特別支援学校と学ぶ場所が違ってきます。その後社会に出る時には、一般就労・福祉就労の2つに別れます。一般就労とは企業や公的機関などに就職して、労働契約を結んで働くことです。一方、福祉就労とは、一般就労のような働き方が難しい方で、福祉サービス事業所等で働く形態をいいます。社会に出てから暮らしていくためには、お金が必要となります。障がいのある方たちがどのような状況に置かれているのかご存知でしょうか?障がいのある方は、収入がとても少ないのです。福祉就労している障がい者の収入源としては、福祉サービス事業所の給料と障害基礎年金があります。

平成28年度の福祉サービス事業所の工賃(なぜか給料の事を工賃と言います)の全国平均は、ひと月あたりA型事業所が70,720円、B型事業所が15,295円です(厚労省ホームページより)。A型事業所は、利用者と雇用契約を結んでいて最低賃金が出ます。B型事業所は比較的軽作業が多く、ひと月3,000円の事業所もあります。私の知り合いに障がい者の収入の話をしていた時に、「一日3,000円なの?」「いいえ、ひと月で3,000円なんですよ」とお話したことがあります。一般の方の想像をはるかにこえた金額なのです。それで今は賃金アップの対策が取られています。一般就労は、最低賃金以上支払われているのが普通ですが、最低賃金適用除外という制度があります。最低賃金を一律に適用してしまうと、逆に雇用の機会が狭まってしまうケースなど一般労働者よりも著しく労働能力が低い場合は、都道府県労働局長が認めたら、最低賃金以下になります。息子は最初の会社は、1時間250円くらいでした。最低賃金適用除外の申請が出されていたようです?幸いにも、現在の息子の会社は、理解ある良い会社で息子が幸せだなと思います。また、障害基礎年金と言うものがあり、ひと月1級81,177円、2級64,941円という年金が頂けます。これは自己申請なので申請しない限りはいただけません。一人で暮らしていくために必要な金額は、平均で163,665円(総務省単身世帯データより)というデータがあり、事業所の収入と障害基礎年金を合わせても地域で暮らしていくのには、たくさんのお金が不足になります。さて、どうすればいいのか?考えなくてはいけません。大きな大きな課題です。


vol.186 えんぴつ・カフェ

えんぴつ・カフェスペシャル第2弾
「成年後見制度ってなぁに?」
9月20日(木) 各務原市産業文化センター第4会議室にて


参加者の感想

・実際の事例説明でしたので、とてもわかりやすかったです。後見人の方と多職種連携は大切です。地域ケア会議(ネットワーク会議)にも参加していただけるといいと思いました。ありがとうございました。
・ 成年後見人制度は、財産保全に有効なことがわかりました。諸事情のある方にメリット、デメリットもありますが、必要な制度だと思います。これからは財産の金額により対応を変えていく制度がいるのではないかと思います。
・主人の両親が認知症が進んでいます。初めて成年後見人制度のことをしっかり聞くことができました。主人としっかり相談したいと思います。司法書士というお仕事も身近に感じることができました。

こんなおしゃべりを通じて、自分の考えを調整したり、確認したりするのが“えんぴつ・カフェ”です。みなさまの参加を、お持ちしております。

次回のえんぴつ・カフェスペシャル企画 第3弾
「住み慣れた街で最期まで過ごすために」
講師:木田盛夫氏
(木田ファミリークリニック院長)
終末期医療について、実情を検証しながら、在宅のメリット、デメリットを学びます。
と き:11月18日(日)13:30-15:30
ところ:産業文化センター2階第3会議室
会費1,000円
(講師の基調講演後、紅茶&お菓子を楽しみながら、質問タイムで情報交流をします)
※当日は航空際と重なっていますので、周辺道路と駐車場が大変混雑します。できるだけ公共機関でのご参加をお願いします。(ご希望の方は、にらめっこ事務所から送迎いたします。)

えんぴつ・カフェ 開催日程
会場:各務原産業文化センター2F会議室
時間:13:30−15:30
(2019年1月からの会場は予約でき次第お知らせいたします)
2019年 1月19日(土) スペシャル第4弾「在宅の現場から」
講師:入学佳宏氏(ケアマネージャー)
ケアマネージャーから在宅の現場の声を聞き、介護や看護のあり方を考えます。
2月20日(水) おしゃべりしながらノートに書き込む
3月20日(水) スペシャル第5弾「どうお別れしますか?」
講師:市川雅清氏(一級葬祭ディレクター&終活アドバイザー)
えんぴつ・カフェで常に話題になる葬儀やお墓の問題それぞれの土地柄や実情などを含 め情報交換します。

えんぴつカフェの問い合わせは
NPO「人生これから!」
田辺 090-5638-7044 三上 090-7854-4561


vol.186 ホスピスナース奮戦記 vol.11


人の終末期に思うこと
病棟勤務のとき、受け持ちの患者さんをみていて、「あぁ、ホスピスケアか緩和ケアに切り替えて自宅に帰れたらいいのに」と思うことがよくあった。穏やかでより自然な最期を迎えられるだろうなと思ってしまうから。でも、いろんな事情で在宅のホスピスケアが受けられない人もたくさんいる。ホスピスケアや在宅での緩和ケアのことをよく知らない人、在宅でのサポートをしてくれる家族がいない人、家族がいてもサポートができない場合、病院や施設の方が安心する人、家族に迷惑かけたくないという人、家族との意見が合わない人など実に様々。自己決定能力のない人、アメリカでは保険の有無でホスピスが受けられない場合もある。
これは仲間の看護師が勤務する病棟での出来事。その日彼女は94歳のアルツハイマーの患者さんを受け持っていた。感染症で入院して危うく敗血症で命を失いかけたものの一命は取り止めたが、いくつかの臓器の機能低下が著しくて、予後もあまり良さそうではなかった。食事はほとんど自力では取れないし、口元に運んでもほとんど口を開けようとしなかった。それでも、その患者さんがまとう雰囲気というか、なんとなく発している空気感が、とても穏やかだったそう。
このまま一般の病棟にいる以上、毎日の採血でいろんな数値に対応するだけになって治療というよりは、毎日上下する数値を許容範囲に戻すためだけの薬や点滴を続けるだけ。食事もとれていないから、家族が一般的な治療を望めば、鼻からチューブを胃に入れる経管栄養とか、心臓に直接つながる大きな静脈にカテーテルを入れて栄養を点滴でいれるとか、胃瘻とか・・・になる。もし意識低下や心肺停止が起こったときには、気管挿管して人工呼吸器につないだり、心臓マッサージをして心臓をふたたび動かすための薬を大量に投与したり・・・になる。一般的な治療を続けた場合、いろんなものが数値化されて可視化される。異常が数字や映像で認められた以上、それに対応することになる。たとえそれが患者さんに苦痛を与えることになってもだ。患者さんが穏やかに過ごせる状態につながらないとわかっていてもだ。そのため、主治医は早い時点で、緩和ケアへの切り替えを提案した。このままゆっくりと衰弱していくのは予想できたし、安定している間に家族のいる自宅に帰り、できるだけ穏やかに毎日を過ごせたほうが患者さんにはベストだろうということだった。どう死を迎えるかは、その瞬間までをどう過ごすか、どう生きるか、本当にそれに尽きる。
 患者さんはアルツハイマーの症状に加え、現時点では意思疎通も難しいため自己決定能力がないと判断され、主治医は家族にDNR(do not resuscitate: 蘇生措置拒否)の話し合いを持ちかけた。それと同時に在宅でのホスピスケアへの切り替えも提案した。でも、家族は渋った。理由は宗教上の理由だった。どんな状態であろうと今できる医療行為は全部すると言った。もちろんDNRのサインも拒否した。ホスピスではく病院内の緩和ケア病棟への移行も拒否したため、日をあらためもう一度話し合いをすることになった。まさにその夕方。患者さんの容態が急変して、なんと心肺停止状態になったのだ。その日は私の仲間が担当看護師だった。彼女は、脈が無い事と呼吸をしていない事を確認して心肺蘇生を始めた。やせ細った胸を何度も押す、何度か骨の折れる感覚がしたそう。チームが駆けつけて心臓マッサージを交代し、あらためて目の前の患者さんをみつめた時、正直、「お願い、もう一度こっちに帰ってきて!」ではなく、「こんなに痛い思いをさせてごめんなさい」と思ったそうだ。これで再び心臓が動いても、この94歳のかわいいおばあちゃんは、しばらく胸骨か肋骨かが折れたままいろんな管につながれて人工呼吸器で息をすることになる。患者さんはどんな風に感じていたのだろう。家族はそんな姿のおばあちゃんをみて、どんなふうに思ったのだろう。この患者さん、なんとこのあと一命をとりとめて、ICUで治療が続けられた。数日後、残念ながら人工呼吸器につながれたまま意識のない状態となってしまい、それから数日後に、ICUで亡くなった。
前にどこかで、「肉体の死を迎え魂が体を離れる瞬間を現代の医療が邪魔することがある」と聞いたことがある。もしかしたら、この患者さんは死を迎えるタイミングに、うまく魂と体が離れられなかったのでは・・・と思ってしまった。それとも、心臓が再び動いてICUにいた数日間に、家族に伝えたいことを身をもって伝えたのだろうか。もちろんこの患者さんにとっては、これが最良だったのかもしれないし計画通りだったのかもしれない。それぞれのストーリー、それぞれの死。自分にとって何が自然かは、人それぞれ。結局は、自分の心と体と魂の全部が納得する生き方が、不必要な苦しみや矛盾のないその人らしい死に方につながるのかなぁと考えている。

わかばま〜く:プロフィール 1982年生まれ。ニューヨーク州立大学卒業後、ニューヨーク市立病院に看護師として4年勤務。現在は訪問看護師としてホスピスケアに携わっている。岐阜県各務原市出身。


vol.186 ぎむきょーるーむ 続・先生にこんな「ひとこと」を言われたら 


「やることが遅いです」

学校では「遅い」ということが致命的だと思われている。
学校で「遅い」といわれる子どもたちには、じつはそれぞれにそれなりの事情があるものだ。だが、教員が「早くしなさい」というときには必ず「集団で動いているのだから」という理由がつく。
例をあげよう。ボクは給食の時に時間をある程度決めている。その時刻が来たら、「はい、かたづけて」ということになる。だいたい25分間くらいだろうか。こうしたときに、もっとゆっくり食べたいと言う子がいても不思議ではないと思っている。
でも、じゃぁ、「自由に食べていなさいね」とはいえない。なぜなら、いつまでも食べていると、食器や残り物のあとかたづけが一度にできなくなって、ほかの子どもたちにおおいに負担になるからだ。遅れた子のあとかたづけを、二度も係りの子がやることになってしまう。これは家庭でも同じだと思う。
じつはこうした「遅いー早い」というのも社会的な価値観のものさしでしかないのだから、結局は比較に過ぎない。親や教員は、早さだけでは世の中は渡れないということを十分に承知しているはずだ。ならば遅いといわれる子どもが、結果はともかく、それなりの充実感をもっていろいろな活動をしていることに気づかないで、ただダメダメ光線ばかりを出すのはまずい。それは結局、子どもたちの意欲を削ぎ、適当にやってかたづけておけばいいということを習慣化してしまう。

「自己中心的ですね」
そもそも「自己中心的」とはなにか?よい意味でいわれる「自己主張の能力」とどうちがうのか?
静かに黙っていると「きみはおとなしいが、自分をもっと出さなきゃいけないよ」などといわれる。ところが、ちょっと(人によってその程度にちがいはあるが)「自己主張」しようものなら、とたんに「自分勝手」「わがまま」と非難される。こういうあいまいで似たようないい方は、子育てや学校教育の現場ではよく使われる。しかも、それらの言葉は、その中身を吟味されることなく、発せられたとたんに、子どもや親に突き刺さるのだ。だから、「自己中」といういい方で非難されたら、「じゃあ、自分の考えはどうやって表現するんですか?」と聞けばいい。つまり、なぜ自己中に見えるかといえば、相手や周囲とのちがい・異質さがあるからだ。ちがいがあるからこそ社会が成り立つ。「自己中といわれるくらいの表現や行動でなきゃ、個性とはいえないよ!」くらいはいっていいのだ(笑)。
教員がこどもを自己中心的と非難するときは、自分のいうことを聞いてくれない、とくに「素直に聞いてくれない」ということから、むっとして口から出ることが多い。
授業中に先生の配布したプリントを前からうしろにまわすとき、自分のぶんだけ取って、あとは知らんぷりという子どももいる。しかし、それは自己中心的というよりは、視野が狭く、自分しか見えていないということであり、他人との生活のしかたを知らないのである。だから、しつけや生活のかけひきのなかで学ぶことだ。どちらかというと、生活の技術のような内容でさえある。
「あいつは自分のことしか考えていない」といわれても、やらねばならぬときがある。
リスクまで考えて自己中心的であるかどうかが問題なのだ。格調の高い自己中心的態度は自律のきわみであり、「教育の目的」でもある。

「ヘンな友だちとはつきあうな」
昔から「朱に交われば赤くなる」とか「類は友を呼ぶ」ということがいわれ、親が友だちをきちんと選んだり、監視していないと、自分の子どもがよくならないといわれてきた。
親としては、事件を未然に防ぐために、誰と友だちになっているか?その友だちは「いい子」かどうかが気になる。まして、教員から「あの子と遊ばせるのは注意したほうがいいですよ」などといわれれば、そうとう気になる。
教員に「不良と遊ぶと不良になる」とか「あいつとつきあうとロクなことはない」といわれても、あわててはいけない。もちろん、そういう場合がまったくないとは思わない。しかし、その「見解」が予断と偏見の産物であることはよくあるし、その「ロクでもない子」が、じつは遊ぶことがうまく、集団を仕切ることもうまく、いっしょにいると「あぶないがスリルがある」ということを子どもたちが知っているから「追従し交わる」場合もあるのだということも知るべきだ。
また、たとえ「朱」だとしても、観る角度や価値観によっては、その「朱」が個性として、その子なりのおもしろい展開をしていることもある(いまどきの大人は、「最近の子どもはたくましさがない」というが、ほんとうはそのたくましさとは、ときには「悪いこともやってしまう」ようなことまでふくんでいるはずだ)。
ちょっと「マズイ奴」とつきあっているわが子を見つけたら、ドキドキしながらも、いい勉強をしているくらいに思った方がいい。親のお金を黙ってぬいたりさせるような「悪い奴」ならカミナリを落とせばいい。それだけのことだ。
他人様の子どもをしかるのは勇気がいるし、めんどうだ。教員も親も、そうしたリスクを避けんがために、「楽な友だち」を子どもの周囲におきたいのだろう。そんな気持ちはわからないでもないが、それって、純粋培養に似て、いざというときにとても弱く、親も右往左往することになるのではないだろうか。

「もっとお子さんとかかわってあげてください」
どんな「提言」も頭から無視するのはよくないのだが、この「もっとかかわりあって」というのは、はなはだあいまいでありながら、親にとってけっこう痛いところをつかれていて、笑ってすますことができない場合がある。
結論的にいえば、「かかわりあう」ということが、あまりにわざとらしく教育的になってしまうところに問題があるとボクは考えている。
小学生になれば、世話をする内容も複雑になるだろう。しかし、どんなに複雑になっても、食べさせること、服を洗い着せること、安眠させることは、相手がモノではない以上、こころ配りせざるをえないだろうし、当然いろいろと苦労する。そうしためんどうな生活そのものが、「かかわっている証拠」なのではないか?子どもといっしょに夕飯を作るなんていう「上等」のかかわりもあっていいが、実際にはそんなチャンスは少ない。
めんどうなコトをできるだけ避けて子どもを育てたいという気分は十分わかるが、一方でめんどうでややこしいコトが子どもをめぐって起きれば、そのときこそが「かかわる」チャンスであると思えばいい。
多くの教員が「もっとかかわってあげてください」というような状況があったとしても、ボクはいわないなあ。だって、そんなことをいったら「先生こそ、学校でもっとうちの子にかかわってやってくださいよ」といわれ、悩みをひとつ増やすことにもなる。
最近の「幼児・児童虐待」といわれるものも、けっして親としての愛情がないというたぐいのモノではないのではないか?自分の思いどおりにならない身近な存在を、許すことができるかできないかという問題なのではないか、と思うのだが。
とりあえず、ひとつ屋根の下で存在しつづけることで、まずよしとすべきなのだ。いっしょに暮らすこと、それ自体がかかわりの第一歩なのだ。


vol.186 半農半Xという生き方 vol.27

地域資源が増えるまち
僕が住む中学校区に信号がいくつあるか、数えてみたら、3つでした。すこし前まではわが家から最寄りのJR綾部駅まで、信号ゼロで行けたものです。そんな信号3つのわが豊里地区ですが、なんとすてきなパン屋さん「5miche(サンクミッシュ)」が、誕生しました。神戸でパン屋さんをされていた夫妻がUターンして開業されたのです。お店はすぐに人気店に!お客さんも絶えません。綾部だけではありませんが、街中も農村部も店がどんどんなくなる時代に新しい店ができるってすごいことだと思うのです。地方創生 が叫ばれるいま、すべきことは地域資源(地域の宝)を再発見し、それを磨くことといわれます。最近、こんなことに気づきました。地域資源がなくならないまち、地域の宝がゆっくりとさらにいいものになるよう育まれるまち、そして、新たに宝物が生まれるまちが大事だと。みなさんのまちに、最近、何か新しい地域資源が加わっていたらすばらしいです。大事に支えてあげてくださいね。

「修行」
10年勤めた会社を卒業し、京都市から故郷・綾部にUターンしたのは、1999年(平成11)のことでした。早いもので来年1月末で、まる20年となります。当時、私たち夫妻は33歳、子どもは1歳。いま、娘は大学3年生となりました。先哲のことばに「場所が決まれば、修行が始まる」というのがあります。たしかに綾部という場所に戻ると決めたことで、新しい修行が始まったと実感しています。それまでの京都時代とは違う深い日々であったように思うのです。歌手・加藤登紀子さんと獄中結婚をされたことでも有名な故藤本敏夫さんは『青年帰農』(農文協、増刊現代農業)という本のなかで、「ポジションが決まれば、ミッションがわかる」というメッセージを遺されました。1999年は母校の小学校が閉校となった年でした。そんなタイミングに帰ってきて、縁あって、あるポジション(場所、置かれる部分、立ち位置)を与えられました。それによって、私は都市農村交流や定住促進、情報発信、全国に綾部ファンを増やすことがミッションとなったのです。いくつになっても、歳月を経ても、まだまだ未熟者ですが、綾部での修行を今後も励んでまいります。

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.186 菌ちゃん野菜応援団 vol.7

今年の夏は暑かった!!


あまりの暑さに我が家の庭からは、日中に限りとはいえ蚊が姿を消し(普段の夏は殺人的に飛び交ってます)、畑の野菜もぐったり。それでも盛夏を過ぎたあたりから元気を盛り返した野菜たちの生命力に何度も勇気づけられました!

いくらやっても水やりが追いつかない、と農家の方も泣いてました。こんなに暑い日が一体いつまで続くのか、とうんざりしていたけれど暦は確実に移り変わって、今は朝晩はヒヤッとするくらいです。夏野菜を片付け、冬野菜に向けてせっせと畑支度。そのときに活躍するのがなんと家庭から出る生ゴミちゃん!なのです。

生ゴミの分解方法はたくさんありますが、その中でも割と知られているのをいくつか紹介しますね。
1つ。家庭用生ごみ処理機を使って乾燥もしくは微生物分解させる。
2つ。バケツにぼかしと一緒にため込み、ある程度貯まってから土に返す。
3つ。ダンボールコンポストなどを使って微生物分解させる。
4つ。そのまま土に穴を掘ったりぼかしと混ぜ合わせて戻す。


どのやり方も一長一短ですが、最終的に土に戻すのは一緒。
それをすることで土がフカフカになり、空気や微生物をたくさん含んだいわゆる団粒構造の土になります。
生ゴミに限らず微生物たっぷりの土で採れたお野菜を、私たちは「菌ちゃん野菜」と言っているんですね。そしてなんと私は「菌ちゃん野菜アドバイザー」(2年かかりますが・・・)の資格を取ることに。(^_^)b
皆さんで楽しめる畑も新たに借りられることになりました。これまでどこでやっているのか、どこで手に入るのかわかりにくかった私達の活動や野菜たち。

来年からは希望者の方とどんどん一緒に畑をやっていきたいと思っています。一人ではやれないし〜、なにからやっていいのかわからないし〜、と二の足を踏んでいたそこのあなた!
畑なかま募集中ですよ〜!!一緒にやりませんか??
詳細は 070-2626-6675 各務までお問い合わせくださいね。


vol.186 未来に続く暮しの学び vol.28

畑のあるくらしを共有する
いま、続けることの大切さを実感しています。
5年間畑で作物を作り続けて、やっと自分たちの食事と、団体で泊りにくるお客さんの食事の食材は穀物や豆以外ほぼ賄えるようになってきました。

テーブルに並べられた料理の材料の作物たちは、いったいどんな形をしているのか、いつ収穫できて、どんな調理をされてこの食卓に並ぶのか。一連のプロセスをお客さんと共有します。すると、「今まで何気なく食べてきたけど、プロセスを知ったことで、食べ物がとっても愛おしくなりました」という反応がときとして返ってくることがあります。
作物の成長過程を体験することは、実はいちばん必要な事だと感じています。自分たちが実際に体験して、「畑から食卓へ」というサイクルの心地良さを感じる程に、どうしたらより多くの人たちとそれを共有していけるだろうという思いも強くなりました。

また、3週間から一ヶ月という短いスパンでボランティアとして来てくれている人の反応を見ていると、「旅を終えたら自分でも畑で作物を作れるようになりたい、穀物採食の料理を家族に作ってあげたい」、という人が多くなり、このようなスタイルが求められているのだと感じました。

 ということで、畑のある生活を実践的に学べて、体験できるプログラムを企画することにしました。特にここはパーマカルチャーに対しての意識や注目が高いので、ここ亜熱帯気候に適応した野菜、畑、素材の作り方から、自分の生活に取り入れていける実践的な部分を伝えていこうと思っています。そして、ここに滞在してもらうことによって、畑の収穫物での料理を食べてもらいます。

お互いに学んでいくことを始めていこうと思っています!!

share what you have with others.!!  yao
(お互いに共有しましょう!!)


vol.186 夢か悪夢かリニアが通る!vol.15

「日経ビジネス」8月20日号が「リニア新幹線 夢か、悪夢か」と題した特集を組み注目されています。葛西敬之・JR東海名誉会長のインタビューでは、「私がじゃなくて、神様が見ても、誰が見たって(リニアは)いけるんです」という「神懸かりな」言葉を引き出しました。これに対し、「WiLL」11月号は「朝日に成り果てた『日経ビジネス』」などの記事で先の特集を批判。その内容はさておき、新聞やテレビが本格的に取り上げてこなかったリニアの是非を巡る議論が、多くの人の目にさらされることを歓迎したいと思います。                                ジャーナリスト・井澤宏明

 

「安全神話」に守られて

静岡で準備工事
リニア沿線7都府県のうち、唯一工事が始まっていなかった静岡県で9月18日、JR東海は南アルプストンネル工事の準備のため、作業員宿舎と林道の工事に着手しました。
南アルプストンネル工事の影響で「毎秒2トン減る」と予測されている大井川の水を巡り、静岡県とJR東海の対立は解決しないまま。2027年開通に向けて切羽詰まってきたJR東海が見切り発車した形ですが、積み残された課題は何も解決していません。その一つに、トンネル工事で掘り出される膨大な残土があります。
「東日本大震災前の東京電力の考え方と変わらない」。昨年2月、大井川源流部の残土置き場について話し合っていた静岡市の有識者協議会で、委員の明星大学准教授・長谷川裕彦さん(57)(自然地理学)がJR東海の姿勢を批判しました。
計画では、大井川本流と燕沢の合流地点に、東京ドーム約3杯分に当たる約370万立方メートルの残土の大部分を最大約70メートルの高さに積み上げるとしています。
すぐ上流にある千枚岳(2879メートル)は、これまでも大規模な崩壊を繰り返してきました。山頂から深層崩壊が起こった場合、土石流や水分をあまり含まない岩屑なだれが上千枚沢を駆け下り、大井川本流に達して対岸に積み上げられた残土にせき止められ、より大規模な土砂ダムができてしまう恐れもあります。長谷川さんは、「最悪のシナリオを検討しておくべきだ」と、JR東海に繰り返し迫りました。

千枚岳と上千枚沢。大規模に崩れた跡(右上のだ円)が見える。左下のだ円付近が、残土置き場となる予定だ(長谷川さん提供)

岩屑なだれを確認
ところがJR東海は、山腹からの小規模な土石流を想定したシミュレーションしか行わず、「土石流は大井川本流には達しない」と主張。「規模が大きい崩壊ほど、発生確率は低くなる」などとして、長谷川さんが提案した深層崩壊を想定したシミュレーションを行うことを頑なに拒否しました。

「毎夏、長いときには20日間ぐらい南アルプスで調査しています」という長谷川さん(明星大学で)

静岡県で準備工事が始まる直前の9月15日、東京都日野市の明星大学に、長谷川さんを訪ねました。
南アルプスの氷河地形などを研究してきた長谷川さんは学生時代、先鋭的な登山で知られる山学同志会にも所属していた「山ヤ」です。
「日本で一番地質が脆弱なところ」(長谷川さん)を掘る南アルプストンネルに疑問を感じていましたが、2015年に静岡市の有識者協議会の委員に就任し、「(リニアを)作る形で進めるにしても、地形学を専門にしている人間として、残土置き場が本当にそこでいいのか、明確にしなくちゃいけないと思って取り組んできた」と話し、次のように警鐘を鳴らします。
「千枚岳の山頂直下に崩壊前兆地形がたくさんあって、大規模な地震があったとき、雨水をたっぷり吸いこんでいると、一気に崩れることが十分ある。科学者として山を見てきた立場から言うと、次の東海地震で起こってもおかしくない」
長谷川さんたちの現地調査により、古く見積もっても1000年から2000年前、上千枚沢で少なくとも2回の岩屑なだれが発生し、大井川本流より100メートル、80メートルの高さまで堆積したことも分かりました。
これは、JR東海が「1000年に1回以上の規模」として想定したという土石流よりも大規模な岩屑なだれが起きていたことを意味します。専門家の警告に背を向け続けるJR東海について長谷川さんは、「安全神話に守られていたときの電力会社と同じ」と苦言を呈します。
大井川本流をせき止めた土砂ダムが決壊して、下流域の住民に被害を及ぼさないためにも、「残土を置いたとき、置いていないときをシミュレーションしたらどう違うのか、JR東海は明らかにする義務を負っている」と長谷川さん。JR東海が、東電の轍を踏むのを黙って見過ごすことはできません。


vol.186 かなでの沖縄だより vol.10


バングラデシュに行ってきました!①
 8月13日から24日までバングラデシュに行ってきました。以前、Peace of Peaceで話をお聞きした渡部清香さんのフィールド、バングラデシュ東部の「チッタゴン丘陵」を案内していただくスタディーツアーに参加。清香さんと一緒に現地に行き、講演会で聞いたことを自分の目で見て感じることができました。
そのことを報告したいと思います。

首都ダッカ
沖縄からは1日半かけての移動でした。久しぶりの長い飛行機だったので疲れました。でも得ることがとても多く、疲れが吹っ飛ぶほどでした。バングラデシュに着いてから、私はびっくりすることばかりで開いた口がふさがりませんでした。そのうち、初日と最終日はダッカで行動しました。その間はチッタゴン丘陵地帯のランガマティでの活動でした。
 ダッカでは、ダッカ大学の見学やマーケットでの買い物をしました。バングラデシュで働いている日本人の看護師さんにも会いました。
バングラデシュの交通手段の1つCNGがあります。これは天然ガスで走るタクシーで、大きい乗り物ではありません。初めて乗ったCNGがバスとぶつかった時は、「あ?もう終わった」と思ったし、すごく怖かったことを覚えてます。バングラデシュの交通事情は決して良いとは言えません。信号があっても守らない、免許を持って運転しているかどうかわからない、バスがあっても路線は決まってない。クラクションの鳴らし方は、日本でやったら捕まるだろうというくらいの多さ。バングラデシュについて30分間に一生分を聞いたような気がします。
ダッカマーケットでは、日本ではありえない光景が目の前にありました。食べ物は30度越えの外に出しっぱなし。服は山積み。お金くださいってついてくる子どもたち。飴買って欲しいってついてくる子どもたち。世界で最も貧しい国と言われる一端を見せつけられました。「助けてあげられるならみんな助けてあげたい」って思い、少し悲しくなりました。
 これが現実なんだって…。一緒に行った清香さんの妹、千秋さんはもう4回目のバングラデシュでした。その千秋さんに20代の男性がしつこく付きまとってきました。その男性もお金が欲しいようでした。断っても服装を変えてまたついてきました。でも、その反対に「日本人だ?!」って笑顔で話しかけてくる人や、手を振ってくれる人も少なくありませんでした。「怖い」という体験もしたけど、人の温かさも感じたダッカでの1日でした。

チッタゴン丘陵へ
ダッカから12時間かけて夜行バスでチッタゴン丘陵の中心地ランガマティへ向かいました。途中、軍にVISAを確認されたのですが、銃をもって立っている人がこんなところにいるんだってびっくりしたのを覚えてます。チッタゴン管区はバングラデシュ南東部に位置し、インド、ミャンマーと国境に接しています。少数民族が多く住んでいます。

渡部清香さん:教育NGO「ちぇれめいえproject」を仲間と立ち上げる。駐在員として自費で単独1年間滞在。仏教寺院が母体で運営している学校の業務をボランティアで行い、交換に衣食住の提供を寺院から受け、村の寄宿舎学校に滞在し、現地の若者たちと豚の飼育で村の教育資金を作る事業を共に立ち上げた。現地での活動はトータル2年に及び、その中で、日本で2人しか話せない今では口承言語となった、チャクマ語(ベンガル語版、英語版、ポルトガル語版)をマスターする。
NGO「ちぇれめいえProject」取材記事は176号にて掲載

平和について語り合いたいと、各務原市の中学生でつくったPeace of Peace。主要メンバーの小田 奏さんは、2017年春から沖縄の大学生。彼女の平和への思いを沖縄からリポートします。


vol.186 プレゼントコーナー

PRESENTS 186号
1- あなたの「今年1番インパクトがあった出来事」教えて!
今年ももう残りわずか!印象に残った出来事なあに?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名
(第1希望・第2希望)
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、家族構成

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:11月25日 当日消印有効。Cは11月10日〆切

宛先
〒504-0855 各務原市蘇原新栄町2-25
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。

 

A.こだわりのコーヒー呈茶券

ボンガ珈琲様より…3名様


“コーヒーに取り憑かれた男”の異名を持つマスターが丁寧に焙煎し、入れてくれる一杯はまさに絶品!コーヒー好きさんは一度は行ってね。呈茶券で本日のおすすめコーヒーが1杯いただけます。12時〜16時にお使いいただけます。(写真はイメージです)
お店所在地/各務原市鵜沼東町2-165

 

 

B.よりよく生きるためのライフデザインノート「ゼロの昇天」
NPO「人生これから!」様より…3名様


さあ、私はこれからどんなふうに日々を送ろうかな、そんな気軽な気持ちで書いてみては?高畠純さんのイラストもほのぼのと優しい気持ちにさせてくれます。えんぴつ・カフェに参加の方はご持参くださいね!

 

 

 

C. Afternoon Liveご招待
アートギャラリー是様より…ペア1組様


日常から離れて、ちょっと大人なひとときはいかが?ギター、ベース、サックスが醸し出す絶妙なジャズメロディは、あなたを心地良い音の世界へと誘います。大切な人とご一緒にどうぞ。

 

 

 

 

 

D.CINEX映画招待券

シネックス様より…ペア3組様


事実は小説より寄なり。実話をもとにした映画はまさに、それを実感させてくれます。映画館の大型スクリーンでその世界を疑似体験してみよう!写真は、「グッバイ・ゴダール!」。
柳ヶ瀬のシネックスでご覧ください。


vol.186 編集部で取り扱っている商品のご案内

にらめっこ編集部では、体や環境に配慮した商品を扱っています。
お近くにご用の際にはのぞいてみてくださいね。ここに出ているもの以外もありますよ。

玄米珈琲 メモリザ

玄米を焙煎したカフェインゼロ珈琲。お子様や妊娠中の方でも安心していただけます。着色料、香料、保存料など化学的なものは一切入っていません。カラダに必要なエネルギーとビタミンE・玄米ポリフェノールやフィトケミカル・ミネラルを豊富に含み、美容と健康にとても良いと言われています。また、身体を芯から温めてくれます。(顆粒1袋1,800円)

 

 

微量栄養素ふりかけ げんきっこ

微量栄養素をたっぷりバランスよく取り入れるため、頭ごと煮干し、頭ごと焼きアゴ、昆布が、これらの消化吸収を高めるため空心菜、キクイモ(無農薬)が入ったふりかけです。毎日の食事にごはん、おかず、何にでもふりかけてお召し上がりください。ミネラルが補給され、心や身体の不調が改善された、という報告もありますよ。(60g入り600円)

 

ほうじ茶 ちゃぼぼ

760年もの年月を引き継ぐ、岐阜県揖斐郡旧春日村の在来種の茶畑。自然の甘味と大変よい香り、味に深みがある在来種の茶木は地中深く深く根を伸ばし、大地に呼応し、自然の恵みだけでゆっくり育ちます。丁寧に手摘みし、仕上げたほうじ茶は香りがよく、深い味わいなのに後味はすっきり!農薬不使用、自然栽培、無添加のほうじ茶を味わってみてね。(150g入り1,296円)

 

善玉バイオ洗剤 浄

善玉バイオを使った、洗濯物・人・環境に優しい洗剤です。【善玉バイオ】生態系の中に存在する善玉菌や酵素で洗浄します!【優れた再汚染防止性能】一度落ちた汚れを衣類や洗濯機によせつけません。【肌にやさしい自然派】植物性の界面活性剤成分は0.5%以下!衣類への界面活性剤の残留がほとんどなく、赤ちゃんや敏感肌の方にも安心してご使用できます。(1.3kg入り1,296円)

 

こいくちしょうゆ 茜しょうゆ

国内産大豆・小麦、自然塩を使った天然醸造醤油です。木樽にて1年以上長期熟成させれた醤油。やや甘口の上品でまろやかな味。煮物などによく合います。(720ml入り687円)

 

 

 

国産なたね油 菜の花畑

国内産の農薬不使用栽培なたねを使用した圧縮一番搾りなたね油。精製は手すき和紙でろ過するだけで、添加物や化学薬品は使用していません。なたね本来の風味が豊かです。天ぷらや炒め物にどうぞ。(720ml入り918円)

 

 

東ティモール産 コーヒー豆
程よい苦みとキレのいい酸味、程よい甘味も感じます。バランスが良く、飽きのこない珈琲です。有機栽培の珈琲生豆を焙煎しました。有機JAS認証商品です。(100g入り600円)

 

 

※ご紹介した商品はweb販売はしておりません。申し訳ありませんが、購入を希望される方は、編集室にお立ち寄りください。また、物によっては品切れになることもあります。事前にご連絡をいただけると確かかと思います。m(_ _)m