216号(2023.11&12)」カテゴリーアーカイブ

vol. 216 水は体内を駆けめぐる

体内水は、絶えず体内を駆け巡り循環している

私たちの体の約6割は水分であり、筋肉は約80%、皮膚は約70%、骨でさえ約30%が水分です。この水分は、主に口から食物や飲料として体内に入り、胃腸で吸収され、血管に入って血液として全身を流れ、体の各部位に分配されます。このように体内に分配された水分を“体内水”といいます。
体内水のうち、その3分の2は、細胞の中に存在する細胞内液です。残りの3分の1は、血液の中、リンパ管の中、組織の隙間などに取り込まれ、体のさまざまな働きを助けます。
全ての体内水は、特定の場所に留まっているわけではなく、各部位から常に移動して、絶えず体内を駆け巡りながら循環しています。

毎日、3リットルの水分が入っている

1日に体を出入りする水の量は、約2,000~2,800ml。私たちは、毎日これだけの水を摂取し、同じ量を排出しています。
 水が体に入る経路は、飲料水から1日1,000~1,500ml、また食べ物に含まれる水分が約800~900ml、代謝(体内で脂肪などが分解され、エネルギーに変わる)時に作られる水分が約300 mlです。
体内水が体から出ていく経路は4つ。最も多いのが尿で、1日に体内水の約半分にあたる1,000~1,500mlが排出されます。次に多く排出されるのは汗で、約600 ml。また吐く息からも体内水は排出されており、1日の呼吸の回数は約2~3万回で、その排出量はコップ2杯分の約400 ml。そして、便にも体内水が含まれ、これが約100~200mlです。

水が体内に入り出ていくまでの循環が、私たちの健康を支えており、体内水がスムーズに循環し、水分の代謝がきちんと行われていれば、臓器の新陳代謝も正常になり、また不要な老廃物も排泄されるので、体は健康を保つことができます。

体の不調の主な原因は、水分不足

しかし、この体内水の循環がうまくいかなくなると、血液やリンパの流れが滞ったり、体温の調整や細胞に含まれる水分量などが乱れ、私たちの体はたちまち不調をきたしてしまいます。体の不調の多くは、体内水の循環バランスが崩れることから起きます。その原因は主に2つあります。
1つは、水分不足です。
水分の補給が十分でないため、脱水症状を起こしてしまうのです。脱水症状には、激しい運動で大量に汗をかいた後などに起こる急性脱水症と、生活習慣によって起こる慢性脱水症があります。
例えば、高齢者は加齢により筋肉が落ちるため、若い頃よりも筋肉に蓄えておける水分量が少なくなり、新陳代謝も腎臓の機能も低下するので、老廃物を排出するのにより多くの水分が必要になります。また、喉の渇きも以前より感じなくなってくるため、意識的に水分を摂る必要があります。

もう一つの原因は、体内水の“滞り”

体内水の循環バランスが崩れるもう1つの原因は、滞りです。これは、水のめぐりが悪くなり、老廃物がスムーズに排出されていない状態をいいます。体内水が滞っている場所ではむくみが起こり、不調が現れます。
例えば、筋肉がむくむと体がだるくなったり、手足がこわばったり、肩凝りや腰痛が発生することもあります。水不足も滞りも、放っておくとドンドン悪化し、長期に渡る不調や、深刻な病気を引き起こす可能性があります。ですので、そうなる前に、早めにその兆候に気付いて、体内水のバランスを整える必要があるのです。体に入った水分=体内水は体内を循環し、日々入れ替わっていること、また体内水の正常な循環により、体は健康を保つことができるということです。

そこで気になる水道水

クイズ 世界で水道水をそのまま飲める
国は何カ国?
①11カ国 ②51カ国 ③101カ国         Q1 答え ①

【解説】水道水を安心して飲めるのは、日本の高度な浄水技術や徹底した管理のおかげ。※国土交通省「令和4年版 日本の水資源の現況」より

日本のほとんどの水道水は、そのまま飲むことができる世界でも類まれな国です。緒外国では、そのままでは飲めない「硬水」が多いようです。硬水は、マグネシウムやカルシウムを多く含んでおり、料理に使えば、タンパク質を硬くし、料理に影響します。(硬度:ミネラルの中で含有量が多いカルシウム、マグネシウムの量を示し、硬度の低い水は癖がなく、高いと好き嫌いが大きく分かれる。マグネシウムが多いと苦い。ミネラル分を酸化カルシウムに換算して、水1立方メートル中に10グラム含むときを1度とする。硬度20以上を硬水、10以下を軟水という。お茶や料理には軟水が適しているとのこと)


橋本 淳司 水ジャーナリスト   朝日新聞 2023年9月2日
水道水飲む?映す価値観
飲み水についての感覚は、人によってかなり異なります。
水道の普及率は1959年には約26%でした。飲み水は井戸水から水道水へ。災害による断水を経験した地域などでは、水を大切にする感覚が強い傾向がある。生きてきた時代や場所により、価値観は変わります。
日本の河川は、70から80年代には工業化の影響などで汚れていました。下水道も普及しておらず、水道水が臭いと言われました。しかし下水道の普及などで水質が向上し、90年代以降は味が回復していきました。
ただ、依然として水道水に不信感がある人がいたり、便利だったりで、ペットボトル水の需要は増加傾向です。ミネラルウォーターの生産・輸入量は40年間で約50倍になりました。
駅などに置かれている冷水機が減ったのも、ペットボトルの普及が一因でしょう。コロナ禍では、感染防止を理由に利用停止された冷水機も。
味とは別に安全性の問題もあります。これまでも寄生虫の検出や原発事故など安全性が脅かされるような事態がありましたが、最近は有機フッ素化合物(総称PFAS)の検出が問題になっています。高濃度で検出された地域では、家庭で浄水器を設置したり議会で議論されたりしています。
どのように水を飲むかは各自の価値観に基づく選択ですが、飲んでいる水がどこからやってきているかはぜひ意識してほしいと思います。ペットボトルにつめる地下水はくみすぎると枯れる場合もあり、メーカーには水源保全の活動やその公表が求められる。消費者にも「飲む責任」があります。


vol.216 水はすべてにつながっている

水のこと、一緒に考えましょう!
地下水がおいしいのは、地上に降った水が、地下にしみ込んでいく内に汚れがろ過されて、きれいになり、土中の炭酸ガスや岩石のミネラル分を溶かし込み、1年中水温が一定である為です。今、地下水として沸き出している水は、数年から数十年も前に降った雨水が、地下にしみ込んだものなのです。
今、そんな地下水の危機が叫ばれています。地下水の減少や汚染など、様々な問題が起きています。開発や植林の名のもとでの“森林伐採”、“除草剤汚染”の問題なども。

地下水を増やすには?
山林や田畑などの涵養域(かんよういき)が必要・・・
涵養域とは、水田、畑地、草地、林地、水域など、地下水を染み込ませ蓄えておける場所です。地下水は、雨水が涵養域から地下にしみこんだものです。

山林や田畑が減少し、建物や舗装道が増えると、地下水の量が減少するだけではなく、雨水が側溝や河川に一気に流れこみ、河川のはんらんや水害も増加します。雨水をしみこませる山林や田畑を多く確保することが必要です。開発や休耕田の増加や農地の減少で、涵養域は増えるどころか減っているのが現実です。抜本的な地下水確保のために、行政当局の早急な対応にも期待したい。安全でおいしい地下水確保にお金をかけるべきではないでしょうか。

知っていますか?
木の根や落ち葉は雨水を蓄えるため、水の流出を制御することができます。森林は、まさに自然が作り出した緑のダムと言えます。ブナなどの広葉樹林の方が、よく根を張るため、雨水をしみこませるのに適しています。

各務原の水は大丈夫かな?
ゴルフ場などの除草剤の問題。芝生の雑草を除去するために、様々な薬品が使われているようです。(岐阜県は全国で7番目にゴルフ場が多い県。一位は北海道)また、最近増えているのが、産業廃棄物処理場の問題です。ゴミの不法投棄を含め、ダイオキシンやPCB(ポリ塩化ビフェニル)・鉛・ヒ素などをはじめとする多種多様な重金属・有機塩素系化合物等による汚染問題も深刻なものとなっています。これらは地下水汚染につながります。加えて今騒動となっているPFAS(有機フッ素化合物・永遠の化学物質)と言われているもの。各務原市ではこの値が基準値を超えていて、市民に公表せず、問題となりました。

永遠の化学物質?PFASってなに?このPFAS についてはP-5-6で詳しく解説します。

そもそも、基準値ってなんだ?
日本科学未来館 科学コミュニケーターより
政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。つまり、ヒト(を含めた生態系)が健全に生活をし続けられることを目的とした値です。
※環境基準は、行政上の目標なので破っても罰はありません。しかし、環境基準を維持するために、個々の事業所や車などの発生源に対して「規制基準」が定められています。さらに、地方自治体は、それぞれの地域の特性に合わせてより厳しい規制(上乗せ規制)を行うことができます。

同じ化学物質でも状況によって扱い方が変わります!例えば、大気中に放出されたベンゼンは、ヒドロキシラジカルによって分解され、6.7~13.4日で半分の濃度になっていくと推測されています。しかし、土壌中や水中では、どれくらいのペースで微生物によって分解されるのか、大気中に放出されるのかなどを考えなくてはならず、一層議論 が複雑化します。

時代や場所によって、科学的事実や人の考え方が変わり得る
こ れ は と て も 重 要 で す !
例えば、無害だと思われていた化学物質も、有害であることが後か ら判明することもあります(逆も然り)。事故などをきっかけにして「基準値以下ならば本当に安全なのだろうか・・・子どもや赤ちゃんには?」と不安を覚える人が多くなることもあるでしょう。なので、環境基準は、新しい情報が反映され、基準値の根拠を添えるなど、不安に答えられるものであることが理想です。

例として、大気中のベンゼンの基準値について考えてみましょう。ベンゼンは、発がん性(急性骨髄性白血病など)といったヒトへの危険性が報告されています。ごく微量でも発がん性があると考えられているため、どの程度の量までならさらされても大丈夫という値(閾値・しきいち)が設けられていません。しかし、ベンゼンは、車の排ガスやタバコの煙からも発生しています。大気中のベンゼンを失くすことは不可能です。

ど う す れ ば 良 い の で しょ う ?
 このような閾値がなく、排出を抑制できない化学物質に対しては、実質安全量(ある化学物質の影響をほぼ無視できると考えられる量のこと)という考え方が用いられます。発がん物質に対しては、一生涯(現在だと70年)さらされ続けた際に、その物質の影響のみによる発ガン確率が10〜5増加する量として設定されることが多いようです。
つまり、70年間で10万人に1人がガンになる程度ならば実質的に安全とみなすという考え方です。この考えに基づき、ベンゼンを使用していた海外の工場における事故に関する研究などを参考にして、3 μg/m3 以下という環境基準が算出されたのです。さて、いきなり3 μg/m3以下と言われて、イメージできますか?身近な単位に変えてみましょう!!
・(気体のベンゼン) 約1 ppb 空気中の約10億個の原子・分子のうち1個の割合でベンゼンが混ざっているイメージ。
「それっぽっちしか入ってないなら大丈夫な気がする。」「いや、たったこれだけで人体に影響を及ぼし得るの!?」「70年間さらされ続けて10万人に1人なら良いかな。」「いや、100万人に1人くらいにもっと厳しくしないと不安だ!」
人によって捉え方はいろいろでしょうし、まだまだたくさんの意見があると思いますが、まずは”知ろうとする”ことが第一歩です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


vol.216 教えてぴーふぁす先生

PFASとは何か。汚染の現状と課題

フッ素って虫歯予防?とよく聞かれますがそれは無機のフッ素で適切に使えば害はないです。
PFASは、人間が作った“フッ素をたくさん持っている有機物”です。フッ素をたくさんつけると熱や光に強く壊れにくくなることがわかってきました。
PFASは1940年代に3M社によって開発されましたが2000年5月、同社はPFOA/PFOS生産を2002年までとし自主的廃止を発表。しかし、PFASの性質である環境残留性により各地で深刻な地下水や土壌汚染が継続しており健康影響が懸念されています。4700種類もある中で、特に注目されている2物質PFOSとPFOA、この二つが各務原市の水質検査で国が定める基準50ナノグラムを超えていましたね。

身の回りにあるたくさんのPFAS用途
私たちの身の回りには撥水撥油コーティング剤としてゴアテックス、テフロン、撥水スプレーなどが使われています。泡消火剤として使用されるのは飛行場、立体駐車場とかいろんな工場。意外かもしれませんが、アリ誘引殺虫剤の有効成分にも使用されています。なじみのあるテフロン(フッ素樹脂)はフライパンを作る工程でPFASを使っています。
化粧品も水をはじくものとか、崩れにくいとか、そういった性質のものが気になります。一部ですがPFASを使っています。ラベルを見るとなんか小さい字でいっぱい書かれています。その中で、…フルオロ…と書かれているもの、それがおそらくPFASです。ポリフルオロリン酸エステル(PAPs)は、化粧品・日焼け止めはじめ、ハンバーガーやポテトフライなどの包装紙などに広く使用されています。ファーストフード店も2025年くらいまでには使用をやめ、別のものに切り替えると言っ
ている。企業側もだんだんPFASを使わないほうがいいだろうという動きが出てきています。
それに加えPFOA/PFOSは野生生物や我々の体に残りやすい性質を持っています。将来的に健康への影響があるのか、今後、しっかり見極める必要があります。

PFAS濃度が高いと影響は確実に出る
我々がPFASを口にするとなかなか体から出ていかず血液に結構残ります。血液を調べると我々が普段摂取しているPFASの濃度がわかるので、血液検査は重要です。データを見るとPFASを作るのをやめて身の回りからなくなっていけば、確かに減っていくことが明らかになっています。
実験動物を使って、調べます。血液の脂質(コレステロールとか、中性脂肪など)こう言ったものが、出てくる。もちろんある一定の量を与えた場合です。動物でそういう結果が出るなら人はどうなのか。脂質異常症、血液中のコレステロールが高いと病気の確率が上がる。甲状腺疾患、喉にある小さい組織なんですが、ホルモンとかを分泌するところです。そこの病気の確率が上がる。
健康被害というと、濃度がやや高い水を飲んだら、体の調子が悪くなって何かの病気になりますとか、病気になる確率が上がりますとか、そういう意味じゃないんですね。リスクは確率です。一人ひとりに対して確実にこうなりますということではなく、血液中の濃度が高い人の中で、そういった病気の人の割合が多いということが今までの研究で分かっています。発がん性と言われていますが、腎臓がんの割合が高くなる。精巣がんの確率も高いです。

泡消火剤とPFAS汚染
 国内の事例で話していきますと、PFASが使われ始めたのが1960年代。この消火剤は必ずしも事故の時に使うだけじゃなくて、日常の消火訓練にも使うし、いざ使う時になって消火剤が作動しないと困るので、定期的にテストします。一度出した消火剤を回収することはできないので、外に流れた状態となる。使った後にそれが土壌にしみこむとそれが土壌の汚染になります。
土壌が汚染されるとどうなるか。工場があるとか、その周辺が汚染されているというイメージがありますが、重金属だったら、あまり汚染されません。なぜかというと、土壌の成分と結合するから、土壌の上から下まで沈み込まない。一方で程よく水に溶け込む性質のものは、この土壌を突き抜けて地下水の層に混ざってしまい、井戸水・水道水の汚染につながります。PFASは分解しにくく、水に溶けやすい性質があるので、土壌の中をゆっくりと進んでいく。いわゆる帯水層、という地下水の層まで入っていくと流れに乗ってさらに周辺に広がっていくわけです。

各務原市の水道水
各務原市で水道水でいくつか水源地でピーファスが見つかった。三井水源地で1Lあたり77ng。一番近い鍋島水源地は26ng。西市場が9ng。三井水源地から離れていくと濃度が下がっている。そして岐阜基地に近いほど濃度が高い。各務原市の発表では国の暫定基準を超えてない所の濃度がいくらだったかわからないので、ハッキリはしないですが、そういった情報も出していけば、本当にこの基地から離れていけばいくほど濃度は薄くなっていく…そういった関係が本来は見えてくるはずです。この地域だと東の方が高く西の方が低い。水は高い所から低い所へ流れますから東から西に向かって流れていってるわけですね。PFASというのは地下の中を動いていると考えることができると思います。

では、どうすればいいのか
対策は?まず発生源を止めないといけない。今後の調査が必要であり重要です。発生源自体を抑えないといつまでも地下水にPFASというのは残ってしまい、除去を続けないといけないという状況になります。除去する方法としては、単純でも活性炭が導入しやすい。浄水器は値段が高いものを必ずしも買う必要はありません。活性炭でも、先程言ったようにPFOSやPFOAは大体8割から9割は除去できます。ここで何が大事かというと、活性炭を定期的に交換することなんです。活性炭はだんだん吸着が落ちていくので一定期間でちゃんと交換しないといけない。それから日用品のPFASはできれば避ける。これはちゃんと意識することです。また、長期的な視点でこれからの対応が重要です。値が低下した状態が続いているかどうかという継続調査は、行政の対応としては必要ですね。

今後とまとめ
2020年 日本に基準は50ng/L。 これはすごく評価できることでした。しかしそのあと欧米諸国がもっと厳しくしようという動きが出て、日本の数字が逆に今高くなっています。(米国環境保護庁の新しい勧告値 2023年3月全国水道基準(法的規制)案は4ng/L(PQL)です。
 水も大事なんですけど、水以外にも、土壌も汚染されます。そうすると食品とかにも部分的に汚染が広がる可能性もあります。私たちにできることは、、まず「そういう製品を選ばない、できるなら避ける」というような流れ、雰囲気を作るということが、企業にとっても取り組みを進めるきっかけになるんじゃないかと思っております。

 

 

Q:日本では科学的知見がないので飲み続けてもいいとのこと。先生のお考えは?
A:摂取量が高い人と低い人という比較の中で研究がされていないのが問題。そういった中で、人への影響というのはありうると。そういうリスクを未然に防止するために目標値を決めて、それを超えないようにしましょうというのをやっているわけ。その中でヨーロッパやアメリカでは目標をどんどん下げてきた流れがあります。ストックホルム条約は、基本的に分解しにくくて、人体とか生物にたまりやすいようなものをまずは優先的に禁止していくとしています。

Q:私以前登山をしておりまして、登山靴、レインウエアを撥水効果のあるゴアテックスを使っておりました。それらを身につけた時、体への影響はあるのでしょうか?
A:衣服に含まれている場合、接触するのは肌。問題になっているものは主に口から入ると体の中に吸収されますが、皮膚からは通過しにくいので、ご安心していただいていいと思います。

Q:アメリカとかヨーロッパ他の地区でもやっぱり活性炭での除去法が一番多いのですか?
A:使い捨てで、その分安く済むので、多くの場合は活性炭が使われます。浄水場だと他の有機物とかも除去しないといけないので、活性炭が処理施設に入っている事が多い。特に川の水を使う場合は、ほとんどは活性炭処理を導入している。もともと地下水はきれいと思われているのでわざわざ活性炭を通さないのですけど、今回各務原市で活性炭を選んだのはとりあえず導入しやすいという背景があると思います。今三井山浄水場の地下水中の濃度が、1リットルあたり70ナノグラム。おそらくこの濃度だと完全に溶けている状態で移動していると考えられています。

Q:測定をするときに資格とか認証とか必要でしょうか?それから、測定をする装置というものはかなり大掛かりなものなのか、実際の数値が実測値なのか、理論値なのかお聞かせください。
A:PFASは環境汚染物質なので、いわゆる病院とかでやる検査、コレステロールとかいろんなものをやる検査とはちょっと扱いが違います。なので、臨床検査場、衛生検査場とかそういった認証とかは必要ありません。多く使われている分析装置は、一台安くても2,000万、高いものだと5,000万するようなものを使っています。民間でやっている検査ですと、水を測るだけでも2万円か3万円くらいかかるでしょう。実際のPFOSとかPFOAとかの濃度がわかっているものに対して量を決めているので、これは全部実測値になっています。

(文責・にらめっこ)


vol.216 ぎむきょーるーむ 緑の処方箋とは

 

レクリエーションをしなくても、自然とのつながりを感じられる子どもは「子ども自身が幸せなだけでなく他人にも優しい」ことが判明したという研究結果が出ているそうです。 これは本紙前号の特集<P-1見えないつながり・自然とつながる私たちの健康『自然欠乏症候群』>と大きく関連しています。この研究では、子どもの健全な発達には自然が必要だとの見方が強まっています。「自然とのつながりは子どもの幸福だけでなく、人に優しくなれる人間性を育む」ことが確かめられました。
子どもに自然と触れ合わせることの重要性が明らかになるにつれて、実際に自然との触れ合いを重視する動きも活発化しています。「子どもたちは、わくわくできて、楽しく自然と接する事ができる生涯学習者のお手本を必要としています。なにも環境科学や自然の専門家である必要はありません。大切なのは、楽しく安全な環境で子どもが好奇心を満たせるように、子どもと一緒の時間を過ごすこと。野外で過ごす時間が少ない子どもにさまざまな問題行動が観察されており、こうした症状は「自然体験不足障害(NDD)」と呼ばれています。

「自然体験不足障害」とは?子どもたちが自然から切り離されることの危険性
「自然体験不足障害」というと、なにか恐ろしい病名のような気がしますが、これは医学的に定義された言葉ではありません。『あなたの子どもには自然が足りない』の著者でありジャーナリストのリチャード・ルーヴ氏が作った言葉です。子どもが自然と切り離されることの危険性や緊急性を伝えるために、このような表現を作り出したのです。
2005年以降、自然体験が人間の発達に与える影響に関する研究が増え、自然から疎外されることが人、特に子どもの心身に深刻な影響を与えていることが明らかになってきています。
自然と過ごす時間が得られない子どもは不安感や抑うつ感を強く持っていたり、注意力や集中力の低下、落ち着きのなさといった注意欠陥障害の傾向があったりすることがわかっています。また、屋外での活動が不足することで肥満になったり、環境の変化に気付きにくい「感覚麻痺」という症状も出てきたりするのです。

自然体験不足障害の原因
都市化により屋外での遊び場が減るだけでなく、車などの交通量も増え、子どもが屋外で楽しむことが難しくなりました。また、テレビやコンピュータなど電子機器が増えたことで、子ども自身が部屋で過ごすほうが楽しいと思うようにもなってきています。それらに加えて、屋外で起こる事故や不審者などによる事件などの報道に影響を受けた親たちが、「外は危険だ」という考えを持つようになり、子どもを屋内で守ろうとし過ぎていることも原因の一つだと指摘しています。

自然体験不足障害の改善策
ルーヴ氏は、「自然体験不足障害」の子どもは、親、学校、地域の努力で救うことができると考えています。
屋外に出て静かな時間を持つだけでも子どもは落ち着きを保てるようになります。芝生や土の上を裸足で歩く、木を触ってみる、小石を拾ってみるという機会を持つだけでも「感覚麻痺」を改善することができます。
 学校の校庭や近くの公園で、5分でも10分でもいいからそこにある花や木を観察する。それを季節ごとに繰り返すと、環境の変化にも気づけるようになります。
大がかりなキャンプに行かなくても、一日かけて登山をしなくても、放課後や週末に身近にある自然と触れ合う機会を作ることで「自然体験不足障害」による症状を改善することはできるのです。大切なのは、自然体験が減っていることによって失われているものを恐れるのではなく、身近にある自然環境から得られるものは何かを考え、子どもに自然と触れ合う時間を持たせてあげることなのです。

子どもに自然が必要なワケ
自然との触れ合いが減っている子どもたち。自然そのものの減少で、触れ合う機会を失ったこともありますが、ゲーム等の存在や放課後の自由な時間の減少により、”外で遊ぶこと”への興味を失ったことも、少なからず影響しているのかもしれません。
自然のなかでの遊びは、問題解決能力、集中力、自制心の発達にも役立ちます。また、協調性や柔軟性が向上するため、他人とうまく付き合えるようになり、社会的にも意味のある遊びと言えるのかも。

直接的に自然に触れる機会をつくる
 木登りを例に挙げてみましょう。登るのも下りるのも自己責任。どうしたら登れるか、どうしたら落下せずに済むか、どうやって下りるか、という一連の流れを自分の頭で考えなければいけません。こういった体験は、実際に自然と触れ合ってみないとわからず、単に木を眺めて景観を楽しむのと、実際に登ってみるのとでは、子どもにもたらす影響はまったく違ったものになります。
何気なく転がっている石も、落ち葉も、木の枝も、自然の中にあるものは発想力さえあれば、子どもの遊ぶ道具となり、子どもの発育を手助けする道具となり得ます。大人にとっても自然はストレス発散やリラックスの場として大切ですが、子どもにとっても、とても大切な場ということなのです。普段の子どもの遊ぶ時間を、それとなく自然との触れ合いに導いてみてはいかがでしょうか。

      参:gigazine/NATURESより


vol.216 しょうがいをみつめる vol.9

しないのっ!

 

「自閉症でよかったと思うことは何?」と質問されたら「自然と一体化した感覚になること」と答えるでしょう。人であることを忘れられる、その時間は何もかもが遠い過去のように思え、幸せで胸が一杯になります。人と心を通わせることが苦手でも、この世に生まれてよかったと思えるできごとはあります。

「自閉症が30歳の僕に教えてくれたこと」東田 直樹:著

 

この言葉を見た時に強い安堵感を覚えた。親としては誠に身勝手なセリフではあるが、そう感じてしまったことに間違いはなかった。“息子の言葉を聞いた”と勘違いしたとも言えるが、そうなのかもしれないと私自身が想像を巡らしていた内容だった。そうであったら良かったと思いたかったのかもしれない。
息子との暮らしの中には、悩ましいことや怒りに似た悲しみは私の日常に溢れていた。なぜ悩ましいのか?悲しいのか?その心を持っているのは私自身であって“彼”の中には全くその要因とするものはない。私の奥底にあるドロドロしたものを喚起するそれらの“憂い”は、私が根本的に抱えているものだと見つめざるを得なく、抑えつけたり、蓋をしてやり過ごすには息子という存在はあまりにも大きかった。
今を生きる力。昨日を後悔せず、明日を憂うこともなく淡々と今を生きるように見えた息子の一面は私の憧れる気持ちも喚起していた。どうしたら自然や大いなる宇宙の流れに乗って何にも囚われず“生”を全うできるのか。“自然と一体化”しているように見えた息子の生きる姿は大いなる目指したい姿でもあった。
日常のほとんどの時間はいわゆる“大変なこと”に費やされ、いつまでコレは続くのか?と私は思っていた。いや、息子もそんな苛立ちは、通じない私に対して感じていたのだと想像している。そんな中で時折り“ふと”彼が見せる表情や行為からは、どこから司令が来ているのだろうかと思うほど、美しさや滑らかさを纏う“自然と一体化”したかのような姿を見ることがあった。
思うようにならない言葉と身体、混乱する思考を悩ましくも愛でながら生きている自閉症の方々の姿は東田さんの著書から想像することが出来る。著書を読んで、息子に対してああすれば良かった、こうすれば良かったなどと戯言を今更ながら思うのだが、彼の人生の最後の半年をぶつかり合いながらも過ごせたことは私の財産となっている。
自閉症とは自らの世界に閉じこもっているような言葉ではあるが、“こうあらねば“とか“やりたいことはなんなのか”という“囚われ”から自由に開いた存在という一面も待ち合わせている気がしている。それに憧れるのは当然であるし、“自然と一体化”というものを少しでも味わうことができないものかと目指さないように目指すのもオツなものである。

 

自由というのは
いつかは本当の自由を手に入れたいと願っている人も多いのではないでしょうか。けれど簡単にそれが叶えられるわけではありません。今、何をしたいのか、自分の欲に縛られているうちは不自由なままです。
自由というのは、したいことをすることではなく、したいことがなくなることなのかもしれません。

「自閉症が30歳の僕に教えてくれたこと」東田 直樹:著

 

「しないのっ!(なんもしなくていいんじゃね)」と息子の声が聞こえてくるようだ。


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。


vol.216 やってみた 渡邊さん


やってみたシリーズ第19弾

幸せの種をどうぞ!はなさかおばさん 渡邊さん(70代)

 緑豊かな、庭に花咲く家で育った渡邊さん。結婚して庭のない借家で、ガーデニングもままならない日々を過ごしました。数十年前、庭のある今の家に越してきた時のうれしかった気持ちは、今でも鮮明に記憶にあります。以来、大好きな花に囲まれて過す日々が今も続いています。
庭に出て花の世話をしていると時間の経つのも忘れ、家族にあきれられるほど。
毎日のように庭仕事をしていると、家の前を通りがかった人に、「きれいですね」「珍しい花ですね」と声をかけられることも。反射的に「種が採れたらさしあげますよ」。それがきっかけで花談義に盛り上がることもしばしば。するとやがて「あの花、今日咲いたよ」と嬉しい報告の言葉が返ってきます。中には、咲いた様子の写真をメールで送ってくれる友達もいます。
以前、なんとなく話しかけにくいなぁと思っていた人がいました。ところがある日、花がきっかけで話してみたら、自分が持っていたイメージとは違うとわかり、今では会えば話がつきないような友人になりました。「きれいな花を見て嫌な顔する人はいないし、花って不思議な力があるねえ。」と渡邊さんはつくづく感じます。

今年の春先にちょっと気になることもありました。物忘れが多くなってきたのです。他ごとをしているうちに鍋を火にかけていることを忘れて安全装置が働いたこと、少し怒りっぽいと家族に言われたり…。そんなことを友達に話すと、「一度脳神経外科で診てもらったら?」と言われ、ドキッ。あの人、最近ちょっと変だね、と噂されていた近所の奥さんの、あっという間に認知症が進んでいった姿が頭をよぎります。一方で、認知症も程度が軽いうちに手を打てば進行を遅らせることができるとも聞いていたので早速、脳神経外科で診察をうけました。幸いにも脳の萎縮も、問診の結果も認知症の兆候はみられませんでした。 ほっとする渡邊さんに、医師が認知症予防のためにとアドバイスをいくつかくれました。
・首の後ろをマッサージするなど、頭まわりの血行を良くすること。
・手先を使うこと。
・感動できる趣味をもつこと。
もともと編み物や小物作りなどが好きで、庭で花を育てることも大好き。医師にそう話すと、「ああ、それはすごくいいことだね。どんどんやってね。」とうれしいお言葉。もともと好きでやっていたことにお墨付きをもらった気分になった渡邊さん。以前より一段と明るい気分で花のおすそ分けに精が出ます。

小物作りや編み物、庭仕事など毎日忙しい渡邊さんですが、人に誘われたり頼まれたりすると、できるだけ断らないようにしています。「だって、せっかく私に声をかけてくれたんだもの。これも何かのご縁でしょ。そんな私を八方美人と言う人もいるけど、どんな人でもつきあってみないとわからないしね」
今の社会は、知らない人とは口をきかないようにと子どもに教えたり、物のやりとりをしないとか、知らない人とはあまり関わらない風潮もあります。いろんな怖い犯罪もあるから、それも無理ないことかもしれない。
「でも、私はどんどん関わっちゃう。近所の人みんなが知り合いの方が安心して暮らせるし、幸せなことだと思うの。だから私は小物を作ったり花の種が採れたら、どんどん人にもらってもらうの。」


vol.216 人生これから「あれ?認知症かな?と思ったら」&野菜染め

 ご家族を見ていて、あれ?認知症かな?と思ったらどうするか。認知症かどうか診断してもらうことも一つの方法ですが、他に病気の影響もあるかもしれないので、脳の検査もしておくといいですね。認知症は、脳細胞が正常に働かなくなることで、記憶力や判断力が低下します。でも、だからと言って、「何もできない」と思うのは誤りです。

 私の今までの経験で言えることは、「できないことを数えるよりもできることを数えてほしい」ということです。その人ができることをとりあげないで、どんどんやってもらって、「ありがとう、助かったわ」と伝える。その人を大切にする声かけをしてほしい、ということです。その人の心に寄り添う関わり方をし続けることで、認知症の進み具合もゆるやかになっていきます。

実例として、買い物や料理、掃除や洗濯などの家事一般はできるのに、娘さんなど身近な人が認知できない。買い物もお料理も上手にできるのに、物を盗られたと思い込んだり、冷蔵庫の中には時期が過ぎ傷んだ食品がいっぱい、という認知症の方もいらっしゃいます。グループホームに入って欲しいとご家族が希望されても本人がそれを拒むケースもあります。実際、グループホームに入所するには認知症の診断書が必要です。ただ、認知症かどうかの診断はしてもらえても、その人がどういう人なのかは医者にはわかりません。よく「人を変えることはできないが自分を変えることはできる」と言いますが、ご家族の考え方や対応が変わることで、ご本人が変わってきた、という例を私はたくさん見てきました。

Q.姉の行動で、もしや認知症のはじまりかも、と思ってしまう出来事がありました。本人は全く自覚がないので、検査をしたら?と言いにくいです。
A.明るくさらっと「私もいい年頃になって気になるから、お姉さんも一緒に検査してみない?」と誘うのはどうでしょう。「検査しないと!」とか、本人が傷つくような言い方は決してしないでください。
Q.怒りっぽくなるのも認知症の始まりの一つの特徴と聞いたことがあります。優しく接しなくてはいけないとわかっていても、怒られてばかりでは、辛いです。
A.確かに辛いですよね。そういう人は自分の話を人に聞いてもらうといいですね。話すことで自分の気持ちも整理できるし、心も軽くなります。認知症の方のご家族にとって大切なことは、自分1人で抱え込まないこと、話せる場所に行くことです。


 

えんぴつカフェ 9月20日は「野菜染め」にトライ。みぢかな野菜で一体どんないるに染まるのか…
前回、藍染め体験をして染めの面白さにはまってしまい、今回は、野菜染め。よもぎ(春に採って乾燥保管したもの)、ごぼう、玉ねぎの皮。媒染は焼きミョウバン、重曹、酢で試しました。定番の玉ねぎの皮はみんな綺麗に染まりました。ごぼうは重曹を入れるときれいな萌黄色に。でも、絞って見るとすっかり色が落ちてしまい、うっすらと色が残る程度。よもぎは酢で色止めしてベージュ色。布によっても染まり方が違います。今回は自然素材で染め体験をしましたが、媒染も鉄やアルミを使うとまた色の変化を楽しめるようです。

参加者感想
・ 初めての体験で、知らないことばかりでした。楽しかったです。
・ でき上がるまでどんな色合いかわからないところが面白かった!
・ ごぼうやよもぎの色が薄くて意外でした。玉ねぎはしっかり染まって嬉しかったです。初心者向きは玉ねぎかな。
・ 他のいろんな野菜で試したくなりました。

 


vol.216 熱中人 佐久島のゴミひろい 中川美穂さん


人が人を呼ぶ 中川流 さくっとプロジェクト

ゆっくり・のんびりエコツーリズム

中川 美穂さん 西尾市在住

一昨年から佐久島にご縁があり、何度も訪れていた中川さん。「この島は観光の島なんです。でも、人口減少で過疎化が進んでいます。この島が大好きで、何かお手伝いできないかと模索していたら島以外の人たちが参加できる、『さくっとプロジェクト』があることを知り、私は海岸のゴミ拾いをすることにしました」。
9月22日、一色港に9時に集合。9時30分発の船で佐久島・西港に到着。弁天サロンでプロジェクトに初参加の方はカードを発行してしてもらいます。次に自転車をレンタルして島を時計回りに。いざ出発!


今回は白浜海岸でゴミ拾いです。ゴミ袋は二つ。燃えるごみ用(プラスティック、ビニールなど)と燃えないごみ用(ビン・カン類など)。ペットボトルは稀に中身が入っているのでそれを捨てて回収。大きさもまちまち。1時間もするとゴミ袋にいっぱい集めることができました。
「ゴミの中で特に目立つのが、ペットボトルなどの軽いゴミ。陸から川を流れてやってきます。時期によっても(夏、冬)風の吹く方向がかわるので漂着物が多い海岸が変化します。潮の満ち引きによってゴミは行ったり来たりします。街から流れてくるゴミがほとんどなので、自分たちの街に帰った時にこの島のゴミを思い出してもらって捨て方を考えてください、とお願いしています」と語るのは、西尾市 交流共創部 佐久島振興課の三矢さん。

ゴミ拾いの後は海岸でお弁当タイム。参加者同士の交流の時間です。「がっつりゴミ拾いかと思って参加したけど、こんな時間(交流タイム)もいいですね」「ゴミ拾いとランチタイムに交流するというやんわりムードなら参加できる」「食べたもので血液が作られるんだよ。この塩むすび最高!」と様々な意見・感想を述べながら自己紹介。最後はみんなで歌を歌って帰路につく。東港から帰るルートで、他の海岸に寄るとそこも目に余るゴミが…。「今度のゴミ拾いはここだね」と、誰からともなくそんなつぶやきが聞こえました。
大空に飛ぶトンビが「また来てね〜」と言わんばかりに頭上を旋回していました。


vol.216 夢か悪夢かリニアが通る!vol.45

高速道路「東京外郭環状道路」(外環道)の地下トンネル工事により東京都調布市の住宅街で陥没事故が起きてから10月18日で丸3年になります。トンネルルート沿いでは今、「地盤補修」という名の街壊しが進んでいます。住民自慢の閑静な住宅街は更地や空き家が目立つようになり、街全体が工事現場のようになってしまいました。残された住民は今、地盤補修工事の騒音や振動にもおびえる日々を送っています。      井澤 宏明・ジャーナリスト

 

「地盤補修」という街壊し

入間川に蓋をするようように敷かれた管の束。両岸には住宅が迫っている

公園も工事ヤードに

3年前の陥没事故と続いて次々と見つかった地中の空洞は、地上に影響を与えないことを大前提とした「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(大深度地下使用法)で認可された地下トンネル工事が原因でした。ところが、事故現場の街壊しが進む一方で、外環道工事は再開され、同法で同じように認可されたリニア中央新幹線の大深度地下工事も始まりました。「大前提」が崩れてしまったのにも関わらずです。
秋晴れの10月10日、地盤補修工事の現場を巡る見学学習会が開かれました。主催したのは事故現場の周辺住民とNPO法人「市民科学研究室」で結成した「外環振動・低周波音調査会」です。事業者の東日本高速道路(NEXCO東日本)が行おうとしない住民の健康被害や住宅の損傷被害などの調査を地道に行ってきました。
京王線つつじヶ丘駅を出発した一行は甲州街道(国道20号線)沿いにあるプラントヤードを見学しました。住宅街にセメントを送り込む拠点で、住宅や動物病院と隣り合った敷地に4本のセメントサイロやコンプレッサーが所狭しと置かれ、コンクリートミキサー車が並んでいます。
NEXCO東日本が約2年間かけて行うという地盤補修工事は次のような大規模なものです。
トンネル直上の長さ約220メートル、幅約16メートルの範囲の約30軒の住宅を解体して更地にし、地中にセメントを高圧噴射して土と混ぜ、直径約4メートル、高さ約40メートルの円柱状の塊を約220本作って地盤を強化する。
プラントヤードを出発したセメントスラリーは、甲州街道と京王線の下をくぐり、入間川に蓋をするように敷かれた管を通じて陥没事故の起きた住宅街に至ります。子どもたちの声があふれていた「入間川ぶんぶん公園」は中継ヤードにすっかり形を変えてしまいました。
公園の向いにこの春まで住んでいた近田眞代さんも見学学習会に駆け付けました。夫の太郎さんが育った家を夫婦の退職金で建て替えた窓の多い瀟洒な3階建ては既に解体され、長女の誕生記念に植えた桜の木も今はなく、地盤補修のための工事現場の一画になってしまいました。

 

周知されない「危険」

案内してくれたメンバーの1人、岡田光生さん(東京都杉並区)によると、ここから地盤補修箇所までセメントが380気圧もの「超高圧」で管を通して送られます。氷山と衝突して111年前、沈んだタイタニック号が眠る水深約3800メートルと同じ水圧がかかるというのですから、「どこかで配管の一部が破裂したときに、そんなのが当たったら我々はモロに死にますよ」と、プラントのエンジニアとして海外でも働いた岡田さんが危機感を感じるのも無理はありません。
現地見学の後、東部公民館で開かれた意見交換会で「市民科学研究室」代表の上田昌文さんは地盤補修工事について警鐘を鳴らしました。
「(NEXCO東日本が)こういう危険な工事を周知していない、自治体が関与しようとしていないのは大変おかしいこと。自治体には住民の安全を守る義務があるので、住民が住む真っただ中で行われる工事ですから、事業者(NEXCO東日本)が対策をとっているかどうかをチェックしなければいけないが、そのあたりが全然、手薄になっているのが日本の公共工事のあり方です」
続けてリニア工事にも言及しました。
「ここを改めていかないと、リニアでも同じこと(事故)が繰り返されるのではないか。自治体への働きかけは今のところ住民の力でするしかないので、早い段階から頑張っておくことが大事です」

 


vol.216 ボーダーレス社会をめざしてvol.75

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

 

がんと向き合って

2012年に胃ガンの手術をして、11年が経ちました。最近、知人が乳がんになり、「伊藤さん、どんな食事をしていた?何に気を付けたらいい?」と質問攻めにあっています。私が何を頼りに、何を食べて、何を大切にしてきたかを今回は書こうと思います。
抗がん剤が合わなかったと以前書きましたが、体に力がみなぎってこなくなり、明らかに死に向かっているなという感じでした。一度座ったら立てないんですから。抗がん剤をやめようと決心したのは草思社出版の「論より証拠のガン克服術」(中山武さん・著)を読んで、明かりを見出せたからです。
医師に頼らず、患者自身が「自分の心と体質の改善」に努力し、ガンを退縮させている現実が書かれていました。ガンは生活習慣病だから、体質改善をすれば良くなる。食生活やストレスでガン体質になったためにガンになった。ガン体質を改善しない限り、別の場所にガンができるのは当たり前。事例がいくつも書かれ、中山さんが率いる会の10年間平均生存率は95パーセントです。
こんな現実を知らせされたら同じようにやってみようと思うのはそれこそ当たり前ではないでしょうか?書かれていることを私流にやってみました。①玄米菜食。よく言われる言葉です。2年間は徹底的にやりました。「酵素玄米」を食べます。ネットで調べると出てきますが、玄米・小豆・塩・雑穀米を入れ、焚き、3日間寝かせます。柔らかい玄米ご飯が出来上がり、おいしいです。これを食べることにより、便通がよくなりました。腸の環境が良くなったのでしょうね。現在も食べています。②塩。にらめっこの裏表紙に書かれているコトノハ工房さんの記事をご覧になればよく分かると思いますが、「塩の質こそが大切」です。基本的に、スーパーで高い塩を買えばいいと思っています。安い塩は買わないことです。私は栗國の塩や塩の袋の裏面を読み、製法にこだわっているものを購入しています。昔からの製法で作っているおいしい塩が至る所にあります。旅行先で見つけては買ってきています。③砂糖。砂糖は取らないことが一番。我が家に砂糖はズーとありません。その代わりにハチミツを使っています。岐阜の大野町に小森養蜂場という所があり、そこのハチミツを使っています。甘いものは厳禁です。④カタカナで書かれる食品は極力食べない。パスタ、パン、ラーメン、ビザなどは食べない。⑤胡麻。黒胡麻はご飯の上にかけて食べています。胡麻を食べ続けると甘いものを欲しくなくなるとか?⑥発酵食品。体にいいと言われていますので、納豆・味噌汁は、1日1回は食べる。味噌汁は具だくさんで、芋類、人参、きのこ、海藻を入れ、後は家にある野菜を入れる。味噌汁だけで栄養は十分かもしれません。⑦油。オリーブオイルとえごまオイル・胡麻油を使っています。胡麻油も九鬼の圧搾法を使った油がいいそうです。これはにらめっこさんで教えていただきました。調味料も安い偽物は使わない。昔を惜しむと年寄り扱いされますが、添加物が入っていない老舗と言われる店の調味料を使っています。
いろいろ試してきて分かったことは、昔ながらの食事が、たぶん日本人の体に合った食事だという事です。体に負担のない良い食事なのだと思っています。食事以外に心の持ちようも大切です。自分で考え、自分で勉強し、他人ではなく自分が決定権を持ち治療することです。


vol.216 モザンビークからレポートvol.10

人気スポーツはサッカー

モザンビークに歴史的な日が訪れました!アフリカカップ(CAN…1957年に始まり、1968年からは2年ごとに開催されているアフリカ大陸のサッカー大会) の予選を突破し、来年の本リーグに進出です。日本のサッカー史上で言うところの、ワールドカップ予選を初めて突破した   年の時のような感じでしょうか。モザンビーク3ー2ベナンの大接戦の上での勝利。

試合に誘ってくれたアントニオも大喜び。今回の記事執筆にも協力してくれました。

モザンビークでの人気スポーツ、誰もが口を揃えて、サッカーと答えます。首都近郊にあるスタジアムに全モザンビーク中から4.5万人のファンが集まりました。立見も大勢いるほどの観戦率。観戦料金が100~200メティカイッシュ(200~400円)と、安い食堂のご飯が食べられるくらいの料金設定というのも万人へ観戦機会が開かれています。みんなモザンビークの代表カラーである赤の服を着ていましたが、モザンビークの国旗やオフィシャルグッツを身につけている人はさほど多くありませんでした。常に伝統楽器の太鼓の音が鳴り響き、モザンビークの歌を歌ったり、ところどころ拍手したり、基本的には日本でのサッカー観戦と変わらないのに、ゴールを外した時やミスした時の惜しみ方や、責めたりする感じの一つ一つのリアクションがまるで日常会話のまんまでした。
ベナンチームがゴールを決めた瞬間の静けさと静止具合と言ったら、都合の悪い時に何も答えない日々の習慣が如実に現れているようでした。なんと、モザンビークが得点を重ねたときには掲示板もすぐに加点されるのに、ベナンが加点したときには何分たっても掲示板が変わらない。私にとってはそんなところ面白かったです。
試合は、ベナンが1点入れたところから動き出しました。どっちが勝ってもおかしくない攻防戦でしたが、ベナンの方が常にボール回しができている感じでした。それでも、やはり観客の力でしょうか。残り7分20秒のロスタイムが表示されて、3分くらいたった頃、最後の3点目。心臓バクバクの90分の後、歓喜に溢れかえりました。シャパ(乗合バス)の中でも大盛り上がり。「月曜日は祝日だ!」と大きな声で話す人が何人もいたり、道を歩きながら国旗を掲げてプープーと笛を吹いて練り歩く人もいて、その余韻は夜通し続くんだろうと想像しました。ちなみに、今回ベンチ入りした23人の選抜選手には勝利金として1人70,000メティカイッシュ(14万円)、さらに試合の出場割合によって325,000メティカイッシュ(約70万円)×○○%の賞金が出ました。「首都の平均月給7,500メティカイッシュ(15,000円)とは比べ物にならない額を、選手達は90分の試合で手にしたんだ。」と友人は呟きました。


vol.216 菌ちゃん野菜応援団vol.37

記録的猛暑もようやく山を超えすこーし秋の気配が漂ってきました。畑は秋冬野菜の準備に入っていますがあまりの暑さに苗も萎れ気味。頑張ってー、と声をかけながら水やりをしたり草のおふとんを敷いたりする日々です。

 

前回は、身体の外からくる敵を3つの方法で防いでいますよ、というお話をしました。その働きとは
①物理的にシャットダウンする。
②もともと持ってる自然免疫でやっつける。
③後天的に獲得した獲得免疫でやっつける。の3つ。
身体はそこまでして私達を病から守ろうとしてくれているんです。1つづつ説明していきます。
まず「身体」には「体内」と「体外」があります。
「体内」とは読んで字の如く、体の中のことですが、これは皮膚や粘膜に守られた内側の細胞という意味です。
心臓や肝臓などの臓器があるところや血管や筋肉、骨があるところ。そこを体内といいます。
反対に体外とは皮膚など「外のものと接触出来るところ」。あと、口から肛門までは1つの管で繋がっていて外と接触出来ますから身体の中にあるように見えて実は「体外」というくくりになります、なんとまぁ、びっくりですね!
私たちが住む地球の環境下には、食べ物や飲み物のほかに、たくさんの微生物(菌ちゃん)やウイルス、ホコリ等も存在します。それらを口や鼻から私達は吸収するわけですが、必要なものと必要ではないものを身体は分けて行く必要があります。皮膚や粘膜はそこに付着したものが要るものなら体内に、要らないものなら体外に排出します。つまり①のシャットダウンするとはどういうことかというと、
○皮膚でブロックする。
○身体の中に入ってしまったウイルスやばい菌を物理的に粘液で捉え、くしゃみや鼻水などで体外に排出する。
○腐ったものや体に合わないものを食べたときは吐いたり下痢をしたりして体外に排出する。
文字通り体内に入れないぞ!!!とシャットダウンしている、ということになります。これが防衛の第一関門です。
シャットダウンが行き過ぎて過敏に反応してしまったの
が花粉症やアレルギー反応。防衛がうまくいかず、ウイルスやばい菌などが「体内」に入ってしまって悪さをし始めると、病気になったと言うんですね。
まぁ、基本はこの第一関門でほとんどの不要物が淘汰されますから、私達の免疫力って素晴らしいんです。そして、防衛機能が健やかに働くために必要なのは、皮膚を強くしたり粘膜を強化すること。その働きに大きく寄与するのが微生物。微生物のバランスが整っていれば皮膚も強くなるし粘膜もつよくなる。つまりは難なく防衛に成功するってこと。やはり菌ちゃんは身体にとって大切そうですね!

次回は第2の壁、自然免疫についてお話しますね。

さつまいものツルのきんぴら
葉っぱを落とすだけで皮をむかずに甘辛く炒め煮すると、美味しいおかずの一品に。大人は七味を振って!
作り方は超簡単。
フライパンにごま油を熱して、3センチくらいに切ったツルをバサッといれる。しんなりしたら塩、醤油、好みでみりんで味付けてでき上がり。


vol.216 ここいく日記 はじめの33歩!

 様々な幼稚園、保育園で「いのちの授業」を行っていますが、2年に1度揖斐川町にある森のようちえん「こだぬき」で授業を行っています。今年は保育の活動場所が変更したと聞き、初めての場所に車を走らせます。ナビを頼りに運転していますが、どんどん山道に入っていくので、一体どこへ連れていかれるのかと少々不安。そしてついた場所はとっても素敵な森の中。森の一角にあるコテージで授業をさせていただきました。
なんで、こんな素敵な場所で保育が実践できるのかをお尋ねすると、揖斐川町は、豊かな森林に子どもたちが親しみ、学び、たくましく育って欲しいと考え「森のようちえん」の取り組みを支援しているそうです。そんな町の支援を受け、とても素敵なフィールドで「こだぬき」の日々の保育は実践されていました。
私たちが普段授業にお邪魔している、幼稚園・保育園とはちょっと違う環境の子どもたちとの「いのちの授業」は、あれ?なんだかいつもと違う感覚・・・思いがけず、大切な気づきをいただく授業となりました。
最初の導入は「おへそあるかな」のパネルシアターです。
いつもの通り、楽しく歌いながら、おへそある?ない?のクイズで楽しみます。これは、どの園でも子どもたちが楽しんで参加してくれるプログラムです。クイズの後は、おへそのない生き物は卵で産まれること、おへそのある生き物はお母さんのお腹の中で育ち生まれてくる哺乳類であることのお話をします。
「生まれた赤ちゃんは何を飲んで大きくなるのかな?
毎回、そう問いかけます。すると、即答で「ミルク!」と答えが返ってくることが増えてきました。
「それは牛の乳だよ。人間の乳はなにかな?」
そう問い返します。それでも答えがない時は、「お母さんの?」と、言葉かけをしながら「おっぱい」という答えを引き出していきます。しかし、こだぬきの子どもたちは即答で「おっぱい」と答えてくれました。「おっぱい」という言葉がなかなか出てこない傾向が多い体験を重ねていたので、わぁ~ 凄い・・・と、導入でいきなり感動しました。
私たちは、ミルク派・おっぱい派とか、どっちがいいとか悪いとかではなくて、人間も哺乳類という動物として、ただシンプルにおっぱいが自然なことを伝えたいだけです。おっぱいが出ないお母さんが、ミルクを活用することは何ら問題はありません。こんな簡単なやり取りのなかでも、不自然なことが、当たり前になっている現実を感じました。
最近、人間が動物として生きる力がとても弱くなっていることを日々感じています。エアコンの効く部屋で過ごすことで、汗をかく機会も減り、機械音に囲まれ、自然の音を感じることも苦手な子どもたちが増えています。また病気になるとお薬で熱を下げることが多く、菌と闘う力、自然治癒力も弱まっている気がします。

私たちは、授業で伝えるために、生き物の受精や生まれ方の仕組みを勉強していますが、それぞれの生き物が種の保存のために、様々な仕組みがあることを学べば学ぶほど、生き物って凄いなぁ~と感動します。授業では、お産のお話をしていますが出産に痛みがあることや、時間がかかることは動物として自然なこと。時として医療の力も必要で頼ることを否定はしません。でも、不自然なことに違和感を持ち、思い通りにならないことを、自然なこととして受け入れることが当たり前に感じる人が増えるといいなと思います。
便利になることが悪いとは思いませんが、「こだぬき」の子どもたちと出逢い、思い通りにならない自然の中で毎日を生きていると、動物としての感覚が失われにくいのかなと感じました。

担当:ここいくメンバー 古川 明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)

 


vol.216 みんなのひろば

 

 

 

環境・未来・各務原ーPFAS汚染と市政を明らかにする会ー 
代 表:小川 麻実さん
連絡先:kakamigahara.mizu2023@gmail.com

教員である私は、昨年の冬に「環境と子どもの健康を考える」という講義をon-lineで受ける機会がありました。その時にPFASの話を聞いたんです。そしたら今、各務原の水道水が問題となって…私の家、三井水源地エリアなんです!!
いろんなことを知りたいと思った。一緒に勉強できる仲間が欲しくてこの会を立ち上げました。何より子どもたちが口にするのが気になった。というのも、仕事場では子どもたちが水道水をガブガブ飲むんですよ。自宅には浄水器も付けたし、対策もとった。でも、これでいいのか???暑いのに、水を飲むなとも言えなくて…苦痛でした。
学校現場で「がん教育」っていうカリキュラムがあるんです。生活習慣を見直そうという内容で学んでいるのに、水道水に発がん性物質が含まれているかもしれない、ていうか「健康リスクのある水」なんて・・・おかしいと思いませんか?
水はみんなが使い、直接口に入るもの、しかも毎日。発生源を明らかにしないと、対症療法でしかないので、永遠に活性炭を交換し続けることになる。職業柄、血液検査は子どもの検査を優先してほしい。そして経年変化を見て行く必要があると思う。
娘が学童に行っていた時に、突如民営化の話が持ち上がり、あっという間に決まって…他の保護者と話す時間がなかった。長男が1歳の時は、保育所から入所は無理と言われ、実家に頼った。長年の不満が溜まっています。これも全て行政が決めること。政治は私たちの暮らしに直結しています。もっと関心を持たなきゃと思いました。だから市政を身近に感じられるところからスタートしたいと思っています。
夢フォーラムに参加してくれた人と繋がって、水問題も含めて、自分の思いを話せる場所と機会を作りたい。無理なく楽しく活動ができることを目指しています。

 


 

120億円の新総合体育館建設中止を求める会
代 表:高橋 明丈さん
連絡先:aki.takahashi@wh.commufa.jp

大規模体育館建設を必要とする根拠は3つ。 (1)国体、高校総体等大規模な大会がある。(2)興行として成り立つ。 (3)まちおこしの一環として。各務原市 の新総合体育館は 3,000 人以上が観覧で きる規模で根拠は、(3)の “まちおこし” のようです。スポーツ議員連盟が音頭を とったのですが、その理由は、「現在の体育館の収容力が少なく、近隣自治体の施設と比較しても人口規 模に対しては十分でない、エアコンが無い、駐車場が狭い、公式試合が出来ていない」と言うことです。
大規模な体育館を作る場合、全国レベルの競技チームがある かないかで施設の利用目的が達成できるか否かが決まります。例えば沖縄アリーナ、1万人が収容可能で年間10億円の売り上げがあります。それは、実力のある世界的なバスケットチー ムがホームグラウンドとして使っていると言う現状があるからです。しかも今の時代の流れは建物建設で賑わいを期待する時代ではなくなりました。次回アジア大会名古屋は分散型で、水泳競技は東京、ホッケー、サッカーは岐阜で開かれ名古屋では新規の体育館建設はありません。名古屋城構内の体育館の建替えのみです。
新総合体育館建設に120億もの予算をかけて、年に1、2回ほどの大規模大会開催しか期待できません。市は採算を問わないと言っています。即ち、維持管理費を含め負の遺産となり膨大な費用は子どもたちの世代にのしかかって来ます。
建設に予算を使うなら、今問題となっている「飲み水」に予算を使うべきです。それとこれは別?いいえ、財布は一つ ですからね。僕は120億円 かけてでも、新しい水源を探すべきと 考えています。PFAS が含まれた水、問題のある水源に活性炭を通して給水するやり方は中途半端で持続可能ではない。まさしく負の遺産です。PFAS が基準値越えたのは行政の手落ちではないからこそ、口先だけで誤魔化してはいけないんです。数値は日本の基準に甘んじ てはいけない。本来ゼロであるはずだから。

 

 


vol.216  BOOK紹介


『学校バトルを真面目に楽しむ』

著:岡崎 勝

本書には気になるワードがいっぱい。「GIGAスクール構想」「教員の働き方改革」「学校のデジタル化」などなど。「育つ過程で欠くことのできない身体性はデジタル化された学校でどう保証されるのか。回り道や散歩の面白さを味わいながら試行錯誤することが『コスパが悪い』とされるなら、AIの最適化に社会を委ねることは『思考停止』と同じである」。長年、学校現場にいた著者の手厳しい内容には、うなずくことしきり。保護者にも、教師の方にも読んでほしい一冊。

 


『元気で行こう』

著:木田ひと美

バイク乗りなら一度は憧れる海外ツーリング。それは著者の「いいことないかな」のつぶやきから始まった。バイク歴数年で敢行したその気概に大いに触発される。資金、言葉、食、治安などなど幾多の不安も「元気で行こう!」の掛け声で走る!この元気の源は一体…。
読後、寒いなぁ、ガタガタ道は苦手、暑い!急勾配のヘアピンカーブは無理むり〜!なんて言ってられない…。痛快で勇気をもらえる一冊。


vol.216 プレゼントコーナー

216号PRESENTS

プレゼントご希望の方は
ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1.あなたが自然の恵みを感じる時は? 温暖化など、異変が多く報じられる昨今。それでもまだ自然界からいただいてるものも多いですね。あなたが感じる自然の恵って何ですか?
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※Aは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:2023年11月25日、Bは11月10日
当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.ゆりかごカレンダー2024  ゆりかご助産院様より…3名様

分かりやすい月の満ち欠け、月の出入りや満潮干潮の時間なども載って、自然とともに日々を送りたい方へおすすめのカレンダーです。見やすい日付の文字、書き込める余白など、実用性もバッチリ。かわいいゆりかご助産院さんのロゴがアクセント!にらめっこ編集室でお受け取りください。


B.やきものワールド2023招待券  やきものワールド実行委員会様より…ペア3組様

国内最大級の陶磁器イベントが今年もドルフィンズアリーナにやってくる!食卓を楽しくするアイテムが集まる、買えるブースが大集合。同時開催のふるさとご当地グルメ&地酒フェアと、盛りだくさんのイベントに今からワクワクが止まらない!!

11月17日(金)〜23日(木・祝) https://yakimonoworld.jp/

 


C.舞台劇「ギャング・エイジ」ご招待  NPO法人各務原子ども劇場様より…大人1名様

クラスの人気者だったエイジは
突然らんぼう者のレッテルを
貼られてしまう…。

「ぼくはギャングになる!」子どもたちの周りで現実に起こりうるシリアスな問題を、ユーモアや歌やブルースハープの演奏で軽快に前向きに描いています。詳細は下記インフォメーションを参照してくださいね。

<インフォメーション>12月16日(土)18:00-「ギャング・エイジ」各務原市産業文化センターあすかホール ※劇団風の子中部による主に小学生親子向き舞台劇。大人2300円(当日2800円)子ども1500円(当日2000円)問合せ申込み:各務原子ども劇場☎058-370-5893(月水金10時~16時)

 


D. CINEX映画招待券  CINEX様より…ペア3組様

事実は小説より奇なり。実話を映画化した作品に出会うことで、私たちは様々な事実に出会うことができます。そして、多くのことをそこから学べます。写真は「ロスト・キング 500年越しの運命」の一場面。柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。