199号 (2021.1&2)」カテゴリーアーカイブ

vol.199 そもそもSDGsってなに?

SDGsとは?

 SDGsとは、SDGs(Sustainable Development Goals)の略で、持続可能な開発のための国際目標で、17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)。2015年国連サミットで採択後、2017年にダボス会議(政治経済のリーダーズ会議)にてSDGsの巨大な経済効果が発表されました。そこで当時の国連事務総長であった故コフィ・アナン氏がグローバルリーダーたちに人権、労働基準、環境という普遍的な価値観を支持し、企業活動に取り入れるよう呼びかけました。同時にダボス会議では、SDGsに取り組むことで12兆ドルの経済価値、3億8000万人の雇用という推計が発表されたのです。(日本円にして1,200兆円!※1ドル=100円の場合)。日本の企業は、これに驚き「SDGsへ取り組もう!」と、関心を持つようになりました。
 「SDGsに取り組んでいる」というだけで、世界へのビジネス展開もしやすくなる、SDGsへ取り組むことが経済的にプラスになるなら企業も取り組まないわけにはいかない、という流れができました。今は就活においても、SDGsは重要ワードになっています。一方、取り組んでいなければ「社会的責任を果たす意欲がない」と、マイナスイメージを与えてしまう可能性もあり、会社の経営、ブランディング(「ブランド」を形作るための様々な活動)にも大きく関わってきているのが、SDGsなのです。

SDGsの前にMDGsがありました。

 MDGsは開発途上国向けの目標、SDGsは先進国も含む開発目標といったところ。
 MDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標。順に①極度の貧困と飢餓の撲滅②初等教育の完全普及の達成③ジェンダー平等推進と女性の地位向上④乳児死亡率の削減⑤妊産婦の健康の改善⑥HIV/エイズ、マラリアその他の疾病の蔓延の防止⑦環境の持続可能性確保⑧開発のためのグローバルなパートナーシップの推進)は、貧しさに苦しむ国々の課題解決を目標にしたものでした。だから民間企業の関心が低くて、結局関わるのは外務省ばかり。資金面や技術面で、民間企業が入ってくることはとても大切なのに、実際は政府中心の取り組みになってしまいました。

 SDGsでは、先進国にも関係のある内容を大幅に追加しました。例えば、ダイバーシティ(多様な人材を積極的に活用しようという考え方)や環境問題など。
 見てみると分かりますが、全世界の人が“自分ごと”として取り組めるような、身近な課題もたくさん設置されています。政府以外の企業、投資家などにもアプローチをします。そして、ダボス会議で「経済価値がある」と発表されたことで、経済界も「SDGsを取り入れよう」という機運が高まったのです。それまでは投資は利益が出る企業に対して行うものでした。しかしコフィ・アナン氏は投資の世界に手を付け、株主を動かすことで企業を動かそうとしました。

消費者が企業を動かす

 市民や社会が声を上げなければ、企業は動きません。中でも環境問題、地球温暖化は早急に対策したければいけない課題。だからこそ、一般企業や市民のサポートは本当に欠かせない条件となってきたのです。企業活動が環境破壊などにつながっている場合、世界では消費者による不買運動がたびたび起こってきました。
 例えば、2010年、アブラヤシから取れるパーム油の調達が、熱帯雨林を破壊しているとして、ネスレの「キットカット」不買運動が起こりました。事態を重くみたネスレは調達先を変更しました。またスポーツブランドのナイキも、90年代に児童労働や強制労働に対して、世界的な不買運動が起こりました。ナイキが失った売上高は、5年間で1.3兆円にのぼると言われています。
 日本でも最近は、パワハラを行う企業に対する風当たりが強くなったり、日清カップヌードルのアニメCMで大坂なおみ選手の肌の色が「ホワイトウォッシュ」だと批判され、公開中止になりました。
 ブラック企業やジェンダー、人種差別などへの問題意識が高まり、企業が追随せざるを得ない状況になってきたのです。

健康な地球で、みんなが平等に平和に生きる。

 経済界の思惑や政治的な背景を感じつつ、SDGsは、私たちも取り組むべき課題であると思います。持続可能な社会であるために、私たちは何をすべきか、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
SDGsは17の目標と169のターゲットを設定しました。
SDGsは、普遍的な目標として「誰も置き去りにしない」という約束を掲げています。なにかの目標達成の裏で、泣いている人がいないようにと、配慮する気持ちが込められています。例えば、「6. 安全な水とトイレを世界中に」などは、日本で問題になることはほとんどありませんが、世界の貧困地域では、とても重要な課題。日本は先進国として困っている国を助けなければいけない立場にもあることを覚えておきたい課題ですね。


vol.199 なんで今SDGs なのか?

 地球益・・・一つの国の力では解決できない地球規模の問題を抱えていることはみなさんご存知かと思います。今はコロナ禍で世界中が右往左往しています。それに加え、地球温暖化、オゾン層の破壊などの環境問題をはじめとして、民族紛争、核の脅威、南北間の経済格差、性・人種差別など、様々な地球規模の問題に直面している現状で、各国が国益だけを追求することは許されなくなっています。 地球社会が持続的に発展していくためにも、地球益に配慮した活動がどうしても欠かせない、ということです。そこには五つのキーワードがあります。

1)つながり を意識する

 たとえば、ローカル(地域)とグローバル(地球)といった空間的なつながり、 過去・現在・未来といった時間的なつながり、 環境・人権・平和・開発などの諸問題のつながり、 さらには、認識・感情・精神・身体などの個人の内面におけるつながりなど、様々なレベルで、ものごとのつながりを意識する。

2)ちがい を尊重する

ちがいを恐れずちがいを受け入れる力を十分に身につける。

3)未来 を展望する

 過去の事実や蓄積された知識は重要ですが、今私たちは、急速に変化する世界に暮らしています。過去-現在-未来のつながりを意識し、その上で未来を見つめることも大切。

4)プロセス を重視する

 一人ひとりの小さな「気づき」を大切に、「結果」にではなく「プロセス」に学ぶこと。

5)社会参加 を目指す

 現状を変える力、今の自分に何ができるか?自分自身に問いかけることを大切にする。 何も行動しないことでさえ、地球の未来に大きな影響をあたえているということを、私たちは自覚する必要がある。これからはグローバル教育を必要とします。
このようにとらえると、SDGsは必然です。

 持続可能な開発目標、といわれるとなんか難しく考えてしまいますが、自分ごととして捉えると、掲げられている17項目は日常生活の中に深く関わっています。この機会に何がどう自分に関わっているのか、「にらめっこ編集室の日々」から検証してみました。

編集室の1日は、窓を開け放ち空気入れ替え。今日はコーヒー豆を焙煎する日。訳あってこの事務所に置かれることになった焙煎機からはいい匂いが漂います。実はコーヒー豆の背景をたどるとコーヒー豆の産地があるアフリカや中南米では、大手企業など買い手の方が立場が強く、低い賃金で働かざるを得ないコーヒー農家。国際人権団体は経済的な不平等をなくし、「正当な価格」で取引するよう呼びかけています。「正当な価格」(フェアトレード)で取引された商品を選ぶことは、貧困をなくすことにつながります。5「ジェンダー平等を実現しよう」 1「貧困をなくそう」

 毎月第2と第4土曜日に「風の芸術村」という美術教室を開催。発達に凸凹のある方々が集い、創作活動を楽しみます。この創作の中にも、ジェンダーや差別に関わりがあることに気づきました。例えばクレヨンや色鉛筆で「はだいろ」と呼ばれていた色は、「うすだいだい」や「ペールオレンジ」と呼び名が変わりました。肌の色は人によってさまざま。特定の色を「はだいろ」とすると、肌の色による差別意識を助長しかねないためです。さらに「女の子は赤」「男の子は青」といった考え方も、性別による決めつけや差別を生みかねません。「男の子だから泣かない!」「女の子らしく気配りできるように」といった表現を使うのも同じです。また、生まれた時の体と心の性が違う人もいる。誰もが平等に、自分らしく生きることができる社会を、めざしたいですね。
10「人や国の不平等をなくそう」 5「ジェンダー平等を実現しよう」

にらめっこ編集室の庭には畑があります。蘇原新栄町内ですが2丁目から3丁目に引っ越して来て一年。生ごみ堆肥で作った土を畑に入れ野菜などを作っています。柑橘系の木では蝶や蛾の幼虫が葉っぱを食べている光景をずいぶん目にしました。スイレン鉢にはメダカ。このメダカは昔は田んぼや小川でよく見かけましたが、約20年前に国から「絶滅の危険が増している種」に指定されました。水が汚されたり、天敵となる外国の生き物が増えたりして、激減したためだそうです。多くの生き物、特にミツバチなどが失われることは、将来、十分な食料をつくれなくなることにつながります。目標15「陸の豊かさも守ろう」

お昼ご飯の準備でスーパーへ買い物に行きます。買い物では、環境や貧困につながる場面が多いことに気づきました。例えば、値引きされた食べ物や、消費期限の古い方から買うことや、無駄のない買い物をすることは、まだ食べられる食べ物を捨ててしまう「食品ロス」を減らすことになります。多くの人が食品ロスを減らせば、ごみが減るだけでなく、食べ物がなくて困っている人を支えることにもつながるんですよね。特にごみ問題は、前号にも特集で取り上げましたが、喫緊の問題です。プラスチックごみは年々増え続け、今やマイクロプラスチックとして海中に漂い続け海洋生物を脅かし、除去できないマイクロプラスチックを含む塩となって、食生活にも影響が及ぼしています。
12「つくる責任つかう責任」2「飢餓をゼロに」 14「海の豊かさを守ろう」

ニュースやSNSをチェック
 編集には情報は欠かせません。貧困、飢餓、戦争、気候変動、ゴミ問題、人種や男女の格差・・・。世界が直面するさまざまな問題について、気にかけたり、調べたり、話し合ったりすることは、「私たちに何ができるか」「自分には何ができるか」を考えることにつながります。実は、これがGoalにたどり着くはじめの一歩だと思っています。
17「パートナーシップで目標を達成しよう」

「知ること」≠「信じること」

 ただ、一つの情報源だけでなく、出来るだけ多方面にあたり、冷静に情報と向き合うことが大事です。何かを「知ること」とそれを「信じること」は全く別の問題。見聞きした情報の信憑生などを客観的に見極め、選択し、判断する。混沌とした今こそ、メディアリテラシーを高めることが重要です。
 偽情報や裏付けがない情報には一歩距離を置くのも大事。情報の事実確認は難しいこともあるので、色々な人と情報交換するのが望ましいのではないでしょうか。

「その場面もあの場面も、実はSDGs」 朝日新聞デジタルを一部参考。


vol.199 SDGs 私の思い

現在にらめっこ紙面に関わってくださっている方々に思いをうかがいました。(Noは特に関心のある項目)紙面に限りがあるので、次号にも掲載します。

12 (リビング デザイン本田)

①理由:お庭をつくることを生業として、つくる際には、いろんな資材も使うから。
②懸念:最近は、お庭を求める人たちが増えてきてありがたいが、供給する側の人材不足を感じます。特に若い職人や生産者が少ないです。お庭にも流行のようなものがあり、過ぎた後には、壊してゴミになってしまうこともあるので注意したい。③取組:お客さんにだけではなく、若い世代の働く人たちにもお庭にかかわる仕事が、魅力的な仕事であると感じられるようは発信を心がけたい。流行にとらわれずシンプルで長く愛されるデザインと、使う素材も年月を経て育っていくようなものを積極的に使っていきたいです


12  (ミライ工房 九野)

① 理由:VOC(揮発性有機化合物。揮発性があり、大気中で気体状となる有機化合物でほとんどが神経に異常をきたす物質)は知らないうちに身体に影響が出てしまう。健康に住める住宅を提供することは大切だと思うから。
② 懸念:アトピー、喘息などの原因にVOCが起因すると言われています。頭痛でお悩みの方もいらっしゃいます。
③ 取組:VOCを含んだ商品は極力使わず、無垢材、自然素材で内装を作る。耐久年数のある素材で外装を作る。24時間換気を必要としない家づくりをしている。


14、15  (竹炭のじねん屋 後藤)

① 理由:これからこの国を守る未来ある子どもたちに素晴らしい自然を残したい。
② 懸念:経済優先の考え方は飽くことを知らない。このままでは国栄えて山河なしになる。今ある物を利用せず、リニア問題や新築ビル、家が次々に建つ。その原材料はどこから?自然からは必ずしっぺ返しがくる。
③ 取組:もう終わったことですが、8年かけて、京や愛知、豊川の山にグループで炭を撒いてきました。海や山のために。木々は少しづつ蘇りました。人類がどうしようもならない時、人は炭を活用してきました。その時のために炭を貯えつつあります。


1  (コスモスふぁーむ 山岸 謡子)

① 理由:今日本の社会の緊急の課題は、貧困化を止めること。国民も企業もお金が使えなくなってきている。
② 懸念:消費者の需要(=企業の投資意欲)を高めるには消費税を廃止するのが近道です。また堤防や橋を修理し、保育所を充実させなど国がインフラ投資に力を入れれば、失業を減らして、経済の循環を好転させることができる
③ 取組:国を富ませる政策を政治家にやらせるために私に出来ることは声を上げ、正しい政策を掲げる候補者を選挙で当選させることです。そして私たちも学ぶことです。


3、4、10、11、12、16 (M・I)

① 理由:誰かの幸福が誰かの不幸を踏み台にしたものにならないように。
② 懸念:経済最優先のシステムで社会の分断が進み、人々の不寛容が進まないか?教育や文化など生産性で測れないものがますます切り捨てられていくのではないか?
③ 取組:異なる意見であっても、まず耳を傾ける。夢や目標を持っている若者を応援する。ポルトガル語を学ぶ。フェアトレードの商品、生産者の見える商品を積極的に購入する。


6、15   (アースプラン 松浦 利重)

① 理由:生命の水が今、危機的な状況で、今後どんどん豊かな日本でも減少していく可能性が高くなっている。
② 懸念:将来、水不足のために水戦争が起こることが考えられる。
③ 取組:豊かな奥山の水源地が植林や開発によって荒らされている。そのため奥山の森林が大切だということを多くの人に知らせ、復元・保全を行なっていきたい。


4、5、10、11、16 (まなカフェ 古川 明美)

① 理由:格差社会がどんどん広がり生きづらさを抱えた人が増え続け、人が豊かに生きる豊かさが問われている。人は皆自分らしく生きる権利がある。その基本的人権が守られるために何より教育が大切だと思うから。
② 懸念:小さい頃から人と比較され評価され競争の中で生きている。遊びも機械を通すことが多く、人と関わり想像する力がどんどん弱くなってる。子ども達の本来持っている育つ力の芽を摘んでいる。
③ 取組:大人の学び場。みんなで一緒に学び、まなざしを育む「まなカフェ]を定期的に開催。様々なテーマで今課題と思うことを楽しく語り合っています。今後は子ども達の声を聞く場、共に学ぶ場(子どもの権利など)も作っていきたい。


3、4、5、10、11、12、13、14、15、16、17
  各務 亜紀(菌ちゃん野菜応援団 東海支部 )

① 理由:自分の生活に直にかかわってくるものだと思うからです。本当は全部選んでもいいと思うけど、身近なことでやれることを、と思ったときに関われる観点で。
② 懸念:気候変動がどんどん進んでいるのに、それに気づいていない人、もしくは気づかないふりをしている人が多すぎる。人とのパートナーシップより自分のほうを優先する人が多すぎる。
③ 取組:持続可能な社会のために、循環型農業の発信、心と身体に優しい料理やおやつの発信、人とコミュニケーションをとっていくための具体的な視点の発信、医療費削減に向けての各方面からのアプローチの方法の発信、など。


8、9、10、11  塩見直紀(半農半X研究所/京都・綾部)

① 理由:20年ほど前、「使命多様性」ということばが私のなかに生まれました。みんな多様なミッション(生きがい、ライフワーク、特技、大好きなこと)を持っています。それを活かし合う世界になることを願っています。
② 懸念:日本にも、世界にもビジョンがないということ。
③ 取組:半農半Xコンセプトの発展形として、「1人1研究所社会」というビジョンを描いています。幼稚園のこどもから長老の方まで、自分のテーマ、大好きなこと、ライフワークをみんなが生涯探究していくイメージです。研究成果を独占せず、共有し合う世にしたい!


17   加藤美希(トンガからこんにちは!)

①理由:トンガで暮らしてみて、他国に頼って生きていくこともいいかもしれないなと思うようになったから。他国とより良い関係を結ぶことで、自国の問題も改善したり、強化したりする方法を探って行きたいと思うようになった。
② 懸念:コロナによって、国際情勢はどうなっていくのか。グローバル化が進みすぎて、すでに様々な国が他の国無くしては立ち行かなくなっているのに、ここまで「コロナ」に注力していいのだろうか?と思う。
③ 取組:トンガの暮らしから、先進国である私たちが学び取りたいなと思うことをまとめた絵本を製作中


10. 伊藤佐代子(ボーダーレス社会をめざして )

① 理由:障がい福祉の仕事に携わっており、常日頃感じているから。
② 懸念:障がいのある人は、何もできないのではないかと思われている。そうではない。得意な分野、苦手な分野があり、能力を見極めてもらえれば十分な戦力になる。ちょっとの手助けで一般の人と何も変わらない仕事ができる人が多くいる。障がい者を知らないという事が、まず差別を生む。同じ病名でも一人一人症状は違う。障がいのある人をひとりの人として知って欲しい。
③ 取組:・障がいのある人たちで団体を作り活動をしているが、このコロナ禍で活動は休止。・障がいのある人の書道教室を開き、展覧会を通じて魅力ある作品を発表している。障がいとは何か問いかけている。


4、5   中村 暁子 (性教育団体 ここいく)

① 理由:私たちは学校教育で性の正しい知識を教えるべきだと考えているが、今の現状はそれができていないと考えるから。性の多様性やジェンダー平等についても学ぶ機会が少ない。子ども達の知る権利、学ぶ権利が守られていない。
② 懸念:子ども達が性に関心を持つのは当たり前のことだが、学校でも家庭でも教えられないとなると、子ども達はSNSの情報から学んでしまうことが多い。自分の体と心、相手の体と心を守ることができない。被害者にも加害者にもなってしまう可能性がある。
③ 取組:子ども達に正しい知識と、人権教育をベースにした包括的性教育を伝える活動を行なっている。性教育には壁があり、「教えなくて良い」という考えも根強くあるので、そう思っている人たちへ、性教育の必要性も伝えていかなければいけないと思っています。


3、6、11、15   井澤 宏明(夢か悪夢かリニアが通る!)

① 理由:新型コロナ感染拡大の中、「移動」について考える機会が増えました。これまでは人やモノを「速く」「大量に」運べることが良いと思われてきましたが、その行きつく先が瞬く間のコロナの世界的な流行でした。速さを追い求めた一つの形がリニア中央新幹線です。「速さ」や「便利さ」と引き換えに犠牲にされるものを挙げました。
②懸念:最近、「無人駅」が全国の約5割に及んでいるという報道がありました。駅のホームから視覚障害者が転落し電車にはねられ亡くなる事故も相次いでいます。名鉄犬山線の快速特急に乗っていると、乗客の待つ駅を高速で通過し、ヒヤッとすることがあります。「速さ」や「便利さ」と引き換えに、「安全」が軽んじられていないでしょうか。
③取組:東京都調布市の住宅街で10月、陥没事故が起きました。地下では「東京外郭環状道路」のトンネルを掘っており、危険性が指摘されていました。同じことがリニア工事でも起こる可能性があります。どちらも「大深度地下法」により住民の同意を得ず深い地下を使うことができます。JR東海は「騒音・振動の影響はほとんどない」と説明していますが、そこに嘘はないのか、報じていきたいです。


1、2、3 ( カイロプラティック よつは 三戸)

① 理由:健康という土台があってこそ仕事ができる。収入を上げていくことで、貧困や飢餓をなくすことにつながっていくと思われるから。
② 懸念:生活習慣の悪化を放置せず、自分の体の不調に気づき、予防と健康維持に努めること。
③ 取組:体の土台となる、骨盤の歪みを整えて、自分が持つ自己治癒力を上げることで、病気の回復を目指してもらいます。その上で、自分で体のことを勉強してもらうことで、家族や周りの人を健康の向上を助けることができるようになりたい。


1、8、11    (大堀研磨工業所 ひこうきやさい 大堀恵三)

① 理由:1・年配者や 障がい者、病気の人でも働く環境をつくることで、貧困をなくしたい。8・いつもこの製品は、社会にどのように役立っているかを常に意識し、それを知ることで、働きがいとなり、心も豊かになり、品質・効率も良くなり、経済も成長します。11・仕事がなければ暮らせません。地元に根付いた企業でいることが必要です。
② 懸念:経済が、安さを追い求めることが懸念事項で、地産地消や社会への取り組みが価値になる必要があります。
③ 取組:本業とは別に、やさい工場を立ち上げ、メンバーに本業定年後の年配者や病気・障がい者の働き口をつくり、貧困、働きがいや住み続けられるまちづくりに貢献します。


5、17    (みんなのいえ 中村 暁子)

① 理由:男だから女だからという括りで人を見たり、その役割に縛られていることに疑問を感じている。夫婦間や家庭、職場などでも、柔軟に対等な関係で話し合いができれば、子育て、家事や仕事に対する考え方やあり方などが変化し、全ての人が自分らしく生きられる社会になると思うから。
② 懸念:男女の括りに限らず、○○であるべき、○○しなければのような、社会や家庭の中で決められていると思うルール?縛りのような思い込みがあることで、子育て、家事や仕事などの労働を辛く苦しいものと感じる人が多い気がする。
③ 取組:お母さんと子どもたちが集う居場所を毎月3回開催。そこで出会う親子と関わる中で、子育てや夫婦の関係性や仕事などの話題になれば、ジェンダー平等やパートナーシップについて、自分の考えや思いを伝えたり、オススメの本や講座などを紹介するように心がけている。


10、16  (ラボ・パーティ 荒川 明美)

① 理由:ことばは通じなくてもこころは通じ合えるという経験を通して、どんな人も人として尊重されることや、国と国に優劣はなくお互いを認め合って、人を平等に大切にすることに関心があります。
② 懸念:分断や対立は、相手のことをよく知らないことから起こることがよくあると思います。
③ 取組:さまざまな年代の子どもたちが一緒に活動することで、異なる見方や考え方に触れる機会を増やしています。自分も、自分以外の人も大切にし、ともによりよい社会を作り上げていきたいという気持ちを育てることが、平和で幸福に満ちた世界を作ると信じて。


vol.199 SDGs 主語はわたし。

 今回の特集で、サスティナブル(Sustainable・持続可能な)ということばから、どうしたら「自分ごと!」になるのか思いをめぐらせ考えてきました。調べると ① 持続[継続]可能な ② 環境を壊さず利用可能な ③ 〔資源など〕枯渇させず利用可能な…
このようなことばが並びます。でも、なんか持続可能ということばがしっくりこない。さらに調べを進めると、「サスティナブルの和訳!これこそ自分ごとと捉えられるアプローチだ」と思えるある方のコメントにたどり着きました。サスティナビリティ学の専門家、工藤尚悟氏です。(東京大学大学院新領域創成科学研究科サステイナビリティ学教育プログラム)さっそくコンタクトを取りました。その工藤さんからコメントをいただきました。

主語はわたし。

 「私たちが将来にわたって持続していきたいコトを考え、それを守ったり新しく創ったりすること」
 サステイナビリティとは、今まで私たちの社会のなかで大事にされてきたことをまもりながら、これから新しく私たちの社会のなかで大切にされて欲しいことをきちんと大切にできるような仕組みをつくり、更にそのような考え方を次世代につなげる、という概念であると言える思います。
 ここから、サステイナビリティの新しい和訳を考えると、それは「まもる・つくる・つなげる」がいいのではないでしょうか。

 まもるは、守るであり、護るです。
 大切なものを守り保全しながら、外から害を受けないようにかばい保護することです。

 つくるは、作るであり、創るです。
 物理的なものや仕組みを作ることであり、アイデアや価値を創ることです。

 つなげるは、繋げるであり、継承(継いで承る)です。 人々が繋がり「私たち」という主語を持つことであり、世代を超えたつながり・継いで承ることです。

 これまで「持続可能な開発」と言われてきたものも、今日からは「まもる・つくる・つなげる開発」や「まもってつくってつなげる開発」とかいう表現にしていきたいなと思っています。
 こうしておくと「何をまもり、何をつくり、何をつなげていくのか」について、「誰がやるのか」を考えやすくなり、そこには主語が発生します。 それは「私」でもいいでしょうし、「あなた」でもいいと思いますし、または「私たち」で考えてみてもいいと思うのです。


工藤 尚悟(くどう しょうご)
地域のサステイナビリティに取り組む研究者。日本とアフリカを行き来しながら、お互いの地域の風土から学び合うトランスローカル論の構築に取り組んでいる。


vol.199 SDGsを知ることができるオススメムービー

『地球が壊れる前に』
監督/フィッシャー・スティーヴンス 公開年/2016年 製作国/アメリカ 時間/95分 デジタル配信中(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン)

俳優・環境活動家のレオナルド・ディカプリオが国連平和大使として世界をまわり、厳しい現状を視察。人々と対話する中で気候変動の今までとこれからを見つめる様子を追ったドキュメンタリー。オバマ大統領(当時)やローマ法王との対談も収録されている。


『コスタリカの奇跡
~積極的平和国家のつくり方~』
監督/マシュー・エディー、マイケル・ドレリング 公開年/2016年 製作国/アメリカ・コスタリカ 時間/90分 DVD 4000円+税(ユナイテッドピープル)

「積極的平和主義」を貫く、軍隊を持たない国、コスタリカ。しかも、世界で初めて「化石燃料ゼロ社会」を実現すると宣言した国でもある。1948年に軍隊を廃止し、軍事予算をゼロにする代わりに無料の教育・医療を実現し、環境保護に力を入れてきたコスタリカ。その奇跡はどのようにして起こったのか。元・大統領やジャーナリスト、学者へのインタビューでその過程に迫るドキュメンタリー。


『フード・インク』
監督/ロバート・ケナー 公開年/2008年 製作国/アメリカ時間/94分 DVDレンタル中(アンプラグド)

安くておいしい食べ物に潜む秘密を暴く、フード・ドキュメンタリー。モノのように大量生産される牛・豚・鶏、野菜より安いハンバーガー、遺伝子組み換え食品……。私たちにできることは?利益優先の裏で軽視されている健康面の配慮、そしてつくり手側に問われるのは命への尊厳です。製作国アメリカでは予想を超える大ヒットを記録し、大きな話題となった。


『いただきます』
監督/オオタヴィン 公開年/2016年 製作国/日本 時間/75分 詳細 http://itadakimasu-miso.jp(イーハトーヴスタジオ)


おいしそうに食べる子どもたちのキラキラした笑顔。健康食として世界でも注目されている和食の力を証明するかのように、本当に生き生きとした子どもたちに元気をもらえます。「私たちは日々何を食べることが幸せなのだろう?」「子どもたちにどんな食を残していくべきだろう?」という問いについて、改めて考えさせられた映画です。
 福岡県福岡市にある高取保育園で、味噌汁や納豆、玄米の給食を食べ、素足で園庭を走りまわる元気いっぱいの子どもたちの日々に寄り添ったドキュメンタリー。


『ALWAYS三丁目の夕日』

監督/山崎貴 公開年/2005年 製作国/日本 時間/133分 DVD 3800円+税(発売元:小学館、販売元:バップ)

 生活レベルは腹八分目くらい、生活に必要なものがどのように手に入るかが日々の体感で理解できる。助け合わなければ生きていけなかった大変な時代だけれど、家屋のデザインから生活習慣まで、日本という気候風土にあった「生きている!」と実感できる暮らし。この先、私たちが大切にしなければならない価値観は何か。そんな視点で観るのもおもしろいと思います。


『バベルの学校』
監督/ジュリー・ベルトゥチェリ 公開年/2013年 製作国/フランス 時間/89分 DVD 4000円+税(ユナイテッドピープル)


20の国からフランスの中学校の適応クラスにきた24名の生徒たち。このクラスでフランス語などの通常の授業を受け、通常クラスに行く準備をする彼らが、先生と共に葛藤を乗り越え、絆をつくっていく様子を追う。最後には、温かな涙が待っている。


『ソニータ』
監督/ロクサレ・ガエム・マガミ 公開年/2015年 製作国/スイス・ドイツ・イラン 時間/91分DVD 4000円+税(ユナイテッドピープル)

ラッパーを夢みるソニータは、アフガニスタンのタリバンから逃れ、イランで暮らす難民だ。しかし両親は慣習にのっとり、会ったこともない男性との結婚を迫る。ソニータの出した結論は? 歌うことで人生を切り開くソニータを見つめる、魂に響くドキュメンタリー。


vol.199 しょうがいをみつめる vol.10

ティーム・ティーチング

 特別支援学校ではティーム・ティーチング(以下、TTと略)と呼ばれる指導形態をとっていることがほとんどです。TTとは複数の教員が役割を分担し、協力し合いながら指導する方式のことで、今回はある年に担任したAくんと、関わった先生方の姿から、TTを考えてみたいと思います。

 Aくんは前年度、同じクラスだったBくんの嫌がることを繰り返し言ってトラブルを起こしていました。自閉スペクトラム症のAくんにとって、相手の立場に立って考えたり行動したりすることは苦手です。ADHD傾向もあり、その特徴の一つでもある衝動性も加わって、ダメだと分かっていても言ってしまうことが止められないのだと推測されました。Aくん自身も叱られることが増え、お互いに辛い思いを抱えていました。
 そんな二人ですが、実はアニメやゲームが好きという共通点もありました。子ども達の心を掴むのが上手なC先生は、二人の好きなアニメのキャラクターを描いたり、ゲームの話をしたりしていつも一緒に遊んでいました。どちらかと遊んでいると、関心のあることですから、もう一人も自然と近寄ってきます。そうしてC先生を介して二人が関わる姿が徐々に増えてきました。好きなことをして夢中で遊んでいるので、Aくんの嫌なことを言う姿はそこにはありません。今では二人だけで遊ぶ姿も見られるようになりました。

 Aくんはまた、さまざまなことに強いこだわりをもっています。例えば時間。授業が始まった途端、いつ終わるのかが気になって、そのことで頭がいっぱいになってしまいます。D先生は経験豊富なベテランです。「何時何分に終わる?」と繰り返し聞くAくんに、「終わった時に終わるよ」と、優しくも淡々と答えます。白黒はっきりさせなきゃ気が済まないAくんに、敢えてグレーで返し続けるD先生。Aくんならばその曖昧さを受け入れられるようになると踏んでの支援です。

 ほかに、勝ち負けや順番にもこだわります。図工で作品を作ると「誰のが一番だった?」と聞くし、「なんで僕を一番に当ててくれないの」と怒ります。生活のあらゆることを競ってしまうAくんですので、体育や遊びなどで勝敗がつくことは大の苦手。かけっこで何度やっても勝てない時には、「自分は足が遅い、どうせ勝てないんだ」とパニックに。そんなAくんにE先生は言います。「負けて悔しい気持ちになるのはみんな同じ。それを次、頑張る気持ちに繋げることが大事だよ」。スポーツをずっと続けてきたE先生らしい言葉です。
 E先生が言い続けてきたこのメッセージはAくんの中で魔法の言葉となり、悔しいことがあると、自分で唱え、たかぶってしまう気持ちを落ち着かせようとする姿が見られるようになりました。ある時には、同じように前に進めず泣く友達に対して、この魔法の言葉をかけてあげるという出来事もありました。

 TTを効果的に機能させるにはそれなりに大変なことも多いのですが、このように教員それぞれの個性を生かして幅のある対応ができるのが良いところでもあります。また複数の目で子どもを見ることで、子どもの良さをより多く見つけ、伸ばしていくこともできます。私自身、周りの先生方から学ぶことがたくさんあります。「TTを生かす」ことは、私たち教員の大事な力の一つです。   S.I


vol.199  niramekkoGallery「さかな」

まぁ君、今日も全力です。真っ白い紙にサインペンで描く。スラスラ、サラサラと淀みなく描く。しかも輪郭から描かない。口とか目のパーツから先に描く。それでちゃんとバランスが取れている。一度見たものは記憶に残り、あっという間にいろんな動物たちが揃い、まるで「さあ、これからみんなで記念撮影だよ」って感じの絵になったりする。たまには水彩で「さかな」を描いたりもする。それもあっという間に完成。どこで見たのか、空想なのか?!だとしたらまぁ君、快挙だ!これまでと違った作風に一同感嘆!


vol.199 人生これから!イエイ撮影会

11月18日(水)「いい遺影の日」えんぴつカフェでは“記念日”に撮影をしよう!」と勉強会を重ね、撮影会を開催しました。

ヘアメイクのミサさんに整えてもらい、フォトグラファーのちいほさんに褒められて、どの人もみるみる表情が輝いていきました。それぞれの個性を引き出してくれるちいほさんの言葉がけに反応する参加者に「すてき!」「うわぁ!」とみんなが楽しい声をあげ、素敵な空気が満ちた撮影会となりました。

※伊勢和紙:神宮御用紙奉製所(伊勢神宮のお神礼など全て伊勢和紙)三重県指定伝統工芸に指定されている。
大豊和紙工業株式会社
特徴:柔らかく温かみを感じる風合い。手に持った時、被写体や温度の感情が伝わる(ちいほ・談)

フォトグラファー:田中ちいほさん
ヘアメイク:鈴木 美沙さん(すずこ美容室)
場所:にらめっこフリースペース

参加者の感想

・ ワクワクしてとても楽しい時間でした。自分を引き出してもらえた感じがします。私ってきれいに撮ってもらうことって好きなんだと実感しました。ちいほさんにお褒めの言葉をいただいて自信が持てました。(Fu)
・ 最近コロナの影響で人と触れ合う事が少なかったので、メイクも撮影もしていただいて、人に触れ合う心地良さを久しぶりに感じました。また、自分を変えるチャンスもいただき、ありがとうございました。(Tsu)
・ ドキドキ感たっぷりのひとときでした。こんな風に撮影してもらったことがなかったので、自分が元気なうちに撮ってもらえて良かったです。(Ama)
・ ちいほさんに撮影してもらい、モデルになった気分でした。メイクも自分ではなかなかできないですが、人にやっていただくと気分が違いますね。演劇部にいた昔を思い出しました。(Hase)
・ ちいほさんに「いいよ〜、いいねぇ」などと言葉をかけてもらううちに、自然にモデルバージョンになって笑顔になれました。良い経験でした。(Ta)
・ 楽しく過ごさせてもらいました。写真を見てビックリ仰天でした。(ka)
・ ちいほさんに言われた通りのポーズや目線をとるのが難しかったです。自分じゃないような、不思議な感じでした。(Sa)
・ 今年70才になったので、今日は2度目の七五三かな。いい記念になりました。次は着物姿を撮ってもらおうかな。(Ha)
・ 楽しかった!初めての事ばかりでなんだか恥ずかしかったけど、メイクさんもちいほさんも、その人らしさを判断するのが早くてさすがと思いました。今、いろんなことにチャレンジしようと思っていて、今日も参加させてもらいました。(Hashi)
・ メイクをしてもらったのは自分の結婚式以来。私は天然パーマの髪がずっと欠点だと思っていましたが、メイクさんが髪のくせを活かしたヘアスタイルにしてくださり、みなさんに褒めていただいてすごく嬉しかったです。(Sato)
・ ちいほさんや他の参加者から「素敵」とか褒められて、テンションが上がりました。プリントしていただいた写真を密かに眺めてはにんまりしております。(Ko)


募集中!!

今号の「やってみた」コーナーはお休みします。
あなたの「やってみた」をご紹介させてください。掲載された方には人生これから!編集のライフデザインノート『ゼロの昇天』を進呈!


vol.199 えんぴつカフェ

2021年 1月21日(木)
時間:13:30〜15:30
場所:にらめっこフリースペース
参加費:500円(茶菓子つき)

 不要な物を手放して始末をしたい、そう思っても簡単には捨てにくいものって、ありませんか? 例えば、人形、ぬいぐるみ、印鑑、写真、写経の用紙…など。

 気になりつつ捨てられない時って、なんだか負のエネルギーも一緒に溜めてる?上手な手放し方を知っておきたいですね。
 次回のえんぴつ・カフェでは、専門の方のアドバイスをいただきながら、気になる「手放したいもの」について意見交換をします。

自分の人生の後始末…?ちょっと待てよ、人生は終わってないから、後始末じゃなくて、先始末と言うべきかも。いずれにしても、いろいろなものを先始末して、後世にその処分のために、大変なエネルギーの負担を押し付け迷惑をかけたくないですね。

し‐まつ【始末】物事の締めくくりをつけること。後片付けをすること。処理。

断捨離は人生の先始末!!ヨーガの行法である
・断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)不要な物を断ち、捨てることで、物への執着から離れ、
自身で作り出している重荷からの解放を図り、
身軽で快適な生活と人生を手に入れることが目的です。


えんぴつ・カフェとは・・・
毎月1回おしゃべりしながらライフデザインノート『ゼロの昇天』を書き込むために集うカフェです。お茶を飲みお 菓子をつまみながら、持ち寄った課題をみんなで考えます。話題は多岐にわたります。「人生これから!」を基本に、やがて迎えるであろう「そのとき」まで、 どう生きるかを念頭に置いて書き込んでいきます。ちっとも筆が進まない、というのが現状ですが、みんなの話を聞いて、回を重ねるごとに、少しづつイメージ が湧いてきます。そんなカフェです。

参加ご希望の方は、ご連絡ください
主催:NPO「人生これから!」
問い合わせ 090-5638-7044(田辺)・ 090-7854-4561(三上)





vol.199 熱中人 大明◎さん

反骨精神と向上心を胸に
   作品を生み出し続けるアーティスト

大明◎(ひろあきえん)さん(安城市在住)

 アーティストとして本格的に始動し14年目の今年、第1回安城市若手芸術家応援プログラム「大明◎展(ひろあきえんてん)」で7回目の個展を迎える。これは今までの集大成ともいえるもので、大明◎さんは準備に余念がない。
 「今回の個展では、僕の作品(玉石の明かり)と、6人のアーティストそれぞれの作品とのコラボレーションがメインです。これには大きな意味があって、作家同士って考え方が全然違うけど、一つの枠にあてはめることによって意見の違いだって一つの作品として完成させることができるよ、と」
 言い換えれば、意見の違いから始まる世界各地の戦争や紛争、対立も、多様な存在をそのままに尊重したら、平和な世界としてまとまることができるのでは、ということにもなる。
 時代の流れ、世の中の風潮に対して「それでいいのか?」と自分なりの視点を大切にするアーティストでありたい、それは「反骨精神」とも言えるもので、大明◎さんのどの作品にも表現されている。
 「なので、僕の作品はイメージ的で重く哲学的。観る人の想像力に任せて絵だけで説明できるのが本来なんだけど、本質的なものは伝わりにくいです。だからもう一歩踏み込んで作品を楽しみたい方のために、今度の個展では説明文を多めにします」

 3才頃から絵を描いていたという大明◎さんだが、深い思いを作品に生み出すアーティストとなった今は、絵を描く事がしんどいと言う。
 「しんどいけど絵を描く事を辞めないのは、作品をつくる意義、これはすごく大きい。作品をつくるからいろんな人に会えるし、話しもできる。自分の主張も伝えこともできるし、自分が存在している証明にもなるし、周りの人を楽しませるとか、作品をつくる意義はいっぱいあるじゃないですか。制作中ってたくさん考えるから、その時間はすごく大切だし。絵を描いているその瞬間は辛くしんどいけれど、それ以上にやる意義がある。それに、パートナーと知り合えたのも絵を描いていたからだし」と語る大明◎さんの表情が緩む。
 「それに、絵って描けば描く程うまくなる。自分の成長がわかるからもう辞められないですね。僕は向上心のかたまりというか、ひたすらどんどん良くして行こうという気持ちが強いので、そういう意味でももの作りが性格にあっているのかもしれないです。向上心が止まらないです」(笑)

 反骨精神を持ちながら、アートの世界の開拓者でありたい、という大明◎さんだが、開拓者の後に続くひとりでもあるという。
 「いろんな人たちがいろいろ変えてきたものを僕が受け継いでいるという部分もあるんです。誰かがすごくいい流れをつくっても、他の誰かがそれをがやらないと、止まっちゃうじゃないですか。それを続けていかなくちゃ、という気持ちはすごくあるんです」
 「あきらめないこと、かな。辞めないで続ける」
継ぎ足すように出された言葉に、アーティストであり続ける厳しさ、大明◎さんの覚悟が見えた。

大明◎・ひろあきえん
幼少期より漫画や兄の影響で絵を描き始める。
2006年よりエアブラシを、2013年より油絵を始める。また動画配信や、漫画形式のブログなど、web上での作品も多数制作。現在はそれらの混合技術を用いて、作品を制作・発信している


vol.199  夢か悪夢かリニアが通る!vol.28

リニア中央新幹線を建設しているのはJR東海ですが、全国新幹線鉄道整備法による国の認可を受けて事業を行っています。この認可の取り消しを求め沿線の住民ら781人が国を相手取って4年前に起こした「ストップ・リニア!訴訟」の中間判決が12月1日、東京地方裁判所で言い渡されました。古田孝夫裁判長(市原義孝裁判長が代読)は、原告の約7 割に当たる532人について、裁判を起こす資格のある「原告適格」を認めず訴えを却下、残りの249人の原告適格を認め、裁判は継続されることになりました。        井澤宏明・ジャーナリスト

ずさんアセスを追認

7割を「門前払い」

中間判決を受けて、「不当判決」の旗を掲げる原告弁護団ら(12月1日、東京地裁前で)

 原告らは「原告適格」として次のように主張していました。 ①乗客として安全な輸送の提供を受ける利益 ②南アルプスや自分の住む地域の自然環境を享受する利益や、自然環境の保全を求め、自然と触れ合う権利③ルート上や近辺にある土地、建物、借地、借家、立木トラストなどの権利 ④工事や開業後のリニアの走行による大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、地盤沈下、日照阻害、交通混雑、高架橋や駅舎などの設置に起因する景観阻害による健康や生活環境への被害を受けない権利。
 中間判決は、 ①について「乗客になる可能性は潜在的、抽象的なもの」 ②について「主観的な評価によって左右される性質のもので、どのような侵害なら良好な自然環境が毀損されたといえるかを客観的に明らかにすることは困難」 ③について「直ちに利益に制限が加えられるものではなく、『土地収用』も必ず行われるものではない」――として原告適格を否定しました。
 一方、 ④については判断が分かれました。判決は工事や開業後のリニアの走行による大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、地盤沈下、日照阻害などにより「健康や生活環境に著しい被害を受ける恐れがあると想定される地域に住んでいる」として、環境影響評価(環境アセス)の対象となった水源の水を飲料水、生活用水、農業用水として利用している地域など一定の範囲の住民249人の原告適格を認めました。

原告団長の川村さん(右奥)や弁護団が記者会見を開き、「なぜ原告を切り捨てるのか」と訴えた(12月1日、東京都内で)

 最も理不尽なのは、今も多くの置き場が決まっていない工事による残土についてです。判決は、JR東海が作成した環境影響評価書には残土運搬車両の運行経路や頻度が明らかにされておらず、国の認可でも運搬車両による騒音、振動、大気汚染が審査の対象になっていなかったとし、「被害を受ける恐れがあると想定される地域に住んでいるか否かを認定するための目安やその他の手がかりを欠いている」ことを理由に適格を認めなかったのです。原告側は裁判で、残土置き場や運搬の経路を明らかにしないまま行った環境影響評価の違法性を再三にわたって指摘し、それを認可した国を批判してきましたが、裁判所はこのようなJR東海や国のずさんなやり方を「追認」してしまいました。
 自身も原告適格を否定された原告団長の川村晃生・慶応義塾大学名誉教授は中間判決後の記者会見で「裁判はこれから証人申請をして立証していく段階。その中で、南アルプスがどういう被害を受けるか、乗客の安全性が守られているのか、原告として立証しようとしていた矢先に、そういう問題ではこの裁判は維持させないんだと裁判官から答えを突き付けられた。極めて不当な判決だ」と怒りを露わにしました。532人は控訴する予定です。

「命の水」巡り静岡でも

提訴のため静岡地裁に入る原告団(10月30日、静岡市内で)

 話は前後しますが、中間判決で東京地裁が被害の恐れを認めた「水」の問題を巡って静岡県の住民も立ち上がりました。 南アルプストンネル建設により大井川流域約62万人の「命の水」が減らされるのは生活を脅かす非常事態だとして10月30日、JR東海を相手取り静岡県内の工事(10・7キロ)差し止めを求める裁判を静岡地裁に起こしたのです。
 原告は、茶農家など大井川の利水者ら107人。提訴後の記者会見で原告の茶農家大石和央さん(65)(牧之原市)は「牧之原市はすべての水を大井川に頼っている。大茶園に欠かせない水を断固として守りたい」と話し、コメ農家櫻井和好さん(70)(島田市)は「水が枯れても、トンネルを掘った影響かどうか証明できない」と訴えました。





vol.199 ボーダーレス社会をめざして vol.58

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

書道への思い入れ

 私は障がいのある人と一緒に書道を行っています。現在の私の段位は師範です。長い間かかって取得した資格です。障がいのある人に対しても、一般の方に対してもしっかりした基礎がない事には教えることができません。書道の歴史、文房四宝と言われる「筆」「墨」「硯」「紙」についてそれなりに知っていることが必要だと思っています。筆は色々な種類の毛からできています。羊毛、馬、鼬などなど、これらが使われている筆をいろいろ使ってみて、書く時の感触を知っていなくてはいけません。この感触を知った上で、障がいのある人の筆力、書き方などを考慮し、展覧会の時には、より良い作品を作るため筆を選びます。また、紙も同様です。薄い・厚い和紙、滲む・滲まない紙などさまざまあります。運筆の速さを見て、どの和紙なら合うのか選びます。力が強い人は、紙が破れてしまいます。試行錯誤するのですが、紙もいろいろな種類のものを持っていることが必要になります。旅行に行き、紙屋さんがあるとついつい立ち寄って紙を買ってしまい、大きな包みを持って帰宅するというのは常でした。岐阜県は、幸いにも美濃市があり恵まれた環境にあります。展覧会がある・作品を作るとなると、まず美濃市に行ってそんなに高価ではないもので魅力的なものはないか探します。私がいくら良いと思っても、実際に書かれる人が購入されるので高価なものは用意できません。一般の方は、紙、筆が高価であることをご存知ないのが実情です。障がいのある人の書道教室と謳っている以上は、しっかりとした書を皆さんに見ていただきたい。そのためには労力は惜しみません。最近はお母様たちを巻き込んで、展覧会の展示などをどのようにするのか、知ってもらうため協力をお願いしています。また裏打ちと言って、和紙をピンとさせるために、アイロンで簡単にできる方法がありそれも伝えています。ご家族が子どものために展覧会が出来るように準備をしています。私がいなければ展覧会ができないのでは困ります。ご家族も書道に興味を持って頂き、自分たちである程度まで展覧会ができる力をつけてもらいたいと思っています。書道教室を行っている意義は、何か?自問自答している昨今です。
このコロナ禍の中、書道展を開催します。12月16日(水)~27日(日)JR岐阜駅隣ハートフルスクエアーG1階図書館前壁面(12月22日は閉館日)です。よろしかったらご覧ください。


vol.199 半農半X vol.40

いつか旅したいところリスト

 今年の1月末、佐賀県庁の方が講演に招いてくださいました。依頼内容は半農半Xについての話と、集落の魅力をAtoZでまとめる手法について。僕は半農半Xに関する講演で「47都道府県制覇」が小さな夢の1つです。佐賀の講演を無事終え、「未踏の県」は残り8県(青森、岩手、秋田、山形、長崎、熊本、鹿児島、沖縄)となりました。

 新型コロナウイルス第3波。旅もまたしばらく控えたほうがよさそうです。今夏、草刈りをしていたら、こんなひらめきがありました。「いつか行きたいところリスト」を作ったらいいかも、と。
 僕の場合は、何でもA~Zのキーワードで表をつくります。C=父母ヶ浜(香川)、N=投入堂(鳥取)という感じです。そういえば、O=尾瀬も、N=日光東照宮も行ったことがありません。F=富士山も!名前が同じなので南アルプスの塩見岳(3000M級)もいつか登りたい山です(つれあいからは禁止と言われていますが 笑)。
 みなさんは「いつか行きたいところ」はどこですか?いまは行けなくても、その日が来たら行きたいところを書いてみると、そのメモからいろいろ気づきがあります。自分の行きたいところはこういう傾向があるなとか。僕は未来の旅を「天職観光」と呼んでいます。人生のヒントを与えくれる場所、人、もの、風景を訪ねる旅です。そんな旅ができる日が早く来ますように。            (半農半X研究所・塩見直紀)


塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。


vol.199 未来に続く暮しの学びPrt-40

アート・文化・福祉

 オーストラリアでは、州の境界がようやく開き始め行き来がスムースになりました。半年間、芸術鑑賞やコンサートに制限があったため、人々の反応は「芸術に飢えていた」という感じ。今回は2つのコンサートについてリポートします。

 1つ目は、ダウン症の生徒たちの、コンテンポラリーダンス。テーマは、o,How I dreamt of things Impossible. 不可能なことを、どうやって自分が夢見ることができるのか。
 私が心動かされたのは、ダンサーたちの自由な表現力と観客を引き込むダイナミックさ。表現することの楽しさ、喜び、などが伝わってきて、これぞライブならではの臨場感です。それぞれのソロパートでは、個性、色、雰囲気がとても美しく表現されとても感動しました。踊りを通して表現を共有しあう。なんて平和なコミュニケーションだろう!

 2つ目は、文章のない絵本に、ミニオーケストラがサウンドトラックをつけるというコンサート。
 モノクロで書かれた絵本に、音楽が色として加わり、お話の世界に観客を引き込んでいくという構成。絵の持つメッセージ性と雰囲気。ライブ演奏がその人物の感情を引き出し、風景に色付けをし、とても感覚的な体験でした。

 社会的に不安定でその不安を煽るようなニュースばかりのこのごろ。2つのコンサートをとおして感じたことは、アートは社会に中和をもたらすということ。かたよらずに穏やかであれ、と。気持ちが救われる体験となりました。

 芸術がなぜ私たちの暮らしに欠かせないのか。それは、私たち人間が作り出す「美」を全ての人が共有できるからだと思います。四季折々の自然が織りなすアートに触れて心が癒されるのと同じように、人が作りだすアートに触れることでも、私たちの心は十分ほぐれるのだと、改めて芸術のもつ力を深く認識する体験となりました!


vol.199 菌ちゃん野菜応援団 vol.20

ようやく寒くなってきて冬の気配。

 夏に蒔いた白菜や大根が大きくなって、瑞々しいばかり。
夏野菜の片付けをしながら冬野菜を愛でる。

 たくあんの仕込みをしながら春のためにイチゴの苗に水をやる。草をどければそこには大きくなったカブトムシの幼虫もいて。家ではゆず胡椒をつくったり、おぜんざいを作ったり、ちょっとした浅漬けが本当に美味しかったり。
大地と繋がっているってこんなにもワクワクすることの連続なんですよね。

 今年の冬野菜は苗ではなく種蒔き用土を初めて買い、苗を作ってみたりもしました。うまくいったのもあり、行かなかったのもあり。結局ちゃんと微生物と繋がっているか、栄養がそこの土にあるか、それだけなんだな、と思わされます。次こそはうまくやるぞ!!と思いつつ、来年の土作りに励んでいます。あぁ、ヤミツキ(^^)


今回のレシピはさつまいもとリンゴの重ね煮。

 うまくいくと塩だけであまーいあまーいおやつになります。アクの少ないお芋、カチッとしたリンゴを選んで作ってみてくださいね。

厚手のお鍋に・塩・さつまいも・レーズン・りんご・塩の順で並べます。塩はパラパラっと。レーズンは軽くひとつかみ。
りんごとさつまいもは350~500g、各同量。ごく弱火でトロトロと火をかけ、あまーい少し焦げたような匂いがしてきたらできあがり!!
そのまま食べても春巻きや餃子の皮に包んで揚げても美味しいです‼


vol.199 ここいく日記 リレートーク

性教育団体「ここいく」
10周年記念イベントを終えて

「ありがとう ありがとう 生まれてきてくれてありがとう ~♪ありのまま ありのままあなたはあなたのままでいい ~」

 私たちが大切にしてきたメッセージが、岡田健太郎さん(写真上)の優しい歌声とピアノの演奏とともに会場に広がり、ここいく10周年イベントは始まりました(^^♪

 今回のイベントは、私たちがこだわり続け大切にしてきた、それぞれの年齢に合わせた「いのちの授業」ではなく、幅広い年代の多くの人に「性教育とは?」を知ってもらうこと。そして、「性教育って大切だなぁ」と思ってもらうことを目指しました。
 当日は、今まで授業を積み重ねてきたここいくメンバーの底力とチームワーク、健太郎さんの歌とピアノ、山本文子先生の心に響くメッセージ、皆で作り上げてきたイベントに対する愛やエネルギーみたいなものが相乗効果を生み、本来の私たちの力以上のものを届けることができたと思います。イベントに関わっていただけた全ての方に感謝します。

 15年前、私は「息子に性のことを伝えたい!」と思っている一人の母親でした。
大切なわが子に、生きる術として小さいうちから「性」のことや「身体」の仕組みをちゃんと教えたい!そう思っていました。
でも、小さなわが子にどんな言葉でどんな風に、何から話せばいいのか?その方法がわからなかった。
 その頃、各務原子ども劇場の「いのちの授業」を知り会員になりました。ここでは、会員のお母さんたちの誰かが「こんなことやりたい!」と言うと、そのことに賛同する人が集まって、それを形にしていくことが日々の活動の中で当たり前に行われていました。そんな中で、必然的に性教育に興味があるお母さんたちが集まり「いのちの授業」の活動が始まりました。
 最初は「自分の息子に」としか思っていなかった私の気持ちが、子ども劇場で仲間と出会えたことで、「多くの子ども達に伝えたい」に変化し、「仲間と一緒にやっていく!」という道が開けました。そして、恩師 坪内先生との出会い。
 先生は、私たちの授業の軸でもある「あなたはあなたのままでいい」をいつも体現され、私たちのありのままを受け止め、やりたい気持ちを尊重し、見守ってくれたから今の私たちがあります。
 人は、大きな愛に包まれ、自分の思いやあり方そのままを受け止めてもらえれば、ありのままの自分を生きられ、自分の持てる力を存分に発揮し成長していけると思うのです。
10周年のイベントの感想で、
 「こんなに大きな愛を受け取ったステージは初めてです。何か大きな愛に包まれている感じ。受け入れてくださる安心感が、私が感じる大きな愛かもしれないです。今日のステージは、私のことをこんなにも受け入れてくださる人がいるって安心感があったのかもしれません。」そして、「帰宅してから、日々生活していて色々なことがなぜか受け入れられるようになってきている自分がいる。自分の中の偏見やこだわりを少しずつ認識してそうじゃないことを良いじゃないかと思えるようになってきている。」とも書いています。
 これを読んで涙が止まらなかった。この方が感じ受け取ったことは、私たちがこの10年で、恩師からありのままを受け入れてもらえたことや、性教育を学び生き方や考えが変わり、自分らしく生きられるようになったことと同じだと感じました。
 10年かけて恩師から頂いた大切なもの、学び考え続けることで身についてきたことと同じようなことを、私たちはこの方に届けることができた嬉しさと、私たちが大切していることをここまで受け取ってもらえたことが何よりも嬉しかったのです。参加された方々の心に何かしらのきっかけや光を灯せたとしたらこれ以上の喜びはありません。
 今回のイベントに参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。そして、ご縁をいただけた全ての皆さまに感謝いたします。

担当:ここいくメンバー・中村暁子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)



vol.199 トンガからこんにちは! 連載-5

国際協力の第一歩とは!?

トンガくらいグローバル社会を素直に楽しんでいる国は他にあるだろうか?トンガ人と話していると、そんな風に思えるくらい、色々な国の人との関わりを楽しんでいるように見えます。そして、そんな風にできるのは、トンガが豊かで、「トンガ王国」という国が大好き!という自信からくるのかと思います。

トンガ人にとってオーストラリアやニュージーランドに出稼ぎに行き、家族を養うことが当たり前のようになってます。家族の中で働いていない人がいても、関係ありません。トンガ人は家族がとっても大切。だから、家族の中で何人かがお金を稼いで、何人かが畑で作物を育てます。お金を稼ぐ方法の一つとして、果物収穫などの出稼ぎがあるんです。そうやって、お隣に大きな国が人材を必要としていて、お金がしっかりもらえるという立地状況はとっても貴重な環境だと思います。トンガ自体に産業がなくてもトンガ人の生活が成り立って居る理由の一つです。 家族の中で働いていない人がいても、関係ありません。お金を稼ぐ方法としては、伝統工芸品の販売やオーストラリアやニュージーランドへの出稼ぎがあります。お金を稼げる人が家族を養うことが当たり前のようになってます。近くの先進国が人材を必要としていて、お金が必要になれば稼ぎに行けるということは、トンガ自体に産業がなくてもトンガ人の生活が成り立っている理由の一つです。そのまま住み着いて、お金を家族に送り続けることもよくあるようです。トンガ人にとってオーストラリアやニュージーランドに出稼ぎに行き、家族を養うことが当たり前のようになってます。家族の中で働いていない人がいても、関係ありません。トンガ人は家族がとっても大切。だから、家族の中で何人かがお金を稼いで、何人かが畑で作物を育てます。お金を稼ぐ方法の一つとして、果物収穫などの出稼ぎがあるんです。そうやって、お隣に大きな国が人材を必要としていて、お金がしっかりもらえるという立地状況はとっても貴重な環境だと思います。トンガ自体に産業がなくてもトンガ人の生活が成り立って居る理由の一つです。

Falekoloa (ファレコロア) というコンビニのような店が国中にあるのですが、その多くは中国人経営。トンガ人には「中国人て本当に働き者!朝6時から夜9時くらいまでお店を開けてるなんて、トンガ人はそんなに一生懸命働けない!!だからみーんな中国人経営に変わっちゃった。私たち、商売は苦手みたい。」と大きな声で笑って説明されました。

 それから、中国はトンガ輸出用に安い缶詰を作って販売したり、広大な果物畑を開墾・果物供給したりしていて、トンガ社会に深く関わっています。個人的には中国製品への質が好きになれなかったけれど、「もの」がないトンガでは、そんな中国製品が貴重な存在だということには変わりありません。

さて、トンガで活動していた青年海外協力隊とトンガ人の関わりは、文化度の高い技術移転が多いように思います。そろばん教師、日本語講師、コミュニティ開発(糖尿病やがんなどの非感染症対策)、音楽や美術教師です。トンガが豊かな国であるということへの表れだと思います。そろばんに関しては3年生から5年生まで毎朝10分間のそろばんタイムがあります。面白いのは、そろばんができるようになっても、日本語ができるようになっても、大手の日系企業があるわけではないから、仕事につながることがほとんどない事です。

だからこそ、日本人でもやらないそろばんを毎日弾いていると思うだけで、なんだか嬉しくなります。だって、「毎日〇〇をやる」とか「毎週必ず〇〇をやろう」なんてトンガ人は絶対思いつかないことを知っているから。日本人の行動特性や習慣まで体験するって、相手のことを知る上で、同じ言語を交じり合わせるよりも大切なことのように思います。元々は、王様が日本の天皇家と親交が深かったから始まったことのようですが、「分かち合う」時の姿勢を見せてもらったように感じています。

トンガ人の誇りの高さや伝統を今でもしっかり受け継いでいる姿をいつも見ていたから浮かび上がる疑問。その答えをトンガ人に聞いても「そんなの考えたことないよ」とケタケタと笑われそうですが、私は、トンガ人として揺らがないものがあるからこそ取れる態度なんだと思います。
私が、YouTubeでみたズンバをやっても、笑われるだけだったのに、トンガの曲に合わせて「芋掘り」「果物狩り」「素潜り」「魚釣り」「ココナッツ投げ」、、、とトンガの生活の様子をダンスで繋げると、とっても喜んで何回も何回も踊っていました。その体力といったら、、、。

トンガ人が大好きな言葉「’ofa atu(オファ アトゥ)」(相手を思いやったり、お別れをいう時に使う言葉)が日本人にも灯ったらいいな。そんな温かな国が世界中で増えて、もっと相互にありがとうって言い合える協力が生まれていって欲しいなと思います。


加藤美希(かとうみき)農的暮らしに落ち着きたいと思いつつ、ついつい旅人人生を送っている管理栄養士です。旅するうちに、「伝統料理と健康の秘 密」が人生の研究課題に。今回のミッションはトンガで蔓延する肥満や生活習慣病の改善。伝統料理の推進と学校菜園を通して、将来トンガの人々が世界に有す る健康大国になることを願って日々奮闘中です。


vol.199 プレゼントコーナー

1- あなたが気になる「SDGs」(17項目のグローバル目標)何番を選びますか?複数選択もOK!その理由も教えてね!
2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
 タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
 ※C、Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。〆切:2021年1月25日 当日消印有効。

宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。


A.いにしえのお米(朔月)100g
自然農縁 月とたね様より…2名様

農薬・肥料は不使用、源流一番水で育て、はざ掛け・天日干しをした古代紅米です。卑弥呼様も食べていた最古のうるち米と言われています。普段のお米に混ぜて炊いてご利用ください。


B.CINEX 映画招待券
シネックス様より…ペア3組様

大きなスクリーンを夢中で観るうちに、100年前の時代にタイムスリップした気分に!写真は「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」より。柳ヶ瀬のシネックスでご利用になれます。


C.書籍「ご存知ですか、自然エネルギーのホントのこと」
にらめっこより…3名様

日本国内だけでなく地球規模で設置拡大され続けている風力や太陽光による発電。あなたは、自然エネルギーのホントのこと、知っていますか!?驚愕の一冊です。命と直結した課題に対して多岐にわたり活動される山田征さんの著書です。
にらめっこ編集室でお受け取りください。


C.オーガニックコーヒー豆200g
ボンガ珈琲様より…2名様

自家焙煎の東ティモールのオーガニックコーヒーです。香り高く、味わい深い逸品を豆でお渡しします。美味しいコーヒーでほっとひと息、そんな時間をお楽しみください。にらめっこ編集室でお受け取りください。(写真はイメージです)