214号(2023.7&8)」カテゴリーアーカイブ

vol.214 動植物と私たちの暮らしとのつながり

参:自然と社会の豊かさを考えるcircu

かつて欧米ではミツバチの大量失踪が問題となり、事態を重く見た日本でも有識者会議が行われました。
「ミツバチが減少している」と聞いても、どのような影響があるのか、すぐに自分事として問題に感じられる人はあまりいないのではないでしょうか?しかしこのまま減少が続けば、自然環境や私たちの食生活に大きな影響が出ます。

ミツバチはなぜ必要?
ミツバチの存在は、自然環境にとって不可欠。同時に、私たちの食生活にとっても欠かせない存在です。花々の受粉を助けて植物を繁栄させるだけでなく、受粉によって野菜や果物を実らせるからです。
2011年にはUNEP(国連環境計画)のアヒム・シュタイナー事務局長が、「世界の食糧の9割を占める作物100種類のうち、7割以上がミツバチによって受粉している」と発表しています。
このことからも、ミツバチの存在が私たちの食生活を支えていることがわかります。

ミツバチ減少の原因は?
・農薬の使用
欧米でミツバチの大量失踪が起きた後、その原因として「ネオニコチノイド」系農薬による影響の可能性が指摘されました。農作物につく害虫駆除や、植物が受ける害虫被害を最小限に抑えることを目的として、散布します。効果の持続時間が長く散布回数が少なく済むというメリットがあるので、多くの農作物を育てる過程で使われてきました。
しかしミツバチに限らず、ネオニコチノイド系農薬を散布している田んぼではアキアカネやワカサギが同様に減少していることがわかりました。こうした背景を踏まえ、ネオニコチノイドが生物に対して何らかの影響を及ぼしているということは言えるでしょう。

・ダニの発生
ミツバチの体に寄生するミツバチヘギイタダニによる被害。このダニは、幼虫とサナギの中間期であるミツバチの体液を吸って産卵し、繁殖します。
一方、体液を吸われた蜂は成虫になっても羽が縮れて飛べず、花の蜜や花粉を集められません。つまりエサを得ることが出来ないまま、命を落とすこととなります。
欧米では数百万箱以上の巣箱が
ダニの被害に合い、巣箱にいたミツバチは全滅したと言われています。しかし、ダニの詳しい生態はわかっておらず、現在もなお、対策のための生態研究が行われています。

・気候変動
蜂は温度や湿度などにデリケートで、季節ごとに状態が変化します。
しかし、温暖化によって植物の開花時期がずれたり花が咲かず、蜂がエサを得られなくなっているのです。熱波や豪雨などの異常気象も、蜂にとって過酷な状況。一方、蜂の天敵であるダニや寄生虫は温暖化によって寿命を延ばし、蜂にとってはより生きづらい環境となっています。
ミツバチが減少を続けることで、自然環境や私たちの生活には具体的にどのような影響があるのでしょうか。

ミツバチが減少すると影響は?
・自然環境への影響
ミツバチが減少し続ければ、多くの植物は受粉が出来ず数を増やすことが出来ません。森林の減少にも繋がり、地球温暖化は加速するでしょう。また、森林減少が続くと雨水の浄化機能を失い、水質汚染や水害を引き起こす原因となります。水質汚染が起きれば、川や海に住む魚や貝、海藻といった生態系も被害を受けます。
同様に、植物が育たないことで、ミツバチのように花の蜜を吸う蝶や木の実を食べる動物はエサを失うでしょう。生態系は連鎖しているので、こうした事態がさらなるミツバチの減少を招き、悪循環となるのです。

・私たちの生活への影響
ミツバチの減少による影響は、自然環境に対するものだけではありません。はちみつや野菜、果物の獲れる数が減り、価格の高騰が起こります。
他にもコーヒー豆やアーモンドもミツバチによる受粉が行われているため、ミツバチが減るとこうした食品は価格が高騰したり、口に出来なくなったりするでしょう。
植物を食べて育つはずの家畜を育てることが出来なくなり、食肉や乳製品も、入手出来なくなります。さらに、綿花の生育過程でもミツバチによる受粉が行われているため、コットン製品が使えない、着られないといった事態も起きます。
農作物の種類によっては、農家による自家受粉が行えるものもありますが、ミツバチが媒介することによって効率的かつ経済的に受粉を行えるだけでなく、果実の品質も良くなるため、やはりミツバチの存在に頼らざるを得ないのです。
これらを踏まえると、ミツバチの減少は私たちの生活ひいては経済を破綻させるだけのインパクトがあると言えるのではないでしょうか。

私たちにできること
買い物をするときに無農薬・オーガニックの野菜や果物、製品を選ぶことがまず第一歩。価格の安いものの多くは多量の農薬が使われ、大量生産されています。
「買い物は投票」であることから、無農薬・オーガニックのものを積極的に購入することで、無農薬・オーガニックで作物や商品を作る農家やメーカーを応援することに繋がり、ミツバチを守ることに繋がります。

 

 

 

ドイツ発Topics

2019年秋に造った1号機とセバスチャン・エバーディングさん(40)

ハチのための自動販売機「ガチャガチャ」をアップサイクル 生息地増やせ

「ハチのごはん自販機」
機械はもともと、子ども向けにチューインガムやおもちゃを売るガチャガチャだった。エバーディングさんはそれらを修理して、新たな用途に使えるように「アップサイクル」。

なぜハチなのか。ドイツが児童文学「みつばちマーヤの冒険」で知られているから?エバーディングさんは「最初みんなそれを連想するんだけど、僕の自販機はむしろ野生のハチのためなんだ。ミツバチは養蜂家が大切にしているけど、野生のハチのことはほとんどの人が気にしない。生息地はどんどん少なくなっている」。野生動物が好きで、保護団体でボランティア活動をした経験もあるという。
花粉を媒介するハチや鳥の働きは、農作物生産の4割近くに影響を与え、果実や種子として栽培される作物の75%がハチの恩恵を受けている。
この自販機は、わずか3年半でドイツ全土に広がり、現在稼働中のものが約300台もある。一つのカプセルで1~2平方メートルの植栽ができると仮定すると、これまでに100万平方メートル以上になる計算という。

ハチの自販機から出てくるカプセル。ひまわり、コリアンダー、ディルなど地域にあわせた植物の種が詰まっている。

「僕たちの世代は、学校帰りに自販機でガムやおもちゃを買うのが楽しみだった。何味が出るかな、どんなおもちゃかな、って。自販機はそういうワクワクを生み出す。子どもがお小遣いでハチのための種を買って、『お父さん、お母さん、植えようよ』と言ったら断る理由なんてないよ」
これですべての問題が解決するわけではないことはエバーディングさんも分かっているが、人々の意識を変えるきっかけになれば、と願っている。

朝日新聞GLOBE 自販機 機械と人の物語より

 

 

 


vol.214 植物編から食物連鎖を考える

植物が繁殖のために他の生物を利用することも、自然界にはよく見られます。最も有名なのは、ミツバチとさまざまな植物との関係でしょう。ミツバチは花の蜜を吸う行為を通して花粉を運び、他の花に受粉させます。これは「送粉」といい、ミツバチだけでなく、チョウやガ、また地域や環境によっては、コウモリも送粉を行ないます。洞窟などといった特殊な環境では、ハチやチョウといった送粉者が存在しません。そのため、こうした環境下にある植物は、花の蜜をコウモリに吸わせることで、送粉をしてもらっているというわけです。

受粉して果実を作った植物は、その後、種子を散らし、より広範囲に繁殖していくことを目指します。その際に利用する生物、つまり種子の運搬という作業を協力してくれる存在が、鳥になります。昆虫などに比べると遠くまで飛べる鳥に果実を食べてもらうことで、広範囲に渡って種子を散布してもうらわけですね。
植物は、鳥に実を食べてもらうため、さまざまな工夫を凝らします。熟すと目立つように色づき、果実は鳥が好む味になります。さらに、胚は消化されずにフンとともに鳥の体外に出てくるよう、硬い殻で包まれています。こうした花粉や種子を運んでもらう行為も、昆虫や鳥などに利益があるため、「相利共生」のひとつ。

さて、食物連鎖の右の図をよくみてください。

人間をふくむすべての動物の食べ物は、植物が光合成によってつくる有機物(ゆうきぶつ)が源になっています。そして植物を食べる草食動物が肉食動物に食べられ、その肉食動物の遺骸(いがい)はバクテリアによって分解されるというように、たがいに「食べる・食べられる」関係を食物連鎖といいます。食物連鎖の最下位で、あらゆる命を支えているのが植物です。そんな植物とそれを食べる生物は、単なる捕食・被食の関係というわけではありません。上記にあるように、植物は自ら身を守り、ときには食物連鎖の上位の生物を利用して、したたかに生きています。
食物連鎖の構造にはいくつかの層があります。植物を草食性のこん虫が食べ、これらの草食性こん虫を肉食性のこん虫や小動物が食べています。さらにこれらを食べる、ワシ、タカ、フクロウといった猛禽(もうきん)類、キツネ、タヌキといった肉食ほ乳類がいます。このように生物の量を図にするとピラミッドの形になり、それを生態系ピラミッドと呼びます。生態系ピラミッドは、上位であればあるほど、生きていくために広い自然環境を必要とします。

上図の生態系ピラミッドのように、全ての生きものは他の生きものとお互いに支えあいながら生きています。例えば、特定の地域で、ある種類の昆虫や植物が減った場合、食物連鎖などの影響により他の生きものも減り、生態系全体の危機に繋がります。

人間は肉食動物だから、高次消費者?だから生態系ピラミッドの頂点にいる?そうでしょうか…。人間は火を使い道具を使うことで、上位に位置する動物たちでも倒す力を持った。だけど、そこにどれだけの「畏敬」があるのかは不明…例えば日本。文明を手に入れた人間は、アンブレラ種※と言われるヒグマやツキノワグマの強さを畏敬することを忘れ、開発によって彼らの生息域を狭め、深山に追いやった。
私たち人間は既に大自然を構成する一員ではないのかもしれないし、大自然にとっても、もはや単なる闖入者でしかないのかもしれないね。

※アンブレラ種とは、個体群維持のために、エサの量など一定の条件が満たされる広い生息地(または面積)が必要な種のこと。地域の生態ピラミッドの最高位に位置する消費者である。アンブレラ種を保護することにより、生態ピラミッドの下位にある動植物や広い面積の生物多様性・生態系を傘を広げるように保護できることに由来する概念。
日本では一般的にツキノワグマやヒグマ、オオタカ、イヌワシなど大型の肉食哺乳類や猛禽類がアンブレラ種と言われることが多い。

何も食べなくても成長できる生産者「植物」

すべての動物は食物を探し求め、動き回っています。自らの食物だけでなく、子に与える食物を探し求めて、あちらこちらへと動き回ります。これは、動物が生命を維持していくためには、食物が必要だから。ところが、草花や樹木などの植物は、じっとしていても生きることができ成長します。
私たちは摂食することによりエネルギー源であるブドウ糖を外から取り入れています。
植物はブドウ糖を体内で生産しています。光合成により、光と空気と水から自らのエネルギー源となるブドウ糖を作っている「生産者」です。

すべての生命のエネルギー源は太陽

植物(生産者)は、光合成により水と二酸化炭素からブドウ糖を作るとき、太陽からの光のエネルギーを吸収します。その結果、ブドウ糖の中に光のエネルギーが取り込まれ、蓄えられます。元をたどれば、生命のエネルギー源は太陽ということになります。

すべての動物の食料を賄う生産者「植物」

植物は生物として生きて、成長するために必要な物質(ブドウ糖、デンプン、タンパク質、脂肪、ビタミンなど)を自分で生産することができます。端的に言えば、植物は動物がいなくても生きていけるかもしれません。しかし、動物は植物がないと生きていけません。
食物連鎖の関係をたどっていくと、植物は、地球上すべての動物の食糧(エネルギー)をまかなっていることがわかります。私たち人間は、食糧を植物や動物に依存しています。ウシやブタ、ニワトリなどの動物は、植物の体である葉や茎、根や実などを食べています。「肉食動物」のライオンやチーターなどは、シマウマなどの「草食動物」の肉を食べ、草食動物は「植物」を食べて生きています。
食物連鎖の形態は、数多くありますが、どれも出発点は生産者である植物。植物は、すべての動物の食糧(エネルギー源)を作り出している「生産者」なのです。

 

参考:ACORNコラム、一般財団法人環境イノベーション情報機構、森林・林業学習館

 

 

 

 


vol.214 ぎむきょーるーむ スマホは脳に猛毒?!?

 1日何時間以上スマホを使ったら依存症? 3時間以上、8時間以上、10時間以上…様々な説があります。依存しているかどうかは、以下のような質問から自身で判断することができます。

スマホ依存症・セルフチェック

★ スマホは、家でも仕事中や移動中でも、どんなときでもすぐに手に取れる場所にスタンバイしてある。
★ 電車内、仕事の休憩中、待ち時間など、ちょっとでも時間が空いたらスマホを取り出すのがクセになっている。
★ スマホの着信音やバイブレーションの「空耳」が聞こえることがある。
★ 「情報に乗り遅れること」「みんなが知っている情報を自分だけが知らないこと」に対して不安や恐怖を抱いている。
★ 夜、ふとんやベッドの中でもスマホをやっている。
(参考:奥村 歩著『そのもの忘れはスマホ認知症だった』)

★ スマホをする時間を増やすために、家庭での仕事や役割をおろそかにすることがある。
★ スマホをしている時間が長いと周りの人から文句を言われたことがある。
★ 人にスマホで何をしているのか聞かれたとき防御的になったり、隠そうとしたことがある。
★ スマホをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、大声を出したりすることがある。
★ スマホをしているとき「あと数分だけ」と言っている自分に気がつくことがある。
★ スマホをしていた時間の長さを隠そうとすることがある。
★ スマホ使用のため、予定していた仕事や勉強ができない。
★ スマホ使用のため、(クラスで)課題に取り組んだり、仕事や勉強をしている時に、集中できない。
★ スマホを使っていると、手首や首の後ろに痛みを感じる。
★ スマホがないと我慢できなくなると思う。
★ スマホを手にしていないと、イライラしたり怒りっぽくなる。

(出典:久里浜医療センターHP「インターネット依存度テスト」より設問の一部を抜粋)
上記の質問は依存度をチェックするためのものですが、当てはまる数が多ければやはり、依存度は高い状態だと言えます。                                                       精神科医・樺沢 紫苑

 

精神科医・樺沢氏が教える「スマホは脳に猛毒?!?その3つの理由とは」

① 視覚障害
光っているものを見ると人間は興奮して楽しくなる。パチンコなどはすごく光っていますね。パチンコ台そのものが光と音で興奮するようにできてます。スマホの落ちもの系のゲームも連鎖して爆発してたくさん光ります。
短時間であれば問題ないですが、3時間以上一回も立ち上がらずにゲームを6時間できたりするのは脳が興奮している証拠。視覚刺激はすごく脳を疲れさせます。

② 脳が休む暇がない
仕事の休憩時間にスマホをする人が多いですね。電車の待ち時間や乗車中もスマホを見る。スマホ依存症の人やヘビーユーザーで、ぼーっとする時間がないのは脳の危機です。ぼーっとしているときに活躍する「デフォルトモード・ネットワーク」※に入ってきた情報や記憶を整理して脳に固定していきます。何かをインプットするときより、ぼーっとしている時の方が脳は活発になる。ぼーっとしているようで、脳を整理して活性化しているんです。スマホを見ていると脳を整理できないし、情報を詰め込みながら整理するのは無理。記憶ができなくなり、認知症のような状態になります。だから脳を休ませることが大事。何もしないでぼーっとするのが一番いい。それができない人はお風呂がオススメ。精神科医・樺沢氏のマイブームは「闇風呂」。電気を消してお風呂に入るとすごくリラックスできます。アロマキャンドルを焚くとさらにいい。光の刺激を遮断するだけでも脳がすごくリラックスします。
(三上も実践中!ほんとリラックスできます。超おすすめ!)

③ ブルーライトによる体内時計の撹乱
寝る前2時間以内のスマホやゲームなどのブルーライトを浴びると睡眠障害の原因になります。ブルーライトは午前中の波長なので夜10時に浴びた場合、夜なのに朝の10時だと脳が思ってしまうので脳が目を覚ます指令を出すんです。夜間にブルーライトを浴びると体内時計がどんどん撹乱します。体内時計が狂うとすごく健康に悪い。メンタル疾患やがんなど様々な病気のリスクを数倍高めることにつながります。特に夜間のブルーライトが良くない。寝る前2時間はデジタルデトックスしよう。
メンタル疾患で療養中の人や、メンタルの調子がよくない人などは何をするにも意欲がないので、スマホやゲームをやってしまいがち。意思や判断の必要のない行動をとる傾向があります。メンタルの弱っている人が、スマホやゲームを長時間した場合、脳の活動性(特に前頭葉)を弱めてしまい、余計にメンタル疾患を悪化させます。スマホが常習化している人は、前頭葉に負担をかけ続けているので脳が休息できなくなります。メンタル疾患が治らない状態を自分で作っているんです。スマホやゲームをゼロにするのは無理ならせめて1日2時間以下に。メンタル疾患でない人も、1日4〜5時間もやると脳が疲れてくるから、メンタル疾患に移行する可能性が高いですよ。スマホやゲームをする場合は時間を限定してください。

 

脳の活動エネルギーの約75%を消費するのが、このデフォルト・モード・ネットワーク。主にぼーっとしているときに、内側前頭前野と後帯状皮質の活動がアップします。逆に集中して作業をしているときに使われるエネルギーは5%、残りの約20%は脳細胞のメンテナンスに当てられるのだそう。

DMNデフォルトモード・ネットワークについて

※DMNは<Default Mode Network>の略語で、ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動のこと。

DMNの具体的な役割には「危機への備え」と「情報の整理」があります。
危機管理 脳が完全に休んでしまうと、突然の危機に反応しづらいため、脳の一部(DMN)を待機(アイドリング)状態にして万が一に備えています。
情報の整理 入力:五感を通して情報を収集。 整理:入力した情報を取捨選択。 出力:言葉や行動として表す。DMNの働きが弱いと、脳内で情報が整理されず、ぐちゃぐちゃに散らかったデスクのような「脳過労」状態に。インプットした情報が脳に定着しづらくなったり、脳の活動自体が低下したりといった恐れがあります。
DMNが活発な状態と活発でない状態には、それぞれメリットとデメリットがあります。両方を理解したうえで、DMNの「オン」と「オフ」を切り替える必要があります。

 

 

DMNを活性化(オン)させる方法
脳内にたまった情報をスッキリと片づけ、脳疲労を防ぐためにも、DMNをオンにすることは重要です。
● 観察瞑想 3つのステップで実践します。
1. 調身:背筋を伸ばしつつ、力を抜く
2. 調息:5秒かけて息を吸い、10~15秒かけて吐く
3. 調心:感情・思考を観察する。心をなるべく弛緩(しかん)させて、とりとめのない思考や感情の動きに身を委ねる。
● 楽しい空想 PCD(Positive Constructive Daydreaming)ポジティブで建設的な空想をする。脳の集中状態を解除し、心を緩める効果が期待できる。
● デジタルデトックス 現代人はみんなやった方が良さそう。
● 単純な作業・運動 たとえば、皿洗いや掃除、靴磨きなど。
● パワーナップ 15分間から30分程度、昼寝するとDMNが活性化し、記憶の取捨選択や定着を行ってくれます。

DMNを不活性化(オフ)させる方法
仕事や勉強に集中したいなら、DMNの活動を抑制することが必要。
● 集中瞑想 観察瞑想と異なり、雑念をシャットアウトして精神を研ぎ澄ます感覚。観察瞑想と同じ3ステップですが、「調心」における心の使い方がまったく異なるので要注意。
3. 調心:呼吸に集中する。自分の呼吸に全神経を集中させ、「5秒かけて息を吸う→10~15秒かけてゆっくり吐く」をキープしながら、鼻を通り抜ける息の感触や、膨らんだりしぼんだりする肺の感覚などに意識を向ける。
● 雑念のコントロール
捨てる:心のなかで「もう十分!」と叫び、雑念を頭の外に放り捨てる様子をイメージする。
例外を考える:心配事が当てはまらないケースを想像する。
賢者の目線で考える:自分が尊敬する人や歴史上の偉人なら、問題をどう解決するか想像する。
善し悪しで判断するのをやめる:雑念や心配事について「善い」とも「悪い」とも判断せず、中立に考える。
由来を探る:なぜその考えにとらわれてしまうのか、原因を考える。

STUDY HACKERより抜粋

 

 

 

 


vol.214 ソーラークッキング

ソーラークッキングの大きなポイントは2つ
①太陽光を集約すること→「光るもの」
②集めた太陽光を熱に変えること→「黒いもの」

まずは身近なものでつくってみよう!

太陽の光を集める①には、反射板や集光板となるものを使います。身近な素材として、レジャーシートの裏側や、車用のサンシェード、もしくは銀色の厚紙、アルミホイルを貼ったダンボール等々。②は、黒い鍋など、調理したい食材の周りを黒くしておくと、光が吸収されて熱に変わります。ダッチオーブンや南部鉄器のような黒くて鋳物の鉄鍋があればパーフェクト。ない場合も、市販の黒いアルミホイルを使って鍋や食材を包めば大丈夫。
さらに熱を効率よく通すためには、輻射熱(ふくしゃねつ)も重要です。たとえば鍋の内側まで黒い鋳物鍋なら、内側ではたらく輻射熱によって、食材の中心部まで早くしっかり火が通ります。そうした鍋がない場合は、ガラスやビニールなどで覆い、温められた周りの熱も逃さずに対流をつくり出すようにします。

いざ実践!

身近なアイテムを揃えて、太陽光がちょうどあたる位置を決めます。ソーラークッキングでつくる料理といえば、ゆで卵、焼き芋、焼きりんごなど。それとは別にオススメしたいのは、ソーラークッキングを日常的に、日々の暮らしに取り入れる方法です。それは、下ごしらえを任せること。
ただし手づくりソーラークッカーにはいくつか難点があります。
・食材に火が入るまでの時間を予想しにくい。
・ガス調理より時間が掛かる(ゆで卵で60分前後など)
・食材によって火の入り方が違うこともある
・調味料、特に油は使えない(液状の調味料に浸けながら煮込むなどは可能)。そこで、これを食材の準備、下ごしらえだと割り切ると難点は全て解決されるんです。

ソーラー「下ごしらえ」実例紹介

朝起きて天気を確認し、キッチンにある野菜をチェック。夏なら茄子やズッキーニ、玉ねぎや人参、水で戻した大豆なんかもソーラークッキングと相性がいい食材です。それぞれ黒アルミホイルで包んだり鍋に入れてソーラークッカーへセット。あとは普段通り、家事や仕事をしながら午前中を過ごします。
1〜2時間後、すっかり火の通った野菜を取り出したら、お昼に使う分を残して、あとは保存しておきましょう。ズッキーニを適度にスライスして、好きなソースと一緒に茹でた麺に絡めたら、もうお昼のパスタが完成です。
もう少し時間がある時は、各野菜を同じ位のサイズにカットしておけば、好きな時に色んなお料理に使えます。塩こしょうでラタトゥユ、ビネガーを加えてカポナータ風、バジルソースで軽く炒めてバジル炒め、チーズを乗っけてトースターで焼くのもお手軽です。
夕食の準備だってもちろん昼間のうちに保存しておいた野菜を活かせます。茄子をスライスしたらフライパンで軽く焼き上げて、生姜醤油を掛ける。茹でた後でダシ汁に浸けて冷やしておいた浸し豆を取り分ける。玉ねぎと人参を水と一緒に温めてお味噌を溶かす。あとはご飯をよそうだけです。

もっと簡単な“ソーラー下ごしらえ”ならこちらをぜひ。
お水を入れた鍋をソーラークッカーにセットして約1時間。沸騰前後まで熱したら、鍋ごと室内に移動させ、生卵を沈めて蓋をします。8分経過したら卵を取り出し、水で冷やせばトロトロの温泉卵が完成です。
メリットを強調したくなる
・下ごしらえが一気に済んで自炊が楽になる
・太陽に任せてる間に仕事や用事ができる
・ガスの火を使う時間が短くて済む(夏場は特に助かる)
・素材の味が引き出されるようにおいしい(と感じる)

じっくりじわじわと加熱されるソーラークッキングなら、時間の感覚もおおらかになってくるから不思議です。慣れたらきっと、よく晴れた日に「何か焼かなきゃもったいない!」と感じてしまうかも。                   参:Greenz

 

干し野菜のきほん

干し野菜とは切った野菜を太陽に当てて干したもの。干し野菜のきほんは「野菜を洗う」→「水気をふく」→「切る」→「風通しがよく日の当たる場所に干す」の工程のみ。朝から夕方まで天日干ししておけば半生タイプの干し野菜が完成。乾物のようにカラカラに干すのはもう少し時間がかかりますが、半生タイプの干し野菜なら半日もあればOKなものもあるのです。
干し野菜は、栄養価が増し手頃な価格で買える旬の野菜を長期保存して、最後までおいしく食べる昔ながらの知恵から生まれたものです。買ったのに捨ててしまう…というもったいないことは止めにして、買ったらおいしく使い切る干し野菜生活をはじめてみませんか。

干し野菜のメリット

野菜本来の旨味を太陽と風の力を借りて中にぎゅーっと閉じ込める干し野菜は、あれやこれやと調味料を足さなくても出汁が出て薄味でもとってもおいしいんです。また、料理のレパートリーが少なくて毎日の献立に頭を悩ませている方にもおすすめ。同じ調理法でも干し野菜をつかえば食感や風味が異なり新鮮な一品が完成。 乾燥させることで実(み)はもちろん皮も葉っぱも丸ごと使い切れる保存食をつくることができます。冷蔵庫に残っている野菜を干して、冷凍保存も可能です。

干し野菜初心者さんはこれを干そう

まずは「きのこ・かぼちゃ・大根・にんじん・さつまいも」など、水分の少ない野菜から。大切なポイントは干し野菜の大敵、湿気。水分が少ない野菜でも野菜を洗った後や切った後にキッチンペーパーなどでしっかり水気を拭かないとカビの原因になりかねませんのでここは丁寧に処理しましょう。

向いている野菜、向いてない野菜

干し野菜の代表といえば、にんじん・大根・蓮根などの根菜類、ピーマン・ナス・オクラ・かぼちゃなども干し野菜向き。干すと野菜特有の青臭さが消えるだけでなくピーマンは苦みを感じにくくなるため、苦手なお子さんもペロリと   食べてくれるはず。また、オクラは干してもネバネバが残り、歯ごたえ抜群の食感を楽しめます。しょうが・にんにく・ねぎなどの少しだけ使いたい薬味も、干し野菜にしておくと使いたい分だけをさっと使うことができ重宝します。
逆に干し野菜に向かないのは水分が多い野菜ですが、トマトは種を取り除き水分をしっかり拭き取ることでおいしい干し野菜にすることができます。また油分が多いアボカド、かいわれ大根など細い野菜は干し野菜には不向きな野菜と言えます。

保存方法と賞味期限は?

乾燥具合によって保存方法、保存期間が異なります。カラカラになるまで干した野菜は密閉瓶や密閉袋などに乾燥剤を入れ、直射日光と湿気を避ければ長期間常温での保存が可能。 半生タイプは袋か保存容器に入れて冷蔵庫に入れておけば、素材にもよりますが3~4日程度、水分が多い場合はキッチンペーパーに包み、2日に1度交換するとより長持ちします。すぐに使わない時はカビの発生を防ぐためにも冷凍保存がおすすめ。かさが減ってスマートに保存できる干し野菜のストックはあと一品欲しい時や忙しい朝のお味噌汁づくり、キャンプごはんにも活躍しますよ。         参:PROKITCHEN

 

 

 

 


vol.214 しょうがいをみつめる vol.7

平たんなうねり

落ち着く、整う、心穏やか。
どれも今の心境を表す言葉にはならないけど、なんとなく心の“うねり”と“うねり”の波間は平たんになっている。
明るく努める、元気よく努める、前向きに努める。
どれも今気にしている事柄を表す言葉にはならないけど、なんとなく衝動の“うねり”と“うねり”の波間は平たんになっている。
まだまだ頻繁に起こる“うねり”を観察しながら、その“うねり”の間隔は広くそして低くなったと感じている。落ち着いているとか混乱しているとかのどちらににも当てはまらない平たんな景色が広がりつつあるようにも見える。ような気がするだけかも。
春から夏に向かうこの季節は2年前に他界した長男を想い、寂しさを纏う時期である。今年も然り、やはり寂しいのである。
2月末に長男の3回忌法要を終え、3月末には香川県三豊市。瀬戸内海に浮かぶ粟島の「漂流郵便局」を訪れた。
届け先のわからない手紙、預かります。行き先不明の手紙が届く小さな島の『郵便局』

~いつかのどこかのだれか宛~
こちらは、届け先の分からない手紙を受け付ける郵便局であり、「漂流郵便局留め」という形で、いつか宛先不明の存在に届くまで漂流私書箱に手紙を漂わせてお預かりいたします。

過去/現在/未来
もの/こと/ひと
何宛でも受け付けます。

いつかのどこかのだれか宛の手紙がいつかここにやってくるあなたに流れ着く。

懐かしい未来への郵便局。漂流郵便局、開局いたします。

【漂流郵便局】
築50年の郵便局を使ったアートプロジェクト。手がけたのは現代美術作家の久保田沙耶さんで、第2回目の瀬戸内国際芸術祭を機に誕生。局内では、全国から寄せられた「誰かに届けたい想い」を綴ったハガキが展示されています。※本物の郵便局ではありません。

三豊市観光交流局HPより

2022年2月に主催したアート展「渾沌の中の調和」の開催前に漂流郵便局留めで長男宛にハガキを出した。彼が繋いでくれた人たちと共に展示という形を取りながら、町なかに空気が広がっていく気配を感じた。その稀有なる縁や彼が存在として在ってくれることを感謝する内容をハガキに記した。2023年2月の展示ではさらにそれは広がり、大きな渦”の”始まりを見ているかのようであった。
訪れた瀬戸内の景色は、美しさや荘厳さ、悲しみや寂しさ、懐かしさや喜びを同時に連れてきた。感情が両極端に揺れるのを平たんな心の景色から眺めていた。そこには優しく海と島々が広がっているだけであった。ハガキを出した時からみると未来である今を優しく抱きしめたいと思えた。そして「ありがとう」と伝えたいと思った。
自分が書く文章、いや今までの会社経営の中でも「衝動」に駆り立てられ実行することは多かった。長男と離れて2年経った今は、臨場感あふれる彼との触れ合いがない。身体にギュッとくる感覚がない。思わず抱きしめる、思わず怒る、思わず笑う、思わず悩む、思わず気づく、思わず……書き留める。臨場感をなくした今は書けない。書きたい衝動にかられない。瀬戸内を訪れて以来そう感じていた。
今感じている景色を表すことは私を困惑させる。それは存在や悲しみを薄れさせ、失っていく恐怖として感じるからである。しかしフェーズは変わろうとしているのだろう。「もう彼に関する文章は書けない」と思っていた昨日を平たんな景色から今は眺めていようと思う。

って、書いとるやん!


MASA:若者をはじめ、障がい者も一緒になって、ごちゃまぜイノベーションを目指している。知的障がいのある息子は享年24歳で2021年2月27日に旅立った。関市在住。

 


vol.214 やってみた 松野 知子さん

やってみたシリーズ第17弾

楽しみを見つけた日々に、今日もルンルン!

松野知子さん(仮名・70代)

いよいよ定年…もう仕事がなくなるの?これから自分はどう生きていけばいいの?という不安があり、思い切って社長に相談しました。ありがたいことに継続勤務となりちょっと一安心。でも仕事を続けるには、体が動くとこが大事。友人の勧めもあり、ジムに通うことにしました。
通い始めて数ヶ月、自分でもだいぶ筋力がついてきたなぁと思った時、コーチからも「筋力がついてきましたね、何かやりたいことはないですか?」と聞かれた時、何気に浮かんだのが「山…山に行きたい」でした。するとコーチから「いい登山クラブをご紹介しますよ」と言われ、早速入会しました。全国規模の山の会で、犬山の会はメンバーが50人ほど。ハイキングから軽登山、沢登り、山スキー、アルパインまでの幅広い活動をしています。そこから私の山歩きが始まったんです。
高い山に行きたいときは、教育トレーニング部で、滑落した時の救助方法、その際のロープワークなど色々教えてくれます。段階を踏んで「いつか自分も」と思っているのですが、私は超初心者。なので、まずは体力をつけるべく、低山からスタートしました。

初めて登った山は夜叉ヶ池山。夜叉ヶ池から岐阜県側を見た景色がすごくきれいで…それで山にハマってしまいました。
見る景色、感じる空気、仲間との会話、全てが楽しくて、下山した時は「次はどこの山に?」と自分に問うててちょっとびっくり。メンバーにはいろんな人がいます。花に詳しい人、キノコが得意な方、山菜なら任せて!という人がいて、頼もしいし、楽しさも倍増します。でも、「連れてって〜」という思いではいけないんですね。「一緒に登る」、という意識でないと。これも例会の時に教わりました。今は先輩方に頼っているけれど、今度新しく入会してきた人を引っ張れるようにならないと、と思っています。
実は私は歩くのが好きではなかったんです。というより「歩けない」と自分で思っていた。ところが今は自信がついてきて、先日は自分が計画を立てて、鵜沼宿からうとう峠を経由して岩屋観音堂、ロマンチック街道で太田宿まで歩く、というコース約15kmをメンバーと歩きました。帰りはJR美濃大田駅から電車。以前、鵜沼に住んでいたのに、地元のことを何も知らなかったなぁ、と思ってこの計画書を出して実践しました。

コロナ禍でしばらく山に行けなかった時期に、この団体の活動報告をしっかり読むようになって驚いたんですが、本当にいろんな人が入会されているんです。最高齢は81歳。平均年齢が65歳くらい?定年で会社を退いた方が多いので、平日も山に行けるんですよね。

山を歩き始めて、自分に自信がついたのも大きかったけど、何より楽しみができたのが大きいですね。人生は楽しまなきゃ!「今度はこの山に行ける!」と思うと仕事も楽しみながらできるしね。今は山に行けるのが楽しくて楽しくて…。

そう語る松野さんはもう次の山を見据えていました。

 

 


vol.214 人生これから ここが知りたい認知症のこと

Kさん:自分や家族の言動が気になる時、何科の病院に行けばいいんでしょう?
田辺:脳神経内科というところに行くのが一番いいと思います。近くになければ、物忘れ外来というのが、いろんな病院に作られていて、脳のいろんな検査をしてくれます。はっきりと脳や脳の血管の萎縮が画像にみられるまでは診断がつかないかもしれない。でもその時にMRIを撮ったなら、後でどこの病院で診てもらっても比較はできるのでMRIのデータは保存しておいた方がいいです。
Mさん:認知症は遺伝や生活習慣、食べ物などと関係ありますか?
田辺:食事の影響や様々な要因が組み合わさって現在のその人の状態なのですから、それをしたから良いとかは言い切れないです。ただ、運動するとか、外に出て行くとか、そういうのはすごく大事なので、家に閉じこもりがちな人はデイサービスなどに行くと良いのかな。
私は今、認知症予防ゲームをやっているんですけど、そこで見ていると予防ゲームに参加する人の方がしない人より認知症の進み具合がゆるやかになる、と私もスタッフも実感しています。でも、ゲームに来ていても、家族との関係などは家庭によって違います。周りの人の対応も大きいです。特に、「あんた駄目だね」「できてないよ!」って出来ない事ばっかり言われるとだんだん萎縮して、転がるように落ちてどんどん悪くなります。本人ができることを見つけて「これやってほしいわ」と言うとやれることも多いんです。周りの人は心配のあまり本人ができることを先回りしてとりあげずに、できる事を増やすように関わってもらいたいです。
Tさん:それは認知症に関係なく人間関係ですね。
田辺:要は関係作りをいかにしていくか、っていうのが一番大事なところだと思いますね。それしかないと思います。
Mさん:認知症から鬱になったり、精神障害になったりすることもありますか?
田辺:動きが悪くなったり沈みがちになったとか、その辺も病院で見てもらわれると良いでしょうね。認知症によって鬱になるということもあるし、反対に、鬱だと思っていた、人格が変わってしまって精神障害かなと思っていたのが実は認知症だったということもあります。その辺も病院で脳の検査をしてもらうとわかります。
Hさん:最近私、物忘れが多いんですけど、加齢によって、みんな脳が萎縮していくんですか?
田辺:そうです。でも、先日ラジオで聞いたのですが、「海馬の萎縮からくるアルツハイマー型認知症は、物忘れではなくて、記憶の玄関である海馬そのものが扉を閉ざしている状態」だそうです。新しく情報が入ってこないからいろんなことがやれないようです。何度言ってもできない、と周りは思うかもしれないけど、言われたことが理解できないという事のようです。昔できていたことは残っているでしょうね。
Mさん:私たちは今はまだ認知症になっていないと思うので、今のうちに自分ができることを増やしておいたほうがいいよね。そういうことならできるね!


4大認知症

1.アルツハイマー型認知症
脳の中にアミロイドβなど「脳のごみ」と呼ばれる不要なたんぱく質が溜まり、それによって、神経細胞が変性し、死滅。そのうち脳の海馬や頭頂葉などが萎縮して、認知症の症状が出てくる。認知症のなかで最も多くみられるタイプで、症状は物忘れなどの「記憶障害」から始まり、自分のいる場所や時間などがわからなくなる「見当識障害」、物盗られ妄想、徘徊などの一般的にイメージされる認知症の症状が出現する。

2.血管性認知症
脳梗塞や脳卒中、くも膜下出血など、脳の疾患が原因で発症。脳の認知機能を司る部分(前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、海馬など)などで血管が詰まり、十分に酸素や栄養を送れなくなることで細胞が死滅。主な症状は、「記憶障害」や「判断力障害」など。一日のうちでも症状に波があり、認知機能はまだらに低下していく。さらに、感情のコントロールが効かなくなり、すぐに泣きだしたり、怒りだしたりする「感情失禁」も多くのケースでみられる特徴。

3.レビー小体型認知症
レビー小体とは、脳の神経細胞にできる特殊なたんぱく質のこと。レビー小体がたくさん集まる場所では神経細胞が破壊され、命令がうまく伝達されなくなる。後頭葉と呼ばれる視覚を司る部位にレビー小体が集中して発症すると幻視の症状が出る。みんなの「家の中に知らない人がいる」「服の中に虫がたくさん入ってきた」など、現実にはないことを言い出すようなことがあれば、レビー小体型認知症を疑うことも必要。

4.前頭側頭型認知症(FTD)
脳の約4割を占める前頭葉と側頭葉が萎縮し、血液の流れが滞ることで発症するのが前頭側頭型認知症。初期段階では、認知症の一般的な症状である物忘れよりも、性格の変化や異常行動が目立つ。人格の変化や異常行動が現れるため、精神疾患と間違われることも。また、罪悪感がなくなることから、万引きや痴漢を起こしてしまうケースがみられる場合もあるので要注意。                                                             みんなの介護 より抜粋

 

 

 

 

 


vol.214 熱中人 都竹 政貴さん

一人縫製の現場から見えるコト、見えないモノ

メルチデザイン 都竹 政貴さん

 

バクまくら
tomoniプロジェクトで「僕ら専門家(陶、ガーデン、服などの表現者)と障がいのある表現者の作品を掛け合わせて何ができるか」そんな取り組みに参加させてもらった時に、伊藤淳司さんとつながりました。(P-15ボーダーレス社会を目指して イラスト作者)淳司さんと雑談をしながら、彼が描いた絵をたくさん見せてもらいました。「どれが一番好きなの?」と聞いた時に、バクのイラストを出してきてくれたんです。「じゃぁ、これで何を作ろう」と話し合いました。
バクは夢を食べるよね。「そうだ、怖い夢を食べてもらえる枕にしよう」ってことで、バクまくらを作ることに。安眠する枕だから、枕の中身のそば殻は近所の蕎麦屋さんからもらって、薪で炊いて煮沸消毒。そのあと天日干し。「いい夢を見てもらう」というのがコンセプトのちょっとこだわったバクまくらを作った。淳司さんの書いたバクの絵も素敵だし、寝室にバクがいるっていうだけで、安心感を得られるんじゃないかな。

最高の生地に出会って
tomoniつながる和綿プロジェクト※でいろんな人とつながっていく中で、特にリトアニアでリネンを育てている、カミンスカスさんが面白くとても印象に残っています。リトアニア(エストニアやラトビアと共に、1940年以降ソ連に併合されていた。1990年に独立回復宣言)がもと旧ソ連に併合されていた頃、国中がリネン畑だらけだったんだって。彼が子どもの頃は「青い花が咲く頃には青空が下に落っこちたんじゃないかっていうくらいの景色があったんだ」って。ソ連が崩壊して、リネン産業が衰退。青い色が消えてしまったことを憂えていた彼は、昔ながらのやり方でリネンを育てようと一念発起。そんなカミンスカスさんが原料を送ってくれた。それが生地になった。ものすごく肌さわりがよくて、ワンピースドレスを作りました。自分の中では、この生地は寝具とかパジャマがいいんじゃないかという思いがあり、和綿プロジェクトでできた生地で、もう一回バクまくらを作ったんです。今度は、墨でシルクスクリーン印刷。完全に乾ききっていなかったのか、一回洗いをかけたら、墨が溶けて、墨染めになっちゃった。全体を見るとそれはそれで悪くはないんだけど、今の段階では洗濯機では洗えない。商品化にはまだまだ課題が残りました。
アートと福祉
伊藤さん(淳司さんのお母さん)にはできればこれを「売れるようにしたい」と話しています。これでお互いに収益が上がれば、と。福祉とアートをつなぐ、まさにコラボレーションです。ただ何をもって福祉というのか、自分はあまりよくわかってないんです。障がいのある人の創造性を支えるというか、実はお互い様なんですけどね。でも、専門家とコラボすることで、色々な接点が生まれて来るんじゃないかと感じてはいます。
自分はかつてべルギーのアントワープ王立アカデミーという、ヨーロッパでも歴史ある美術大学のオープンスクールで学んだのですが、そこで感じたのは、モード科、テキスタイル科のレベルがすごく高いということでした。そこで出会って仲良くなった日本人とある時、「目を隠して過ごしてみよう。 時間でやめる」と決めてスタート。目から入る情報が何もない状態で、コーヒーを飲みたくても、どれくらいが一杯なのかわからなくて…。夜になると、外も部屋も真っ暗。急に暗闇の怖さが襲ってきました。でも、そういう疑似体験を重ねることで、立場の違いを理解できるようになればいいなと思いますね。そこにどうアートを絡めていくか…。

アートの役割
体力には自信があったけど、9年前に潰瘍性大腸炎を患って、一ヶ月半の入院生活。あっという間に筋力が衰えました。退院しても足腰が痛いし、仕事はできないし…。そんな時に、近所の第2いぶきさんが、非常勤で来ないかと声をかけてくれたんです。そこで最初に「百々染め(草木染め)」を仲間たちと取り組みました。第2いぶきは結構重度の方が多くいろいろ学ばせてもらいました。ただ、自分自身の体が弱っていたのもあって、職員より仲間たちと一緒に話をすることが楽しいし、気持ちもよかった。もちろん難しいこともありますけど。
障がい者って、一括りにはできないですが、昔は大変だったと思うんですよ。差別とか偏見で隠されちゃったりとかして。やっと今になって、障害者差別禁止法ができて、是正されつつあるように思いますが、まだまだ昔を引きずっている感じは否めないですね。そんなこともあって、「アートの役割の一つには福祉とつながりあうこと、そして、ともに支えあっていけること」なんだと思っています。

tomoniつながる和綿プロジェクトとは 日本の風土と日本人の肌に一番なじむ繊維である「和綿」を通じて、 人と人、人とモノ、モノとコトがつながる物語を紡ぎ、 アート、デザイン、ビジネス、福祉の分野をつなぎ、新たな出会いと仕事が生まれる場をつくりたい――そんな願いを込めたプロジェクト

 

つづくまさき●メルチデザイン デザイナー・服飾作家・コラボレーション作家。
1971年生まれ。岐阜県立岐南工業デザイン科卒。デザインから縫製まですべて一人で行う。地元縫製工場にて技術を身につけた後、独自のパターンメイキングで制作。
1996年 個展「大量生産できない服」 MELCHI DESIGNSを始める
服の原料(種から)づくりを実施。


vol.214 夢か悪夢かリニアが通る!vol.43

リニア中央新幹線を巡る対照的な2つの集会が5月末、東京で開かれました。一方は、「講演&シンポジウム 立往生するリニア建設」。7月18日に東京地裁で予定されているストップ・リニア!訴訟判決を前に原告団などが主催、「リニア新幹線と南海トラフ巨大地震」(集英社新書)の著書がある地震学者で神戸大学名誉教授の石橋克彦さんが講演しました。もう一方は、「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」総会です。こちらは沿線10都府県で構成し、リニアの早期実現を目指す会。昨年7月加盟した静岡県の川勝平太知事が出席するとあってマスコミも注目する中の開催でした。今回はこの総会でどんなことが語られていたのかレポートします。                     井澤宏明・ジャーナリスト

 

「リニアムラ」の住人たち

「進捗率」には触れず
リニア建設促進期成同盟会の総会は5月31日、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急に約260人を集めて開かれました。副会長の川勝知事が登壇したのは会長の大村秀章・愛知県知事らに次いで3人目。冒頭、「静岡県は一貫してリニアに賛成しております」と述べると、少なからぬ出席者は顔を見合わせ、驚きの表情を見せました。
続いて、静岡県が県内の着工を認めていない南アルプストンネル問題に言及しました。「南アルプス工事を含め、トンネルを掘ると2つの問題が出てきます。1つは水です。もう1つは掘削土です」。川勝知事は具体的な課題を列挙した上で、「これらを合理的に解決すれば、何の支障もない。ぜひぜひ皆さま方のお知恵を拝借し解決しながら、リニアの成功に向けて協力したい」と挨拶を締めくくりました。が終始、不機嫌そうな大村知事の表情が印象に残りました。
他の知事は競い合うかのように、いかに県内の工事が順調に進んでいるかということをアピールしました。
「トンネル区間は9割強が契約。明かり(地上走行)区間は、釜無川橋梁に続き、笛吹川、濁川橋梁が着工するなど、県民に目に見える形で着実に進捗している」(長崎幸太郎・山梨県知事)、「県内の工事契約率96.9%ということで、発生土の処理の問題を始めさまざまな課題があるが、一つ一つ解決しながら事業が着実に進められてきている」(阿部守一・長野県知事)、「岐阜県も順調に進んで来ており、工事が本格化したという状況。その象徴が昨年6月の岐阜県駅舎本体の起工式で、いよいよ始まるなということを実感している。15工区のうち13工区の契約が実施済みで、12工区で既に工事が進んでいる。全体の91%」(古田肇・岐阜県知事)
どの知事も工事の「契約率」は明言するのですが、工事の「進捗率」には一切触れません。なぜなら、各都府県の工事は大幅に遅れており、川勝知事が昨年9月、神奈川県視察の際に指摘した「不都合な真実」だからでしょう。

アセス開始をごり押し
来賓はリニア「夢物語」を次々と披露しました。「早期実現を目指す議員連盟」の高市早苗衆議院議員(奈良県)は「大地震が来た後のことを考えてみてください。(リニアが走る)大深度は比較的強いですから、何とか流通が維持される。今朝もJアラートが鳴りました。飛来物があったときでも避難場所としての考え方もできるんじゃないか」と呼びかけましたが、冒頭の石橋名誉教授によると、南海トラフ巨大地震発生時に起こる「複合災害」では、津波被災者などから救助要請が殺到し、南アルプス山中のトンネル内に停車したリニアの乗客を救助する人員は割けず、JR東海は原発のような自主防災組織を用意する必要があるといいます。
総会では、「名古屋・大阪間については、(中略)2023年から環境影響評価(環境アセスメント)に着手すること」とした決議を採択しましたが、JR東海の宇野護副社長は今年4月11日、国の有識者会議後の私の質問に「(名古屋)以西のアセスについては、静岡工区着工の見通しがついて、(品川・)名古屋開業の見通しがハッキリした段階で考えていく話なので、今年やるというのは考えていない」と否定しています。
どこか浮世離れした「原子力ムラ」ならぬ「リニアムラ」の住人たち。「不都合な真実」からいつまで目を背け、ごまかし続けるのでしょうか。


vol.214 ボーダーレス社会をめざしてvol.73


NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

障がいを知る

「交通事故にあったの?」「ばあばって、ガンもして交通事故にもあって、大変やなぁ」と孫が言った言葉に笑ってしまいました。
確かに大変でした。11年前に胃がんになり、4年前に車にはねられました。ちょうど今頃です。その頃の気持ちを忘れないように記録を残しておきました。今は気持ちの整理ができているので、書いてみようと思います。
『自転車に乗っていた私は、乗用車にはねられた。足が動かない。救急車を呼んでもらい、病院に運ばれた。レントゲン検査では、骨に異常はないとのこと。簡単な手当で、自宅に帰ることになった。帰りは車いすに乗らないと動けない。両足が動かない。家に帰り、寝て動かしてみても、両足とも動かない。腰が痛く、動けない。右にも左にも動かせない。一晩過ぎて、朝起きるのにも15分以上かかったが、動けた。しかし、腰が痛くて、起き上がれない。腕の力を使い、起きてみると足は動いたが、一人では立てない。何かにつかまってだったら、動ける。足が動いたことに感謝する。キャスター付きの椅子を杖替わりにする。椅子がないと動けない。左の腰を強く打ったため、整形外科で左膝に電気を流す電気治療をしたためか、痛みが少なくなった。しかし、右足は、特に悪くないだろうということで、そのままにしておいたら筋肉が収縮してしまい、股関節に激痛が走り始めた。約3週間歩けなく、右足の筋肉は衰えていった。お医者さんに右足も電気治療をしてほしいとお願いすると3日ほどで激痛はなくなった。が、筋肉の収縮はすさまじいのと、筋肉の衰えで足が動かなくなっていた。理学療法士さんにつき、筋トレを始める。両足とも衰えていたため、膝がぐらぐらする。毎日スクワットなどをし、鍛えなおす。日にち薬で徐々に歩けるようになる。足元に落としたものが拾えない。階段が上がれない。身体障がいの人の辛さが分かった。また、車に乗せてもらうのも、自由ではない。遠慮しつつ、運転手に気を遣う。なんて自由がないのかと思う。きっと知的障がいの方もこんな思いをしているのだろうと思う。遠慮しつつどこかに出かけるより、自転車、歩きで自由にと思うのも分からなくない。今回の事故は、まだまだ修行が足らない私への試練だったようだ。弱者の気持ちが十分わかり、人の優しさが分かったのは間違いない。』と綴られていました。
自分の行きたい所へ行けない。なんて辛いことなのでしょう。一度、どうしても本が読みたくて、本屋に行きたいのに行けないことがありました。自分の思いは封印せざるを得ない。諦めるしかありませんでした。 こんな生活は、ひょっとしたら障がいのある人は、日常茶飯事なのかもしれないです。支援者が、嫌だと拒否したら、障がいのある人は自分の意思があってもその通りにはならないのではないでしょうか。自分自身が、障がいのある本人になって初めて分かりました。もちろん頭の中では、今まで十分、分かっているつもりでしたが違っていました。本当の辛い気持ちを、体で、感覚で知りました。人の気持ちは、想像はできますが、本当に想像していることが合っているかどうかは全く分かりません。
今では、痛みはもちろんありますが、歩けるようになりました。自分の体は、自分で治すという体操に巡り合ってからは、毎日15分程度の体操と    のトリセツショーという番組で紹介されていた「血管のばし」を朝晩10分やることで健康な体を取り戻しつつあります。限りある人生、健康が一番です。


vol.214 モザンビークからレポートvol.8

価値観の違いはどこから?

ちょうど一年前、恐喝にあいました。何より驚いたのは、周りに人がいっぱいいたのに誰も助けてくれなかったこと。1年過ごしてみると、日本では見られない素敵なところもたくさんあって、何を大切にしているかが違うだけなんだなぁと思ったり、思わなかったり。

「ぎゃー!たすけてー!だれかー!そこのお兄さん、笑ってないで助けて!」
約1年前の昼間の繁華街で突然若者に腕を掴まれて、必死に助けをこうも、老若男女問わず誰も助けてくれませんでした。ガードマンを呼んでも無駄。しばらくこの国で住むことが嫌で嫌でしょうがなかったけれど、改めて1年を振り返ってみて思うのは、「価値観が違う」ということです。
恐喝がいいことだとは思わないけれど、外国人にお金をせびることの大前提に、モザンビークにはお金を持っている人が困っている人を助けるのが当たり前だという考えがあります。外食に行けばお金を持っている人が全額払う上に、お金を払わない人も大きな顔をして好きなように飲んで食べているし、友達からもすぐに「助けてくれ」「パンが買えない」等々と言われます。日本人として、全く理解できない態度だけれども、その逆もまた然り。日本人同士で割り勘しているところをモザン人に大笑いされて、「そうそう、お互いお金の扱い方が違うよね」と話がはずんだことはとても印象的でした。

他にも、違いはたくさんあります。モザンビーク人は歳を召した人の荷物を運ぶことや、誰かが転んだだの、車の故障だの、みんなさっと寄ってきて助けてくれます。今眼の前で起こっていることにはとても敏感。日本人はどうでしょう?誰かが困っていても、体調不良で倒れていても、素通りする国だという外国人記者の記事読んだことがあります。事実あってほしくはないけれど、外国人に対する対応が冷たいのは否めません。外国の駅で地図を見ていて声をかけられなかったことはないし、モザンビークでも少し立ち止まっているだけで「Tudo bem?( 大丈夫?)」と多くの人が気にかけてくれます。モザンビーク人との約束で、時間をきっちり守ってもらったことはないけれど、道中で誰かを助けていたとしたら(実際に、日本ではありえないアクシデントがすごく頻繁に発生して、時間通りにつくことは結構難しい)、それはそれで素敵なことだと思うようになりました。

日本人は、時間に関しては世界一きっちりしている国、国民。誇りに思っていい文化の反面、時間に追われるあまり、眼の前で困っている人を助ける余裕がなかったり、外国語を完璧に話せないから声をかける勇気がでないのだとしたら、もったいない!「世界はいつもそんなに完璧を求めていないよ。他の人と関わることを楽しんでみて。」と伝えたいです。


vol.214 菌ちゃん野菜応援団vol.35

前回ミネラルについてお伝えしました。ミネラルは旬のお野菜にたくさん入っていますよーってお話でしたね。実はミネラルはほかのものにも入っているんですよ。
代表的なものは海のミネラル。海には昆布やワカメといった海藻類から、小魚や大きな魚までたくさんの命が生活しています。そのなかでも日本人が昔から食べてきた、昆布やわかめ、いりこなどの小魚にはカルシウムや亜鉛などのミネラルがいっぱい。
大きな魚にもいろんな栄養素はありますが、日本には一つの命を丸ごといただくことがそのものの栄養を十分にいただける、という「一物全体」という古い教えがあるんですね。大きなお魚の一部をいただくよりは海藻類や小さな小魚を丸ごと食べたほうがいいってことですね。
またお食事に「海のものと山のものを入れましょう」と聞いたことはありませんか?海に住む生き物と、陸に住む生き物。どちらもそれぞれ少しづつ違った栄養素を持っているので、その両方をバランスよく食べることで私たちは元気になれますよってことなんですね。
また海のミネラルが凝縮したものが塩なので、よいお塩は減塩せずしっかりと「美味しい」と思う味付けでご飯を食べてください。
これから暑くなって熱中症や夏バテになることも。その時にしっかりミネラルを補給しておくとばてることが本当に少なくなります。
美味しいお塩で作った本物の梅干しを食べることも夏バテ対策のひとつ。
夏を元気に乗り切るためにも。海のものと山のもの、そして天然のお塩をしっかり取ってみてくださいね。

簡単すぎるけどおいしい!梅干しごはん
ご飯をたくときに梅干し1個入れて炊く。超簡単!でも、それが美味しいんですよね。おむすびにしても腐敗しにくいのもこれからの季節にいいですね。


vol.214 ここいく日記 はじめの31歩!

ここいくの活動拠点「あいのね」では平日の夕方に「まちの保健室」を開催しています。そこには子どもから大人まで様々な人が訪れます。
小学生の頃から常連の外国人の少女は中1となり、一気に勉強が難しくなって中学は大変だぁ~と日々の困りごとを話してくれます。年間予定表を見ながら「尿検査、生理の時はどうするの」と聞いてきた時は「もう1日、尿検査の日が書いてあるでしょ。この予備日に提出すれば大丈夫だよ。」と答える。「体育は簡単に休めないんだ」とつぶやくので理由を聞くと、先生が「簡単にダルイと言わない、諦めない、全力でやる、疲れても休まない」と言うらしい。そして、男の先生だから、生理痛が酷くても言えないと漏らす。日本語が分からないお母さんにも、学校の先生にも「性」のことは特に相談しにくいと教えてくれた。
特別支援学級に通う小学生は算数が苦手。先生から、指は使わないでねと言われ、イライラして雑に書くと、やり直しと言われる。新学期、まだ理解できていないから、今年も同じ教科書で勉強しようねと言われた時は「無限ループだ!」と絶望的な気持ちになったと教えてくれた。
各務原市では令和5年3月に多文化共生プランが策定され、言葉や文化をつなぎ心のつながりを作り、子どもたちの学びを支え育むとある。令和7年度には新特別支援学校が開校し、一人ひとりの能力や可能性を最大限に引き出すことができる学校を目指すとある。立派なプランや基本計画はありますが、「まちの保健室」では、置き去りとなっている子どもたちの気持ちがたくさん聞こえてきます。
学校にも「保健室」はあるし、先生もたくさんいます。しかし、不安や悩みを言えない子どもたちがいる。身近な大人と私、「学校」と「まちの保健室」の違いは何だろう?大きな違いは、そこには上下関係がなく「安心」であること。ここいくの「いのちの授業」では人間関係の話をしています。
話し相手、遊び相手、相談相手、喧嘩相手の「相」。
話し合い、触れ合い、助け合い、励まし合い、慰め合い、認め合いの「合」。
「相」と「合」がある関係から「愛」は生まれます。
でも「愛」が生まれるような「相」と「合」のある関係を創るには「安心」な環境が必要です。そのためには互いが対等であること。ヒエラルキー(序列)の関係に陥りやすい、先生と生徒、親子、上司と部下、兄弟姉妹であっても「対等であることが人間関係の基本だよ」と子どもたちに伝えています。支配と暴力の関係の中では「安心」できず、「安全」でもなく「愛」は生まれません。
「ここいく」の仲間たちは、得意なことも苦手なことも違いますが、互いを尊重しあえる関係です。私はみんなと一緒に過ごす時間がとても楽しく、何より気持ちが「楽」です。それは安心して自分らしくいられる環境だからだと思います。
先日、なぜ「ここいく」のメンバーはずっと一緒に(13年)活動ができる関係を保てるのかなぁ~とつぶやいたら、代表の中村に「私たちは繰り返し子どもたちに人権を伝えてきた。その度に私たちは繰り返し学んでいる。伝えたことは、全部私たちに戻ってきていると思うよ。」と言われて、とても納得しました。
「いのちの授業」を届けるだけではなく、私たちもいっぱいもらっている。なんて素敵な関係なんだろう。大人も子どもも関係性をつくりにくい時代ですが、出逢いと学びで関係性は変えられます。

「ここいく」メンバー大募集中です。一緒に心地よい人間関係の輪を広げませんか。

担当:ここいくメンバー 古川明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)


vol.214 プレゼントコーナー

214号PRESENTS

プレゼントご希望の方は

ハガキまたはe-mailで、下記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。

1.この夏、あなたが取り組む省エネの工夫は?電気料金も気になるこの頃、あなたはどうやって暑い夏をのりきりますか?

2- 気になるにらめっこ紙面での広告
3- 気に入った記事、気に入らない記事の
タイトル1つ・その理由もお書きください。
4- ご希望のプレゼント名 (第1希望・第2希望 を必ずお書きください)
※A、Dは編集室まで受け取りに来られる方。
5- 本紙をどこで入手されましたか?
6- 氏名、年齢、住所、郵便番号、電話番号、 家族構成

 

ハガキまたはe-mailで、上記のアンケートを
1〜6までご記入の上、編集部・プレゼント係りまでお送りください。
〆切:2023年7月25日 当日消印有効。
宛先 〒504-0855 各務原市蘇原新栄町3-15
e-mail: info@niramekko.com
※お寄せいただいた個人情報は、本紙プレゼントの発送に限り、 使用させていただきます。
※当選の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

A.濃姫パパイヤ  信長バナナ(合)様より…3名様

信長バナナに引き続き、岐阜で栽培、収穫、販売が始まった「濃姫パパイヤ」。まだ栽培本数が少ないため、レアな商品です。栽培期間中、農薬と化学肥料不使用なので、安心していただけます。1名様につき1個プレゼント にらめっこ編集室でお受け取りください。(写真はイメージです)


B.日本最古のうるち米 古代紅米「朔月」玄米300g

自然農縁 月とたね様より…2名様

日々をていねいに、家族でお米作りをしながら、心と時間の豊かさを大切に暮らしている月とたねさんから。赤米は、玄米の種皮または果皮の少なくとも一方にタンニン系の赤色素を含む品種。縄文時代に日本に最初に伝わった稲と考えられています。

 


C.CINEX映画招待券 CINEX様より…ペア3組様

映画の中の登場人物の生き方、感じ方などを、観た人が心の中に蓄積しておくことで、人間の幅が広がり、アンガーマネジメントにも繋がるとか。映画って奥が深い!写真は映画「ウーマン・トーキング」より。柳ヶ瀬のCINEXでご利用いただけます。


D.縄文姫塩あめ ハイビスカス&ローズヒップ味

コトノハ工房様より…3名様

海のミネラルを豊富に含んだ「天然塩」であれば、減塩する必要はありません。化学添加物不使用、ミネラルバランスを考え世界中の天然塩をブレンドしたコトノハならではの塩あめができました。これからの季節、常に持ち歩きたいアイテムですね。20粒入りです。にらめっこ編集室でお受け取りください。