vol.203 未来に続く暮しの学びPrt-44

オーストラリアという土地をめぐる旅で気づいたこと

 先月バイロンベイから2千キロほど北のケアンズまで、ロードトリップをする機会を得て、約1か月、車での旅をしてきました。「ノマドランド」という車上生活者たちの生き様を、大自然の映像美とともに描いたロードムービーを思い起こしますが、オーストラリアという広大な土地を肌で感じる旅となりました。
 車上生活は、日々、動き回り常に違う土地で一日が始まります。それがとても新鮮だった。国が運営しているナショナルパークがどこにでもあるので、野営場所は簡単に見つけらる。自然は壮大でまるで自然に溶け込むように毎日を過ごした1か月。日常生活から離れることで、「毎日生きていられるということは幸運であること」を感じ、「安全な場所を見つけるという自分の直感」は確実に磨かれたように思う。

 それにしても2000キロ北上すると気候は激変。ケアンズは常夏、バイロンベイは冬。この変化は大きかった。また大陸の北方面では、水辺ではワニの生息地があるので気を付けなければいけない!バイロンベイの様にどこでも泳げるわけではないことも知り、自然と共生するにはそこの土地の在りようを十分理解することを実感。
 いたるところにある滝や小川は岐阜の板取川を思い起こさせた。水をとおして自分の故郷とつながれる感覚も味わった。しかしこの旅のハイライトは何と言っても「ロックアート(岩壁画)」にめぐり逢えたこと。自然の中に存在する天然アートギャラリーは、2万8千年前に描かれた壁画。アボリジニのコミュニティーは世界の先住民文化の中でも相当進んでいたようです。世界で最も古い部類の芸術作品であることもわかったロックアート。土地の古跡に触れることで、この土地に生き続けてきた人類の生き様を想像させられます。
 同時に、広大な土地がサトウキビ栽培などの単式農法に換えられ、どれだけ地形と水源に影響を与えているのかという現実を見ることになりました。単式農法は効率を求めるものですが、大量の化石燃料を必要としたり、生態系に負荷をかけるので持続可能ではありません。
 この現実をしっかり見つめ、、人類と自然との共生の仕方に新たな目線を持つという機会を得たように感じます。自分たちが今できるとこは、生活スタイルを見直すこと。社会情勢とのギャップなどが絡み、思考がぐるぐると回りますが、自分を含め一人ひとりができる選択をしていけたらいいなと思います。           YAO





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