vol.201 ここいく日記 リレートーク はじめの18歩!

わたしとわたし ぼくとぼく

まずは授業の報告!!
 今年度最後の授業は、まだ小さなお子さんがいるお母さんグループからの依頼でした。参加の子どもたちの年齢は1歳~11歳と幅広く、反応もそれぞれですごく楽しかった~(^^♪
 最後のメッセージ、絵本の『おかあさん だいすきだよ』を読んでいると、「ママだいすきだよ」と小さな子のつぶやきが聞こえてきて、会場中がキューンとなりました。私も息子たちにもこんな時があったなぁ~、もっともっとぎゅっと抱きしめておけばよかった…と、お母さんたちと一緒に涙。私たちすぐ泣きます(笑)

そしてこの授業を見学しに来てくれた若者がいました。
 Rさんは、ここいく10周年記念公演で初めて「いのちの授業」を観て、偶然だったかもしれないけれど、ジェンダーの場面で女の子っぽい男の子役をやった私に声をかけてくれました。知らない人に声をかけるだけでも勇気がいっただろうに、女の子らしい服が嫌なこと、女らしさを求められたり、他人の目を気にしたりと辛かった自分のことを話してくれました。
 そんな彼女が見学の後の交流会で伝えてくれた「ここいくと出逢い、男らしく女らしくではなく、自分らしくでいいことが分かり、それだけで楽になった」と。嬉しくてまた泣きそうに…。「今、自分らしい好きな服が着られて、ファッションが楽しい~」と語る彼女の笑顔は輝いていました。

 その日の夜は、各務原子ども劇場の例会で、劇団うりんこ公演『わたしとわたし ぼくとぼく』を観てきました。

あらすじ    
 保育園に勤める30歳の健人は、男性保育士に対する保護者の偏見に落ち込み、ゲイである秘密を打ち明けられず引きこもってしまった。ある日、鏡を見ていると、1人の少女が現れて言った。「世界を救って欲しい」少女に導かれて1997年の教室へ。そこで10歳の自分と出会い…と、物語は進んでいく。

演劇の力って本当に凄い!
 人と違う自分はおかしい?誰でも一度は悩み苦しむ。普通ってなんだろう?体が違う、声が違う、考え方感じ方も違う。みんな違って当たり前なのに比べてしまう…。人との違いを受け入れ、違いを楽しむことができたら、「自分とは違う人」を大切にできる世界をつくることができるはず!!そんなうりんこさんの想いがずっしり伝わってくる作品でした。
 小学校での子どもたちのやり取りは、日常ありがちな光景で、とてもリアリティがあり、自分と重ねて観ていた子もいたと思う。自分らしくいることを理解されず苦しむ健人とみどりちゃんが自殺しようとするシーンは、胸が痛くなった。現実、若い人たちの自殺者が悲しいかな増えています。ここいくの授業でも「あなたはあなたのままでいいんだよ」と伝えますが、こうやって作品を通して想像したり、想いをはせる体験ってとても大切と思うので、ぜひ学校公演で取り組んでもらい、たくさんの子どもたちに届けて欲しいです。
 他にも心に残るシーンがたくさんありましたが…母親との関係で悩んでいるみどりちゃんに、おばあちゃんが言った「親は子どもの幸せを願うものなんだよ」という言葉に涙が溢れました。一緒に観てくれた保育士の長男にも、何か届いていたらいいなぁと思いました。

担当:ここいくメンバー・小田 佐知子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)