vol.201 未来に続く暮しの学びPrt-42

Art with love foundation.

 ブリスベンにあるアートウェアハウス。Art with love foundation というところに行ってきました。誰もが無料で自由に絵が描けるとか。そこは広いウェアハウス(倉庫)だった。

 すでに30〜40人くらいの人たちが楽しそうにおしゃべりをしながら絵を描いていた。ここにあるものすべてを好きに使っていいのか?ととまどって見回していると、一人の女性が、「ここは初めてですか?イーゼル、キャンバス、アクリル絵の具、油絵具、筆などすべて、使いたいものを使っていいのよ」と。
さらに、創始者のStephenさんが6年前にこの倉庫を買って、6人ほどのアートクラスをはじめたという。そして「人々が集まって描きたい絵を好きに描ける空間を作りたい。気楽に集える場所を提供したい」という思いがつのりArt with love foundationという形になったと説明してくれた。

 キャンバスと絵具の色を選び、絵を描き始めるとStephenさんがみんなの周りを歩きまわりながら、コメントしたり、ちょっとした技法をアドバイスしたりしているのに気が付いた。彼はとっても気さくな人柄で、私たちを歓迎してくれた。「難しく考えずに、リラックスして描けばいいよ。質問があればなんでもしてね」と。なんてやさしくて、おおらかな人だろうと、こころを打たれた。

画材は何でも揃っている。すべて無料。

 私のような絵描きには夢のような空間で、人々が楽しく絵を描きながら交流をしているなんて、こんなにも平和で創造的な空間がこんな身近にあるなんて!ととても感動した。さらにすべて無料!私たちを含めここにいるすべての人は、Stephenさんの粋なはからいに敬意を表わさずにはいられない。

 自分の財を、社会と芸術のために使う…それは人々の精神によい影響をあたえ、かつ文化的・平和的なものになる。そんなことを改めて気づかせてもらったArt with love foundation 。この施設は週に2回。朝8:30〜11:30まで開いている。オーストラリアのほかにはイタリアのフローレンスにも施設がある。まさにアートは平和!     YAO