vol.199 ボーダーレス社会をめざして vol.58

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

書道への思い入れ

 私は障がいのある人と一緒に書道を行っています。現在の私の段位は師範です。長い間かかって取得した資格です。障がいのある人に対しても、一般の方に対してもしっかりした基礎がない事には教えることができません。書道の歴史、文房四宝と言われる「筆」「墨」「硯」「紙」についてそれなりに知っていることが必要だと思っています。筆は色々な種類の毛からできています。羊毛、馬、鼬などなど、これらが使われている筆をいろいろ使ってみて、書く時の感触を知っていなくてはいけません。この感触を知った上で、障がいのある人の筆力、書き方などを考慮し、展覧会の時には、より良い作品を作るため筆を選びます。また、紙も同様です。薄い・厚い和紙、滲む・滲まない紙などさまざまあります。運筆の速さを見て、どの和紙なら合うのか選びます。力が強い人は、紙が破れてしまいます。試行錯誤するのですが、紙もいろいろな種類のものを持っていることが必要になります。旅行に行き、紙屋さんがあるとついつい立ち寄って紙を買ってしまい、大きな包みを持って帰宅するというのは常でした。岐阜県は、幸いにも美濃市があり恵まれた環境にあります。展覧会がある・作品を作るとなると、まず美濃市に行ってそんなに高価ではないもので魅力的なものはないか探します。私がいくら良いと思っても、実際に書かれる人が購入されるので高価なものは用意できません。一般の方は、紙、筆が高価であることをご存知ないのが実情です。障がいのある人の書道教室と謳っている以上は、しっかりとした書を皆さんに見ていただきたい。そのためには労力は惜しみません。最近はお母様たちを巻き込んで、展覧会の展示などをどのようにするのか、知ってもらうため協力をお願いしています。また裏打ちと言って、和紙をピンとさせるために、アイロンで簡単にできる方法がありそれも伝えています。ご家族が子どものために展覧会が出来るように準備をしています。私がいなければ展覧会ができないのでは困ります。ご家族も書道に興味を持って頂き、自分たちである程度まで展覧会ができる力をつけてもらいたいと思っています。書道教室を行っている意義は、何か?自問自答している昨今です。
このコロナ禍の中、書道展を開催します。12月16日(水)~27日(日)JR岐阜駅隣ハートフルスクエアーG1階図書館前壁面(12月22日は閉館日)です。よろしかったらご覧ください。





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情報誌情報

創刊:1987年
発行日:偶数月の第4月曜日
発行部数:22,000部

配布地域

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設置場所

幼稚園、図書館、児童館、郵便局、教育関係などの公共機関、 大手スーパー、スポンサー様の窓口