暮らしはアート
今月号から、アートと暮らしについて、徒然なるままに書きたいと思います。持続可能な暮らしとは、どんな暮らしなのか、みなさん考えたことはありますか?私はコロナ禍で不安に押しつぶされそうな時だからこそ、人は基本に立ち返るのだと思います。私が思う基本は「土」です。土に触れること、どれだけ畑仕事をすることが大切なのか、身に染みて感じています。
前号でも書きましたが、、ここオーストラリアは、州によって違うものの、規制がどんどん厳しくなってきています。行動の一つ一つに規制がかけられ、とても窮屈です。公共の場で踊ってはいけない、20人以上では集ってはいけない、外出許可証がなければ散歩にも出られないといった具合です。何を根拠にそんな規制をかけられるのか、周りはブーイングが飛び交っています。それでもこのあたりは自然に囲まれて生活できる地域なので、みんな割とのびのび生活できるのがせめてもの救いです。
ただ、いち絵描きとして、このコロナ禍を生きるのは、かなり厳しい状況です。アーティストは人が集まって、アートを通じて交流を深めていくことを求めているからです。しかし規制が厳しい中、表現の場を作ろうとする(イベントを主催するなど)とそれなりのリスク、ストレスが一緒についてきます。私の場合は絵という形で自分と向き合って、解放というか、自由を楽しんでいます。今は“さなぎ”になった気分で、内なる情熱とこの不自由な中にも自由を探索する時期だと思っています。そのようにとらえ方を変えてみると、突如この現状が素晴らしく感じたりして…。
今までの歴史を振り返ると、時代が変化する時には、アート、芸術の分野にも変化があります。表現の仕方が変わったり、新しい技法が生まれたり。まさに今、私たちは変化のさなかに生きています。それが今後私たちにきっと良い影響をもたらしてくれる。そう信じて表現をすることで、自分自身の内面の自由を手に入れる。
「半農半アート」。それが私の持続可能な暮らしの第一歩。芸術は生活の一部であり、表現することの自由は、私たちが生きる中で、大切な要素だと思っています。 やお