ことば大学
新型コロナウイルスの蔓延で、世界はこれまでの生活様式を変えていかないといけなくなりました。ふと思い出したのが、英国の詩人ワーズワースのことば「進む者は別れなければならない」です。このエッセイ欄にも何度も書いてきましたが、大学4年のころから、本などで、いいことばに出会うと、メモをするようになりました。人それぞれ、心の支えは異なりますが、私にとっては「ことば貯金」がとても大きなものとなっています。100年に1度の危機といわれる今、どんな言葉が支えになるか。おすすめをいくつかあげてみましょう。
宮崎を観光で有名にした岩切章太郎さんが言った「心配するな、工夫せよ」もいいですね。工夫は日本人の得意なことだと思います。相撲界には「三年先の稽古」ということばがあります。番付をあげていくためには、これまでとは異なる稽古を今からしておく必要がある。「風がなければ、オールを持て」。これはラテンのことわざです。いい風が吹くのを待つという発想もありますが、手元には漕ぎだせる櫂(かい)の代用となるものがあるかもしれません。古今東西のいいことばを持ち寄り、紹介し合う「ことば大学」が開催できたらと思っています。1限目=哲学系のことばに学ぶ、2限=里山・農業系のことば、3限=地域活性化のことば、4限=生命のことば、5限=関係性のことばに学ぶ、という感じです。いかがでしょう?受講してみたいと思ってくださるとうれしいです。
塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。
※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。