全国夏季セミナーでの発表
一般社団法人 ”人間と性”教育研究協議会主催 「全国夏季セミナー近畿大会in京都」の分科会にて、普通のお母さんたちの集まりの私たち「ここいく」が発表 ?!今回のここいく日記は、「ここいく」のこれまでの軌跡と分科会での発表のことをお伝えします。
今大会のテーマ
いつでも どこでも だれでも 大切にされる性の学び
–あらゆる暴力をのりこえる包括的性教育の希望–
「包括的性教育」とは?どういう意味かわかりますか?
性器・セックス、妊娠・出産のことだけでなく、性を通して人との関わり方や相手の立場を考えることも含めた性教育。そして、子ども・若者が自分で考えて決められる力を育むことを目的としています。残念ながら、日本の性教育は遅れていて、この視点での性教育はまだまだこれからという現状です。
分科会発表の前日に聞いた田代美江子先生のお話は、世界的な性教育の指針を基にした「包括的性教育」について。
このお話を聞けたことは大きな学びで、私たちがお母さんとして子ども達に届けたい!を原動力に日々悩み考えて積み重ねてきた内容が、まさにこの「包括的性教育」になっていたということに気付きました。最初からそこを目指していた訳ではなかったけれど、現状を見つめ、伝えたいことを選択してきた過程でそこにたどり着いていたのです。
今まで自分たちがやってきたことは間違ってなかったんだと自信を得ることができ、とても嬉しく思いました。そして、分科会の発表の前日にこの話を聞けたことは奇跡的で、大きな意味があると感じました。
私たちの授業はお母さん目線で、伝える内容は科学的なことだけではなく、母としての想いを乗せる。それは、子育てを通した生活の中での不安や悩みごと、「うちの子、男の子だけどピンクが好きなのよね。」「行動が他の子と違うのが心配」とか、思春期になり、「異性に興味がでてきた」「体が変化してきている」などを、授業に組み込んでいくこと。伝え方は、言葉や表現方法にこだわり、「子ども達に幸せに生きて欲しい!」「加害者にも被害者にもなって欲しくない!」を軸にマイナスでいやらしいイメージではなく、当たり前のこととして伝える、前向きで明るい性教育です。
母の想いを乗せることについては、様々な環境で育っている子どもたちがいる中で、「この言葉の使い方はどうなのか?」「親を知らない子どもたちは、母の想いが強いメッセージをどう受け取るのか?」などという問いに、その都度悩み考えて授業を作ってきました。
これらの過程で、包括的性教育にたどり着いたのであれば、発表では私たちらしい授業にたどり着くまでの道のり 「学びを得て変わってきたこと」、それでも「どう伝えるかを迷っていること」とや、これから「何を大切にしていくのか?」などの想いを発表で伝えるべきだと思いました。
とにかく楽しそうに発表するメンバーを見て嬉しくなりました。そして、分科会発表に合わせて作成した「ここいく」ソング 「生まれてきてくれてありがとう」の曲に合わせて、私たちの9年間の軌跡を動画にしたスライドショーも発表。
田代先生が講評の中で、『よく勉強していますね。そしてよく話し合っている。親を知らない子が、お母さんたちの想いに触れて「親っていいなぁ~」って思ったという感想、そういうこともあるのね。現場の声を聞きながら変わっていく姿、気付いたら包括的性教育になっていた。これが「包括的性教育」。ここの分科会で良かったわ。』と、言っていただけたことがとても有り難かったです。
ここで得た、学びと気づきと勇気を糧に今後、「ここいく」はもっともっと進化していきます!新しい「ここいく」に期待していて下さいね。
担当:ここいくメンバー・中村 暁子でした。