vol.191 かなでの沖縄だより 最終回

3年前、各務原で平和について学び行動してきたかなでさんが、沖縄で声楽を学びたいという夢を持ち、猛特訓の末にその夢を実現させました。そこでボクは彼女をサポートしてくれる先輩として、京都出身で沖縄在住のゆきえさんを紹介しました。沖縄と内地の食い違いや沖縄の現実について身をもって体験しているゆきえさんは良き先輩になったようです。この連載を終えるに当たり、この3年を振り返ってもらいました。(國枝)

私が沖縄で感じたこと、そして考えていること!

 私にとって沖縄の問題が気になり始めたのは、2016年高校三年生のオープンキャンパスで沖縄に行く前、沖縄に居る米軍関係者が女の子を殺したという事件があってからのことでした。
 沖縄に来たばっかの時は、各務原の自衛隊の飛行機の騒音には慣れっこになっていた私も、それとはまた違う大きな音にびっくりしたり、ミサイルが飛んだという知らせのアラームにびっくりしたりして、そのたびにゆきえさんに連絡していろんなことを教えてもらっていました。この3年間、ゆきえさんにはアルバイトからいろいろな相談事まで本当にお世話になってきました。
 初めのうちは驚いていたYナンバー(米軍関係者およびその家族が乗っている車のナンバー)も今はそれが普通になってしまっています。
 騒音で起こされるのも、オスプレイが飛んでいることも「あっ、また」って思ってしまうくらい普通になってしまっているのです。ただ、ひとつ変わらない気持ちは「怖い」ということ。オスプレイが飛んでいる、あの音がするだけで怖いと思う気持ちには普通ならないと思います。
 私がこういった事に関してもっとちゃんと考え始めたのは、ゆきえさんに出会うことができたから。何かひとつ聞けばたくさんのことをお話ししてもらえて、私自身色んな事を考えることができるようになりました。辺野古基地建設のことも。ゆきえさんの娘さん、ひろちゃんの大浦湾の貝の発表を聞いて、豊かな自然が破壊される可能性が高い現場を実際に見て「何とかしなきゃ」って、また更にその問題について考える事ができました。だから、県民投票の時も、参議院選挙の時も私の思いが伝わるか伝わらないかはわからなかったけど、話すだけ話すという事をやってきました。それをやった事で、無意識だった友達が少し考えるようになってくれたこと、話すことができなかった政治の話を話せる雰囲気になったことが自分の中で一番大きいと私は思っています。

 これから先、沖縄でなにが起こるか起こらないかはわかりません。民意を無視している政府のやり方がこのまま続いていくのか、沖縄の政治的な力関係は変わらないのだろうか、それもどうなるかわかりません。沖縄には巨大な基地があって、そこに所属する人たちが問題を起こし続けている可能性もあります。
 でも、これは沖縄だからじゃない。どこにでも起こり得る問題だという事を忘れないでほしいです。沖縄だから関係ないじゃなくて、みんなの問題として考えてほしいと私は思います。
 特に、各務原にはかつてアメリカ海兵隊の基地があり、1953年には犯罪などの多発により住民が反対運動を起こし、結果として1956年アメリカの統治下にあって反対運動を抑えやすい沖縄に移転したという過去があります。それにより、沖縄への負担が増えたのです。これが沖縄でなければ沖縄の負担が減っていたかもしれないのです。かと言って「各務原市に米軍基地を戻しましょう」となったとして、素直に受け入れることができますか?私ならできません。今思っている自分の気持ちと同じ思いを他の人にして欲しくないから。

 これで連載は終わりになりますが、私は「戦争と基地と平和」について考えながら残された1年半を過ごしていきます。みなさんもぜひ一度沖縄に来てもらって、「沖縄と基地と平和」について考えませんか?





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