NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子
明日
障がいのある息子を持つ私が胃ガンを患ってから7年が経ちました。障がいのある子を持っているから、心配で死んでも死にきれないというような思いは全然ありませんでした。そこそこ準備ができつつあったからかもしれません。
最近は2人に1人がガンになると言われます。最初の頃は、朝起きて「生きてる!」と毎日思い、感謝の日々でした。明日があるということは、希望がある証拠です。元気がない頃は、明日が見えませんでした。生きているかどうか分からなかったから何カ月後の約束はできませんでした。今は2カ月後くらいの約束はできるようになりました。手術後5年間は修行僧のように、玄米菜食に近い食事を続けていました。酵素玄米(寝かせ玄米)を作り、無農薬の野菜、調味料は本物を使い料理をし、たくさんの野菜と白身魚を食べる生活をしていました。勝手に自分で知り得た情報(肉類はだめと考えていた)のみで暮らしていました。 しかし、信じる者は救われるものです。腫瘍マーカーという数値はどんどん下がり、お医者さんもびっくりでした。半年に一回検査を受け、5年間経過を見て、何も出なければOK。5年が経ち、「卒業です」と言われ、喜んでの帰り道、不思議な感覚を味わいました。
岐阜駅のあたりを歩いていて、「私の周りを歩いている人と私は同じになったんだ」と思ったのです。もう好きなように食べていいのだ。ピザを食べよう!坦々麺を食べよう!あれもこれも・・・。と思いましたが、そうはできませんでした。5年間、添加物の少ない生活をしていたため、変な?ものが入っている食事をすると、下痢や吐き気をもよおすようになってしまっていました。これはいけない!災害にあった時に何も食べられなくて困ると思い、私の体に刺激がなさそうなお弁当や外食のメニューを選び食べ、変な抵抗力のある体を作っているところです。今の私の舌には、外で食べるサンドイッチは塩気が多い、お弁当も濃い味が多いように感じます。しかし、周りの人は平気でそれを食べています。
この違いをどう考えたらいいのか?人の体は食べた物からできているという当たり前のことを、5年間の体験から知りました。半年に1回ある検査は人体実験をしていたようなものでしたから。これを食べたら白血球の数値が上がるなど、ネットで仕入れた知識?を試行錯誤した5年間でした。現在、私がしている食生活が正しいとは思いませんが、自分で調理し、楽しく食べることが一番体にいいのだと思っています。食事をおろそかにしないことが、その人の明日という未来を築くと考えています。