vol.191 ここいく日記 はじめの8歩!

自分が大好き!

 私たち「ここいく」メンバーが「性教育=生教育」に出逢い、子どもたちに、「うまれてきてくれてありがとう」そして、「ありのままのあなたでいいよ」を伝えたくて始めた「いのちの授業」。心に響く授業を!と、出逢いを大切にしながら深化させてきた9年目の今年。「多文化共生コミュニティ いきる」の乳幼児のいるお母さんたちが、各務原市のまちづくり活動助成金事業に申請し、私たちの年齢別いのちの授業を企画してくれました。
 中学生の妊娠、学校のトイレで産んだ高校生、誰にも相談できず自宅で産んで道に捨てるしかできなかった子、性的ないじめを受け、自らいのちを断ってしまった子・・・目をそむけたくなるような悲しいニュースがあふれる今、子どもたちに、「あなたは愛されて生まれた、かけがえのないひとりなんだよ、自分をもっと好きになって大切にしてほしい、そして何かあったとき、寄り添いたいと思っている大人が近くにいるよ」と伝えたいと、熱い想いで企画してくれた事業です。
 今回、高2の息子に声をかけたら、「いのちの授業?行くわけないやん、花火に行くわ!」と即答。でも諦めずに、彼女と一緒に受けてほしいなぁと口説いていたら、数日後「行ってもいいよ」との返事。少し前に付き合い始めた彼女と、とても幸せそうに過ごしている息子と3人で参加できることになりました。
高校生対象授業の当日、導入は「月経中にSEXしたら妊娠しない?」「精子は冷えに弱い?」などの体の仕組みの〇×クイズ!それぞれ札を挙げて答えていきます(ちなみにどちらも×です)。意外と勘違いしている体のこと。答えを聞くと、へぇ~、そうなんだ!と心が動いているのが伝わってきます。


 そして妊娠、避妊、性感染症についての話。いつの日かパパ、ママになりたいと思った時に、願いが叶えられるように、そして望まない妊娠を防ぐために正しい知識を伝えます。性感染症については、参加者全員がいろんな色の紙片が入ったコップを持ち、全員が3人の人とコミュニケーションしながら中身を半分ずつ交換していくゲームを実践。実はこの交換という行為がSEXです。最初に赤い紙の入ったコップを持っていた人が性感染症に罹っていたという前提。最終的に赤い紙が入っていなかった人は12人中1人という結果!感染するリスクを実感しました。
また、多様な価値観や考え方があっていいこと。それは性でも同様で、LGBTの人が特別ではなく、左利きやAB型と同じように、当たり前のこととしての理解される必要があることを教わりました。また「愛」は、「相」や「合」という字の意味も兼ね備えていること。相手を思いやり、話し合い、ふれ合い、助け合い、励まし合い、認め合い・・・対等な関係を築いていくことの大切さを教わります。学生はNOセックスが一番の避妊方法だということも伝えられ、自分を守り相手を大切にするために、自分でよく考え行動を決めていくことの大切さに共感しました。
 そして、いのちが誕生する神秘的な映像や実際の出産のビデオを見たり、「大切なあなたへ」の朗読を聞いたりする中で、「うまれてきてくれてありがとう」という奇跡的で一番大切なことに思い返らせてもらい、感動で思わず涙する参加した大人たち。そんな大人の姿に触れた子どもたちに、愛されてうまれてきたこと、大切な存在であることが伝わる、かけがえのない時間になっていたら嬉しいです。
 日本では、性を語ることがタブーとなっていて、学校ではなかなか知ることができない現実。私たち親も、きちんと習っていないから、子どもに伝えられない。子どもも大人も幸せに生き、いのち輝かせていけるよう、この授業をすべての人に届けていきたいと思った瞬間でした!
最後に、授業を受けた息子の感想を紹介します。「おれ大事☆」             担当:ここいくメンバー・長縄恵実でした。