vol.191 熱中世代 臼田 幸夫さん

自然は学びの宝庫!
子どもには実体験の積み重ねが大事なんだと思う。

ふどうの森トレイルラン大会実行委員長  臼田幸夫さん(関市下迫間)

 「子どもが気になるんよ。登校時にあいさつしても誰も返事しない。まぁこんな強面の顔してっから?学校で見知らぬ人から声をかけられても返事をしないっていうのが徹底されているのもあるんだろうけど、自分は地元の人間なんだけどなぁ。それでも、近所の大人として、子ども達のいく末が心配でたまらないんだ。」と話すのは、おしゃる通りの強面のおじさん。
 この集落には66軒230人が住む。昔ながらの田んぼや畑を守り、迫間不動を守り、多賀の霊水を守ってきた。迫間川をはさみ点在する集落は関市の南に位置する。山あり、川あり、お不動さんがありと自然環境に恵まれた地区。その環境を最大限に生かした「トレイルランニング大会」が2017年から行われている。来年2月に行われるのが第4回となる。臼田さんが発起人であり、トレラン協会を立ち上げその代表をつとめる。
 若い頃は会社のサッカー部に所属し、休暇には山登り。実は北アルプスに近いところに移住しようかと密かに思っていたほどの山好きだった。それが、トレランを知ってすっかり魅了された。
 「次回は是が非でもキッズトレランをやりたいんだ。なんていうか、子ども達にはリアルな体験が本当に必要だと思うんだよね。今の子はさ、禁止事項が多くてさ、なかなかチャレンジできなんじゃないかなって思ってんの。危ないから、なんかあったら誰が責任を取るのか、とか、おとなも腰が引けてるよね。実は昨年ね、田原小学校の校長先生に頼まれて、3年生の児童の体験学習で迫間不動の山登りをさせたいから協力してもらえないかって、依頼があったんだよ。よっしゃ!チャンスやって思いましたね。そのためには、トレラン協会の会員に声をかけボランティアで付き添いをお願いしました。子ども55人に対して大人35人。落伍者が出ないよう、安全には万全を期しました。その時ね、一人の男の子が『怖い、歩くのやだーっ』って、ずっと泣いてたんだよね。自分はその時膝を痛めてたんだけど、ここは踏ん張りどころって思って、その子をずっとおんぶして登ったんです。いろんなことを話しながらね。途中の休憩ポイントで下ろそうとしたんだけど、それでも『やだーって』。そっか、まだ怖いのか、ならもうしばらくおんぶかなと覚悟を決めてたら、歩くと言い出した。そんでそこからは彼が先頭を歩いたんです。もちろんゆっくりとね。で、ゴールですよ。もういい顔してましたね。登っている最中はあんまり泣くのでもう帰そうか、と一瞬思ったけど、ここで帰したら彼には何にも残らないような気がしてね。どんなことがあっても、ゴールにつくことが大事って。それが達成感になると思ってましたから、彼の笑顔に救われましたよ」と豪快に笑う。
 熱い想いがズンと伝わってきた。損得勘定のない本気さが伝わってきた。今では、小学生も中学生も、臼田さんのあいさつにはちゃんとあいさつを返すという。来年の2月までは本業をあげてトレランの準備に余念がない臼田さん。キッズトレラン、実現まであと一息。臼田さん、頑張って!

2020年2月16日    

出発場所 ■大雲寺 岐阜県関市迫間1184 TEL0575-24-3354

ダブルコース44km/ロングコース22.2km:一般男子/女子(18歳以上)スタート8:30
キッズコース3km:小学生以下
スタート9:00
給水 4ヶ所(ロング)、1ヶ所(ショート)
サービス 受付地点にて、おにぎり、おしるこ、鍋など 【抽選会】あり
詳しくは ◆一般財団法人関市体育協会 TEL0575-23-8525

2020年2月 トレランのコース(ロング)  http://sportsentry.ne.jp





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