たのしみは
20数年前のことですが、人生を生きるたのしみを歌った幕末の歌人・橘曙覧(たちばなあけみ)の歌が流行ったことがありました。「たのしみは」ではじまる歌52首「独楽吟」は読むほうも幸せになる歌ばかりです。有名な歌をいくつかご紹介しましょう。「たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」や「たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭ならべて物を喰ふ時」「たのしみはまれに魚煮て児等皆がうましうましといひて喰ふ時」「たのしみは三人の児どもすくすくと大きくなれる姿みる時」「たのしみは機おりたてて新しきころもを縫て妻が着する時」・・・。世界には恵まれない人がまだまだいっぱいです。私たちにほんとうのしあわせとは何かということをそっと教えてくれているようです。
感謝と報恩と
私たちの先祖をさかのぼれば、10代前のご先祖様だけで2の10乗の「1024人」にもなります。すごい数ですね。さらに計算してみると、20代前だけで約105万人。50代前だけだと気の遠くなるようなものすごい数のご先祖様になります。この世は縁の重なり合い。すべてつながっているのですね。地球温暖化が心配ないま、そして、令和のはじまりのときに思うのは、先人に感謝しつつ、同時代の仲間(=周囲)と力をあわせて、未来の世代のための “贈り物づくり”に励まねばということ。どんなに小さなアクションでもいいので、それを重ねて、すてきな未来を築いていきましょう。
塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。
※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。