vol.189 半農半X vol.30

リベロ選手のように

 アフリカには「お年寄りが帰天するということは、図書館1軒が焼失するのと同じだ」ということわざがあるそうです。たくさんの知恵や経験、記憶をもつ地域の宝物である先輩世代の知恵を少しでも継承したいと思うようになった20代から、まずはみそづくりを教わったり、餅つきを復活したり・・・。今年は故郷・綾部にUターンして20年になります。そのころ、「この国 に脈々と伝わる先人知を継承されている特に昭和1桁以前の世代の知恵を受け継がないといけない」という言葉に出会いました。帰郷以来、先人の知の収集を心がけてきましたが、昭和1桁も少なくなり、急がないといけません。それでも継承がうまくなされていることもあり、宝物はいっぱい眠っています!バレーボールでいうリベロの選手の精神で、果敢に拾っていきましょう。

チャンス・チャレンジ・チェンジ!

 男を乗せた馬が疾走してこちらへやってきます。道行く人が、馬上の男に「どこへ行くんだい?」と尋ねました。男は困ったように「馬に聞いてくれ!」と言い残し、去っていきました。将来のことは会社の社長に、日本のことは総理に、家庭や子どもや健康のことは妻に聞いてくれ・・・。25年ほど前、このたとえ話に出会い、大変ショックを受けました。日本人の大半はこの男のようです。自分はどこに辿り着きたいのかというビジョンがないと、流されてしまいます。「人馬一体」という境地ならいいけれど、馬上の男にならないためにどうしたらいいのだろう。キーワードは「大好きなこと」かなって思います。大好きなことを活かして、社会の問題とかかわっていく。小さなチャレンジ(挑戦)はチェンジ(変化)を生む。それが積み重なると・・・。いまはそんなチャンス(好機)がいっぱいです。自分からどんどん仕掛けていくと楽しい時代。それが今です。

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。





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創刊:1987年
発行日:偶数月の第4月曜日
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