vol.189 ボーダーレス社会をめざして vol.48

NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

「一人暮らし」がんばってきます!

 2015年4月からアパートを借りて、一人暮らしの練習をしている障がいのある息子が「一人暮らし がんばってきます」と今朝、会社に出勤していきました。その言葉を聞き、「がんばって一人暮らしをしているんだ」と思いました。
 最初の頃は、嬉しいばかりでしたが、最近の様子は少し違います。家で何もしなくても朝・晩食事ができる。洗濯物も自分でしなくてもよく、楽であるということが身に染みて分かってきたのだと思います。しかし、誤解のないように書いておきますが、我が家で息子がお殿様状態になっている訳ではありません。時々、息子がお料理をしたり、洗濯をしたりしています。ある土曜日、餃子が大量にできていたことがあります。夕食の準備ができているなんて思いもしないで帰宅したので、驚きと嬉しさが爆発し大喜びをしたのを思い出します。「お母さん助かりますか?」「大助かりよ。」「おいしいですか?」「おいしいわ。」と会話が弾みました。本当においしかったのです。その後、グラタンやラザニアなど手の込んだ料理を作ってくれるようになりました。
 また洗濯も手伝ってくれます。洗濯機の終わりのブザーが鳴っても私がボーとしていると、待っていられないのか自分で干し出します。たたむのも気が向いたら上手にやってくれています。お風呂掃除も小学校5年生からズーとしていてくれます。家族の一員として、役割をしっかり果たしています。しかし、アパートに行くと一人で何もかもしなくてはならないため、緊張しているのでしょう。それが原因なのか?我が家に帰ってくるとよく寝ます。ほっとするのでしょうね。
 この4年間でいろいろなトラブルがありました。「トイレの電球が切れました」「アパートの玄関の鍵を閉め忘れたから(忘れていない。覚えていないだけです。)見てきて欲しい。」「食材がありません。」などなど細かなことで落ち着かない日が多々ありました。その時々、対応し我慢できるものは我慢するということを続けてきました。これはかなり難しいことではありましたが・・・。 生活をしてみないことには分からないことがいっぱいありました。一般の方であれば、臨機応変に対処出来るのでしょうが、息子はそんな訳にはいきません。経験することによって体が覚えていくのを待つしかありません。経験は何物にも勝ります。また、私にとってアパートに息子が行っている間は、息子との距離が取れる時間となり、リフレッシュできる貴重な時間になりました。素敵な贈り物をいただいた気分でいます。





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