簡略版自分史のススメ
いつか自分史を書いてみたい。そう思われる方もいらっしゃるかと思います。生まれてから今日までの長い人生を1冊にまとめることはなかなか大変なことです。生まれてからを順に書く方法もありますし、励んできた仕事を中心にまとめることもできます。簡単にできる方法として、おすすめしたいのが、自分はどんなキーワードで成り立っているか、AからZまでの26のキーワードでまとめる手法です。
短歌が趣味ならT(歌のUでも可)、山登りが好きならY(登山のTでもOK)、写真を撮るのが好きならSとなります(カメラのCでもよい)。座右の銘や本、影響を受けた人の名前や大事な場所(故郷など)も加えてください。
見本があればつくりやすいのではということで、私塩見直紀の26のキーワードと、それぞれに130字で説明文をつけた簡単なミニブックをつくってみました。現在、私は52才。今までの人生がコンパクトにまとまっていて、自分のことが8~9割、表現できていると思っています。みなさまもぜひチャレンジください。おすすめのワークです。
「村の目標(バッタリ―村憲章)」(岩手県久慈市)
この村は与えられた(① )を生かし、
この地に住むことに(② )を持ち、
ひとり(③ )何かをつくり、
(④ )の後を追い求めず、
(⑤ )の生活文化を(⑥ )の中から創造し、
集落の(⑦ )と(⑧ )の精神で、
(⑨ )を高めようとする村である。
過疎、高齢化等でこれからどうしたものかと
考えると、心細くなっていきます。とても心細いので、言葉が必要になり、村人がいまから30年ほど前に考えられたものだそうです。その後、この集落は注目を集めるようになり、生きざまがかっこいいと、若者がたくさん訪れるようになりました。筆者が担当する福知山公立大学の授業でこのことばを紹介すると、学生は同じように感じてくれるのです。世の中、捨てたものではないなと思います。
※空欄の答え=① 自然立地 ② 誇り ③ 芸 ④ 都会
⑤ 独自 ⑥ 伝統 ⑦ 共同
⑧ 和 ⑨ 生活
塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表
1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は翻訳されて、台湾、中国、韓国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。
※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題(どう生きるか)を背景と する。持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。ex.半農半漁、半農半大工、半農半看護師、半農半カフェ、 半農半絵描き、半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。