vol.187 ここいく日記 心の成長 さまざまな性


心の成長 さまざまな性

ある日「お母さんのいう普通が分からない」この長男の言葉にハッとしました。思い通りにならない長男の子育てに悩んでいた私は、「なんで普通にできないの?」と何度も彼に言っていました。私が求める普通は私の物差しで、ただ私が安心したいだけ。ずっとありのままの彼を否定していたことに気づいた瞬間でした。人のあり方は多様。家族のカタチも多様。「普通」も人それぞれ!性教育を重ね、自分自身の子育てが楽になっていきた体験を「いのちの授業」を通して多くの親子に届けていきたいと思っています。

性教育は人権教育で生き方を学ぶこと。ここいくでは体の成長と同じように心も成長することを伝えています。
思春期に向かう小学生高学年。なんだか、親や先生のいうことに苛立ち反抗的な態度をしてしまう人もいます。それは反抗期ではなく意思表明期!自分で考えてやろうとする時期。
みんなの心が成長している証拠であることを伝え大切にして欲しいメッセージを届けます。

瓶のフタを開け毎日それぞれに「ありがとう」「ばかやろう」と言った結果、「ばかやろう」と言われ続けたお米だけカビが生え真っ黒に!!

「言葉大切にしてる?うざ~きも~死ね~って言葉使っていない?」
「ありがとう」と「ばかやろう」の言葉をかけたお米の実験結果の話をすると、子どもたちの心が動いていることが分かります。いろいろな気持ちがあること、人それぞれ感じ方受け止め方が違う、だからこそ話あうことが大切。そんな人間関係のお話をすると、人と意見が違っていいことが分かりました。等の感想が届きます。

 

中高生にはパートナーとの関係を伝えます。セックスしたくなかったら断れる?コンドームつけてって言える?彼女が嫌といったらグッと我慢できる?ちゃんと自分の気持ちが言える対等な関係であること。これは夫婦でも、親子でも、職場でも同じで人間関係の基本。
安心・安全・信頼の関係は虐待やDVの中では保障されない。
そして様々な性があることを伝えます。
「この社会には男と女しかいない」「人は誰しも異性を好きになるもの」そんな考え方が普通と思っていませんか?世の中の「普通」に縛られず、自分らしく生きることが大切です。
性は誰もが等しく持つ人権の一つ。自分の性を決めるのは自分の権利。
LGBTから多様性を学びます。そして障がいも同じですが特別なことではないのです。人は誰もが多様であることを伝えた後の授業の感想を紹介します。

いろいろな性で 男の人が男の人を好きになる。女の人が女の人を好きになることは別によいということに納得しました。(小6 女子)

人を好きになること、ならないこと。どんな性別。子どもを産むこと、産まないこと。全部が人それぞれの自由で、自分で決めてよいことなのだと、はっきり言ってくれてよかった。性別は基本、男と女の二つだが、それに当てはまらない人だっていると思うし違和感を抱く人もいるだろうし、そのことを否定せず認めてくれる世の中になればよいと思った。(高校生 男子)

 

性教育で多様性を学ぶことは子どもたちの感想から見えてきますが、学習指導要領にLGBTは載っていません。だからこそ、丁寧に伝えていきたいと思っています。

※LGBT(L:レズビアン・女性同性愛者、G:ゲイ・男性同性愛者、B:バイセクシャル・両性愛者、T:トランスジェンダー・自認する性の不一致)それぞれの英語の頭文字からとったセクシャルマイノリティの総称。

 

担当:ここいくメンバー・古川明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)