vol.186 ボーダーレス社会をめざして vol.45

お金
障がいのある人たちは、社会でどのように暮らしているのでしょうか?小学校・中学校・高等学校は一般の方と同じです。が、人によって普通学級・特別支援学級・特別支援学校と学ぶ場所が違ってきます。その後社会に出る時には、一般就労・福祉就労の2つに別れます。一般就労とは企業や公的機関などに就職して、労働契約を結んで働くことです。一方、福祉就労とは、一般就労のような働き方が難しい方で、福祉サービス事業所等で働く形態をいいます。社会に出てから暮らしていくためには、お金が必要となります。障がいのある方たちがどのような状況に置かれているのかご存知でしょうか?障がいのある方は、収入がとても少ないのです。福祉就労している障がい者の収入源としては、福祉サービス事業所の給料と障害基礎年金があります。

平成28年度の福祉サービス事業所の工賃(なぜか給料の事を工賃と言います)の全国平均は、ひと月あたりA型事業所が70,720円、B型事業所が15,295円です(厚労省ホームページより)。A型事業所は、利用者と雇用契約を結んでいて最低賃金が出ます。B型事業所は比較的軽作業が多く、ひと月3,000円の事業所もあります。私の知り合いに障がい者の収入の話をしていた時に、「一日3,000円なの?」「いいえ、ひと月で3,000円なんですよ」とお話したことがあります。一般の方の想像をはるかにこえた金額なのです。それで今は賃金アップの対策が取られています。一般就労は、最低賃金以上支払われているのが普通ですが、最低賃金適用除外という制度があります。最低賃金を一律に適用してしまうと、逆に雇用の機会が狭まってしまうケースなど一般労働者よりも著しく労働能力が低い場合は、都道府県労働局長が認めたら、最低賃金以下になります。息子は最初の会社は、1時間250円くらいでした。最低賃金適用除外の申請が出されていたようです?幸いにも、現在の息子の会社は、理解ある良い会社で息子が幸せだなと思います。また、障害基礎年金と言うものがあり、ひと月1級81,177円、2級64,941円という年金が頂けます。これは自己申請なので申請しない限りはいただけません。一人で暮らしていくために必要な金額は、平均で163,665円(総務省単身世帯データより)というデータがあり、事業所の収入と障害基礎年金を合わせても地域で暮らしていくのには、たくさんのお金が不足になります。さて、どうすればいいのか?考えなくてはいけません。大きな大きな課題です。