自分を守る
私が「ここいく」の仲間となり授業に参加するようになり6ヶ月たちます。授業では、まだ伝えることに必死ですが、「ここいく」のメンバーは、まずはきよちゃん(私のことです)が楽しんで!と言ってくれます。そして、毎回子どもたちからたくさんのパワーをもらうこともできます。それが幸せな時間につながるのかなと思っています。
それまで、頑張らなきゃ認めてもらえない!と突っ走ってきた私に、「ここいく」の仲間は、無理をしなくていいんだよ、ありのままでいいよ、と温かく受け容れてくれました。優しい気持ちをたくさんもらうと、自分も優しい気持ちになれます。そうすると、自分のことも、みんなのことも大切にしたいな・・・と思えるようになりました。
そんな思いもあり、授業では「自分を大切にすることは自分を守ること」を大切に伝えています。
自分を守るためには、まず自分の体を知る、相手(異性)の体を知ることが大切です。授業では、男の子・女の子の体の仕組みや成長について、絵や模型を使ったり、または劇や紙芝居などで表現します。
感動体験が心を動かし、子どもたちはちょっとずつ声を出して応えだし、テンションも上がり、楽しい雰囲気になります。
小学生の高学年では精通や初潮について、いのちのもとを作ることができる大人の体になることの素晴らしさ、個人差があること、どう対応したらよいか、どんな注意がいるのかについてもお話しています。また、悩んでいても、なかなか人に聞きにくい勃起や生理痛などの話もします。体の仕組みを知ることで、感想文の中には、「自分は異常ではなかったんだ」、「誰でも起こるかもしれないんだ」、「個人差が大きいんだ」との意見も聞かれ、ちょっとホッとした気持ちが伝わってきます。知ることで、自分の体の成長を嬉しく思うことにつながってほしいな・・・と思っています。そして、お互いの体を知ることは、からかったり、不用意に指摘することも避けることができ、相手を思いやる心が生まれます。このように、自分の体、相手の体のことを知ることは自分と相手を尊重し、自分も相手も守ることの第一歩であると思っています。
子どもが狙われる性犯罪が多い中で、『プライベートゾーン』のお話をしています。プライベートゾーンとは「他人に見せたり触らせたりしてはいけない体の部位。自分だけの体の場所」なので、自分の体、プライベートゾーンは大切に守るべき場所であることを伝えます。
たとえお友だち同士であっても、そこに性的な意味がなくてもプライベートゾーンは触らせない、触ってはいけない場所だと話すことで、それが自分でも守るべき場所であることを自覚することにつながります。また、プライベートゾーンが大切な場所と知らせることに合わせて、きれいに保つ場所なんだということもお話をしています。
「もし、誰かが、プライベートゾーンを見せてって言ったり、見てって言ってきたらどうする?」と問いかけると、逃げる!助ってっていう!お母さんやお父さんに言う!と、大きな声で答えてくれる子どもたち。もし、思いつかなくても、お友だちの意見を聞くことで子どもたちはどうしたらよいかを学んでいます。自分を大切にするために、小さな勇気を持てるようになってほしいなと思っています。
プライベートゾーンについて、小さい頃は「大切な場所だよ」と伝えることで十分ですが、成長と共に望まない妊娠を避けること、性感染症の予防にもつながること、結果的に自分も相手も守ることを伝えます。
自分を守るための性教育だけではなく、幸せに生きるための性教育を届けています。
担当:ここいくメンバー・安田紀代子でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)