【Vol.166】ギフとつながる 半農半Xという生き方

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「人生の3大目的」

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『十牛図入門~「新しい自分」への道~』(幻冬舎新書)などの著書がある仏教学者・横山紘一氏によると、人生の三大目的は、「自己究明」「生死(しょうじ)解決」「他者救済」だそうです。若い世代の特徴のように言われる「自分探し」ですが、アリストテレスの時代からみんなそれは大きな課題だったのだと思います。自分を発見することは人生の三大目的の一つに入るくらいとっても大事なことなのですね。「他者救済」もその一つに入っていますが、これによって、自己も究明されることもあります。この宇宙とは意外とシンプルなつくりなのかもしれませんね。この三つの目的に向かって、どう生きるべきかを学んでいくと、社会的な問題も解決されていくと横山氏はいいます。「生死解決」とは難しいことばですが、ゆっくりこの意味も考えてみたいものです。人生の三大目的を解くヒントはきっと「感謝のこころ」だと思います。大変な時代ですが、これを忘れずに生きることできっと光は射してきます。希望の時代をそれぞれの地から育んでいきましょう。

「3つの質問」

ロシアの文豪トルストイの民話で皇帝が探していた3つの質問の話があります。皇帝が探していたのは、①「いちばん大事な時間はいつか?」、②「この世でいちばん大事な人は誰か?」、③「いま何をなすべきか?」の答えでした。世界中の賢者に尋ねても分からなかった皇帝はがっかりし、散歩に出ました。そのとき、井戸の水を汲む少女に出会い、皇帝はこの3つの問いを質問しました。娘はこう答えました。「いちばん大事な時は、いまこの時。いちばん大事な人は、いま自分の横にいる人。なすべきことは、自分の横にいる人に善行を行うこと」と。皇帝は大変よろこび、少女が持っていた重い井戸水を代わりに運びましたという話です。早速、自分の横にいる人のために善いことを行った皇帝。すてきですね。3つの答えをみんなが重ねていったらすてきな世界が広がりそうです。皇帝の話、岐阜で静かに広がっていくといいですね。
      まちづくり&自己探求 塩見直紀のエッセイより

 
塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表 1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コンセプトを提唱。半農半X本は中国語訳され、台湾、中国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。
※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題 持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。 ex.半農半漁、半農半大工、半農看護師、半農半カフェ 半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。