vol.181 ボーダーレス社会をめざして vol.40


NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子

安全基地

「お母さんは、私とKくん(孫)を何があっても守ってくれるよね。」と3年ほど前に娘が言ったことがあります。この時、あ~娘は私のことをすごく信頼していて、今まで家族が安全基地になってきていたのだなと確信しました。ちょっと嬉しかったです。家族が「安全基地」として機能しなくては、安心して子どもは育たない。子どもが子どもらしく育つのに必要なことは、安心・安全な環境の中で、いろいろな生活体験をし、自分の価値をつかむこととどこかで勉強しました。家族が「安全基地」ということは、子どもにとっても親にとっても安心してくつろげる場所であるということでしょう。障がいのある子どもがいると障がいへの対応で、どうしてもきょうだいより障がいのある子の気持ちを優先してしまいます。よく娘が「お兄ちゃんの方がかわいいんでしょ。」「私の言う事なんかちっとも聞いてもらえない。」「私が行きたいところへ一度も旅行に行ったことがない」などなど。障がいのある息子の方が、理解力が乏しく、彼の言う事を聞いていれば、波風が立たず穏やかな生活が送れたからです。今から思えば、ここには安全基地の危機がありました。また、我が家では、言ってはいけないことがあったり、手のかかる息子に時間が取られ娘へのスキンシップが少なくなっていたように思います。親としては精いっぱい向き合っているつもりでも、上のような言葉を言われていたのですから、娘にとっては愛情が不足していたのでしょう。また小学生の頃、スイミングスクールへ通っていた時は、お兄ちゃんの世話や他の子から守ったりなど、年齢不相応の責任や負担をかけていたかもしれません。スイミングスクール以外でも同様です。私の娘への躾けは、かなり厳しいとある人から指摘されたことがあります。かわいそうだって。それは、障がいのあるお兄ちゃんを持つきょうだいとして、この先、ズーっと生きていかなくてはいけないので、強くなってほしいという思いがあったからです。でも、そんなに厳しくはなかったと自分では思っているのですが、人の目にはそのように映ったのですね。娘にはいつも「愛情は、ハーフ&ハーフだ」と答えていましたが、本当のそうだったのかは疑わしいものです。今は、娘は小学校の先生をしているのですが、何年か前に、「隣のクラスに発達障害の子がいるんだけど、来年は私が受け持ちたいと校長先生に言ったわ。」と。次の年、本当にその子の担任になりました。障がいのある子の強い味方になってくれました。子どもから35,6年後に、自分がやってきたことの結果?を教えてもらうことがあるのです。親として子どもに信頼される行動をとり続け、今では心の安全基地でいられればいいなと思っています。





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