ボードゲームという文化
ボードゲームは運任せのものや、ちょっと大人っぽいゲーム、考えたり知識が問われるようなゲームとかいろんなタイプがあります。ボクが持っているのは、ほとんどがドイツのゲームです。さすが家庭を大事にするドイツだけあって夕飯の後にゲームをする家庭が多いんです。また「ドイツ年間ゲーム大賞」という名誉ある賞が設けられており、ゲーム製作者側にとっても文化として成り立っているのを感じます。
ゲームには対象年齢、所要時間、適正人数が書かれているんです。3歳児から遊べる簡単なゲームから、ゲーマー向けなものまで、本当に数多く存在します。どのゲームに共通して言えることは、簡単に言えばジレンマが効いてること。いろんな選択肢を悩んで、選択して、クリアしていく。その時の快感が飽きさせない要因だと思います。その魅力に惹かれ、気づいたら100個以上集めていました。
ボードゲームをより楽しむなら、たとえば、キャンプ。アウトドアでのひとときを卓を囲んでゲームをしながら過ごす。普段と違った環境はゲームが至極の楽しみとなります。
老若男女、家族や友人、初対面の人、いろんな人が入り交じって遊ぶのが特におもしろいですね。育った環境も違うし、年齢の振り幅が大きいのですが、そんなのまったく関係なく楽しめるのが魅力。初対面の人どうしも、ゲームが終わるころにはすっかり打ち解けて、体も心もほぐれていくんです。ボクの実感です。
ボードゲームが日本を変える!?
今のゲームってデジタルが多いでしょ。ボクもファミコン世代ですのでデジタルゲームを否定はしませんが、一人で遊べてしまうところに難点を感じます。公園の滑り台の上に座っている子たちが、互いにゲーム機を持ってなにやら対戦ゲームをしている。直ぐ隣の子の顔も見ずに、ですよ。言葉も交わさない、相手を見ない、ただゲーム機の画面に夢中で指をせわしなく動かすだけ。そんな光景をよく見かけます。デジタルゲームは子どもの成長に合わせて進化していきますが、アナログゲームはそこを求めてはいません。幼児とお母さんを対象にゲーム会を開いたときのことです。小学校入学前の子どもはなかなかじっとしておれず、ルール通り進められないことが多いんです。でも、ゲームを通して、木のおもちゃに触れること、サイコロを振るだけでも面白い。そこにコミュニケーションが生まることがわかりました。
今は家庭に人がいない。お父さんもお母さんも忙しくて家にいないから1人ゲームが流行るんでしょうね。これはいち家庭の問題じゃないですね。ボードゲームはルールはいたって単純なので、おじいさんやおばあさんがいるといっしょに遊べるのがいい。気分がほぐれるし、使う脳の場所がデジタルとは違うことも注目されています。ボードゲームが流行れば日本の環境が変わるんじゃないですか。
根本は人と人とのつながり
ボクは、ゲームをするのも好きなんですが、説明したり、ゲーム運びというか、ファシリテーター的な役割が好きなんです。なかでも特定の人をいじったり、上げ足を取ったりすると、ゲームが盛り上がるので、卓を囲んだなかでこの人ならいいかな、という人を無意識に選んでますね。それでみんながハッピーになれたらもっとうれしいです。
お正月になると家族が集まって、双六とか、福笑い、トランプとかやりませんでしたか?ボクもその時のみんなの笑い声、笑顔、共有した時間、おやつを食べながらゲームをする楽しさは、かけがえのない思い出となってます。
ボクは縁あって、郡上市の「まちやど」というゲストハウスでボードゲームをやらせてもらっていたところ、地元の友達やたまたま宿泊してた人などがゲームを通じてどんどん仲良くなっていくのが面白くて。それが講じて、ボーコン(ボードゲームコンパ)をまちやどオーナーとコラボ企画で定期的に開催しています。郡上八幡のカフェや飲食店にちゃぶ台とボードゲームを持参して、自己紹介なしでいきなりゲームを始めたりするんですが、ゲームで打ち解けてからの乾杯!なので、その後の食事会の会話も盛り上がります。景品もそのお店のチケットを用意し、お店との相乗効果も図っています。ゲーム会で商店街が賑やかなったらうれしいですね。
最近は郡上から飛び出して、美濃市のイタリア食堂「DONI DONI」さんからも声をかけて頂いて、不定期でボードゲーム交流会をやっています。コンパにしてもいいし、例えば、会社とか企業の先輩後輩でゲームをすると、その人となりがわかります。1つのゲームをやれば人とのつながりは強くなると思います。
楽しくゲームをする、その根本は一人一人を大事にしようという関係性というか、思いやりが大事です。人と人とのつながりが大事で、ゲームはあくまでもきっかけの1つですね。
自発的にコミュニケーション
ボードゲームは認知症予防になるんじゃない?というお話しもよくお聞きしてます。老人ホームに入っている人も様々ですが、ホームの入所者さんというとなんか受け身なイメージです。単純にゲームをするだけではなく、お互い教えったり、自分のお気に入りのゲームを披露するのもいいですよね。簡単なゲームを覚えて、人にうまく説明することも大事。いい脳トレになると思います。老人ホームに地域の子どもを呼んで交流するといいですね。その中に、ボードゲームコーナーがあったりして。
このワクワク感を広めたいんです
いくつかのゲームをご紹介します。たとえば、『タイムライン』という年表を構築していくようなゲーム。月面旅行は西暦何年?洗濯機が発明されたのは?などと書かれたカードを西暦順に並べていくゲーム。紀元前の出来事やものも出てきたりして、勘と知識の両方が必要になってきます。雑学的知識が役に立つのがおもしろいですし、ゲームをしながら、時の流れも感じます。このゲームは年齢の違う人とやるとさらにおもしろくなると思います。
『スピードカップ』は、5色のカップをカードに表示された順に並べ替える、という単純なゲーム。並べ終えたら素早くチーンとベルを鳴らす。これは速さを競うゲームです。
そもそもこういうボードゲームの存在を知らない人が多いと思います。ボードゲームと聞くと、人生ゲームやunoしか知らない人が多いと思うのですが、
もっと楽しい世界があることを、多くの人に知ってもらいたいですね。 (郡上市在住)
ボードゲーム・ファシリテーターとして活動中。ちゃぶ台担いでどこへでも繰り出します。
興味ある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
メール : chomoyamashita@gmail.com
instagram : chomoyama
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「タイムライン」
遊びながら歴史雑学に詳しくなれるカードゲーム。全220枚のカードには、歴史上の事件、発見、発明など様ーな出来事が記されており、これらのカードを年代順に正しく並べていく。楽しみながら歴史の知識も身につく、子どもから大人までエキサイティングにプレイできるゲーム。
「スティッキー」
ひとりずつ順番にサイコロを振り、示された色の木の棒を慎重に抜いて得点を競いましょう。バランスを崩して、木のリングが床についてしまったらゲーム終了。
「ゲーム・ワニに乗る?」
それぞれ動物7種類を1つずつ持ち、サイコロに従ってアクションを起こしたり、動物をワニに乗せていきます。バランスを崩して動物が落ちたら、その動物を引き取る。手持ちの動物が早く無くなった人が 勝ち!
「スピードカップス」
課題を解決しスピードを競います。「チン!」のベルが好評です。カップは横並びか縦に積み上げるかです。カードの課題をよく見て判断しましょう。絵につられて一瞬迷ってしまいますよ。よく見てくださいね。