ホソミイトトンボ(Aciagrion migratum)
イトトンボ科 ホソミイトトンボ属 に属します。名前の由来は、腹部が長いイトトンボ、細身のイトトンボという意味です。昆虫や植物の名はその色や形状から名づけられることが多いものです。
中型のイトトンボで体長は30~38m 越冬型と夏型がいます。秋に羽化する越冬型は、成虫で冬を越し翌年の春交尾し産卵します。写真のように連結しながら水没して水中の草の組織内に産卵することもあります。
日本特産種で沖縄県から新潟県まで生息しており、岐阜県の美濃地方ではよく見る事が出来ます。飛騨地方ではほとんど見られないようです。(参考 日本のトンボ)
200坪ほどの畑に農薬を散布しなくなって20数年の歳月が過ぎました。自家消費の野菜畑は殺虫剤だけでなく除草剤も使用していないのです。
5月の末の事です。アスパラガスとレタスの収穫をし、芽吹いた大豆の小苗を見ていた目の前を腹部が長い水色のきれいなイトトンボが横切ったのです。トンボは、畑に隣接する幅が30㎝足らずの小さな農業用水の方へ飛んでいきました。その用水は、子供の頃に小鮒やドジョウなどを捕らえて遊んだ小川でした。いつの頃から三面コンクリート構造の農業用水路と呼ばれるようになりました。今では、ドジョウも棲まない味気ない水路なのです。なんと、その水路の雑草の間を無数のイトトンボが飛び回っているのです。なかには、交尾をしているものもいます。よく見ると、体を水中に潜らせて、草の茎に産卵をしているものまでいます。この水路は、管理が行き届かなくなり底に泥が溜まり、自然を少し取り戻しつつあるのです。提案があります。このようなコンクリート水路に穴を開けて土の底にしてみてはどうでしょうか。それが、生き物であふれ、子供たちの声で賑わう小川を取り戻す一歩になるのかもしれません。
写真・三輪芳明(みわよしあき)プロフィール 1952年 関市生まれ。仲間と岐阜県では絶滅したと考えられていたコイ科の魚類ウシモツゴを発見、人工的な大量繁殖させ野生復帰に成功する。岐阜・美濃生態系研究会 二ホンミツバチ協会 日本チョウ類保全協会。
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名古屋市中区に美術研究所をスタートさせて半世紀、今年で53年目になる。1歳から92歳までと幅広い年齢層が通う。教室には画材はもちろんの事、さまざまな素材がびっしりと壁面にならぶ。ここに来る子どもたちは、それだけでわくわくしてしまうだろう。米山さんは、「表現は、技術より感情。いかに描いたかより、どんな気持で描いたかが重要。そこには必ず本人の気持が現れ、それが観る人のこころを動かす事に繋がる。障害のあるひともない人もそれは同じです」と語る。
障害のある人もない人も、一緒にワークショップをしているというこの研究所。それは、まさに私が目指していたことだった。実現するには幾つものハードルをクリアしないと、と思っていたが、米山さんは、「どんな子でもどんな人でも絵を描きます。落書きでも立派な絵です。もしそれが美術教室での事なら、一生懸命取り組んでいる時、集中して描いていたときに、的確にほめる。そのほめ方にひと工夫してください。いいねとか、うまいねとかじゃなく、その子が表現したものから、自分ならどんな連想をしたか、どんなイメージを抱いたかを伝えるんです。すると、中学年以上の子ならそのイメージを受け、さらに広げようとします。イメージが広がる事が大事です」。なるほど!さらに「思い込みは捨てる」とも。「たとえば、目の見えない子がどうやって絵を描くのか。まず本人は「描けない」と言います。でも、感じる事はできるでしょう。風、空気、太陽・・・サポートをしていた看護師は画材としてクレパスを用意しました。画用紙に描くと表面がザラザラします。そしてその子を河原に連れて行きました。川の音、きこえるよね。水の感触を一緒に感じます。その子が感じたままを描きはじめます。クレパスで描いたザラザラ感を手でなぞることで、表現を愉しむんです。」
やる気のない子にはどのようにうながしたらいいのか。
「まず本人の興味のある事を聞く。何が好きか、おもしろいか、問いかけをします。資料として、例えば図鑑とか用意しておくといいね」と。描きたくなる環境作りをしっかり準備することで、要求ばかりでは相手は逃げるばかりかも、と思った。確かにこの研究所には、いろんな物が棚にびっしり用意されている。どんなもの、どんな事柄に興味を持つか、可能性を広げるのはこちらの準備が欠かせないのだと実感。
「絵を描くという事はね、頭が良くなるんだよ」と、絵を描くために必要とする「知覚と精神性について」という資料を見せていただいた。
★何を描くか→思考力・創造性 ★いかに描くか→構成力・判断力 ★いかに表すか→表現力・精神性 ★デッサン→観察力・持続力 ★色彩→表現力/想像力 ★いかに描き進めるか→想像力・持続力 ★どの時点で完成させるか→決断力・判断力 ★全課程において→自主性・精神性・バランス感覚。描き始めから描き終わるまでに、こんなにたくさんの能力を使っているとのこと。楽しく絵が描けるだけでもすばらしいのに、自然にいろんな能力が身に付く「絵を描く事」をもっと日常に取り入れたいと思った。
研究室の午後からのクラスが始まった。風景画、生物画、町並みを描いたもの、仏像や、ペットの絵に米山さんがていねいに講評をしていく。名は体を表す、というが、絵もその人柄を表す。講評が終ると「あなたも絵を描いてみないか」と提案され、思い切ってチャレンジしてみた。6つの言葉(山、川、木、家、太陽、へび)をそれぞれ使って一枚の絵にする。むずかしい・・・。初めて手にするオイルパステル。言葉が頭の中でグルグル踊り始めた。迷わずに描いたのは太陽、次にヘビ、そこで手が止まってしまった。深呼吸をして、自分の絵を俯瞰して、再度描き始める。どうしても描けなかったものがひとつあり、思案しているうちに時間切れ・・・。絵と言えるかわからないものだったが、米山さんの講評を受ける。その絵を見て、「あなたが大切にしているもの」、「あなたの人間関係」、「あなたの夢やビジョン」、などを絵から読み解かれたことが、今の自分にぴたりと当てはまりびっくり。どんな気持ちで描いたか、やはり現れていたのだ。(三上)
よねやまいくお:プロフィール
日本表現派代表、グループ青焔・主宰。スペシャルオリンピックス日本・愛知副理事長。絵から心を読み解き、障がいのある人、不登校、自閉症、子育ての問題等をカウンセリング。アートセラピー等の活動を各種大学、小牧を始め日本各地、スリランカでも開催。
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海の日は、7月の第3月曜日に制定されている国民の祝日で、
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日」。
今から百数十年前の明治9年、時の明治天皇が大型の船で、青森、北海道を回り横浜に帰ってきました。その頃、船による移動に不安を感じていた一般の国民も、明治天皇が無事に帰ってきたのを知って、その安全性に信頼を置くようになりました。
その横浜港に帰ってきた日にちが7月20日で、その日を海の記念日としていたのです。
世界で6位の海洋国家
世界地図を見てわかる通り、日本より面積が広い国はたくさんあります。しかし、日本は海に囲まれ、さらに多くの島があります。そのため、日本の力が及ぶ海の範囲は広いものです。その範囲を難しい言葉で「排他的経済水域」と言いますが、その海の広さは世界で6位なのです。
このことは私たちの食生活と大いに関係があります。古くは大昔の縄文時代から、魚や貝をとって日本人は食料としてきました。今も、魚や貝を食べる量は世界でもトップクラスです。
もともとは治療目的だった海水浴
さて、皆さんにとって海の楽しみと言えば海水浴ですね。今年になってすでに行った人もいることでしょう。
この海水浴が始まったのは150年ほど前のこと。その頃のお医者さんたちが始めたとされています。しかも、楽しむためではなく、病気の治療のために入っていました。治療のための海水浴の本も発行されたほどです。やがて、海水浴場がどんどん増え、今のように暑い夏を快適に過ごす楽しみに海水浴も変わってきたのです。