vol.178 健康回復学

「書く」トレーニング
生きる意味、目的、夢を見つけるために書く

 夢や目的、そんなものはなくてもいいんじゃないの?ただ今を楽しむ、今の一瞬一瞬を充実して生きる。ゆっくりと呼吸し、ほほえみを浮かべ、自然と共に生きる。生きる意味、使命などとは関係なく生きた方がいいのでは?
目的がなくても今を大切に生きる。自然と解け合い、今日の糧だけ自然からいただき、質素に暮らすことができれば、心は穏やかでしょう。
しかし、多くの人は目的を持たずに生きていると、なぜか活力がなくなります。さまよっている感じになります。そうなると気づきます。夢や目的、人生の意味や意義—これこそ人間が発明した最高のエネルギー源だと。
「思い、考え方」が、感情も、行動も、健康も左右することを考えれば言葉という思考の素材にアプローチします。言葉を声に出したり、文字にしたりします。特に書くという行為は脳神経細胞に多大な影響を与えます。文字に込めたエネルギーは大きいのです。

まずノートを準備し、書きます。何を描こうか考えると書けなくなります。でも、何事も訓練、慣れです。最初は殴り書きでもいいです。ノートには最初に思いついたことをページの中心に書きます。言葉のスケッチです。池の真ん中に最初の言葉を投げて周りに波紋を拡げるように書き広げていきます。ミクロの世界では考えただけで変化しています。書いたらもっと変化します。思考の広がりを感じることができます。

1.まず子ども時代に楽しかったことを書き出します。
2.自分に起ったちいさな感動、ささやかだけど誰かに喜んでもらえたこと。
3.自分の長所を書いてみます。得意なことも書きます。
4.何をしているときが楽しいか書きます。どんなことが嫌いか、不愉快かも。
5.どんな人が尊敬できるか、好きか、リストを作ってみます。
6.他人にどう評価されたらうれしいか。
7.自分の価値観、言葉のクセ、考え方のクセについて書いてみる。
8.夢、希望、手に入れたいものをランダムに。
9.自分の人生のキャッチフレーズを考えてみる。変なたとえですが、お葬式の時に友人にどう言ってもらいたいのか・・・そんな言葉です。

 

「思考」トレーニング
より良い解釈ができるようになるために

考えることは人間にとってあたりまえのこと。
ところが、窮屈な考えをしてしまうとたちまち気分は悪くなります。考えることで次々と感情が生まれてくるのです。悪い考えは不快な感情を生み出します。良い考え方は穏やかな感情をつくります。

健康回復学では細胞もまた心を持ち、振動を発信し、脳も内臓も思考を司っていると考えます。頭でわかっていても、なぜかお腹あたりで納得していないことがあります。
これこそ内臓の細胞たちが脳の細胞たちと判断が食い違っていることを示唆していると思います。
生体は細胞間の情報ネットワークです。細胞には数億年の記憶が振動情報としてインストールされています。前世の記憶がメディアで話題になったりしますが、過去の記憶はチャンネルのあわせ方がわかれば、たまたま偶然引き出されることがあると考えます。

再び考えること そのメカニズムについて
考えることについてもっと意識してみます。朝起きてから夜寝るまで次々となにかが目の前で進行していきます。それらに必ず意味づけをしていきます。その意味づけをするとき、今までの体験、知識をたよりにしています。その時、短絡的に意味づけると怒りや悲しみや苦しみという感情が生まれます。わからないことがあり結論を出すには不十分だと判断すると、なんとなく不安は感じるものの、強いマイナスの感情にはなりません。

「思考が感情を生み出す」と言うことを確認しましょう。
落ち着いて次のことに思いを巡らせば感情のコントロールはできます。
1- 自分が知っていることには限界がある
2- 自分が信じていることも完全ではない
3- 相手が言葉使いを間違うこともある
4- 自分にはない考えが相手にはある
5- 立場で見方は変わる
6- 社会や家庭の価値観はみな異なる

人はみな基本的に自己中心的です。自分の利害を守ることを優先します。利害が守られるなら守られる理論を作ってしまいます。
それぞれ家庭の価値判断は違います。それが知らずしらずにその人の考えの基準になっています。ですから、他の人と憶測、想定が異なり、意味づけが異なるのは当然のこと。ですが、どれだけ相手を尊重できるか、より良い考えが見つけられるか、双方の未来に向けて考えられるかが問われます。
この意味で目的や夢が明確にあれば良い思考がしやすくなります。またこころに余裕をつくります。
私たちは日々、思考を修正、改善しながら生きています。良い思考はよい感情をつくります。良い感情は良い伝達物質、ホルモンを出し細胞、臓器の活動を適正にします。血圧、体温、呼吸、脈拍を正常に保ちます。
「良い思考」が「生きる意味づけ」が精神を活性化し病気を勝手に治していきます。これが健康回復のエッセンスです。

もし仮にひどいことが起こったときは?
① ひとまず深呼吸
② 思ったほどひどくないと言い聞かせる
③ 冷静に対処すれば必ず解決する、と考える
マザーグースに「この世の問題はみんな解決法が1つあるか、ないかだ。あるなら見つけ出せ。ないなら気にしないことだ」
④ 緊急でなければ判断を保留。明日になれば別の選択もできる。何か行動すればより的確な情報がやってくる

6つのエネルギーの充電

生きていればエネルギーは常に使われます。人間にとってエネルギーは大きく分けて6つあります。食、光、音、かおり、情報・智恵、友情・愛情です。

その中で今回は「音」にフォーカスしてみます。生物は音に敏感に反応します。音はすなわち振動ですから、細胞にもミトコンドリアにも原子にも影響を与えます。不快音が聞こえると血圧が高まり、心拍、呼吸が速まり、血中に脂肪が放出され血中のマグネシウム濃度が高くなります。心臓病等では不快音は患者の生死に影響します。
音楽は私たちの体に物理的な変化をもたらします。特定の音には心を鎮める作用があります。お経も教会音楽も治療の一環と言えます。除夜の鐘も生体に潜む悪い振動を追い出す働きがあることを昔の人は理解していました。お祭りや儀式に音楽は欠かせません。音の振動でこころを揺らし感動を増幅させるのです。それが心を軽くし、気晴らしともなるのです。
すべてが振動であり音楽だとすれば地球上の生命は石や土も含めすべて音楽を奏でているのかもしれません。私たちはその自然の音を聴いて、こころの調整を無意識に行っています。
宇宙は4ヘルツの振動でゆっくりと世界をおおっています。地球もまた8ヘルツ弱で私たちの地球上の生命にかすかな安らぎの音楽を奏でています。最近の研究者はこれらの低周波機器の開発と患者の実験から脳神経に対する効果を証明しています。
残念なことに、私たちの細胞の振動を調整してくれるこれら宇宙や地球の振動が、文明の人工物によってかき消されて届かなくなりつつあります。環境破壊はこのようにダイレクトに人間の健康に影響を与えています。いずれにしても音には健康回復の鍵が隠されていると思います。

免疫力が強くなる
『言葉の法則』

工藤清敏・著