NPO法人オープンハウスCAN 理事長 伊藤佐代子
究極の選択
今回はボーダレス社会を目指しての内容にならないのかもしれませんが、がんについて。2人に1人ががんになるという世の中になってしまいましたので、がんになった本人からのメッセージとしてお読みください。
胃がんの手術をしてから5年が経ちます。ステージⅡA。胃の下の部分幽門側を切除しました。ですから食べた物はダーと腸に直通です。早く食事をしたり、よく噛まないで飲み込むというようなことはしないよう気をつけなくてはなりません。間違ってそんなことをしてしまうと、激しい痛みを伴う下痢や嘔吐に悩まされます。こんなことは生きていれば大したことではありませんが。実は、私は抗がん剤を飲むことを途中でやめ、現在があります。抗がん剤「TS-1」という薬を2週間飲むことにしたのですが、まず、「TS-1」の薬について薬剤師さんから副作用の説明を受けました。
① 白血球の減少 ②貧血(ヘモグロビン減少) ③血小板減少 ④食欲不振 ⑤ 吐きけ ⑥下痢 ⑦口内炎 ⑧色素沈着 ⑨発疹 ⑩同質性肺炎 ⑪その他に注意する症状など、実際に症状が出る人、出ない人様々ですという内容でした。
私の周りには、祖母・父・叔母ががんになっています。叔母は乳がんだったのですが、「生き地獄だ」という言葉を私に残して逝きました。父は「今の抗がん剤やるくらいなら、死にたい」と私に懇願し、抗がん剤を止めた経緯があります。
そんな経験をしている私は、抗がん剤に対する恐怖は他の人より敏感だったためなのか、副作用が出ました!出ました!2週間飲んで、食べられない、口の中はただれる、指は真っ黒、便秘、白血球の減少、自力で立つことが難しくなってきました。点滴をしても力が出ない。座ったら起き上がれない。もう廃人になるなとその時思いました。死を目の前に感じ、死というものを真剣に考え、死を受け入れました。
予防のための薬で苦しむのは変。もしできるのであれば、2年間くらい普通に暮らしたいなと究極の選択をしました。抗がん剤を止めることをお医者さんに告げました。少しの論争はありましたが、自己責任ですからと話は打ち切りにしました。自分の人生は自分で決めなくてはいけません。止めてからどうしていくか、いろいろ本を読みあさり、その中で本当に私を救ってくれた本は「論より証拠のガン克服術」中山武著でした。
生存率97パーセントというがん患者さん達の集まりの話で、食事についてが一番参考になりました。今、元気でいられるのは、食べものに気をつけていること、私の心が、超プラス思考であったことでしょうか??
生きてるって楽しいです!