NY貧乏Nuseものがたり part -10
One Day
うちが勤務する病棟は一般外科とホスピスの両方がある。一般外科はスペイン語圏の患者さんがかなり多いんやけど、今日はめずらしくタイの患者さんのアドミッションがあった。電話で通訳サービス使って英語とタイ語で入院の受付をやったんやけど、タイ語ってかわいい〜 そして柔らかい。実はベトナム語の響きが音的にちょっと苦手で、タイ語もそんなかんじかなぁって思ってた。でも全然なじめるなぁって思った。
そして微笑みの国の人だけあって、やっぱり笑顔やった! 次の日もその患者さんの受け持ちやったけど、手術後2日目できっとまだまだ痛いのに、ものすごい素敵な笑顔であいさつしてくれた。 コックン カー タイの人達のあいさつってうちは好きやなぁ〜。 両手合わせて、笑顔で軽く会釈してて、なんだかいいなぁって思った。と思ってほのぼのしとったら、今度はエジプト人の患者さんがパニックで大暴れ!このエジプト人のおばちゃん、うちが入院の手続きしてる間は本当におだやかで、すんごい礼儀正しかった。 のに! ERから荷物が戻ってきて、カバンの中に自分の貴重品(特にグリーンカード・うちらにとって大切な永住権のカード)がないって、すんごい大暴れで、ベッドサイドのお水はまきちらすし、叫びまくるし、挙句の果てに病室から911で警察に通報して、隣の患者さんが She is crazy!!! と泣き出す始末で・・・しかもアラビア語ですっごい剣幕で怒ってるからこっちも何いってるも検討つけられん。夜中の1時ごろだったから、貴重品の部屋は開けられないらしく、本人にちゃんと預かってありますから、明日の朝になったらお渡ししますっていう説明も通じなくって、しばらくてんやわんやが続いた。患者さんの手元に貴重品が戻ってることを願う。。。
それと、週末はホスピス専門のナースプラクショナー(NP)がおらんから、研修医のトップのティーチングレジデント(TR)がホスピス患者を担当するんやけど、やっぱ難しい。
TRは普段”これからも生きていく人達”の治療にたずさわっているわけで、”これから死を迎える人たち”の治療は専門やない。
今日もホスピスの患者さんで、どんなに薬を投与しても、とにかく嘔吐がとまらなかった人がいた。きっと家族の人のほうが気が気でなくって、いろいろと要求してきたけどね。でも本人はきっとそんなに薬も必要としてなくってね、静かにしといてって感じやった。一回でいいから見に来てほしかったな、どんな様子なのか。でも、TRドクターは忙しくって実際にホスピスの患者さんを看にくることはめったにない。優先順位をつけると、結局ホスピスの患者さんは後回しになっちゃうから、今この先も生きていく人の治療と、死を迎える人ではどうしてもこの先も生きていく命を優先的にみていかんといかん…
だからこそ、一般外科やステップダウンとホスピスが一緒の病棟に存在すべきではないといつも思う。 だって、今まさに消え行く命も、この先も生きていく命も、同じ命であることにはかわりない。どちらも尊重されるべきで、どちらも同じくらい真剣に向き合うべきだと思う。 でも一緒にみなきゃいけなくなるとどうしてもプライオリティーをつけて、対応しないといかんもん。そしたらやっぱり難しいよね。どっちみち死にゆく患者さんやからってなりなくたいのに、できるだけ心地よい環境で、心地よい状態で、痛みや苦しみを出来る限りに軽減する…それがホスピスだと思う。
患者さんが望む場所で、望む形で最期を迎える。 それがホスピスの理想。家族も全てを受け入れないと実現しにくい…難しいな〜って今日 あらためて思った。
Other day
こっちでよく中国人?韓国人?とかチベット人?てきかれるけど、日本人っていうとみんなちょっと驚いたり、珍しがったりする。 でも大半がポジティブなリアクション。 へ〜日本人なんだ!って態度がよくなったり、表情がかわったりする。きっと人それぞれ日本についてや日本人についてのイメージがあってのことやろうけど、やっぱりちょっとうれしい。
そんな風に、いいイメージの多い日本。 だからこそ、過去にあったことも今おこっていることも含めて、 日本はいい国だよって言えるような、そんな国であってほしい。 もっともっとよくなれるよね。もっともっと大切なもの守れるよね。