VOL.149 ぎむきょーるーむ 「誰の責任?忘れ物」

持ち物・準備、低学年のうちは親がかかわった?

01YES
●小学校入学後、毎日配布さ
れる持ち物や準備品についてのプ
リントの多さに閉口していました。ふでばこの中身から、図工の資材まで、保護者宛にプリントが配られていましたので、おのずと親がかかわる時間割チェックでした。

1・2年のうちは親がチェックしないと忘れ物が多くなると思うし、親がやっているのを見て自分でできるように習慣づけてあげたほうがよい。実際、上の子2人は2年生までチェックしたが、それ以降はしていない。長女はあまり忘れ物をしないが、長男はときどきしている。自分(長男)の責任だと思っている。

NO
●自分の持ち物は自分で管理するのがあたりまえのことだと思っている。
実際には、忘れ物をしまくったし、きらいなこと、いやなこと(宿題など)はわざと忘れるというワザも使っていたようで、それはそれでいいのではないかと思う。親が用意を手伝えば、自分の忘れ物を親のせいにしてしまうと思う。

「申し訳ありませんが、息子の忘れ物はあきらめてください」と担任に頼みました。無理ですよ。私が息子の持ち物をいちいち調べるなんて、せいぜい2日が限度。それはもう息子の問題ではなく、私の問題です。継続しないことはやらない主義の私としては、担任にあきらめてもらうより方法がありませんモンネ。

こどもによる

しっかりした子にかかわる必要はないけれど、のんびりした子もいるので、ね。うちの場合は、口頭で指導して自分で準備させた後、こっそりチェックしていました。忘れていたい目にあわせよう、ともくろんだのですが、ちっとも痛さを感じないタイプなので先生に迷惑をかけるだけとわかり、やめました。クラス懇談会でもうちと同じグチをこぼしているお母さんが3?4人もいました。

こう指導しています

01たまには忘れたままでイヤな思いを味わうことも
基本的には、あたりまえですが、「必ず忘れる」というのを前提にとりくんでいます。学校では、覚えておかなきゃいけないことが、目まぐるしく生まれては消えていきます。ボクだってけっこう忘れるので、よく子どもたちにしかられています。
そこで、ボクがこどもたちに強調しているのは、「忘れたらどうするか?」を自分で考え、行動に移せということです。わかりやすくいうと、習字の用意を忘れちゃったなら、休み時間のうちに隣のクラスの人に借りておけということです。「忘れたことについては怒らないが、なんの対策もとらなかったことに対しては怒る!」と最初に宣言してあるので、忘れていてもボクにはわからないし、モノはちゃんと用意してあるので、精神衛生上とてもよいのです。
それから、準備するものによってそれぞれ心構えが異なる場合もあります。たとえば、図工では、ボンドや折り紙など、だれからでも借りられるものならば、まあなんとかなるでしょう。しかし、空き箱や流木など、オリジナリティが求められ、人のオコボレがあまり期待できないものになると、なにがなんでも自分が持ってくる以外ありません。まあ、忘れても、いつもなんとか用意できてしまうのではなく、たまには忘れたままでしっかりイヤな思いを味わうことも必要だと思います。
対策として子どもたちにすすめているものは、掌に油性ペンで書いておくことです。これは、ボク自身がやっていることで、どうしても忘れそうなことはいつも掌に書いてあります。それを見た子どもたちのなかには、「せんせぇ?、なにそれぇ??」なんてしつこく聞いてくるのもいるので、子どもにも読ませ、いっしょに覚えてもらうこともあります。
サッと書けて、いつも目につき、ちょうどいいころに消えてくれるので、メモとかよりも多用しています。
慣れてくると、それでも忘れてくる子には、「顔に書いとけば、うちに帰ったときだれか気づくだろ、オレが書いてやっか??」などと冗談まじりにオドしたりもします。
(いりくら・みつはる  入倉光春福島県の小学校教員)
こども・きょういく・
がっこうBOOK
おそい・はやい・ひくい・たかい  N0.9より抜粋





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