VOL.150 I’m Challenger スーパー保健師 永井杜椛(ナガイトモ)さん

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スーパー保健師 永井杜椛(ナガイトモ)さん

支援といっても、私たちがパワーを もらっていることの方が多いです。

01保健師という仕事

保健師はふつう、行政や企業、病院や学校などで働いています。そして私は保健師で起業した、全国的にも珍しい開業保健師です。 保健師の仕事は、人生の中のここの1点を支援する、というものではなくて、人生の総てが支援の対象なんです。 私は開業保健師として、まず、企業でバリバリ働いている方達の健康支援をしたいと思ったんです。20代から50代の健康的な生活の積み重ねが元気な老後を作ります。病気も早めの対処でひどくならずにすみます。健康でイキイキ働ける人を支える仕事をしたいと思いました。 働く人の、蓄積疲労やストレスは万病の元ですからね。そうすると、私の仕事もカウンセリング的な要素が高くなってきます。カウンセリングをしていると、その方の中でだんだん課題が見えてきます。その方が、「ここを解決したい」というところが出てきて、そこにちょっとだけコーチング的な要素で関われると、その方が早めに自分の人生を見直されたり、ということがあるので、コーチングの勉強もしました。  結局、答えは本人自身の中にあるものなので、そこをどこまで支援者として信じられるか、です。たとえば、痩身の相談で「この人こんなこと言ってるけど痩せっこないわ(笑)」なんて私が思っちゃったらその人は痩せないので、まずは「あなた絶対解決できるよね」と信じ切ることなんです。そして、その人が気づくための質問ができたり、その人が、「あ、こうしたいです。します!」と自分で決めてもらうことが大事なんだと思います。 「保健指導」とか「保健師の面談」っていうと「タバコはいけません、お酒はいけません」って感じで、マイナスイメージが強く「また怒られる」とか「わかっているんだけど、できないんだから」っていう方もいらっしゃいます。実はそうではなくって、その人が本当に「あ、変えてみよう」って思えるような支援ができるのが本当のプロだと思っています。

保健師になった動機は

私は6年前に、両親を共にがんで亡くしました。父が10月、母が翌年の1月に亡くなったんです。ず~っと一緒に入院していたのですが、父と母のがんになってから亡くなっていくまでのがんの捉え方の差がすごく大きかったんです。 父はいつまでも生きることにこだわって、前向きに最後の最後まで生き抜いた。父の生き方はすごく凝縮された、立派な最期でした。この人の娘で良かった~って思ったくらい。 一方、母は病気になったことを恨んで、悔やんで、「早く死にたい」と亡くなっていったんです。同じがんという病気で命を落とす時にこれだけ差があるんだ、ということをその時に知りました。身近な死が初めてだったこともあり、すごいショックで、「死」ってなんだろう、自分ががんになったらどうなんだろう、とか色々なことを当時は考えました。その時はすごく辛かったんですけど、二人は命を削って、娘に何かを学ばせてくれようとしていたのかなあって、後になってから思いました。

感動カフェ・ディアスをオープン

両親は「家に帰りたい」ってずっと言い続けていたんですが、実家の方には在宅医療とか往診してくださる先生とか、いなくって…結局、病院で亡くなりました。そんな経緯もあって私は、フリーの保健師として活動しながら、がん患者さんの支援をしたくて、一昨年前から、近くのレストランで月に1度のランチ会を始めました。回を重ねるうちに「毎日、話しがしたいなぁ、話を聞いてもらいたいなぁ」そういう声があがってきたんです。その頃、参加者の中にご主人ががん患者さんという方がいて、その方は、「ランチ会に来る時だけちょっとほっとできる。他はず?っと張り詰めているの」とおっしゃっていたのです。ご主人はとうとう昨年の12月に亡くなられたんですけど、その方が「私は、こういう分かち合いの場が毎日あるような喫茶店を本当にやりたいの。コーヒーの入れ方も実は勉強してあるんだ」って。じゃあ、一緒にやりましょう、ってことで、ここの実行委員会を作ることから始め、今年3月がんに関わるすべての人が交流し、支えあう常設サロンのある喫茶店「感動カフェ・ディアス」がオープンしました。

カフェ・ディアスは健康がテーマ

01今は、2人に1人ががんになる時代ですから、自分には関係ないわ、という方も、ちょっとだけ身近にがんのことを捉えてもらえるといいですね。そしてもし、自分や身近な大切な人ががんになったときには、「あそこにそういうことを相談できるカフェがあったよね」と、頭の片隅に入れておいてくれたらいいなぁ、と思っています。 ここに来る方は、いろんな人生を背負われてますが、これからもどういうふうに生きていくかをともに考えながらその方に寄り添えたらいいな、って思っています。もちろん、医療的な情報がほしい、という方のために、常に情報を集め、看護師経験も豊富な仲間のスタッフが常駐しています。さらにカフェ・ディアスは健康をテーマにした地域のコミュニティー・カフェとして、お年寄りや子育て中のママなども気軽におしゃべりして交流できる場にしていきたいと思っています。 健康って、人生を豊かに生きるための基盤だと思うんです。ここでは、がんの支援をはじめ、楽しくなったり、癒しになったりする講座もいろいろやっています。

支援というより寄り添うこと

がん患者さんとたくさん接してきて、教えてもらうことがいっぱいあります。がんと聞くと「がんになっちゃった」とか「がんがここにある」とか、すごく悪いものと捉えがちです。もちろん死もイメージしますし、無理もないんですけど。でも、がん細胞って自分の細胞がちょっと変化をしてしまっただけで、自分のものなんですよね。それをなんか敵視して、自分の体から全部取り去って全部やっつけて、ってあまりにもすることってなんか自分を痛めつけているような気が私はするんです。 同じがんという病気になっても、すごく辛そうな患者さんもいらっしゃれば、生き生きと生きていらっしゃる方もいる。接していくとやはり、いつまでもがんになったことを悔やんで、「がんはいけないものだ!」と捉えている方はずーっとお辛そうなんですが、「がんは自分のものだ」っていうふうに思われた方はその後も元気でいらっしゃることの方が多いんです。捉え方次第、ですね。がんになってからの人生も人によっていろいろで、いつも勉強させていただいています。 もしも、自分ががんになったときに、最初はあわてふためくかもしれないですが、でも、多分ここに来たら仲間がいて、がんの先輩がいる。そう思うと自分が安心できる。コミュニティーカフェでいろいろな方と接して、私自身、がんの捉え方も変わりました。仲間がいるということの安心感のために作ったのかな、と思う時もあります。自分がそうやって安心できるならきっとね、まわりの、地域の人やここを利用してくださる人も安心できるんじゃないかな。がんになっても、本当に元気になった人もいっぱいいるので、「がんに限らず、人生を共に最期まで生ききる」支援ができたらいいなあ、と思っています。

プロフィール

感動カフェ・ディアス

営業時間:9:00~17:00  定休日:日曜日 、月曜、祝日
駐車場:6台完備 岐阜市茜部寺屋敷3-251-1
TEL・FAX : 058-214-6717058-214-6717
http://kmyucafe-diaz.jimdo.com/

<定期イベント>
・「マーマレードの会」参加費1500円 女性限定がん経験者の会
療養生活の情報交換、 おしゃべり、自由な交流の場
・「発達障がい児を持つママのおしゃべり会」参加費500円
・「アロマ・ハーブの講座」 など。

 





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情報誌情報

創刊:1987年
発行日:偶数月の第4月曜日
発行部数:22,000部

配布地域

岐阜県各務原市、岐阜市、関市、可児市、大垣市
設置場所

幼稚園、図書館、児童館、郵便局、教育関係などの公共機関、 大手スーパー、スポンサー様の窓口