VOL.161 暮らし上手「食&医」「かくれ脱水症」

「かくれ脱水症」

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残暑を乗り切るために、夏バテ対策をしっかりしましょう!

 

夏の暑さが続くと、胃腸の調子が悪い、何となくカラダがだるい、 活力がわかないなど、カラダに変調を感じることがあります。

高温多湿が原因で起こる体調不良の総称が夏バテと呼ばれています。 残暑を乗り切るために、夏バテの原因を理解し、 夏バテ解消のための適切な予防や対策をおこないましょう。

日頃から心がけたい夏バテ予防法。

夏バテは、日常生活でのちょっとした工夫で予防できるものです。規則正しくバランスの取れた食事を摂り、疲れを取るための睡眠を重視するなど、正しい生活習慣があれば夏バテ知らずでいられることも、覚えておきましょう。

その夏バテは「かくれ脱水」では?

たとえば、夏になると夏バテになり、疲れやすくなったり、食欲が落ちたりする人もいます。でも、夏バテの背景には「かくれ脱水」が潜んでいるケースも考えられます。

発汗などで体液が減ったり、食欲が落ちたりして体液が減ると消化管への血流もダウン。おかげで消化吸収がスムーズに進まなくなり、栄養素が取れなくなり、疲れやすくなります。

そして消化器の血液量が減ると食欲も減退。食が細くなると、さらに栄養素が足りなくなりますし、食べ物から水分と電解質が摂れにくくなるので、体液が減って一層脱水症に近づくという悪循環に陥るのです。

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今年は、7月上旬から高温(多湿)の記録的な猛暑が続く夏となりました。自律神経アンバランスと胃腸力低下からの食欲不振→エネルギー不足状態が心配されます。このような状態では、猛暑日でない気温が30℃前後でも容易に熱中症になるので気を許さないでください。

夏バテは、いわば熱中症予備軍でもあります。夏が終わりに近づいても油断せず、脱水対策を心がけるなど、熱中症の予防対策を続けましょう。

「かくれ脱水」が起こりやすいのは?

脱水症は、炎天下の野外で激しい運動や労働をしたときだけに起こるものではありません。脱水症はさまざまな状況で起こり、その前触れとなる「かくれ脱水」はいつでもどこでも起こります。

なかでも注意したいのは、①屋内、②夜間、③運転中という3つのシチュエーションです。

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脱水症の多くは実は屋内で起こります。ことにマンションのように気密性の高い集合住宅では、風通しが悪くなり、かいた汗が蒸発しにくく、体温が下がりにくいため熱中症のリスクが上がるのです。

夜間も熱中症の危険度が高まります。 ことに暑い季節のコンクリート製の住宅では、昼間にコンクリートにこもった熱が夜間に放熱されるため、気温が上がりやすくなります。それなのに「夜トイレに起きたくないから」と水分摂取を控えると、発汗が増えて脱水症になりやすいのです。

運転中に熱中症になることもあります。運転に限らず、熱中症には「物事に“熱中”しすぎるとリスクが上がる」という側面があります。 物事に熱中しすぎると水分補給が疎かになりやすいからです。

さらに運転中はトイレに行く回数を減らすために水分を制限しがち。窓を閉め切ると風通しが悪くなって汗が蒸発しにくいため、体温も上がりやすくなります。

日本では脱水症のピークは年2回あります

脱水症や熱中症は「暑い季節に起こる」というイメージが強いのですが、四季で気候が大きく変化する日本では年2回のピークがあります。

第一のピークは春から夏にかけて。
暑くなって湿度が上がり、発汗で体液が失われて脱水症が起こります。湿度が高いとかいた汗が蒸発しにくくなり、体温が十分に下がらないため、熱中症が起こります。熱中症を伴う重たい脱水症は、梅雨のおわりにかけて増えてくる傾向があります。

第二のピークは秋から冬にかけて。
寒く乾燥してくると風邪、インフルエンザ、ノロウイルスなどが流行。これらの感染症から来る発熱、下痢、嘔吐などで体液が失われると脱水症になりやすいのです。

いずれのピークでも「かくれ脱水」を早期に見つけ、脱水症を起こさないことが大切です。

手軽にできる経口補水液

水1リットルに塩3g(小さじ1/2)と砂糖40g(大さじ4と1/2)を混ぜて溶かせばできあがり。さらにレモンやグレープフルーツの果汁を加えれば、味もそこそこ良くなるし水分代謝も促せます。

もっと簡単に作るには…100%ジュースに塩(3g)と水を混ぜて1リットルにしてください。

1. 効果的な飲み方を知っておこう

経口補水液は一気に飲むのではなく、点滴を受けるようにちびちびと飲みましょう。脱水状態になったからといって、あわててたくさん飲むと更に吐いてしまう場合もあります。

2. どのくらい飲めばいいのか

一般的には一日に500ml~1000mlをちびちびと飲みます。赤ちゃんの場合は1日50~100ml/kgの量を3~4時間かけて摂取してください。5kgの赤ちゃんなら250ml~500mlということです。 04

3. 特に子どもには経口補水液がいい

スポーツドリンクは特に子どもの脱水症状に適していないので経口補水液を使いましょう。ただし3ヶ月未満の赤ちゃんの場合はひとまず小児科に確認してください。

4. 味は不味い

経口補水液は間違いなく不味いです。しかし、脱水状態になっていたり喉がカラカラのときに飲むと意外とすんなり飲めます。子どもには上で紹介したようにジュースを使って作ってあげるといいかも。

(かくれ脱水Journalより)

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