VOL.161 暮らし上手「食& 医」「食が運命を変える」

「食」を変えると運命が変わる!

ƒvƒŠƒ“ƒgおいしく・たのしく・ありがたく

 

01体にいい自然食を、という選択の前に、最初の一歩としてなすべき事があります。一切の合成洗剤を使わないこと。

私たちは”愉快・快適・便利”な生活を求めた事によって私たちの住む環境を汚してきました。周りの水や空気を汚しておいて、自分の食べる物だけ有機・無農薬・無添加、そして健康になりたい。
これでは単なる我がままです。

私たちが具体的に動かなければ、具体的な答えは出ないんです。

今日から、ご自身の家にある合成洗剤は一切使わないでください。シャンプーもですよ。だって、太陽と空気と土と水がなきゃ私たちは生きていけないわけですから。

まずは自分から。私ひとりぐらい…じゃなくて、私1人が変わる事によって、例えばここに80人の人がいたとして、各務原でも80軒の人たちが合成洗剤を使わなくなっただけで、劇的に変わってきます。そして、その姿を子どもたちに見せることが、親の一番大切な教育なんですよ。

未来はどこから来るんでしょうか?

私は3.11以降、毎年福島の人たちに保養に来ていただいています。最初ここに来られた方たちは、よかったって、わーわー泣いていました。

私が「今回の地震も原発事故もみなさんの人生の予定通りです」て言ったら、怒るんですよ。「冗談じゃない、うちの子いつ死ぬかわかんないのに、甲状腺腫れているのに、鼻血が止まらないのに、予定通りだなんてそんなことよく言えますね。こんなところ来るんじゃなかったー!」って。

「じゃあ何のために来たんですか?」「何のために、何のために」って私ずーっと聞いてたら、最後にポロっと「幸せになりたいんです」って。そうなんですよ。私たちは幸せになるために生まれて来て、幸せを求めているんです。

「じゃあ、あなたはいつ幸せになりたいんですか?5年後ですか?20年後ですか?」その方は答えられないんです。

そして、その福島のお母さんたちは「今」不幸なんです。放射能が心配で、鼻血が止まらないし。「私は不幸、可哀想なのよ、だけど幸せになりたい」と言うんですが、なれません。

なんで幸せになれないんでしょう?みなさん、未来はどこから来るんですか?今、今、今の積み重ねでしょう。今幸せと思わない人は未来に幸せになれないんです。だからお母さんたちに言いました。

「じゃあ5分後にみなさんが幸せになれたら一年後も幸せになれますよね。5分後幸せになるためのトレーニングをしてみましょう」と。

今みなさんは東電が悪い、地震が悪い、放射能が悪い、原発が悪い、国が悪い、県が悪い、って言っていますよね。そしてあの人が悪い、この人が悪い、と恨みねたみ、そねみ憎しみを4分59秒間持って5分後に幸せかといったら絶対幸せじゃないですよね。

そのお母さんたちに「今日来た時に嬉しい!幸せ!って泣いていらっしゃいましたよねえ?そのことに4分59秒間フォーカスしてください。そしたら5分後は幸せですよね」。

その人の現状、立場、経験、全て同じなのに、どっちにフォーカスするかで未来は違うんですよ。だから今の幸せを数えるんですよ。今回の原発事故で日本全体が変わるチャンスなので、そこに未来を創りましょうって。

保養目的で「わら」に滞在して

ここで過ごしたお母さんから手紙をもらいました。

「出発する前はとにかく福島から遠いし、行った事もない町だし、すごく不安もありました。その上、野菜だけの食事、鶏の解体、持ち物は懐中電灯と長靴。一ヶ月も耐えられるかしら?特にうちの子どもは野菜が苦手なので行ってご迷惑にならないかしら。

ですが福島に帰ると、また絶対遊びに行きたいという思いに変わりました。震災以来、放射能さえなければ普通の生活が出来るのに、とやり場のない怒りや悲しみを感じて生活してきましたが、その普通の生活ってなんだろうとすごく考えさせられました。

食事は子どもが好きだからという理由でお肉や甘い物ばかりを食べさせたり、面倒くさいという理由でレトルト食品を使ったり、環境の事を全く考えずに洗剤やシャンプーを使ったり。

船越さんに言われました。放射能汚染と言う前に、環境汚染をしていなかったかい。その言葉にドキッとさせられました。

地震さえなかったら、放射能さえなかったらとネガティブに捉えていた出来事でしたが、それがなかったら岡山に行く事もなかった。「わら」での生活も知る事もなかった。

「わら」で出会った全ての人たちとも出会う事がなかったんだ、そう思うと、震災にあった事は自分の人生において大きな意味のある出来事だったんだと思います。」

震災にあった人でさえ、震災にあって良かったと言ってくれているんです。そこからみんなは前進して行ったんです。

みなさんがどこにフォーカスするかだけで、みなさんの人生は変わりますし、食べ物を変えると運命も変わる、それだけ。今ここ、それを生きるだけで大きく変わる。それが本当の自然食です。

で、そのお母さんたちに言った事は三つだけ。
「あらゆる出来事に偶然はない」。「絶妙のタイミング」。
「乗り越えられない事は絶対おこらない」。

いいですか、みなさんとっても辛い事がいっぱいあるはずです。でも、乗り越えられない事は絶対起らない。安心してください。

(文責・にらめっこ)

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船越 康弘 プロフィール

自然食料理人1956年、岡山県生まれ。
20歳の時、食養を世界に広めた故桜沢如一氏の思想に出会い、食べ物を変えると人生が変わることを実感。自然食を単なる健康志向ではなく、幸せと感謝の生き方に進化発展させる。岡山県の山奥で自然食の宿「百姓屋敷わら」でのイベントを軸に、全国でセミナー、講演会、料理教室などを行っている。 著書に「わらのお話」、「穀物菜食動物・人間」船越かおりとの共著に「野菜たっぷり重ね煮レシピ」、「わらのごはん」、「わらの料理」がある。 百姓屋敷わら http://wara.jp/

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