VOL.161 記者雑感 From気仙沼-(Vol.14)

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新たに建設中の仮設商店街。周囲は盛り土をしたままで建物はほとんどない(7月17日)

「配送業務 月給13万8千円~ 35歳以下」「水産加工員 月給12万3200円~ 年齢不問」。ハローワーク気仙沼求人NEWS(7月14日号)から写し取った。

どちらも正社員。重機が使えたり潜水士だったりと工事関係の資格を持っていれば30万円に届くが、そんな人はとっくにどこかで働いている。

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4年ぶりに復活したフカヒレ丼。大きいけれど個人的には…(6月6日)

ハローワーク気仙沼管内の有効求人倍率(4月)は1.8倍で、基幹産業の水産加工に限ると2.4倍。全然足りないのだ。持ち家があっても月12万円で一家は養えない。

「ちょっと安すぎませんか」とある水産加工業者に聞いたら、震災前より上げて、この金額だという。市内の水産関連6団体は従業員を確保しょうと、県外出身者が住める寮を作るよう市や国に要望しているが、進展はない。

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気仙沼漁港に大量に水揚げされたヨシキリザメ(6月4日)

3月末でがれき処理が終わり、日銭を稼げる現場は激減した。だから定職に就く人が増えそうなものだが、なぜか集まらない。事務職も接客も「急募」の張り紙が目立つ。「皆、どこで何してんだいね」。別の加工業の人も弱っていた。

かと思うと、雇う側に?がつくこともある。美濃加茂市で6月に閉鎖したコールセンターが、その一例だ。運営するDIOジャパンは震災後、東北5県に14のセンターを開いた。しかし7月までに7カ所を閉鎖か事業停止とし、3カ所を営業譲渡。4カ所が残るばかりだ。

気仙沼は今のところ1度の給料遅配で済んでいるが、市長は先行きをとても不安視している。漁業と加工が中心の港町で初めての業態、かつ被災者雇用に対する期待が高かっただけに、落差も大きい。

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本格再開した「海の市」。メバチマグロの解体ショーも(7月19日)

そんな中、順調に増えているのが船乗りだ。それも10代20代の若手が全国からやってくる。

震災前の2003年~09年の新規就労はゼロだったのに、12年から2年間で50人に達した。船員を募る宮城県北部船主協会の担当者が、漁師の仕事や陸での生活をブログに載せ、一人一人の疑問に丁寧に答えて人気を集めた。

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唐桑半島の漁港近くの岩場で遺体捜索をする気仙沼署員(6月11日)

ただ、担当者は絶対に「来て下さい」と言わない。「本当にやる気なら手伝います」という姿勢を貫く。

13カ月航海の遠洋船や35日周期で漁を続ける近海マグロはえ縄漁船の仕事は、体も精神的にも相当きつい。加えて、震災後の業界保護のため、水揚げにかかわらず経費を補償してきた国の制度が今年度で終わる。お願いして来てもらうのにふさわしくないのだ。

今年は更に、はえ縄船の主品目であるサメ漁が国際的な批判にさらされた。高く売れるヒレだけを切って残りは捨てる、という指摘だ。昔から肉をすり身、皮を工業製品の原料として扱ってきた市内の業者は激怒。しかし、嵐が収まるのを待つように、表だった反論を避けてやり過ごした。

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