VOL.162 記者雑感From気仙沼- Vol.15

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気仙沼市中心部の夏祭り。町内にできる災害公営住宅の入居予定者にも参加を呼びかけた。(8月9日)

気仙沼市中心部の貸し事務所で9月上旬、「企業内診断士、被災地での挑戦」という本の出版記念パーティーがあった。

富士通や三井物産など大手7社で別々に働く中小企業診断士有志が、昨年4月から市内3カ所の仮設商店街の飲食店を巡る「気仙沼バル」を開催。本はその経緯と問題点をまとめたものだった。

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今季のサンマ初水揚げ。鮮魚小売店には市民が行列を作った。(8月30日)

これまでに3回開かれたバルのことは知っていたが、催しに飽きていたので一度も覗かなかった。

が、パーティー前日に本を読み、当日、話を聞いて思い込みを恥じた。ITや飲食、マーケティングなど各界の診断士が強みを融合させたのも面白いが、普段はライバルの3商店街が手を組めば、という発想がいい。

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元の災害復旧のために任期途中で帰ることになった広島市からの応援職員2人。(9月5日)

著者の1人は「街おこしには若者、バカ者、よそ者が必要と言われる」と指摘。まとめ役の川居宗則さんは「よそ者だから3商店街をつなぐことができた」と話した。

パーティー会場の貸し事務所も、よそ者、かつ若者の杉浦恵一さんが8月に開いた。愛知県安城市出身の28歳。早くから東北にボランティアに入り、2011年6月に気仙沼市に住み着いた。

同年11月には月命日にろうそくで慰霊する「ともしびプロジェクト」を始め、他の様々な行事でも牽引役となった。

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気仙沼署は月命日の遺体捜索を続けている。この日も骨1本が見つかった。(9月11日)

しかしもはや震災から3年5カ月。「元気があれば役に立つと思っていたけれど、専門職や特殊な能力が必要な時期に来ている」。

そう考えて起業家のための事務所を作ることにした。
まずは都会から専門家を呼び込み、市内の人と関わってもらう。

その結果、地元に新たな仕事が生まれてこそ、本当の復興につながると信じている。ダーツ・バーだった被災物件を、友人・知人らの手を借り、数カ月かけて改装した。

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船内にたまった油混じりの水を処理する施設。3年半ぶりに復活した。(9月9日)

そうした動きに地元はどう応えているのか、今ひとつつかめない。

3商店街のうち、解体された第18共徳丸近くの「鹿折復幸マルシェ」は8月で閉鎖。
数百メートル離れた場所で「鹿折復幸マート」として9月以降、順次再開した。

しかしこれも仮設店舗。2年後には再び立ち退かなければならない。

漁港周辺の「南町紫市場」と「復興屋台村 気仙沼横丁」も近いうちに取り壊され、場合によっては鹿折と同じように別の場所で再度の仮設店舗入居を余儀なくされる。いずれも、一から街を作り直す区画整理という工事のためだ。先行きが不透明ななか、「街おこし」を考えている余裕はないのかもしれない。

が、これからも被災地と歩もうとするよそ者は、気づいている。地元がその気にならなければ、どうしようもないことを。

冒頭の本も「徐々に『気仙沼のヒトによるイベント』にシフトしていくべきと考えている」と提唱する。気仙沼に早く、バカ者が現れて欲しい。

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宮城県沿岸部を自転車で走る大会。気仙沼市中心部では今も建物の土台や津波で壊れたままの建物が残る。
(9月14日)

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