VOL.162 特別寄稿連載「半農半Xという生き方」塩見直紀

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「ともいき」

阪神大震災の翌年、1996年から始めた自給農も今年で19年目となります。田んぼでは昔ながらに縦横30センチ間隔で手植えをし、その後、手押しの除草機を2度走らせます。

しばらくすると、手での田の草取り。
今年も変な天気でしたが、それでもおかげさまで収穫のときを迎えさせていただきました。手刈りをし、稲架(いなき)での天日干しを
終えて、ほっとしています。

田の草取りは私の好きな時間の1つですが、やはり一番好きな時間は、貴い時間だなと思うのは、田に落ちた稲穂を拾う、「落ち穂拾い」の時間です。

一本残らず全部拾ってしまいたいところですが、鳥など地球の仲間のためにあえて残していきます。

先人のこうした哲学、思想は、「共生(ともいき)」の時代のいま、なんとかひろめていけたらなと思っています。

「手塩にかける、工夫する」

激動の変革期を生きている私たち。これからどう生き、どんな時代になったらいいのか。何を取り戻し、何を創造していったらいいのか。

そんなことを日々考えているのですが、美しい日本語のなかに、ヒントがたくさんあることに気づきました。これを日常に取り戻したらいいのではないかと思うのです。

気になることばをいくつかご紹介しましょう。
いま注目していることばに「手塩(てしお)にかける」や「ひと手間かける」ということばがあります。

これからの時代は「手料理」「手仕事」「手入れ」「手当て」など、「手」に関することを取り戻してみるのもいいのかもしれません。

「工夫する」ということばも再度、光を当てるべきことばだと思います。宮崎を観光地にした「宮崎観光の父」と呼ばれる岩切章太郎という方の自伝に『心配するな工夫せよ』という本があるそうです。

いまはいろいろ心配事がいっぱいの時代ですが、岩切翁のように、あれこれ手を動かし、歩きながらも考え、頭をひねり、あきらめないで
いろいろ工夫してみる。

先人は「工夫する力」をもっていました。私たちも「心配するな工夫せよ」の精神を忘れずにいれたらと思うのです。

まちづくり&自己探求 塩見直紀のエッセイ より

塩見直紀(しおみなおき)半農半X研究所代表

1965年、京都府綾部市生まれ。20年前から「半農半X(エックス=天職)」コ塔Zプトを提唱。半農半X本は中国語訳され、台湾、中国にもひろがる。著書に『半農半Xという生き方 実践編』など。

※半農半Xとは・・・半農は環境問題、半Xは天職問題
持続可能な農のある小さな暮らしをベースに、天与の才を社会に活かす生き方、暮らし方。
ex.半農半漁、半農半大工、半農看護師、半農半カフェ
半農半歌手、半農半鍼灸師、半農半カメラマンなどなど。

まちづくり&自己探求

綾部市社会福祉協議会に隔月でボランティアエッセイ掲載。
それを「にらめっこ」に連載します。

vol.162 特別寄稿連載「半農半Xという生き方」塩見直紀





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