自然エネルギーの問題点
最近、空き地や耕作放棄農地だったところがいつのまにかソーラーパネルがびっしり!そんな光景がやたら目につきます。電力自由化で、何がどう変わるのでしょうか?電気は私たちの生活になくてはならないもの。ですが、どうも過剰供給のような気もします。原発事故以来、代替えエネルギーとして自然エネルギーの普及政策が気になります。そこで、政策がどのような経緯で普及に拍車をかけているか、事実を元に講演活動をされている山田征さんにお話を伺いました。
発電の仕組み
電力会社は、出力調整しながら、多くもなく少なくもなく同時同量で電気を送り出しています。
安定電力である原子力発電も不安定電力である風力、太陽光も(発)電力調整が出来ない為、それが可能なバックアップ発電である火力発電の出力調整に
より需要と供給のバランスを保っているのです。
このことをきちんと押さえておく必要があります。
では本題の、自然エネルギーの問題点についてお話しします。
○太陽光発電・ソーラーパネルの問題点
パネル一枚一枚がとても危険だと言うこと。パネルの原材料は、鉛、カドミウム、ヒ素、セレン、水銀、六価クロム、パルルーム、アンニチモ、ペルル、銅、亜鉛、すず、モリブデン、インジューム、ガリウム、・・・とくに前半は歴史の中の公害病の原因となったものがほとんど。量の多少に関わらずヒ素は危険。そして、銅は硫黄と反応すると硫化銅に変化するそうです。日本中の活火山が動き出している今、噴煙や降灰には硫黄がまざっています。それと銅が反応すると、非常に危険です。また、パネルの後始末ができるのかどうか。リサイクルができるのかどうかを直接経済産業省に電話して聞きますと「まだ確立してません」とのことでした。そして、パネルを製造する過程で大量の電気を使います。雑木林が切られる、土砂崩れがおこる、海が汚れる・・・景観の問題、電磁波の問題、これはもう立派な環境破壊です。
○風力発電・風車
1本が1億円から6億円する高額な建造物。風車病、低周波の問題、騒音などでそこに住めなくなった人、逃げ惑って車であっちこっちに非難したりして・・・そういう人等がどんどん増えています。それから山を削っていくわけですから、風車建設が始まると、同時に海が濁っていく。山の伏流水が豊かな伏流水ではなく赤土の混じった水になってしまう。日本中いろんなところでそういう被害がでています。 人や鳥だけではなく鹿、猿、猪などの動物達も被害に遭います。
風力発電は気流の発生する所に設置されており、気流に乗って飛ぶ鳥たちはブレードにぶつかるのではなく、回る風車によって起きる乱気流に巻き込まれて落ちてしまいます。また、コウモリなどもブレードにぶつからなくても風圧で肺が破裂して死んでしまいます。
自然エネルギーにはそういう問題があることをまず知っておいてもらいたいと思います。
これらの自然エネルギーの開発は国策として動いているわけですが、巨大な利権が絡んでいます。企業、政治家、官僚・・・「経済発展」をキャッチコピーとして、ぐいぐいと推し進めています。メガソーラー発電施設(※1)を作って、草木が一本も生えていないのに緑地と認めるとか、いろいろな法案(※2)が閣議決定され法律になっています。
スマートグリット社会とは
もう一つ重要なことがあります。それはスマートグリッド社会へシフトされていくということです。その社会を構築するためにはスマートメーターが必要不可欠です。電気を発電する側と、使う側を中央のコントロールセンターで制御していく。今回、電気の自由化によって、他の電力会社を選ぶとなると、かならずスマートメーターがセットになっていきます。スマートメーターを全家屋に取り付けると、それを通して電気のコントロールもできるし、メーターを通して個人情報もつかめるわけです。
○スマートメーターの問題点
スマートメーターはマイクロ波(電磁放射線)で計測します。たとえて言いますと親子電話の親機と子機、その間にマイクロ波が飛んでいるわけです。その関係が家屋の外のスマートメーターと個々の家電製品の間でマイクロ波が飛び交います。これは電気を使う人すべてに関係のある問題です。そうでなくても電磁波の問題で、いろいろ具合の悪い人が年々増えていますが、そういう健康的な問題以前に、いろんな個人情報を全部握られてしまう、ということになります。
「原発から自然エネルギーへ」という流れを作ってきたのはもう20年も前からです。そのときどきの政権が着々と準備を進め、今に至っています。毎月私たちの預金口座から引き落とされる「太陽光発電促進附加金」がどこに入って何に使われるか、なぜ草木を残らず切り取ってパネル設置したところを緑地とするのか、私たちはいっさい知らされていません。結局知るべき情報、自分たちの生活や未来に影響のある情報が伝えられないまま、ひいては人々の将来に関わるようなことが知らない間に決まっている。それが現状です。
※2詳しくは本誌162号の特集記事を参照してください。時系列でまとめてあります。ご希望の方は、にらめっこ編集部までご連絡ください。
山田 征さんのお話を聞いたあとのシェアタイムでは、さまざまな意見があがりました。
◇先ずは、電気は足りている事。原発は必要ない。
◇原発も、風力や太陽光発電も同じ出力の火力が常にバックアップしていることを人々に知らせていく必要がある。
◇電力自由化は原発対策になるのか?
◇再生可能エネルギーが駄目だと言う事であれば、電力自由化を根本から見直さなければならなくなる。
◇電気を使わない生活を!
◇基本、電気は個々に生み出せない。自分で作れないものの生活から、自分で作り出せるものでの生活に戻していくべきでは。
◇ソーラーパネルが生み出す電気エネルギーより、ソーラーパネルを生み出す為のエネルギーの方が大きく、発電設備として破綻している。
◇岩手県葛巻では全ての電気を再生可能エネルギーから賄っており、そう言った取り組みが必要ではないか、という意見が出ましたが、東日本大震災の時は、まったく役に立たずに葛卷町もずっと停電していました。
◇その理由は、再生可能エネルギーは外部電力がないと成り立たないものであり、3.11により停電してしまい、それが証明されてしまった。(*一つに、風力の羽根はコンピュータ制御により動かしたり止めたりしている。)
◇レアメタル、レアアースの何が放射性物質で、何が再生可能エネルギーに使われているのか?
◇レアアースの鉱床には必ずトリウムという放射能が含まれている。レアアースとは17種類の元素を束ねて表記している。その一つひとつに特徴があり、その個性(回転をより速める、より光を強化する、より電気を通しやすくするなど)を活かして、さまざまなハイテク機器に使われている。どれがどの再生可能エネルギーに使われているかを一言では言えないが、3000kwの風力には2tのレアアースが使われる。ソーラーパネルでは障子の桟のように見えるところに使われている。ウラン鉱山からも産出しており、核産業とも直結、新たなる被曝を生んでいる。
◇環境、健康への影響が大きい。
質問・意見交換・感想の中から(小森)
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山田征さんはデータに基づいて「事実」を伝えてくださいました。知らぬ間に、国策として都合のいい法律を増やしていることに驚く。その事実を知ってどうするかは個人の問題ですが、私たちの生活や、子どもの将来、この国の行く道を、事実を知ったもの同士で、何とかよい方向へ向けなければと思う。(三)
山田 征(やまだ せい)プロフィール
1938年生まれ 東京三鷹市井口のヤドカリハウスを拠点に躍動中!◇同時多発テロをきっかけに毎月最終日曜、西東京の公民館にて隠された真実をテーマとした勉強会『菜の花の会』を主催◇フィリピン、スモーキーマウンテンの子どもたちへの支援など◇著書『山田さんのひとりNGO』『ただの主婦にできたこと』他