娘のお産から学んだこと
今年の2月に娘が里帰り出産!つまり、生まれるまでの約1か月半は妊婦が自宅にいるということ。これはチャンスと思い、1月2月の「いのちの授業」の参加を娘にお願いしたら、快く引き受けてくれて、ほぼ全ての授業で、赤ちゃんの心音を聞くことができました。
精子と卵子が出逢い受精卵となる。その受精卵が子宮の中で成長していくお話に赤ちゃんの心音がプラスの授業はラッキーです。(妊婦さんがいないと無理)助産師がドップラーをお腹にあてて、「赤ちゃんはどこかな?」と心臓を探している間、子ども達はシーンとして耳を澄ませます。そして、「ドクドクドク」と心音が聞こえると子ども達は心音に合わせて体を動かしリズムをとる。この反応は、約束しているわけではないのに、どこでも同じ。あ~生きている。ここに命が宿っている。そう感じた瞬間はとても感動し、保護者の方などは(親子参加の場合)泣いている人もいます。8回の授業に参加した娘は、多くの参加者から「出産頑張ってね」「元気な赤ちゃん産んでね」「今日はありがとう」と優しい声をかけていただき、その度に嬉しかったと喜んでいました。生まれる前から、赤ちゃんの力って凄いなと感じています。機会があれば、生まれた赤ちゃんとの触れ合い授業もやってみたいです。
「いのちの授業」で心音を聞かせてくれた孫は無事生まれました。ここいく代表の中村さんがマイ助産師で、本能のままに産む娘と生まれる赤ちゃんの邪魔をしないよう、寄り添い伴走してくれました。
私は娘のお産で様々なことを学びました。どんなお産をするか。その選択は自由です。でも、選択するための情報が誰にでも当たり前にあるわけではありません。麻酔分娩や自然分娩の特徴やリスクを丁寧に伝える情報より、食事やエステなどのサービスの情報が豊富な環境の中で産む場所を決める人が増えています。そして多くの女性が言われるまま受け身のお産をしています。
母と子と家族の尊厳を傷つける言動、決めつけ、おどし、必要の根拠ない検査、説明回避、説明・同意なき医療介入、放置などが、産科医療における暴力に値することすら知らずトラウマに傷ついている人がいます。
コミュニティが希薄になっている現在、出産・育児をめぐる知恵は家族や近所の人間関係の中で育むことができなくなっています。人が人を産み育てる教育を簡略化せず、安心と信頼、親になる力と希望を育む出産教育が必須です。ここいくの「いのちの授業」でも取り組んでいきたいです。
国は、2026年を目途に、分娩を保険適用にすることを検討しています。これまで日本は「出産は病気ではない」という理由で保険適用されてこなかった。その根幹が崩れるとどうなるのか心配です。
9月からはここいくの拠点「あいのね」は引越しをします。新たな場所で、「こころ」と「からだ」と「いのち」を考え学びあえる活動を充実させていきますので是非、遊びに来て下さい。
担当:ここいくメンバー 古川 明美でした。
ここいく☎090-3446-8061(中村)