vol.220 閑話休題


自然(じねん)自ずから然るべき
自然と人間を区別せず両者が一体となる世界

先日、恵那にある“庭文庫”で開かれた「自然の哲学」(じねんのてつがく)というお話会に参加した。そこで、ファシリテーターの高野氏(名古屋大学大学院環境学研究科教授・博士)の元、参加者全員が自己紹介をして対話が始まった。

まず初めに最低限の約束事を示された。・否定しない・人の話を聞く・話に割り込まない・話をまとめない・異論にしっかりと耳を傾け、その真意を推し量る。
そこでは主題を限定しない。 自己紹介で様々な問題定義があり、常に参加者達に思考することを投げかけてくる。今回の参加者は12名。職業も年齢も様々で話題は多岐にわたり、とてもフラットな人間関係がそこにはあった。
 話題は、半農半X、ゲーム、起業、有機農業、再生エネルギーなどなど。特にゲームの話題で盛り上がったのには訳があった。リアルとメタバース(仮想世界でコミニュケーションに重点を置く)の一件。地元でフリーペーパーを発行している方が、実はネーミングはゲームから発想した、というくだりに全員がびっくりしたから。リアルな今回のようなコミュニティーに対して、メタバースが根底にあるコミュニティー。いずれも「居場所」。時代の変化についていけてない自分がいた。これを単なるジェネレーションギャップと捉えるのか、新たな視点の気づきと捉えるのか。今までゲームをあまり肯定的にみていなかった自分を俯瞰して改めてゲームを考えてみた。ここでいうゲームはネットゲームのこと。課金の問題は付いて回るが、何よりそこにあるコミュニティーはとてもフラットな人間関係で、すごく居心地がいいらしい。

「思考の現場」 で 交わされる対話は独自性を含み、フラットな対人関係を築いていく。 自分の意見をわかりやすく伝えるのは、とても難しい。 内に秘めた感情や信念を、参加者たちの前で語ることは、あらかじめ頭を整理しておかないとうまく伝わらない。が、最初に用意された模造紙にファシリテーターが素早く文字に起こすことで、発言が共有されていくことを確認できた。

参加者全員がそれまでの議論を振り返り、順に感想を述べて、終了。なごやかにかつ建設的な議論ができた。議論というより対話かな。 どの世代の参加者もそれぞれの目的(話すこと)を達成し、同時に想定以上の喜びを得て帰っていくように感じ、また自分も参加前と、その後の自分の変化を感じながら帰路についた。           (み)