発汗による解毒
汗の分析は、ヒトにおける BPAの生体蓄積をモニタリングするための方法の一つとして考慮される必要があります。誘発された発汗は、BPAを除去する潜在的な方法のようです。BPAが体外に排出される主な経緯の一つが汗によるものだということが明らかになっており、サウナや運動で発汗することがBPA,PFASのみならず、他の有害な化学物質の除去を促進することが研究で明らかになっています。
誘発された発汗は、DEHFやMEHPなどの有毒な「フタル酸エステル化合物」の除去を促進するのに役に立つ可能性があり、汗から容易に特定される(おそらく組織に蓄積されているのでしょう)いくつかの有毒成分は、血清中には検出されなかった。誘発された発汗は、人体から多くの有毒要素を除去するための潜在的な方法であると考えられます。
「アブラナ科の野菜」による解毒
キャベツ、カリフラワー、特にブロッコリースプラウトのようなアブラナ科の野菜には、植物が本来、捕食者や病原体から身を守るための化合物である、ファイトケミカルの一つ、「スルフォラファン」が含まれています。スルフォラファンは、体の解毒力や抗酸化力を高める作用があり、がん予防にも効果的だということが、研究で報告されています。このスルフォラファンを含むものを摂取すると、私たちの体は「第2相薬物代謝酵素」として知られるものを放出し、 BPAや PFAS、その他の有毒な脂溶性化学物質(油に溶ける性質を持つ物質)を水溶性(水に溶ける性質)に変え、体がそれらを除去しやすくすることがわかっています。
腸内には、マイクロバイオームという細菌叢が存在します。肝臓の周り、そこから出ている総胆管にもマイクロバイオームがあり、肝臓から毒素を押し出しています。そこで野菜を使い、そこに存在するこれらの善玉菌に餌を与える必要があり、「アブラナ科の野菜」が有効です。これらは、肝臓の解毒を促進する素晴らしい効果があります。
発酵食品の解毒作用
近年の研究では、発酵食品には、BPAを分解して除去できる特別な細菌株が含まれていることが示されています。日本で行われた研究ではブレエベというビフィズス菌と、乳酸菌シロタ株の2種類の菌はBPAが腸内で吸収されるのを防ぎ、体内から排出するのに役立つものとして期待されています。また、2007年の日本、2013年のインド、2023年に韓国で行われた研究等でも、キムチ、大豆等(納豆)の発酵食品に含まれる細菌が、BPAをより無害な物質に分解することがわかりました。
腸内の微生物は、毒を分解する酵素を作り、解毒を助けます。オススメは、善玉菌とアブラナ科の野菜を組み合わせることです。例えばキャベツのような食物繊維のプレバイオティクスを発酵させます。キャベツはアブラナ科であるだけでなく、
発酵させると善玉菌にもなるため、解毒に役立つ
素晴らしい食品となります。
ファスティング、断食による解毒
化学物質の多くは、体内に多くのフリーラジカル損傷を引き起こします。それに対抗するため、私たちの体は「内因性抗酸化物質」と呼ばれる抗酸化物質を生成。特に断食すると、体がオートファジーの状態になり、体の損傷の修復のほか、病原体の除去も促進されます。断食は内因性の抗酸化ネットワークを増やすのにも役立ち、抗酸化物質がより多く生成され、免疫システムがより強力に。結果的に、体がフリーラジカルによるダメージに抵抗できるようになります。
大抵の環境毒は油に溶ける性質で、厄介な場合は脂肪の中に蓄えられます。その脂肪に蓄えられた毒を、最も効果的に解毒する方法の一つは食事を一時的に止めること、つまり断食です。食事を消化するのには、膨大なエネルギーが必要です。そこで、食べるのをやめると、体が一番助けが必要な場所を探して、そこにエネルギーを費やし始めるのです。ただその前に、まずその場所をきれいにして掃除しておく必要があります。それは、断食中にあなたの体が行なっていることで、解毒、デトックスがしばしばクレンズ(浄化)と呼ばれる理由なのです。
今回は摂取してしまったPFASやBPAを解毒する、有力な方法をリサーチしました。しかし、まずこれらの有害物質を極力避けるよう、食生活や生活態度を改めることが第一歩。摂取されたものに対しては、これらの手段が有効のようです。また、前述の野菜や、発酵食品を選ぶ際も、農薬、化学肥料、化学調味料、ある種の添加物などは、それ自体が毒素であり、そもそも解毒を行う肝臓、腸などの環境を悪化させるため、できるだけこれらのものを使用していない食品を選ぶ必要があります。
自分でオーガニック、有機野菜を買ってきて自然塩などで漬物を漬けるのも良いかもしれませんね。
※「マイクロバイオーム」とは、多様な微生物が集まったコミュニティのこと。 土壌や水中にはそれぞれの環境に応じたマイクロバイオームがあり、人体にも、口の中や皮膚、腸内、女性の膣内にもマイクロバイオームが形成されています。 その中で、特に近年注目されているのが腸内のマイクロバイオーム、いわゆる腸内細菌叢です。
岡山県吉備中央町
関係住民への血液検査 公費で実施
岡山県吉備中央町の円城浄水場から有害な有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題で、町は22日、基本的な健康対策を発表した。関係住民への血液検査や継続的な健康調査を行うとしている。
町賀陽庁舎で記者会見した山本雅則町長によると、PFASの血中濃度を調べる血液検査の対象は、浄水場の水を使用した円城地区約500世帯の希望者。町が水道水の安全を確保した昨年11月までの約15年間に居住・勤務した人も含む。費用は町が負担する。
外部委は「血中濃度の医療的な低減策が確立されておらず、かえって不安が増す恐れがある」として血液検査を推奨していないが、山本町長は定期検査により「濃度の低下が確認できれば安心につながる」とし、検査機関の選定や希望者の募集を急ぐ考えを示した。
山本町長は「住民の皆さんには心配をかけている。今回の方針や対策を広く周知し、不安があれば相談してもらい、一緒に解消していきたい」と述べた。
(2024年03月22日 21時16分 更新)山陽新聞デジタル
広島県東広島市
「PFAS」検出受け住民の健康診断実施
東広島市の川や水路で有機フッ素化合物(PFAS)のうち有害性が指摘される物質が国の暫定目標値を超えて相次いで検出されている問題を受けて、東広島市は23日、地域住民を対象に健康診断を行いました。
東広島市では、市内を流れる川や水路、それに井戸から「PFAS」のうち有害性が指摘される2つの物質が国の暫定目標値を超えて相次いで検出されています。このため、暫定目標値を超えている地域の住民を対象に健康診断を行うことにしていて、会場の集会所におよそ40人の住民が訪れました。
東広島市医療保健課の吉岡志保課長は「この問題で地域の人には健康面で不安を持っていて、市として寄り添うために実施した。受診した人には検診の結果を返しながらこの問題について話していきたい」と話していました。
市では、23日に受診できなかった人に向けて、4月以降も健康診断を行うことにしています。 NHKニュース